2023年9月29日金曜日

月末、期末のリバランスに注意!

 米金利上昇が止まらず、日本の金利も10年ぶりの高値まで上昇してきました。

※米国債利回り一覧 長期債利回りの上昇がとまらない
 米10年債利回り、27日に2007年以来の4.64%まで上昇

UAW全米自動車労働組合のストや新年度歳出法案が決まらない、
原油も一段高となるなど米経済への不確実性の高まりと
政府機関が閉鎖する事態となればムーディーズも米国債の最上位格付けを見直す、
としていることが背景にあるのは明白ですが、
果たして市場に安心感が戻るのは、いつでしょうか。

長期金利が10年ぶり高水準、米金利4.6%台警戒-2年入札は無難通過
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-27/S1N9FHDWX2PS01

投機筋も参戦中。
米国債をショート、10年物利回り5.5%もあり得る-ティー・ロウ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-28/S1OXSYT1UM0W01

5.5%?!そりゃ株が持ちませんわ。
米経済指標も下方修正が目立ちますね。

米GDP個人消費、4-6月確定値は大幅下方修正-1年ぶり低調
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-28/S1P45DDWLU6801

7-9月期のGDP見通しが5.9%だとか言っていた
アトランタ連銀GDPナウですが(8/25時点)
現時点では4.9%まで下がっています。

今夜は米国株全般、リバウンド基調にありますが
調整完了とは言い難いので、まだ警戒が必要かな・・・。

日本株市場でも今日はかなり売りが膨らみました。

外国人の日本株への投資は先週、ネットで▼3.03兆円と
過去最高の売り越し額となりました。
8月から累計6兆円の売り越し。
4月以降のバフェット相場で入ってきたマネーが抜けていっているようです。

さらにGPIFは、9月22日時点のGPIF総資産に占める国内株式の割合の推計値が
26.13%と運用目標である25%を超過しているため
リバランスで25%に戻すための日本株株式売却額2.5兆円程度となると大和総研。
期末ということでリバランスなどの特殊玉が出る時期であることにも注意が必要ね。

また、WTI原油は95ドル台を示現。

NY原油95ドル、22年8月以来の高値-米貯蔵集積地の在庫減少で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-28/S1O8TEDWX2PS01

オクラホマ州クッシングにある米国の重要な貯蔵拠点における在庫が、
ほぼ10年ぶりの低水準(通称「タンク・ボトム」)にまで崩落する恐れが。
クッシング在庫とは~WTI先物取引の受け渡し地点の貯槽施設在庫。
原油在庫は7週連続で減少し、14年に経験した季節的低水準に迫っています。

原油価格の高騰も米経済にとってはネガティブですね。

月末、期末ということもあってリバランス警戒も強まる時期。
今日はポンドやユーロが欧州時間に急伸する局面も。

英長期金利が急伸、という報道もありますが
急伸しているのは英金利だけではありませんので
英金利上昇に連れ高となったということではなくて
リバランス警戒でポジション整理があったということのような気がします。
※主要先進国長期金利比較 どの国の金利も上がっている


リバランスの注意ポイントは、
これまでのトレンドに逆行しがち、ということ。
利益が出てポートフォリオシェアが拡大したものが売られ
逆に、下がっていてポートフォリオの割合が小さくなったものが買われます。
今回の場合、ずっと下げ続けていたポンドやユーロの巻き戻しに
注意、ってとこでしょうか。

ポンドドル1.2264ドルショート継続
ポンド円181.804円ショート、コスト近辺で消滅
ペソ円8.628円ショート 継続です。

ポンドやユーロは月末特殊要因で上昇するなら
戻り売りの好機と考えています。

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2023年9月28日木曜日

米債売り、米株売り、ドル高~バイデン大統領スト支援

 長期金利上昇が止まりません。
要するに、米国債が「売られている」

※米国債利回り一覧  青の長期ゾーン金利の上昇加速。

短期金利が動かないのは利上げの可能性の後退を織り込んでいるためか?

足元の米長期金利上昇の背景はやはり歳出法案の合意が難しく
政府機関閉鎖リスクが生じていること、
そしてムーディーズの米国債格下げリスクでしょうか。

カシュカリ総裁、「引き締め縮小」の可能性も-政府閉鎖や長期スト
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-27/S1N6BBDWRGG001
政府機関が閉鎖される、あるいは自動車ストライキが長期化する場合には
景気が減速する可能性があるため「引き締め縮小」の可能性もある、
とカシュカリ総裁。

カシュカリさんってタカ派の代表格ですが
UAWスト長期化、政府機関閉鎖が起きれば
利上げの必要がなくなる可能性に言及。

今日はマカーシー下院議長(米共和党)が
「上院の予算案、下院では通過しないだろう」と発言しています。

売られているのは米国債だけではなく
今夜もダウ、S&P500、ナスダック総合など米主要株インデックスも続落です。


しかも、バイデン大統領がストライキの現場に入ってスト支援に動いています。
現役大統領がストライキ支援とは。もちろん初めてのことです。

バイデン氏、自動車労働者のスト現場を訪問 現職米大統領では初
https://www.bbc.com/japanese/66933556
ミシガン州には、来年の大統領選でバイデン氏と争う可能性がある
ドナルド・トランプ前大統領も、翌27日に訪れる予定。

来年大統領選挙ということで、これは選挙戦なんですね。

バイデン大統領、苦肉の自動車スト支援
EVシフトより労組票 トランプ氏と争奪
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74776590X20C23A9EA2000/
バイデン氏は巨額の補助金をてこに米自動車産業のEV化を推進してきた。
UAWは生産工程が減り、雇用も縮小するとされるEVシフトに強い懸念がある。

とあるように、UAW支持する立場にあるとは言えないと思うのですが
ミシガン州やペンシルベニア州は大統領選で
与野党の票が拮抗する激戦州なんですね。

16年には同地域での勝利がトランプ政権発足の原動力となり、
20年にはバイデン氏が組合員票の6割強を得て奪還した経緯があります。

しかもストの長期化は経済の押し下げにも繋がりますし、
賃上げ交渉はインフレ再加速の火種となりかねません。

~米モルガン・スタンレーは自動車産業の雇用の55%を占める
ビッグ3の組合員14.6万人全員がストに入った場合、
数週間で経済成長率を1ポイント押し下げると試算する。

~自動車生産の停滞は消費者物価指数(CPI)の5%を占める
 新車価格を上昇させかねない。
ストによる自動車の値上がりがCPI上昇率を0.15ポイント押し上げる可能性。

~UAWの賃上げ要求が実現しても全米の平均時給の押し上げ効果は
  0.01%程度に限られるが、同様の要求が他業種に広がる可能性がある。

 
こうした事情が嫌気されて
米株の下落が続き債券も売られるというリスクオフ相場の様相を 
呈しているわけですが 
VIXがまだ警戒領域にはないので
まだ暴落相場に発展すると見ている向きは少ない印象。
VIXが急伸してきたら手綱を締めて。

※VIX指数
ドル金利が上昇しちゃってることで
為替市場ではドル全面高です。

※通貨インデックス一覧

ドル円も149円台。
介入まだ・・・?

リスクオフとなると「リスク資産のキャッシュ化」に伴うドル高
(資産を現金に買える動き)となる可能性もあり
ますますドル高が助長されるかも。。。

ドル高要因はここにも。

※WTI原油 踏み上げ相場に発展?!
そしてユーロに弱材料も。

ユーロ圏企業の借り入れ、2015年以来の低い伸び-ECB利上げが影響
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-27/S1NAURDWRGG101?srnd=cojp-v2
ユーロ圏の企業による借り入れは8月に約8年ぶりの低い伸び

欧州景気悪そうね・・・。

ポンドドル1.2264ドル
ポンド円181.804円
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2023年9月27日水曜日

米政府機関閉鎖リスクと米株

 9月27日となりました。
24年度の歳出法案ですが、新会計年度が始まる10月1日までに
共和・民主両党が合意に至らなければ、連邦政府閉鎖を余儀なくされます。

詳しくはこのあたりの記事を参考に。
◆米政府閉鎖で何が起きるのか 早わかりQ&A
https://jp.wsj.com/articles/what-happens-during-a-government-shutdown-676720ad

◆情報BOX:米政府閉鎖、影響を受ける機関と受けない機関
https://jp.reuters.com/world/us/W3F6SQPC4BNQVJCO65VPHX5M2Y-2023-09-25/

◆政府閉鎖、米信用格付けに「ネガティブ」に反映へ-ムーディーズ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-25/S1JXTUDWRGG001

米国債が格下げされるとジャンク債、社債市場が荒れますね。

格下げされた米国債が売られると考えがちですが、
マーケットがリスクオフとなると格付けの低いものから売られます。
その資金が何故か米国債に流入し、意外と米金利は低下するかも。
確かフィッチが格下げした際、そうでしたよね。

格下げされたとはいえ、米国債は結局安全資産なのです。
ということで足元で4.5%台に乗せてきた米国長期債利回りですが
仮に政府閉鎖というイベントリスクが発生した場合
金利上昇にブレーキがかかりドル円が下落するというシナリオもあるかも。

株はどうでしょう。

過去政府機関閉鎖に追い込まれた事例とS&P500

2013年は16日間閉鎖(10/1~10/16)
2018年は35日間閉鎖(12/22~1/24)

2013年のS&P500 黄色の点線の期間が政府閉鎖

2018年のS&P500

閉鎖してからはむしろリバウンドしていますね。
閉鎖する前まで下落する傾向が確認できます。

よって、今週は米株は弱いのでは?

※米国主要株価インデックッス
ドル円は本日149円台示現。
今日は鈴木財務大臣から為替市場への牽制発言が2回。

いつ介入が来ても不思議はないといいながらなかなか入らないですね。

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2023年9月26日火曜日

岸田首相、経済対策取りまとめ指示5つの柱

 米国株市場が金利上昇圧力から下落基調を強める中、
週明け安く寄り付いた日本株市場でしたが、
場中、買い意欲が強まり日経平均株価は5営業日ぶりに反発。

今日、岸田首相が経済対策の骨子を示すと報じられたこともあり
(一部にはインパクトのある減税案も組み込まれるという噂も)
日本株の買い戻し機運が強まったのかと思われますが
出てきた対策の柱をみるには期待に応えるものではないようです。

◆岸田首相、5本柱の経済対策を提示 「物価高から国民生活守る」
https://jp.reuters.com/world/japan/BVRD2NYFLVM6JE6DWLPELSX2AI-2023-09-25/

◆岸田首相「税収増を国民還元」 経済対策で「減税」強調
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25A6F0V20C23A9000000/
・賃上げ促進や特許など所得を巡る「減税」を列挙

物価高から国民を守る!
減税、というフレーズも出てくる中、
具体的に何をどう減税するというのかまだわかりません。

◆岸田首相、経済対策「5本柱」発表…「コストカット型から歴史的転換を図る」
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230925-OYT1T50192/
〈1〉物価高への対応
〈2〉持続的な賃上げと地方の成長
〈3〉国内投資の推進
〈4〉人口減少対策
〈5〉国土 強靱きょうじん 化など国民の安心・安全の確保

減税に触れている部分はこの辺りかな?
「特許などの所得に対する減税制度の創設」
「ストックオプション(自社株購入権)の減税措置の充実」

◆年収106万円の壁対策
「労働時間の延長や賃上げに取り組んだ事業主に、
   従業員1人当たり最大50万円の助成金」
「労働者の保険料を手当てした企業への保険料減免措置」

物価高対策で、というなら広く国民の消費意欲を刺激する減税案が
出てきてもいいように思いますが、法人向けのものばかり。
国民の生活を守るの掛け声に応える政策はないのでしょうか?

ということで、経済対策評価での株上昇は期待できませんが
ドル高が一段と進行しているおかげで
ドル円相場は148円台後半へ上昇、この面からは日本株サポートされそうです。

◆円が下落、対ドルで149円に迫る-米国債利回り上昇で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-25/S1JR51DWRGG001?srnd=cojp-v2

日本はいつの間にかG7諸国の羨望の的に?
◆長期停滞を克服した日本、G7諸国の羨望の的に変身-Mウィンクラー
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-25/S1IFKAT0G1KW01?srnd=cojp-v2

ようやくデフレからインフレへと転換しただけのことで
インフレとなれば割安放置され続けてきた株(資産)が
上昇するのは当たり前ですね。

政府の経済対策が期待できなくても、
円安、インフレの潮流にありますので
株は持続的に上がっていくと思われます。
しかし、多くの国民は株を持っておらず、
国民の不満の解消にはつながらない=支持率は上がらないと思いますが、
ほんとに経済対策に物価高対策を盛り込まないんでしょうか?


それといつ入っても不思議ではないとされつつも
スムージング目的というには日々の変動幅が大きくないため
介入を打ちにくいという相場ですが、
149円台には乗せてきそうですね。。。
150円手前でやるのかな?

ポンドドル1.2264ドル
ポンド円181.804円
ペソ円8.628円ショート 継続です。

NOTE
高金利維持がインフレ率目標回帰に寄与=ECB総裁
https://jp.reuters.com/markets/treasury/KA7SZ24I5JL7NFJMF3OGMZ6K4E-2023-09-25/
しかし今日はユーロが日通し下落していました。

中国当局、野村HD幹部を中国本土から出国禁止に=関係筋
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/2GST32Z6UBN3DFQK6CFRBQWC6I-2023-09-25/

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2023年9月25日月曜日

日銀大規模緩和維持でドル円再び148円台へ

 週末の9月日銀金融政策決定会合を受けて再びドル円148円台ですね。

結局大規模緩和維持です。

日銀会見 “粘り強く金融緩和を続ける必要がある”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230922/k10014203371000.html
マイナス金利の解除について
「物価目標の実現が見通せる状況になった場合にはマイナス金利の解除も視野に入るが、それがどういう変数とどういうふうにひも付いて短期金利がどれくらい動かないといけないのかということについてはまだ決め打ちできる段階ではない」

読売インタビュー記事の影響で、多少は政策転換への期待もあった?
ドル円ショートでイベントを迎えた向きがあったということでしょうか。
いわゆるショートカバーが入ったような動きでした。

しかし、介入が入るほどの投機的な上昇とはいえず…。

介入警戒も強いためここから高値を新規で買う投資家も少ないでしょう。
実需のドル買いが強ければ、為替水準は関係なしに上がっていくでしょうから
このままジワリジワリ上がる可能性もあります。
原油輸入に関わるドル需要とか、米デジタルプラットフォーム利用の
サブスクリプション的なドル需要とか、コンスタントにあるはずです。
しかし、それこそ「ファンダメンタルズに即した」ドル買いですので
介入するわけにはいかないですね。
あくまで投機的にドル円が上昇しないことには介入し難い?!

とはいえ、150円台になればボラとは関係なしに
介入があると見る向きもあります。

どのタイミングで介入が入るかはわかりませんので
いつ来ても困ることがないように準備を。

週末はややドル金利が低下。

※米国債利回り一覧

タカ派メッセージを打ち出したFOMC受けてドル金利上昇が加速していましたが
週末ということでやや軟化、PMIもドル金利低下の背景か。

米総合PMI、9月の企業活動停滞-サービス部門の需要さらに鈍る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-22/S1E4BWT1UM0W01?srnd=cojp-v2
9月の米総合購買担当者景気指数(PMI)50.1(8月 50.2からわずかに低下)

★今週は29日米PCEデフレータ‐に注目。
予想は前年比+3.5%と7月の+3.3%から伸びが加速する見込みですが
CPIの伸びに比べると伸びは小さく、
コア指数は前年比3.9%と7月の4.2%から伸びが鈍化する見込みで
ドル金利上昇を助長するような内容にはならないように見えます。

この秋から学生ローンの返済が始まることや
原油高、金利高などもあり、米株がトップアウトし、
調整局面入りすると見る向きも出てきたようですが、
確かに主要株価インデックス、
三尊を形成してネックライン割れテストにも見えます。
※主要米国株インデックス
200SMA(ピンクライン)くらいまでの下落があっても
何ら不思議ではないですね。

米株が下落する過程で、債券市場に資金が流れ金利低下、
ドル上昇圧力が緩和する、、、なんてことはないでしょうか。
株売り=キャッシュ化でドル高になる?

今週は、米財務省が総額1340億ドルの国債入札を実施するため、
利回り上昇圧力がかかる可能性もあるとかなんとか。
う~ん予想は難しいですね。

先週利上げを見送ったBOE、金利先高観の急低下で
ポンド下落が加速していますが
週末、もう一度ポンド売りポジションを作りました。

ポンドドル1.2264ドル
ポンド円181.804円

ペソ円ショートはまだ継続。
ドル円もそろそろ調整入り局面が近いと思うことと
米株に調整がくるようならペソの調整も大きくなるのでは、、、と(期待)

****今週の主な予定*********

9/25(月)
●8月全国百貨店売上高(14:30)
●独 9月 Ifo 景況感指数(17:00)

26(火)
●8月企業向けサービス価格指数(8:50)
●米 7月 FHFA 住宅価格指数(22:00)
●米 7月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(22:00)
●米 8月新築住宅販売件数(23:00)
●米 9月 CB 消費者信頼感指数(23:00)

27(水)
●7月 27・28日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨
●9月末権利付き最終日
●米 8月耐久財受注(21:30)

28(木)
●米 4-6月期 GDP 確定値(21:30)
●米 8月中古住宅販売仮契約(23:00)

29(金)
●9月東京都区部消費者物価指数(8:30)
●8月日本雇用統計:失業率・有効求人倍率(8:30)
●8月商業動態統計(8:50)
●8月鉱工業生産(8:50)
●9月消費動向調査(14:00)
●中国財新非製造業PMI(9月)
●ユーロ圏消費者物価指数(9月)
●米個人所得支出・PCE価格指数 (8月)

中国市場休場(中秋節・国慶節入)10月9日に取引を再開

2023年9月22日金曜日

FOMC受けて急伸したドル円、SNB受けて上げ幅削る展開~明日の日銀後には注意!!

 20日のFOMCが思ったよりタカ派トーンだったため
ドル円相場は147円台半ばから148円台半ばまで1円ほど急伸したのですが、
21日欧州時間からドル円は下落を始め、昨日の上昇分を全て削ってしまいました。

欧州時間からのドル円下落は
スイス中銀(SNB)の利上げ見送りの影響があったように思います。

まずはFOMC

FOMC、政策金利を据え置き-年内あと1回の追加利上げを示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-20/S1AQ0FT1UM0W01

今回9月会合ではFOMCメンバーらの最新の
金利、経済見通し(ドットチャート)が
発表されるということで注目されていましたが、
今回のFRBから、来年24年までの短期間でインフレを潰すという
タカ派メッセージが発せられた、ということで日米の株は全面安の展開です。

岡崎氏の考察をぜひ。

<1番早いFOMC分析>
『SOXを制する者が今の米国株を制す』
https://youtu.be/ZtS88ElbT5c

米金利はご覧の上昇ですので、ドル高となりますよね。

※米国債利回り一覧
ところが、ドル円の上昇は続きませんでした。
今日21日はスイスや英国の金融政策会合で、両国とも利上げを見送りました。
スイスの金利据え置き決定は22年3月以来です。

スイス中銀、予想外に金利据え置き 様子見モードとの見方
https://jp.reuters.com/world/europe/5RREJSO53JL2PPRBZB2OW33ZI4-2023-09-21/
・0.25%の利上げが予想されていた
・8月のインフレ率が7月と同じ1.6%となり
   中銀の目標レンジ(0-2%)内に収まっていた
・ジョルダン総裁
 「今後2カ月は状況を注視し追加引き締めが必要かどうか12月に判断する」
 
これがスイス円の下落をもたらし、ドル円の下落を誘引したように見えます。

※スイス円5分足

なぜスイス円下落がドル円に波及したか?

スイス円って、コロナショック以降
ほとんど押し目なく上昇しつづけたんですよね。

※スイス円週足
3年で 112円どころから165円くらいまで50円以上上げています。

スイス円がこれまでクロス円上昇の牽引役となっていたと考えるなら
この3年のトレンドが仮に終焉するということになれば
クロス円全般が上値が重くなってくる可能性がありそうです。

今日のスイス円の陰線はなかなかに強烈ですね。

※スイス円日足

というわけでドル円はスイス円下落の影響を受けたと考えられるのですが

※ドル円5分足

とはいえ、明日は日銀の金融政策決定会合。
まだドル円の日足チャートがトップアウトのシグナルを発してはいません。

明日、日銀がタカ派的メッセージを一切封じ込めて緩和継続を表明すれば
ドル円は再度買われて上昇するかもしれません。

しかし、その時は介入があるかもしれません。
動画で岡崎さんが指摘されています。↑

22年9月22日、1991年4月以来24年ぶりとなる円買い介入がありました。
昨年の1回目の介入です。
この日、日銀が金融政策決定会合で金融緩和の維持を決めたことで
ドル円相場が146円台近くまでへと上昇し、介入が入ったことで
140円台までドル円相場一気に下落しました。

なんと明日も9月22日ですね。。。。

日銀会合の後、ドル円が急伸するようなら要注意です。

そして今日は英国も利上げを見送りました。

英中銀が利上げ見送り、5対4の僅差 総裁は利上げ終了まだと強調
https://jp.reuters.com/markets/treasury/HDC2IPGQN5MW7PTG5SVEUSNZDQ-2023-09-21/
・政策金利を5.25%に据え置き決定(5対4)
・声明「金融引き締めがより広く労働市場や実体経済の勢いに
    一定の影響を与える兆候が強まっている」
・ベイリー総裁
 「英中銀の次の行動は予測できない」
 「利上げがまだ終了していない」
 「利下げについてはMPCでいかなる議論も行っていない」
・7-9月期の経済成長見通しを、
  8月時点の0.4%から0.1%に下方修正
 
これを受けてポンドが急落。
ああ、ポンドショートしていたのに。
イベント前に買い戻してしまった(´・ω・`)
ポンドドル、月足レベルで見るとまだまだ下げそうです。

インフレはまだ高いのですが、低下のピッチも早く
7月月次GDPがマイナスに転落するなど(▼0.5%)
景気への影響も大きく、これ以上の利上げは
オーバーキルになりかねないということでしょうか。
戻り売りスタンスでいいかな。

もしドル円に介入が来るなら、クロス円のショートでもいいですね。
ポンド円も戻り売りスタンス。

昨日作ったカナダロングはすべてカットを強いられています。
今日は懲りずにペソ円を8.610円で売り参戦。

NOTE
 
ECB、次回理事会で金利据え置きの公算大=オランダ中銀総裁
https://jp.reuters.com/economy/inflation/4I6SVME5KJMJLB7FBQJTTBDFV4-2023-09-21/
・現在の金利はインフレを抑制するのに十分高い水準にあり、
 今後2年間でインフレ率を目標の2%に戻すことができると確信している

ユーロ圏消費者信頼感、9月はマイナス17.8に低下
https://jp.reuters.com/business/25JHHTT3S5JIHNCJS44AA3TCEY-2023-09-21/
9月のユーロ圏消費者信頼感指数はマイナス17.8、
 前月のマイナス16.0から1.8ポイント低下

トルコ中銀、政策金利30%に引き上げ
 https://jp.reuters.com/world/europe/PEBABHNVKJNM5NKOKTKNWIPA5U-2023-09-21/
 
・8月のインフレ率が前年同月比で59%弱に跳ね上がり、
 来年にかけて上昇すると予想されている

2023年9月20日水曜日

FOMC直前ドル円148円台タッチ

 今夜がFOMC、明日はBOE、そして日銀と続く中銀ウィークですが、
FOMC前にもかかわらずドル円148円台タッチしました。

円が対ドルで148円台に下落、昨年11月以来-日米金利差を意識
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-20/RZICH2DWLU6801?srnd=cojp-v2

値動きとしては欧州時間からスルスルと、148.16円示現。
投機的というムードはなくて、直ぐ様147円台に落されていますので
なにか実需玉があったのかなぁという印象。
金融政策とは関係のないところでドル買い需要は旺盛。

とはいえ、今日のドル円の値幅もわずか50銭です。
イベント控えて積極的な売買は控えられていますね。

ドル円は動かないのですがクロス円が強い。
今日は狙っていたカナダ円を109.95円でロング。

買うのは豪ドル円、キウイ円でもよさそうです。
為替市場ではリスクテイクセンチメントなので
UAWストきっかけに売り参戦したメキシコペソ円も強く
今日ショートは撤退しました・・・。

それと、ドルカナダを1.3431ドルで売り参戦。

1.2486ドルポンドドルショートは 1.2390ドルで買い戻しました。

FOMC前にドル高の修正が起きているようで
今日はポンドには弱い材料が出ているのに、ポンドのリバウンドが大きい。

英8月インフレ率6.7%、1年半ぶり低水準-利上げ圧力緩和も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-20/S19SY1T0AFB401

というわけで明日のBOEは利上げの可能性が低下していますが、
イベント前にポジション持っていたくないため手仕舞いました・・・。

英中銀の21日利上げは微妙、市場が見込む確率低下-インフレ減速
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-20/S1A42FT1UM0W01

明日は早いので今夜FOMCをウォッチするのは難しそう。
カナダ買いだけ残して早寝します。

米株ジリジリ下落、その背景は?~カナダドルが大きく上昇

 NYマーケットが引けてみるまでわかりませんが
今夜も米国株は全般軟調。

※主要米国株インデックス

SOXとかラッセルは三尊を形成しているようにも見えないでもない・・・。

・ジリジリ金利があがり続けているからなのか。
・原油高でインフレの再加速を嫌気しているのか。
・UWAのストライキを嫌気しているのか。
◆UAW Boss Warns "Strikes Will Expand" Friday If Automakers Fail To Make "Substantial Progress" In Labor Talks
https://www.zerohedge.com/markets/uaw-boss-warns-strikes-will-expand-friday-if-automakers-fail-make-substantial-progress
UAWのボス。9月22日(金)正午までに深刻な進展がなければ、
さらに多くの組合が立ち上がり、ストライキに参加するよう要請されるだろう。

ストライキが自動車だけでなく
あらゆる産業に広がるようだと厄介ですね。

こんな話もあります。
来週出てくる米GDP改定値、▼50bpから▼80bp下方修正される可能性が高い。
https://twitter.com/carlquintanilla/status/1704090813855101256
モルガン・スタンレーのレポ。

米景気を過大評価していたため、米株に売り圧力?
う~んだったら米金利の上昇圧力が緩和的になってもいいはずですね。

ただ、VIXが上昇しているわけではありませんので
リスクオフ到来というムードでもありません。
利食って様子を見ておくか、という感じでしょうか。

ボラ上昇のリスクオフイベントに発展していないため、
ドル円は全く動かず。
(今日の値幅40銭弱しかないんですよ。FOMCと日銀控えて動かなすぎ~)
ところがカナダ円、豪ドル円、キウイ円が上昇基調を強め始めた。
要するに円キャリーですのでリスクテイクポジションですね。

特に今夜はカナダドルが強い。
なぜって、インフレが強いから?

カナダ・8月消費者物価指数:前年比+4.0%(予想:+3.8%、7月:+3.3%)

カナダの短期金利が大きく上昇。
※主要国2年債利回り比較
ドルカナダ日足、カナダドル大きく上昇
カナダ円 レンジ上限ブレイク?
カナダは9月の会合で利上げ見送っています。
6月と7月にそれぞれ0.25%づつ利上げして政策金利は5.0%

インフレ率は2年3カ月にわたって中銀の目標である2%を上回っていますが
今回4%はターゲットの2倍ですからねぇ。。。
10月26日に次回会合がありますが、利上げ再開もあるでしょうか?
ただし景気が良くない。

カナダ・4-6月期GDP:前期比年率▼.2%(予想:+1.2%、1-3月期:+2.6%)

Q2のGDPがマイナスに転落していたんですね。
だから9月は利上げを見送った。
さて、10月も利上げを停止したままでしょうか。

景気が悪いカナダドルは買いにくいんですが
テクニカル的には押し目を拾ってトレンドフォローが正解か?
押し目を待ってみます。。。

ポンドドルショートは継続ですが
OECDがこんな予想を出すものだからややポンドが強含んでいます。

英インフレ率は今年7.2%、主要国で最高 OECD予想引き上げ
https://jp.reuters.com/markets/treasury/TNXJRTSC6JOQFA4VHIAX4BJPFU-2023-09-19/
経済協力開発機構(OECD)
英国の今年の総合インフレ率予想(平均)を7.2%とし、
6月時点の6.9%から引き上げた。

英国の4-6月期GDPは +0.2% カナダよりはいいですが。。。

今週はBOE理事会もありますので思うように下げないようなら
買い戻します。

クロス円が強いものだから、ペソ円もしっかりです。
ショートのスワップコストがきついですけど💦
まだ過去2日の高値を明確に抜けていないので継続中。

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2023年9月18日月曜日

今週FOMC・日銀・MPCなど中銀ウィーク!~UAWストの影響いかに~ペソ円に注意!

 今週はFOMCと日銀会合に注目ですが
英国MPC、スイス、ノルウェー、スウェーデンなども会合が。
中銀ウィークですね。

先週は米国の金利の先行きを占うインフレ指標で
ドル金利上昇基調が続きました。

8月CPI:消費者物価指数:+3.7%(前回+3.2%)前月比+0.6%(昨年6月以来の伸び)
         コアCPI:+4.3%(前月+4.7%)前月比+0.3%(過去2ヶ月+0.2%)

8月PPI:卸売物価指数:+1.6%(7月+0.8%)前月比+0.7%(7月+0.4%)

コアCPIは軟化したものの総合CPIはリバウンド。
PPIも伸び率が22年6月以来の大きさとなりガソリン価格高騰の影響が。
インフレがやや強含んだことで米金利も上昇圧力がかかりましたが、
今週の9月FOMCは利上げはないのがコンセンサス。
注目はFOMCメンバーらの金利、経済見通しです。
これが強ければ更に金利に上昇圧力。
そう変わらなければ金利上昇のトレンドが一服すると思いますが
それを期待しているのは本邦通貨当局でしょう。

現在のドル円上昇はファンダメンタルズに沿っていますから
介入でドル高円安の勢いに歯止めをかけることができても
方向を変えることはできません。
ドル円上昇を止めるには、明確な日米金利差縮小の材料がほしいところですが
先週末、Bloombergがこんな記事を配信したことで
ドル円上昇が加速しましたね。

植田総裁発言と市場解釈にギャップ、日銀認識ほぼ変わらず-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-15/S0YVE0T0G1KW01

関係者って誰…?
植田さんの読売一面のインタビュー記事を受けて
年内のマイナス金利解除の可能性を織り込もうとするマーケットでしたが
発言の真意を巡って、今週の日銀会合は植田総裁の記者会見に注目ですね。

そして先週はECBが利上げしたにもかかわらず、ユーロが急落したのが印象的でした。
今週木曜の英国BOE会合で英国が仮に利上げしてもポンドは上がらないかも?

9/6、ベイリーBOE総裁が英中銀の利上げサイクルは終了に「かなり近づいている」
と発言したことで、ポンドはすでに下がっているのですが
ユーロも随分下がっている中で(8週連続陰線)利上げしたにもかかわらず
更に下げるという展開でした。

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気になっているのがUAWのストのニュース。

◆米自動車労組、ビッグ3の3工場で史上初の一斉スト入り
https://jp.reuters.com/business/autos/6QUTSEOAKNOADIFUDPFK5YQKJU-2023-09-15/
全米自動車労組(UAW)は15日未明、
米3大自動車メーカー(ビッグ3)との労使交渉の不調を理由に、
3社の3工場で「史上初」の一斉ストライキに入った。
~計1万2700人の従業員がストに入る(全面ストは避ける)
~週に約2万4000台の自動車生産がストップする見通し

◆米自動車労使交渉大詰め ストなら10日で損失8200億円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN122DM0S3A910C2000000/
・UAWは約40万人の組合員を抱え、今回対象の3社は15万人
・4年間で40%を超える賃上げに加え、
勤続年数の長短で労働者の給与体系が異なる格差の是正も求める

・2000年代後半に経営危機に陥った際に廃止した確定給付年金や、
 物価に応じ賃金が上がる生活費調整(COLA)の復活も求める
 
・3社とも10%台の賃上げ率にとどまる見通し
・COLAなどの導入も認めない方針か

◆UAW委員長、ステランティスの21%賃上げ案を拒否-スト3日目突入
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-17/S15IDVT0G1KW01

ストは3日目に突入しています。
10日続くなら8200億円の損失だとか。

◆全米自動車労組、全面ストならGDP押し下げも=BofA
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/ZBP3F657KNNXVBWBTJZKBXJ76Q-2023-09-14/
BofAの試算では
1週間のストで米GDPが0.1~0.2%程度押し下げられる公算
3ヶ月継続した場合 1.6~2.1%程度押し下げられる可能性

ただしスト資金に限りがあることや
前例からストが3カ月も続く公算は小さい、とのことではありますが、
そう、ストの影響で米国のGDPが押し下げられるリスクがあるんです。
自動車生産は全体で米国内総生産(GDP)の約3%を占めるとされています。

また、仮にビック3がUAWの要求を幾分か受け入れた場合、
賃金の大幅上昇につながることからインフレ再加速、米金利再上昇の連想も。

あまり良くない形での米金利上昇、景気への影響を懸念した株売りが
入るリスクもゼロではありません。

実際週末の米株は全面安で終えています。
ストの影響ではなくまたも政府閉鎖のリスクが出てきたせいかもしれません。
米国の2023会計年度末が30日に迫っていますが、共和党が大幅歳出削減を主張。
つなぎ予算成立の目処が立っていません。

米議会、またも政府閉鎖「人質」に攻防 つなぎ予算巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11CT20R10C23A9000000/
今夜の米株市場がどう反応するのかに注目です。

ポンドドルのショート継続ですが、
メキシコペソ円を売ってみました。
コストは8.628円。

ペソがここ3年堅調なのは、米国が堅調だったからです。
バイデン政権下でメキシコから米国に大量に出稼ぎ移民が流入。
米国での稼ぎを本国メキシコに送金する「郷里送金」がペソ高の背景にある、
とも指摘されていますね。

米国景気が揺らいだ時に、この送金が減ればペソ買い圧力は低下します。

加えて、今、為替市場でリスクオン相場ってペソ円くらいしか思い浮かびません。
過去リスクオン相場で人気だった豪ドル、キウイなどオセアニア通貨は
中国リスクを嫌って買われていません。
安心しきってスワップ狙いで個人のロングが積み上がっているため
逆回転し始めたら早いかもしれません。

メキシコ通貨当局は8/31に
9月から為替ヘッジプログラムを段階的に縮小することを発表しています。
その時点でペソ円は一定の急落を見せたのですが
今再び買い戻されて上昇基調にはいっています。
ドル円も上昇しているので、買い安心感もあるんでしょう。

こんな時が危ないんじゃないかって気がするのですが
ペソショートはスワップコストが大きいので
長くは持てません。
先週の高値を明確に抜けたら直ぐに撤退します。
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2023年9月15日金曜日

ECB利上げでもユーロ急落~豪ドルカナダが強い背景

 13日発表の米CPIではドル円乱高下するも方向感出ず。

今日14日のECB理事会を受けて、
ユーロドルが一段安とドル高が鮮明となりましたが
ドル円は相変わらず方向感がなく小さなレンジで動いています。

まずはユーロがドカンと売られたECB理事会。
利上げしたのにユーロが売られました。
※左ユーロドル5分足 右ユーロ円5分足

◆ECB0.25%利上げ、10会合連続 打ち止めの可能性示唆
https://jp.reuters.com/markets/treasury/LV53IGLH5NMIPGZOA43MYRMRHE-2023-09-14/
・リファイナンス金利 0.25%利上げ➡4.5%へ
・中銀預金金利 3.75% ➡ 4.0%へ(ユーロ導入以来最高金利)

声明
・「主要政策金利はインフレ率の適時目標回帰に多大な寄与をするとみられる水準に到達し、
十分長い期間維持されたと理事会は考える」

・「インフレは低下し続けているが、依然として過度に高い水準に
 長期間とどまると見込まれる」

・「必要な期間、十分に制約的な水準に設定する方針」

経済予測
24年インフレ率 3.2%(6月時点3.0%)上方修正

23年成長率 0.7%(6月時点0.9%)下方修正
24年成長率 1.0%(6月時点1.5%)下方修正

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨
https://jp.reuters.com/markets/treasury/GFAFZCMYUVPWBMEFCNEO72SO5I-2023-09-14/
「われわれは今がピークだと言っているわけではない。」

ラガルド総裁は、金利水準がピークだと言っているわけではない、と発言し
打ち止めを示唆するものではないと釘をさしていますが
「主要政策金利はインフレ率の適時目標回帰に多大な寄与をするとみられる水準に到達」
との声明によって、一旦の利上げサイクル終了を受け止めたということでしょう。

また、景気見通しが今年、来年と下方修正されたことも大きい。
経済成長に配慮するなら引き締めのサイクルは一旦停止するだろうということね。
ユーロ売り、直前にやめちゃってた…粘ればよかった(´・ω・`)
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今夜はドルが強い、という側面もありました。

米小売売上高、8月は前月比0.6%増 ガソリン価格上昇が押し上げ
https://jp.reuters.com/markets/oil/J7DK5WT3LNNSVOYH2QF7DOBBC4-2023-09-14/
米小売売上高(8月)前月比+0.6% (予想+0.2% 前回+0.5%)
         
コア小売売上高は小幅な伸びにとどまったものの、
旺盛なサービス消費が個人消費をけん引する見込み。
23年第3・四半期のGDPは年率換算で前期より最大5.6%増予想。
第2・四半期は2.1%から大きく伸びる予想。

米8月PPI、前月比0.7%上昇 ガソリン価格高騰で
https://jp.reuters.com/markets/oil/C4IRAGXEKVPRHJOFFAXOLCLWQU-2023-09-14/
米生産者物価指数(8月)前月比+0.7%(予想+0.5% 前回+0.4%)
            前年比+1.6%(予想+1.5% 前回+0.8%)
           
伸び率は2022年6月以来、1年2カ月ぶりの大きさ           
           
かと言って年内の追加利上げ織り込みは上昇しているわけではありません。
Fedウォッチ
市場金利はもみ合っていますが高止まり。
下げる気配がないので、今夜はユーロが弱かったこととに加えて
ドル高が顕著となりました。

通貨インデックス一覧 ドルインデックス強い
インデックス、ユーロも下げていますがポンドも弱いですね。
昨日、英国の月次GDPが発表されていましたが、悪かった。

英GDP、7月は0.5%減で今年最大の落ち込み スト響く
https://jp.reuters.com/business/ZEFYT7SSTVL4RIYSFG6TALBDHA-2023-09-13/
英月次GDP(7月)前月比▼0.5%(予想 ▼0.3% 前回+0.5%)
ほかにも
英製造業生産高(7月)前月比▼0.8% 前回+2.4%
           前年比+3.0% 前回+3.1%
          
英鉱工業生産指数(7月)前月比▼0.7% 前回+1.8%
            前年比+0.4% 前回+0.7%
           
など冴えない指標が相次いでいます。

7月まで最もタカ派だと思われていたBOEですが、
先般ベイリー総裁がハト派発言をしたこともあり
英国の利上げも限定的との見方が急速に広がっており、
今日はポンドドルを1.2486ドルで売り参戦しています。

ユーロはECB理事会前なので避けてポンドにしたのですが、
ECB理事会の影響で英国の追加利上げの可能性もグッと後退したようです。

英中銀の追加利上げ観測後退、ECBが引き締め終了示唆
https://jp.reuters.com/markets/treasury/QDREFWGBNJM5ZFH3E63NOLCCGU-2023-09-14/
・金利先物市場で9/21のMPCでの0.25%利上げ確率は3分の2
 (ECB前は4分の3だった)
・向こう数ヶ月以内に政策金利が5.5%を超えない確率が60%

そして上記通貨インデックス、
ユーロやポンドが弱いのに、豪ドル、カナダインデックスが強い。

この辺が資源国通貨の下落を抑制している材料かな。

中国8月CPI再び上向く、PPIは下落幅縮小 デフレ圧力緩和(9/11)
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/XTBPOAUWDRPQLKEMX2TNCBUKYU-2023-09-09/
中国人民銀、銀行預金準備率0.25%引き下げ 今年2回目(9/14)
https://jp.reuters.com/markets/bonds/UEJQIQYPGRI7NCBKAMRRK6YPFQ-2023-09-14/
そして、今日発表された雇用統計が強かったの。
豪州の指標ってブレが大きいですよね。。。

豪雇用統計
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/d6ca246996f0ad244e9063edba851395dd26dede

・新規雇用者数増減
 2023/08 +6.49万人(前回-0.14万人(前月発表値 -1.46万人)
・失業率
  2023/08 3.7%(前回 3.7%(前月発表値 3.7%)
・常勤雇用者数
  2023/08 +0.28万人(前回 -2.42万人(前月発表値 -2.42万人)
・非常勤雇用者数
  2023/08 +6.21万人(前回+1.73万人 (前月発表値 +0.96万人)
・労働参加率
   2023/08 67.0%(前回 66.7%(前月発表値 66.7%)

豪ドルは通貨先物市場での投機ポジションがかなりのネットショートなので
買い戻しが入るとスルスルと上がっていきやすい。
このショートが軽くならないとここから売り参戦は厳しいかもね。

米国商品先物取引委員会 豪ドル 投機的ネットポジション
https://jp.investing.com/economic-calendar/cftc-aud-speculative-positions-1615

そういう意味ではユーロやポンドは投機筋ポジションがネットロングですので
この買い玉が整理される過程では下がっていきやすいんじゃないかと(期待)

米国商品先物取引委員会 英ポンド 投機的ネットポジション
https://jp.investing.com/economic-calendar/cftc-gbp-speculative-positions-1612
日本株、TOPIXが再びバブル後の高値を更新。
日経平均もレジスタンスを超えてきました。堅調です。
内閣改造が評価されたとも思えませんが、
内閣改造後10月には経済対策が打たれる期待もあるでしょうか。

植田日銀総裁のインタビューで日本の金利が上昇し始めたことは
一見、株にネガティブのように感じますが
しかし、長らく続いてきたデフレからの脱却、日本も本格的
インフレ時代の到来であるということなら資産は上がりますから
株高は何ら不思議ではない、ということでもありますね。

そのあたりは今日のマーケットディーパーで
元ゴールドマンのファンドマネージャー斎藤岳さんが指摘されていました。

それと株主還元銘柄を探す時の視点について
わかりやすく教えていただいています。
大変勉強になりますので、ぜひご視聴ください。

<そもそも株主還元って?!>
『株主還元強化の可能性、選別の視点』
https://youtu.be/Z6GkxKVuiIc
解説:pafin代表 斎藤岳
また今週のウィークリーゴールドでは中国のゴールド買いの実態について。
あるアナリストの推計、今中国はとてつもないゴールドを飲み込んでおり
その総量に驚きました。
中銀金保有ランキング、大きく塗り替えられるかも・・・。

池水さんの解説必見ですよ。
[Weekly GOLD]
急騰するSGEのプレミアム:
中国のゴールド準備、本当のところは?
http://dlvr.it/Sw5cMP


それと、WTI原油が90ドル台に乗せてきました。
あまり良くないですね。。。ドル高が続きそうです。
WTI原油先物が上昇、昨年11月以来のバレル90ドル-需給逼迫懸念
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-14/S0Z5ZWDWLU6801