2024年6月24日月曜日

ドル円160円目前、介入は?~日米金利差縮小でもドル円上昇

 ドル円159円台へ。。。
週末金曜日の材料は米PMIの数字が良かったということですが
日本が米国の半期に1度の為替報告書の「監視リスト」入りしたことも
話題となっているようです。

※ドル円日足 今週の160円台もありそうです。

※ドル円15分足 NY時間のPMIの数字でドル買い加速

■米サービス業PMI上昇、22年4月以来の高水準-物価圧力は緩和
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-21/SFFNKDDWLU6800
・総合PMI 54.6(前月 54.5)2年2ヶ月ぶり高水準
・製造業PMI 51.7 (前月 51.3)
・サービス業PMI 55.1 (前月54.8)22年4月以来高水準

~企業活動が全般的に底堅く推移していることを示唆

このところの米国経済指標ってホント?っていうのがありますね。。。
ともかくこれでドル買いです。
しかし、ドル金利はあまり動いていないんですよね。

※米国債利回り
よって、日米金利差はどちらかというと縮小傾向にある。
それなのに、円安ドル高が止まらないのです。
金利差では説明ができない円売りが続いています。

一つ考えられるのは、欧州リスクなどから米国債が選好されており
米金利が抑えられてしまっている。
しかし、有事のドル需要からドルは強い可能性。

あるいは先週末に話題となっていた米国財務省が半期に1度提出公表する
為替報告書で、日本が再び為替「監視リスト」入りしたことなどもあって
もう日本は介入ができないのではないか、という思惑が強まっている可能性。

監視リスト入りしたからといって
「介入がやりにくくなった」訳では無いのですが、
そのような論調を目にします。

そもそも、この監視リストに入る条件というのがあって、
今回、日本はその3つの条件のうちの2つに該当したための
テクニカル的なものに過ぎないんですよね。

【監視リスト入り条件】
(1)米国に対する貿易黒字が年200億ドル(約2兆1千億円)以上
(2)為替介入による外貨購入が1年で6カ月以上かつGDP2%以上
(3)経常黒字がGDP比で2%以上

このうちの2つに抵触すると、少なくとも2半期は監視リストに入る。
日本は今回GDP比3%以上の経常黒字と大幅な対米貿易黒字の2つが該当。

・23年、日本の経常黒字はGDP比率で3.5%に達しました。
・23年の対米貿易黒字は8兆7249億円(200億ドルを上回る)

~日本は22年に原油高騰で経常黒字が縮小したため、
 同期間を分析対象とした23年6月と11月の報告書では
リストから除外されていました。

監視リスト入りのもう1つの条件は、
年間でGDPの2%を超える規模の為替介入を8カ月以上継続的に実施、
というのがありますが、日本は対象となる23年為替介入を実施していません。

ただ、今年はすでに10兆円近い介入を実施したことが明らかになっており、
この点を指摘する向きがありますが、
「外貨購入が1年で6カ月以上かつGDP2%以上」が基準です。
外貨購入ということは、ドル買い円売り介入のケースであり、
日本が現在直面している自国通貨安防衛(円買い外貨売り)
介入は該当しないのです。

この報道を受け、神田財務官は
「為替リストというのは機械的な基準に照らして評価するもの」
「(日本がリストに)入ったから為替政策を問題視するものではない」
「「投機による過度な変動が国民経済に悪影響を及ぼすような場合には、
しっかりとした対応をとる」と発言していますね。

つまり、為替介入ができない、やれないと言うことではありません。
それがわかっている個人投資家もあって
介入期待で円買いを仕掛けている向きも出てきました。

■「ごっつぁん」再び狙うFX投資家、円安加速で高まる為替介入リスク
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-22/SEY17AT0G1KW00

しかし、こうした介入期待の円買いが膨らむと介入効果が薄れてしまう、、、
4/29はこうした介入期待のポジションが
踏み上げられた160円まで円安が進行した後の実弾でした。
つまり、こうした期待ポジションが損切りを強いられるまでは
介入がないかもしれない、、、という気がしないでもないですが、
そうなると160円は軽く突破、162~163円くらいまでは介入がないかも。

次の注目は米PCE上昇価格指数でしょうか。
28日金曜日ですのでちょっと先ですね、、、その前に160円台はありそう。

ドル円は様子見ですが、
もしここからトレードしろと言われたら短期ロングかな・・・。

金曜日は欧州圏PMIが悪くユーロドルではユーロが売られました。

仏・製造業PMI 45.3(前回 46.4)悪化
 非製造業PMI 48.8(前回 49.3)悪化
 
独・製造業PMI 43.4(前回 45.4)悪化
 非製造業PMI  53.5(前回 54.2)好転

ユーロ圏・製造業PMI 45.6(前回 47.3)悪化
    非製造業PMI 52.6(前回 53.2)悪化
    
※ユーロクロス日足
ユーロドルは下落するも
ユーロスイスではユーロ買い、これは先週スイスが利下げを行ったためかと。
ユーロ円でもユーロ上昇、フランスリスクが有るユーロより円のほうが弱い。

6/30はフランスの選挙ですが、再び独と仏国債のスプレッドが
広がりそうな気配。となれば、ユーロスイスでもユーロ売りスイス買いになると
思うんですが、、、ユーロ円はわかりませんねぇ、、
ドル円相場で介入があればユーロ円も崩れますが、これはいつになるかわからない。
ユーロ円は急落のリスクを孕んでいるとは思うのですが
今のトレンドに逆らうポジションはとれません。テクニカルはとても強いので。

ユーロドル1.0844ドルショートは継続です。

NOTE
■政府、24年骨太方針を閣議決定 賃上げ・投資けん引の成長経済へ
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/WANGJUSTD5JCNB5WUFTSQ53AMQ-2024-06-21/
・「基礎的財政収支」を2025年度に黒字化させる財政再建の目標を3年ぶりに明記
・所得の向上に向け賃上げ6カ年計画

レパトリ減税は盛り込まれませんでした。

7/4は英国でも選挙。
■英与党は負け覚悟、歴史的惨敗の阻止に躍起-7月選挙は裏目の様相
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-22/SFHNVBDWRGG000

*****今週の主な予定***********
24日(月)
・6月 13・14日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」
・5月全国百貨店売上高(14:30)
・独 6月 Ifo 景況感指数(17:00)

25日(火)
・5月企業向けサービス価格指数(8:50)
・米 4月 FHFA住宅価格指数(22:00)
・米 4月 S&P コアロジック CS住宅価格指数(22:00)
・米 6月 CB消費者信頼感指数(23:00)

26日(水)
・米 5月新築住宅販売件数(23:00)

27日(木)
・米 1-3月期 GDP確定値(21:30)
・米 5月耐久財受注(21:30)
・米 5月中古住宅販売仮契約(23:00)
●●バイデン大統領とトランプ前大統領テレビ討論会開催見通し

28日(金)
・5月失業率・有効求人倍率(8:30)
・6月東京都区部消費者物価指数(8:30)
・5月鉱工業生産(8:50)
●イラン大統領選挙
●●米 5月個人所得・個人支出・デフレーター(21:30)


30(日)
・中国 6月コンポジット PMI(10:30)
・中国 6月製造業 PMI(10:30)
・中国 6月非製造業 PMI(10:30)
●●仏、国民議会(下院)の総選挙第 1 回投票(7/7 決選投票)

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