2008年7月3日木曜日

トリシェ総裁とポールソン長官の間に

今日は注目の6月のADP全米雇用報告。(注目に値しないという声も大きいですが、、、)

民間部門雇用者数は市場予想が▲2万人のところ、▲7万9000人減少。減少幅は2002年11月以降で最大ということですから、明日の雇用統計も波乱の予想?!とか思って見ていたのですが、それにしてはドル売りが続かないという印象。
まあ、あまり材料視されていないということなのかもしれません。

そして不穏な動きのユーロ。
なんだかイヤな予感がしてユーロショートを昨日手仕舞ったのですが、ユーロはまた1.60を目指して上昇してきました。直近レンジの高値1.5850は明確に上抜けてきました。1.60で頭を叩かれるにしても、叩かれるまでこの上昇は継続しそうです。叩かれてもそれをこなして未踏の領域に踏み入れる可能性だってないわけじゃありません。

昨日ECBトリシェ総裁と会談したポールソ氏は「ドルとユーロとその他の通貨の話をした」とのコメントのみで、これでは一体何の話があったのかさっぱり解らないわよ、と思っていたのですが、今日になってヘラルドトリビューン紙とのインタビューで、為替をめぐるFRBとECBの相違についてのコメントを拒否した、と伝わってきました。あまり内容がメディア向けに明らかにされないのはひょっとすると利上げを目指すトリシェ総裁とポールソン氏の間の溝が深まった?!という警戒の声もあるようですので、これが本当にそうならば、明日のECB理事会もそうですが、今後の両者の講演での発言内容はさらに注目となります。アメリカと欧州の間に溝があるということになると 、このところ関係者の間で噂されているブラックマンデー再来か?との指摘にリアリティが増してくるように思うのです。

今日はポールソン氏「第2四半期が原油価格の高騰で難しくなることは間違いない」とか「欧州経済の低迷は米国に影響を与えている」などと発言したと伝わってきていますが、欧州経済の低迷がアメリカに影響?それ、そもそも誰のせいなのよ?と激しく突っ込みのひとつでも入れたくなる物言いです。前後の文脈がないのでどういう意図で発言されたのかがよく解らないのですが、こうした言い方ひとつとってもどうもトリシェ総裁との会談がしっくりいかなかったのでは?と邪推。

まだ為替市場に大きな転換は訪れておりませんが、株式市場はもう先行して動いているということなのでしょうか。
日経平均は10日連続下落。昭和40年の証券不況以来だとか。ダウ平均も今またマイナス圏に突入しています。原油は小幅上昇の142ドル原油価格が下げるなどということはもう無いのかもしれないと半ば諦めのムードも漂い始めていますが、このまま物価が上がるとなると景気の後退は避けられず、世界の一部の金持ちだけがより金持ちとなり、そうでないその他大勢から搾り取るだけ搾り取る。資本主義経済の末期的症状にも思えてきました、、、、。おっと話がそれる。

というわけで、ユーロドルはこのまま史上最高値を更新するとみて、ユーロドルをロングしました。コスト1.5860、、、また凄いところで(笑)リスクがかなり大きいポジションですので、1.5820くらいを割り込んだら切りましょう。ここからもう押さずに一気に上抜けのイメージですので、下がったら見通しと違うということになりますので。

明日は木曜ですが、雇用統計です。お忘れなきよう、、、、おやすみなさい。