1 米金利上昇一服となるか?米株リバウンドの可能性
2 日本株、円安効果で上昇基調転換となるか
3 今週はなんといっても日本のCPIに注目
※上海、段階的に商業活動再開
----------------------------------------------------------
1・米株リバウンド相場入りか?
環境として米株が最高値を更新できる環境にはないと思っていますが
短期的にはリバウンド局面に入ったかもしれません。
しかも米株より日本株市場のほうがリバウンドは大きくなりそうな予感。
リバウンド期に入ったかも、、、と思うのは
①インフレピークアウト論が台頭し始める可能性
②それに伴い金利上昇スピードが一服する可能性
③チャートから株価インデックスの下落が一服する可能性 から。
④上海、段階的に商業活動再開の報道を好感する可能性
①インフレピークアウト論
まだ米国のCPIもPPIも高止まりですのでピークアウトしたとはいえません。
先週発表された4月分の数字は予想を上回りました。
・米消費者物価指数CPI(4月) 前年比 +8.3%
(予想+8.1% 前月+8.5%)
・生産者物価指数(4月)前年比 +11.0%
(予想+10.7% 前回+11.5%(11.2%から修正)
ただし、3月の数字より鈍化しています。
ここにフォーカスする向きが出てくるのでは、ということです。
②というのは金利上昇が一服しているためです。
※米国債利回り一覧
先週暗号資産市場が急落したこともあって
リスクオフからキャッシュ化が進む中、資金の一部は
株や暗号資産から安全資産である債券買いへとシフトしたためだ、
とも考えられるためインフレピークアウト論とは別の動きである
可能性が大きいのですが、その暗号資産市場もひとまず暴落の波が一服。
これで安心という話ではないにしても、テラ、LUNA暴落からの
他の暗号資産への負の連鎖売りは止まった印象。
となると、債券買い(金利低下)も一服する可能性があるのですが
どうも長期金利3%台が安定的に維持され、更に金利が上昇する条件は
株式市場や暗号資産市場が本格的に上昇基調になってからではないか、という気がします。
過去の金利上昇局面では株価も上昇してきました。
要するに、景気がいいから金利も引上げられるという相場ですね。
つまり、リスクオン相場で金利は上がる。
やはりリスク資産が不安定な環境のままでは金利上昇は続かないようです。
今はまだそういう相場ではない(リスクオンではない)ということ。
(短期的な株のリバウンドはあると思いますが)
今の地合いですと、米長期金利が3%台となってくれば
高値警戒の強い株を保有するより安全資産である債券保有していたほうが
いいよね、と考える向きが多いでしょう。
そんなこんなで、米金利があまり上がらなくなってきていることで
ショートカバー的な米株の上昇が入るタイミングにあるのではと思うのですが、
③たとえば、ナスダック総合は昨年11月高値から31.47%も下げていて
完全にベア相場入りしているのですが、先週の下落時には
コロナショック時の安値である6631Pから11月高値までの上げ幅に対して
50%もの調整を達成しています。
半値も下げたら、一度リバウンド局面を迎えても不思議はありません。
※ナスダック総合 月足 赤のラインが50%押しのライン
ちなにもITバブルの時も50%下落した局面で
大きなリバウンド相場が到来しました。
そのリバウンドは下落幅に対して50%以上もの上昇を見せたのですが
最終的には再下落しほぼ行って来いの前戻し相場となりました。
今回もそうなるかはわかりませんが、
金利上昇が一服すればリバウンド局面入りしてもおかしくないですね。
※ITバブル期のナスダック総合指数の動き(月足)ちなみにS&P500は今回高値から19.89%下落しています。
20%以上下げれば定義的にベア相場入りですが
先週末ぎりぎりのところで反発しました。
このあたりも意識される下落幅であったかと思います。
米国株企業決算も悪くないのです。
S&P500構成銘柄のうち458社が第1・四半期決算を発表。
そのうち78%が市場予想を上回っています。
主要500社の予想PERは13日終値で17.2倍。
過去10年の平均(16.9倍)にほぼ並びました。
PERを計算する際の分母になる1株利益が下振れすることとなれば
調整完了と見るには早計との見方もありますが。
ただ、これで底入れして米株全面買い転換、
ということではないと思っています。あくまで大きなリバウンド。
基本は中国経済の停滞、サプライチェーンの再構築によるインフレ長期化、
そしてインフレ抑制のためのFRBの金融引締が緩むことはないことで
今回の米株下落は長期化すると考えています。
だからといって売りっぱなしでは利益にならないという話です。
2・日本株はリバウンド相場から本格上昇へつながるか?
決算期ですが、悪い円安論を展開している日経新聞の記事。
東証プライム企業、4年ぶり最高益 22年3月期36%増益: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1328U0T10C22A5000000
・22年3月期の純利益は前の期比36%増となり、4年ぶりに最高益を更新
・23年3月期は急激な原材料高が響いて3%増と急減速する見通し
悪い円安?
日本企業、この円安で最高益となる企業も多いことが確認されました。
円安は日本経済にとって悪くない、日銀の黒田総裁のいう通り。
これが素直に評価されるには、米株市場の安定が必要だったりするのですが
おそらく米株がリバウンドするだろう、ということになれば
日本株もそこそこ大きく上がりそうな予感。
そこそこどころか、円安効果が順当に評価されるなら
日本株は米株が下落していても上昇基調を継続できるかもしれません。
そこは、、、岸田政権でなければ演出可能なシナリオだと思うんですが
増税を決めたらダメです、それだけが心配。
コロナ禍の20年21年と2年も税収が過去最高だなんて以ての外。
民が苦しんでいるのに重税で民から官へとマネーが吸い上げられています。
日本が成長できないのはここに原因があると思います。
減税していれば日経平均は3万円を固められたのにと残念でなりません。
税収、過去最高ペース
3月末、コロナ下でも法人・消費税堅調 歳出も膨張
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60606070Z00C22A5EP0000/
日経平均のチャートは見事に3つの窓を埋めてから反発。
窓埋め完了で上昇開始となることに期待。
※日経平均 月足でみると
コロナショックのノイズを除けば上昇トレンドラインがサポートして反発
また、マザーズも売りに売られて再び2~3月のWボトムの安値を割り込みましたが
ここで反発できればベアトラップ。短期底入れの可能性も残ります。
マザーズ指数の月足のトレンドは下落のままですが・・・
3・日本のCPI 予想は2%超え、市場の反応やいかに?
なんといっても今週最大の注目は日本の4月の消費者物価指数。
昨年4月、菅政権下で携帯料金の引き下げがあった影響で
これまで物価指数は低く抑えられてきました。
これが1年経過したことで、前年同月比では携帯電話引き下げの影響が
剥落するのです。これによってCPIは2%を超えてくると予想されています。
これは随分前から指摘されていることですのでサプライズはありません。
よって、市場への(ドル円への)影響はないかもしれませんが、
気になるのはメディアがこれを囃して
日本はすでにインフレに入っている、円安は悪であり、日銀は緩和を止めるべき、
との世論を醸成する可能性はないか、という懸念。
そうした世論形成がなされると参院選を控えた岸田政権が
世論に阿る形で日銀に圧力となるようなコメントを出しはしないか。
それが為替市場での波乱要因になるリスクを警戒しています。
まずは数字が出てきてから、ということになりますが。
ポジションですが、マーケットの短期のリバースの可能性があるなら
ドル独歩高も一旦修正される可能性がありますね。
ドルカナダ 1.2980ドルロングだけ、コストで撤退。
豪ドルドル 0.7327ドルショート
キウイドル 0.6706ドルショート
割りとポジションコストがいいので継続しております・・・。
ドル金利上昇一服と今週のCPI控え、ドル円は調整入りしたのでは?
と思うのですが、どうでしょうか・・・。
ドル円130.38円ショート 継続
豪ドル円90.54円ショート 継続 しています。
カナダドルの反発が大きかった背景に原油の反発。
※WTI原油
上昇の背景は、上海の活動が段階的に再開される報道を好感したためか。
上海、16日から段階的に商業活動再開
https://www.sankei.com/article/20220515-W2724MMD45KDHACEWPQWSC3HMI/
原油価格が落ち着いてくれないことにはインフレの沈静化はないでしょうから
この部分は不安要素として残りますが…。
今週の主な予定
16日(月)
中国小売売上高・鉱工業生産(4月)
NY連銀製造業景況指数(5月)予想15.0、前月24.6
欧州委員会、春季経済予測公表
EU外相理事会
NY連銀総裁、講演
17日(火)
米小売売上高(4月)予想+1.0%、前月+0.5%
米鉱工業生産(4月)予想+0.4%、前月+0.9%
米設備稼働率(4月)予想78.5%、78.3%
ラガルドECB総裁、講演
パウエルFRB議長、講演
シカゴ連銀総裁、セントルイス連銀総裁、クリーブランド連銀総裁、
フィラデルフィア連銀総裁、講演
18日(水)
日本GDP速報値(第1四半期)前期比年率、予想▲1.8%、前期+4.6%
中国住宅価格指数(4月)
英国消費者物価指数・生産者物価指数(4月)
米住宅着工指数(4月)予想1,770千戸、前月1,793千戸
フィラデルフィア連銀総裁、講演
G7財務相・中央銀行総裁会議(20日まで)
19日(木)
NZ生産者物価指数(第1四半期)
豪州雇用統計(4月)
ECB議事録
米フィラデルフィア製造業景気指数(5月)予想16.1、前月17.6
米中古住宅販売(4月)予想566万戸、前月577万戸
米景気先行指数(4月)予想+0.0%、前月+0.3%
20日(金)
★★日本消費者物価指数(4月)前年同月比 予想+2.5%、前月+1.2%
昨年4月の携帯電話料金の引き下げの影響が剥落し2%台に上昇する見込み。
バイデン米大統領、訪日
21日(土)
豪州総選挙
APEC貿易相会合(22日まで)
22日(日)
世界経済フォーラム年次総会(ダボス、26日まで)
日中のつぶやきはこちらで
☞ひろこのTwitter
いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ