2010年2月23日火曜日

マッタリ公定歩合引き上げを考察

先週はEU財務相会議があったりIMFが金売却を発表したり
FRBが公定歩合引き上げたりとめまぐるしい週でしたが、
週明けの今日月曜はなんだかマッタリしてますねー。
先週のドル買いに若干利食いが入っている程度の地味な動きですので
今日は公定歩合引き上げについて整理しておこうと思います。

公定歩合は米国の12の地区連銀が金融機関にお金を貸し出す際の金利。
FF金利は短期金利、つまり銀行間で資金繰り調整を行う際の指標金利。

通常、公定歩合はFF金利より1%から1.5%高い水準に設定されていますが、
今回の金融危機で公定歩合が0.5%FF金利が0.25%と
その差がわずか0.25%に縮小していました。
これは流動性を供給する緊急措置。
銀行に資金がなければ市場に資金が流れません。
確かに銀行はこれで資金を調達して急場を凌ぎましたが、
その銀行から市場にお金が流れない。これじゃあ、意味がないよね?!
銀行への流動性供給という目的は達成できているし、
もうこの緊急避難的措置はいらないということで、
公定歩合を0.75%に引き上げたということでしょうか。

このこと自体は金融引き締めというわけではありません。
そうであるならもっとNYダウなんかは下がってもよかった。
ところが、翌日のNY株式はプラスで引けたんですよね。
そして今日22日の東京、日経平均は今年最大の上昇幅。3%近くあげました。
米金融当局者からは公定歩合の引き上げは資金供給手段の正常化であり、
金融引き締めの開始を意味するものではない、
とする趣旨の発言が繰り返されています。
あくまでFFレートに着手しない限りは金融緩和策継続という認識?

ということで、これが発表された瞬間市場には大きなショックが走ったものの、
すでに「公定歩合引き上げでもFF金利の早期利上げにつながるものではない」
という見方が急速に広がっているように見えます。
少なくとも株や商品は買い直されてきています。
ドルに関して昨年11月事からドル高トレンドに入っていますし、
ドル円は短期的に2/4からドル買いが入っていますので、
決してこれが影響しているという感じでもないですよね。

でも、本当にFF金利にの引き上げが早期にはないと楽観していていいの?
やはりこれをきっかけにドル買いトレンドが明白となったと見るのはおかしい?
実際に上げるか否かより、市場のテーマとしてよりリアルになったということでしょ?
だから意外にドルはまだまだ強いような気がしています。
今年はドル買い(これまでの巻き戻し)がテーマになるとか?
ということはユーロドルはまだまだ弱いってことになるけど、
それは別段不思議はない見方ですよね。
ただ、ドル円がこのまま95円超えて100円目指すというとまだまだ
懐疑的な見方のほうが多いでしょうけれど。。。。

強い論調で今回の公定歩合の引き上げに疑問を呈しているのが
三井住友銀行の宇野大介さん。
FRBは「日本銀行による2000年のゼロ金利解除に何も学ばず、
歴史的な過ちを繰り返す恐れが強まった」
~FRBの政策変更を起点に日米欧で時期尚早の市場金利上昇が起こり、
経済・金融見通しの悪化から米国で株式・債券・ドルの「トリプル安」が起きる可能性がある。
今回の公定歩合引き上げ後も、為替相場予想を「変える必要はない」と強調。
ドル反発は長続きせず、今年末には1=65-70円まで円高・ドル安が進むと予想。

年内70円割れかぁ、、、、今の水準から20円円高です。
100円というなら今の水準から10円ありません。
どちらが現実的なんでしょうね、円安を予測するほうが楽ですけど、、、。

春節前の中国の預金準備率引き上げもすっかり相場にならされてしまっていますし
FRBの出口戦略に近づくサプライズ的公定歩合引き上げにも下げなかった
地合いを見ると、再びリスク選好ムードが強まるように思うのですが、
今年は政治がらみのニュースが突然出てくるので油断はできないのかな?
個人的にはドル円を押し目買いするか、ユーロドルを戻り売りしたい。

でも今日は経済指標の発表もなく、手掛かり難。あんまり動きそうにないですよね。
こんな時になんとなくポジションを取るものではありません。
ということで、今日はお休み~

MEMO
SEC発表データによると、SPDR GOLDShare(世界最大の金ETF)の
昨年末時点の投資家順位の4位にジョージ・ソロス氏の名前が。
9月以降持ち高がほぼ倍増しているとのこと。
昨年末時点なので現在はわかりませんけど・・・・。
「ギリシャが支援によって生き延びたとしても、
ユーロ圏の将来には依然として疑問が残る」などと言っているようですが、
ということはユーロ安金高を予測しているということ?
基本的にはドル安金高ですが、今後ドル高金高というトレンドも在り得るのでしょうか。
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