2024年8月1日木曜日

 日銀、国債買い入れ額減額と追加利上げ、セットで決定しました。
事前にそのような観測報道はありましたが
この経済状況で利上げまで決めるか…

■金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240731a.pdf

1【0~0.1%の政策金利⇒0.25%へ(0.15%利上げ)】
・無担保コールレートを0.25%程度で推移するよう促す。

賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、
         安達委員、中川委員、高田委員、田村委員。
反対:中村委員、野口委員。

2【長期国債買入れの減額】

月間の長期国債の買入れ予定額を、
原則として毎四半期 4,000 億円程度ずつ減額し、
2026 年1~3月に3兆円程度とする計画を決定した。(全員一致)
昨晩のNHK,日経新聞のリーク記事通りです。
毎度毎度決定内容がほぼ正確に、特定のメディアに漏れているわけですが
繰り返し追加利上げへの布石報道があったためか
政策決定発表直後、ドル円相場は乱高下するも決して
一方的に円高方向に走ったわけではありませんでした。

むしろ日本株市場は利上げ決定後でも半導体主導で買い戻し優勢、
植田総裁会見前までは日経平均先物も大きく上昇していました。

※日経平均  利上げでも後場から上昇、日本株への影響は軽微?!


※ドル円15分足
円高が加速したのは植田総裁の会見からです。
4月の会合の時はあれほどハト派的だったというのに
(お陰で円安が加速した)一体どうしたというのでしょうか。

■植田日銀総裁が利上げに積極姿勢、タカ派発信で年内追加観測も浮上
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-31/SHGUKVT1UM0W00?srnd=cojp-v2

「足元の金利水準は非常に低い」
「利上げは景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」
「経済・物価の情勢が私どもの見通しに沿って動いていけば、
 引き続き金利を上げていく考えだ」

・政策金利0.5%の壁も「特に意識せず」

年内さらなる利上げがある可能性までは市場も織り込んでいなかった、
ということでしょうか、政策金利が0.5%超えても問題ないとの
植田総裁の発言に市場は驚いたというわけです。

しかも、東京市場後場に日本株が大きく上昇したのは
日銀の金融政策とは別の材料によるものと考えられます。

■日本とオランダ、米国の新たな対中半導体制限から除外-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-31/SHHEC6T0G1KW00

※日経平均先物 植田総裁会見で上げ幅は随分削ってしまいました

バイデン政権の半導体の対中輸出規制ですがオランダ、韓国、日本は除外する、
という報道があったため、対中輸出比率が40%もあることで売り込まれていた
東京エレクトロンなどが猛烈に買い戻されたという経緯が。
ただ、さらなる利上げリスクには無防備だったと見え、
植田総裁会見で上げ幅を削ってしまいました。

しかし、今夜米国ではFOMCが開催されます。
米国株市場は全面高です。日本株も米国株の堅調に救われるか?
先物市場、やや買い戻されていますね。

今夜の7月FOMCは利下げはなし、
9月利下げ開始に向けた布石が打たれるというのがコンセンサスで
大きなサプライズはないと思われますが、
週末の雇用統計の発表を控え、今夜出てきたADPの結果に
ドル金利は一段安となり、ドル円の下落がさらに加速しました。

■米ADP民間雇用、7月は12.2万人増で予想下回る 6月は上方改定
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/YPBJCKJR75JLDJCJD5H2YZWJPY-2024-07-31/

※米国債利回り 


米金利下がり続けていますね。。。
今夜のFOMC通過で事実の買い戻しが来るでしょうか。。。

日本の利上げ、米国の利下げという政策の転換点を迎えるとあって
日米金利差は(10年)は5月以降縮小が続いていますが、
ドル円レートもようやくこの日米金利差縮小を猛烈に追いかけて
下がりだしました。
しかし、200SMAを大きく割り込んでいますので、
雇用統計に向けて一旦は下げ止まりリバウンドするような気もします。
200SMAを超えられず再下落するリスクは大きいですが。
昨晩売り参戦した
ドル円154.11円
ポンド円197.75円ショートポジションは
日銀会合前に一旦買い戻し、総裁会見後に再度売り直しました。
それをFOMC控えて先ほど再び買い戻してノーポジです。

ドル円
154.11 ⇒ 152.73買い戻し
152.35再ショート ⇒150.43円買い戻し

ポンド円
197.75 ⇒ 196.28円買い戻し
195.68再ショート ⇒ 193.20円買い戻し

今夜は米株が市場が大きくリバウンドしており
リスクテイク気味です。
下げすぎたドル円、クロス円の戻りがあるかもしれないということで
利食い千人力ですね。

雇用統計前に大きくリバウンドするようなら再度売りを狙おうかなぁ
などと考えていますが、値動き次第です。

NOTE
■政府・日銀の為替介入、5兆5348億円-29日までの1カ月間
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-31/SH06K6T0G1KW00

2007年10月にスタートした「ひろこのボラタイルな日々」は本日が最後です。
ブログをご愛読くださいました皆様、誠にありがとうございました。
17年もの間ブログ執筆をご支援いただいた
豊トラスティ証券様にも心より感謝申し上げます。

ひろこのX

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2024年7月31日水曜日

 東京時間午後からドル円上昇、日本株も反発上昇基調にありましたが、
NY時間、そのすべてを吐き出す急落となっています。

※ドル円15分足

※日経平均先物15分足
NHKによる日銀の観測記事が英訳されたことがきっかけではないか
という指摘が。

■7月30日 23時43分
日銀 追加の利上げ検討へ 0.25%程度に引き上げる案など議論か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240730/k10014530221000.html
~現在0%から0.1%程度としている政策金利を0.25%程度に引き上げる案
 などについて議論を行うと見られます~

0.25%程度に引き上げる案というところが具体性があると受け止められたか。

さらに、例によって日経新聞がいつものAM2:00の観測記事。
■7月31日 2:00 日銀が追加利上げ検討、0.25%に 量的引き締めも決定へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB25AMT0V20C24A7000000/

どうやら海外勢は明日の日銀利上げを織り込みに動いているようです。
本当に利上げがあるでしょうか・・・。
足元GDPはマイナス、実質賃金も未だマイナス、個人消費も冴えず
という状況にあるわけで、ここで利上げがあれば
日本株はさらなる下落を強いられること必至。
ドル円も下落再開となると見られます。

足元、これを織り込み始めた値動きと見られますが
明日31日お昼頃には結論が出るでしょう。

利上げがなければ今下げている分は再び買い戻されると思われます。
利上げがあった場合、日本株がどこまで下げるかちょっと怖いですね。。。

今夜は日銀の利上げ報道が影響しているのか、
米国株市場ではテック銘柄主導で崩れています。

ナスダック100

SOX指数


S&P500も上昇トレンドラインを割り込みそう
今夜も金利は低下傾向。
※米国債利回り
債券買いが旺盛ということでもあります。
高値警戒の強い株を売り、リスク回避相場となっているのか。

※VIX指数 やや上昇 17程度ですのでそれほど恐れることはないですが
※クロス円 軒並み下落に転じている リスク回避相場の様相
明日は日銀のあと、同日FOMCの結果が出てくるわけですが
明日7月FOMCでの利下げ織り込みはわずか4.1%程度。
9月利下げ開始がコンセンサスですのでサプライズは考えにくい。
今夜の米株の下落は、最後までキャリー取引を提供してきた日本が
いよいよ本格利上げに踏み切ることへの警戒という気がします。

円もキャリー通貨ではなくなっていく、というわけです。
まだわかりませんが、、、、

NHK報道きっかけに下げだしたところで
ドル円154.11円で
ポンド円を197.75円で売り参戦。

明日、日銀が利上げしなければ猛烈にリバウンドする可能性もあり
ポジション管理は慎重に、ですね。

ひろこのX

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2024年7月30日火曜日

 週明け29日(月)の東京株式相場、
大幅反発で日経平均株価は9営業日ぶりの上昇。
ですがこれで下げ止まって反発上昇開始とみるには時期尚早かと。
31日(水)の日銀金融政策決定会合控えて
積極的なリスクテイクは難しい局面でしょう。

31日の日銀金融政策決定会合前、
これまでなら植田総裁や内田副総裁などの発言がヒントとして
取り上げられ、コンセンサス醸成につながるパターンが
見られたのですが、今回の会合はかなり慎重な姿勢のようです。

■植田日銀総裁の異例の長い沈黙、決定会合前の利上げ思惑交錯の要因に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-26/SH7SC7T1UM0W00
植田総裁は6月18日の国会での発言を最後に
金融政策に関して公の場で話をしていない。
1日に何度も発言することもあり、世界の主要中央銀行の中で
頻繁に情報発信する総裁の一人である植田氏にとってこの沈黙の長さは異例
 
今回の日銀金融政策決定会合での利上げが30~40%近く織り込まれている、
という瞬間もあったようですが、
直前になって、やや冷静になっているようなムードです。
 
■日銀は今週利上げ適切か慎重に判断へ、物価は目標軌道も消費に弱さ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-29/SHCVCZT0AFB400

日本の金利、それほど上昇のトレンドにありません。
今日はむしろ低下中。
利上げを織り込んでいるようには見えません。

※日本国債利回り 低下していますね


日本国債利回りをウォッチしていると
7月利上げを予想する向きは急速に減っている印象。

ということもあるのか、先週末の米株市場が反発していたからなのか
日本株は反発。ただし本格上昇ののろし、というわけでもなさそうです。
日銀会合で利上げ見送りとなれば上昇加速となるのでしょうけれど。。。

※日経平均
※TOPIX
ドル円相場も方向感のない動き。

※ドル円日足
予想は予想に過ぎませんが、予想記事を。

■32時間の中銀ウオッチを控える市場関係者、政策の道筋見極めに腐心
 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-29/SHCVCZT0AFB400?srnd=cojp-v2
 
■英中銀利下げ開始も、1日決定発表-緩和サイクル入りの期待けん制か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-29/SHCW9KT1UM0W00

大きなイベントを控えて大きなニュースもない月曜日。
ノーポジのままです。
ドル円日銀ノーイベントなら反発しそうな気もするんですけどね。
今リスクテイクする気にはなれません。

NOTE

■中国の金消費量、上期は前年比-5.6% 価格上昇で宝飾品の購入減
  https://jp.reuters.com/markets/commodities/WLJDU2ARMBIX3NXQLREHEH6SBA-2024-07-29/
  
■ドル円急落は円高転換へのシグナルか、カギ握る日銀=内田稔氏
 https://jp.reuters.com/markets/commodities/BLNFS3ZSRJPN3JDG6O5DIHWH6A-2024-07-26/7

ひろこのX

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2024年7月28日日曜日

 先週までは日本株、ドル円、大きく下げました。
今週は日米の金融政策会合がありますが、事前コンセンサスと
大きく乖離しないようなら、ドル円、日本株は
一旦リバウンドする相場がありそう。
ただ、本格上昇ののろし、というわけではありません。
どこまで戻せるかという相場で、
その後再度売りになるリスクはまだ残っていると思います。

先週は注目された米インフレ指標であるコアPCE、やや強い内容でしたが
ドル金利は上昇せず、ドル円もむしろ下落に転じました。

■米PCEコア価格指数、6月は前年比2.6%上昇-予想2.5%上昇
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-26/SH76TJT1UM0W00?srnd=cojp-v2
・6月コアPCE価格指数:前年比+2.6%(予想:+2.5%、5月:+2.6%)
           前月比+0.2%(5月:+0.1%)
           
 ~コアPCEは前年比、前月比ともに予想を上回る
 
・6月個人所得:前月比+0.2%
   (予想:+0.4%、5月:+0.4%←+0.5%)

 ~個人所得は予想を下回る
 
・6月個人消費支出(PCE):前月比+0.3%
                                  (予想:+0.3%、5月:+0.4%←+0.2%)

コアPCEが予想をやや上振れたものの、
ディスインフレトレンドには変化がない、というのが市場の反応でした。
米金利は低下、ドル円も結局下落しています。

※ディスインフレ=インフレ状態からは脱却したものの
デフレではない状態。金融引き締め策が効いて
物価が鈍化傾向にあることです。
 
※米国債利回り 長期から短期ゾーンまで低下

金利の低下は今週31日(水)開催のFOMCに向けて、
利下げ開始時期が近いことが織り込まれているということでしょうか。
さすがに今回のFOMCでの利下げ織り込みは6%程度に過ぎないのですが
9月FOMCの利下げ織り込みは100%です。
今回のFOMCで9月利下げに向けた布石があると考える投資家が多いということでしょう。
(声明文やパウエル議長の会見などから)

※ドル円15分足 PCEの数字はやや強かったが、結局ドル安の反応
ドル円相場、先週木曜のブログで下げ止まる水準、
リバウンド狙いとしましたが153.32円のロングは
結局買値においた逆指値に引っかかって消滅。
戻りが鈍いですね。

やはり米利下げ観測が台頭し、日銀による利上げ観測もある中で
(利下げ、利上げの時期は今回ではないにしても)
日米金利差が意識される相場となっており、円キャリー・トレードが
再び旺盛になるというよりは、これまで積み上げてきた
ドル円ロングを整理する動きのほうが強いということではないでしょうか。

IMM通貨先物ポジション Forexwatcher
7/9  18.2万枚もの円のネットショートポジ
ションが積み上がっていましたが
7/16 15.1万枚に減少
7/23 10.7万枚にまで整理されました。

この10万枚の円ネットショートがまだ整理されるなら
まだドル円の下落余地は十分にあるということです。

今週は日米の金融政策によってドル円は乱高下を強いられるでしょう。
もし、日銀の利上げがなく円売りドル買いが再開したとするなら
38.2%戻り水準~90SMAと一目均衡表の雲の下限が重なるレベルである
155.70~156円くらいまで反発するかもしれませんが、
(半値戻りまであるなら156.90円近辺)
そのレベルを超えて更に上昇できるファンダメンタルズ環境にあるか、
というとちょっと難しいような気がします。
そのレベルまで戻ったら売りを考えたいですが。。。

※ドル円日足

日米金利差縮小のトレンドにようやく反応し始めたところです。
※日米金利差とドル円
来週は日本、米国だけでなく英国の金融政策も。
英国は今回のフェーズにおける最初の利下げ開始が予想されています。

■FRB議長は利下げ示唆か-米国、日本、英国が金融政策決定会合
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-28/SHBBIZT1UM0W00?srnd=cojp-v2

★FRB(米中銀):7/31は金利据え置き、
         9月利下げ開始がコンセンサス(100%)
        ~7月利下げ予想は6%程度。
       
       先週7/24、前NY連銀総裁のビル・ダドリー氏が
       「FRBは今すぐ利下げが必要。
                    9月まで待つのは景気後退のリスク」と 発言したことで、
                    わずかながら7月利下げ思惑が浮上しているが
       現状では6%程度の折込みにすぎず
                    今回利下げがあればサプライズ。
       サプライズはむしろ金融市場にネガティブに働く可能性も。
          
FedWatch 9月:100% / 11月:68% /12月:63% 
年内3回の利下げが織り込まれている
      
★BOJ(日銀):国債購入額、2年間で購入額を半減させる
                   というのがエコノミストコンセンサス。
     :利上げ予想は30~40%程度。
     
■日銀、国債購入3兆円程度に違和感なし 利上げ時期は慎重に判断
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/PJ5RJO45NJPPTHDBRZF3X2VWHI-2024-07-24/

     
★BOE(英中銀):8/1会合で4年ぶり利下げ開始予想。(50%程度織り込み)
      ただし、利下げ織り込みはそれほど高くない。
      利下げが見送られればポンドが買い戻されて上昇する可能性。
 
    
株式市場、今週は流石に下げ止まって反発のフェーズに入るでしょうか。
日銀が利上げを見送れば、猛烈に買い戻される可能性に期待。
自民党次期総裁候補らによる日銀への利上げ要請とも受け止められる
発言が必要以上に日本株下落を大きくした可能性が指摘されています。
仮に利上げがあれば、日本株はさらに下落、ドル円も再下落開始でしょう。
しかし日銀が早まらなければ、
日本株は安心感から買い戻されると思われます。
足元の利上げ織り込みは30~40%と比較的高いのが意外ですが
だからこそ、利上げがなければリバウンドできる。

※日本主要株価インデックス
ただし、物色されるセクターが半導体再び、
という相場ではないように思います。
岡崎良介氏が7/11CPI以降、米国の利下げが
強く意識される相場となったことで物色の柱は中小型株にシフト、
これまでそれしか買うものがないから、という理由で買われてきた
テック銘柄、半導体ではなくなっていくと指摘されています。
「ゲームチェンジ」だと。

※米国主要株価インデックス 金曜大きくリバウンド
米株市場、確かにナスダック、SOX指数は弱く
ダウ、ラッセル2000が強いですね。

実は今週31日の日米の金融政策だけではなく8/2(金)雇用統計があります。
こちらのほうが大きく動くかもしれませんね。

前回6月は
非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+20.6万人、予想+19.1万人を上回る伸びも
5月分が+27.2万人⇒+21.8万人、
4月分が+16.5万人⇒+10.8万人に大きく下方修正。
直近3カ月平均で+17.7万人と2021年1月以来の低水準に。

失業率は5月4.0⇒6月4.1%へと悪化しており、
発表後ドル買いが優勢となっていましたが、
見た目ほど良くない結果だっとして23:00以降大きく崩れました。

※ドル円6月分雇用統計発表時の値動き

今回の予想は NFPが+17.5万(前回20.6万から悪化予想)
       失業率は4.1%で前回と同じ予想
       平均時給、前月比+0.3%で前回と同水準
            前年比+3.7%で前回の+3.9%から伸びが鈍化見込み
            
特に失業率に注目しています。
これが4.2%に悪化していれば、
ドル金利低下、ドル売りが優勢となると思います。
サームルールからみれば4.1%でも景気後退確率はほぼ100%です。

サーム水準=過去12ヶ月の失業率の最低水準+0.5%
      現在の場合、過去12ヶ月の最低の失業率は3.5%
      これに0.5%を加えた+4.0%がサーム水準
      
サームルール=直近3カ月の失業率の平均がサーム水準を超えると景気後退。

現状、過去3ヶ月の失業率平均は4.0%で サーム水準と並んでいます。

今回、4.1%と前月と同じでも過去3ヶ月平均が4.06%に上昇してしまうため
サーム水準の4.0%を超えてしまいます。
つまり米国の景気後退は始まっているということになります。

4.0%に低下していたとしても、過去3ヶ月平均は4+4.1+4÷3=4.03で
サーム水準の4.0%を超えていることになりますが、この場合は誤差と
捉えられるかな?失業率は低下しているわけですし、、、

失業率が上昇、あるいは前月と変わらずであれば
ドル金利低下、ドル円の再下落リスクが高いと思われますので
ドル円再ショートのチャンスでしょうか。。。

まずは日銀、FOMCを経てドル円がどのレベルに動いて雇用統計を迎えるか、
という点も重要なのですが。


NOTE       
■銅下落、投機マネーが流出 需要減退で在庫は高水準に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB185EU0Y4A710C2000000/

銅がこれだけ弱いということは中国景気はダメダメですし
世界景気も決して良くはないということです。
だから、欧州、カナダは利下げを決定しましたし
米国も利下げ時期を模索しているというわけですが。

■メキシコが原油輸入国へ、生産量激減で2030年以降=政府予想
https://jp.reuters.com/markets/commodities/27WM2K23AFJT7A3YQFLEYCWAAU-2024-07-26/

メキシコは産油国としても知られていますが
輸出国ではなくなる日が来る?!

********今週の主な予定**************

29日(月)
日米防衛相会談
日米豪印外相会合

30日(火)
国内自動車大手世界生産販売実績(6月)
日本雇用統計(6月)
ドイツGDP速報値(第2四半期)
ユーロ圏GDP速報値(第2四半期)
ドイツ消費者物価指数(7月)
★米求人件数JOLTS(6月)

31日(水)
外国為替平衡操作実施状況(6月27日-7月29日)
★★日銀金融政策決定会合
豪消費者物価指数・小売売上高(第2四半期)
豪月次消費者物価指数・小売売上高(6月)
中国製造業PMI・非製造業PMI(7月)
ユーロ圏消費者物価指数(7月)
米ADP雇用者数(7月)
★★米FOMC

1日(木)
中国財新製造業PMI(7月)
英中銀政策金利、四半期インフレ報告、議事録、ベイリー英中銀総裁 記者会見
★★米ISM製造業景気指数(7月)
米政権、中国電気自動車に対する輸入関税を25%から100%に引き上げ

2日(金)
スイス消費者物価指数(7月)
★★米雇用統計(7月)

ひろこのX

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2024年7月26日金曜日

 しかし良く下げました、日経平均は39000円を割り込んでいます。

※日経平均日足  7日続落 今日7/25の下げ幅 ▼1,285.34円 37,869.51円

ドル円は25日夕刻一時151円台に。
※ドル円15分足

NY時間に入り、米4-6月期GDPが発表され予想を上回る強さを見せたことで
ドル買いとなり、ドル円の下落も一旦終了可に見えます。反発基調へ。

■米GDP、4-6月に予想を上回る伸び-堅調な需要浮き彫り
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6IW9T1UM0W00?srnd=cojp-v2
・4-6月期GDP速報値 前期比年率➕2.8%(予想➕️2.0%)
・1-3月期確定値 ➕️1.4%
・個人消費➕️2.3%(予想➕️2.0% 1-3月期➕️1.5%)
・食品とエネルギーを除く個人消費支出コアPCE➕️2.9%
                                                       (予想➕️2.7% 1-3月期➕️3.7%)

円が対ドルで一時上げ解消、154円台に下落-好調な米GDP発表後
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6MBET0G1KW00

さて、ここで下げ止まったと言えるでしょうか。

日経平均は6月末からの急伸相場のすべてを吐き出し行って来い。
ドル円相場も介入後につけた安値に面合わせ水準で下げ止まり
介入以降の上昇分のすべてを吐き出した格好です。

一旦は下げ止まる水準ではあります。

日銀金融政策決定会合まで後3~4営業日ありますが
利上げ観測が台頭する中でどこまで戻るか。

7/25 19:00■日銀、追加利上げの時期模索 7月論も浮上
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24AI80U4A720C2000000/
・追加利上げの場合、政策金利を0.25%程度とするのが有力な案として浮上。
・利上げ幅としては0.15%程度

具体的な観測記事ですが、このところの自民党政府要人らの発言もあり
日本株下落、ドル円下落に拍車をかけたのは
利上げ警戒があったといえましょう。

昨日24日には国債買い入れ額減額の観測記事がロイターから。

7/24 6:28 日銀、国債購入3兆円程度に違和感なし 利上げ時期は慎重に判断
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/PJ5RJO45NJPPTHDBRZF3X2VWHI-2024-07-24/
・日銀では、2年で3兆円程度までの減額について、違和感はないとの声がある
 (市場の動揺を抑制する観点から、市場の見方に近い水準が望ましいとの意見)

利上げ警戒などもありテクニカル的な節目まで暴力的に下げてしまったため
一旦は止まっていますが、このまま日銀前に買い上げて上昇トレンド回帰と
なるとは考えにくいですね。
日銀後、やはり今回の利上げは見送られたということで上昇が加速する
シナリオなら考えられますが、、、。

ただ、その場合でも今年の上昇トレンドラインに回帰できるかというと
7月利上げが見送られたとしても、9月以降の利上げの可能性は濃厚で
植田日銀総裁も4月日銀会合後に円安が加速した苦い経験から
発言には十分配慮すると思われます。(タカ派的トーンとなるのでは)

さらに9月には利下げが開始されると見込まれる米国。
日米金利差はいよいよ本格的に縮小するトレンドとなることを考えると
戻りは売られる相場展開となるかと思われます。
※日米金利差(10年債)とドル円
金利差の相関に寄せていくなら150円割れても不思議はない。

※ドル円日足
 
戻りの目安、今回の下落幅に対して
38.2%戻し 155.75円
半値戻し 156.94円

このあたりの水準には90SMAもはしっており、
一目均衡表の雲も抵抗となりそう。

今日NZドル円94.44円ショートを90.24円で買い戻しました。
短期戻り狙いでドル円を153.32円で買っています。
コストには逆指値をおいてリバウンドを取りに行きます。
上記テクニカル水準まで戻るようなら
ひっくり返そうかなと思っていますが、、、

NOTE
ドル安望むトランプ氏、掲げる政策は自国通貨高をかえって促進か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH5FI0T0AFB400

アマゾンもついに配当開始か、膨らむ手元資金-株主還元はトレンドに
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6MW8DWX2PS00

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2024年7月25日木曜日

 夜間の日経平均先物、38500円を割り込む下落となっています。
※日経平均先物

24日の日中取引(現物)でも39100円台まで下落し6日続落。
6日も下げ続けるって
21年9月27日から10月6日までの8日続落以来、2年9カ月ぶり。
リスクオフ相場に入っています。
※日経平均 
今夜は米株も軒並み安。
昨日4~6月期決算を発表したTeslaやAlphabetが
時間外取引で下落していましたが
Teslaは今夜12%下落する局面も。
※Tesla
■テスラ4〜6月45%減益 2四半期連続、欧米中で振るわず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN213ON0R20C24A7000000/
■Alphabetの4~6月期は増収増益も広告減速、クラウドはAI追い風に29%増収
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/09584/

※マグニフィセント7 Apple,Alphabet、Microsoftなど軒並み弱い
このところ大型株の決算発表後のネガティブな反応が目立ちます。
いよいよ投資家心理が弱気に転じているように見えますが、
今夜は前のNY連銀総裁のビル・ダドリーの発言も
重しとなっているとの見方も。

■I Changed My Mind. The Fed Needs to Cut Rates Now.
(考えを変えた。FRBは今すぐ利下げが必要。
 9月まで待つのは景気後退のリスクを不必要に高める。
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2024-07-24/the-fed-needs-to-cut-interest-rates-now
ダドリー氏はこれまでずっとタカ派でした。
しかし、米景気が弱いので7月に利下げすべきだ、というのです。
記事中には労働市場の悪化、インフレの急減速に言及しています。

これを受けて、米景気ってそんなに悪いんですか??ってことで
リスクポジションを落とす動きが加速している可能性もありそう。

ダドリー氏は現役のNY連銀総裁ではありませんが
そもそもNY連銀というのはFOMCにおいては
議長をささえるNO2ポジションで他の地区連銀とは別格の重要なポスト。
常に投票権を有しています。
その重責を担ってきたタカ派のダドリー氏の
スタンス変更はインパクトが大きいのでは・・・

元来利下げは米国株市場にとってプラスですが
市場のコンセンサスは9月のFOMCでの利下げ開始です。
それを7月にやるべきだ、というほどに1ヶ月半待つことすらリスクである、
という指摘は市場にはネガティブサプライズとなっていると思われます。

かといって
フェドウォッチの7月利下げ確率が上がっている訳でもないですが
(現在7月利下げ確率は6.7%程度)
しかし、短期金利は急低下。早期利下げ開始、あるいは年内3回の利下げの
可能性を急速に織り込んでいるようにも見えますね。

※米国債利回り とうとう30年と2年の金利がひっくり返った
金利急低下でドルも買いにくいですが
株式市場がリスクオフ相場の様相を強めているためキャッシュ化の動きも
あると見られ、ドルインデックスは膠着。
一方、円は急激に上昇しており、こちらは典型的なリスクオフ相場の動き。
日銀への警戒も強いと見られます。スイスフランも上昇していますね。ね。
※通貨インデックス値動き比較
これ、河野さんとか茂木さんの発言が影響しているのだとしたら
株をこれだけ下げさせてしまったってことでもありますよね。
管轄外の立場で安易に金融政策に口出しすべきではないと思います。

為替市場においては18万枚にも積み上がった円のネットショートポジションが
巻き返されていることによる円高かと思われますが、
いよいよ38.2%下落水準をも下抜けてきました。
NYクローズの足をみないと確定ではないですが。

※ドル円日足
日米の金融政策に目を奪われている中で中国も深刻。

日本ではあまり大きく報じられていないのですが
中国の長雨での洪水被害は甚大なようです。
4日前には橋が崩落する事故も。
■中国、橋崩落で11人死亡・ 30人不明 習主席「救助に全力を」
https://jp.reuters.com/markets/commodities/3QDZYXNTVNJ6VPUHUIGVIO74TY-2024-07-20/
この記事の写真は3日に撮影されたようですが
SNSでは首席が倒れて容態が良くないという噂もあるようです。

需給が緩いことから下落が続き安価に放置されてきた大豆やとこもろこしが
下げ止まって反発しそうなチャートになっているのは
洪水被害を受けた中国による
ソフトコモディティ輸入が増えるのではないか、という思惑もあるようです。
情報が少なくて真相はわかりませんが。

22日には中国は利下げを決定していますね。
■中国人民銀行 利下げを発表 景気を下支えするねらいか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240722/k10014518991000.html
1年ものの金利が引き下げられるのは、去年8月以来、11か月ぶり

利下げも効いていません。
上海総合指数は下落基調を強めています。
こんなニュースも。

■最高額で売れた香港高層ビル、価値急落-中国信用バブル崩壊の象徴に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-23/SH1S6NT1UM0W00?srnd=cojp-v2
中国からの資金流入によりバブルが発生していた香港不動産市場が急落中。
バブルの象徴となっていた高層ビルは半値担っているスペースもあるとか。
香港の不動産価格急落は銀行など金融セクターにも波及するリスクが。

※香港ハンセン指数

こうした中国リスクが、豪ドルやNZドル下落を加速させていると思われます。
NZドル円ショート継続です。

※ドル円、クロス円日足

ドル円は200SMAくらいまで下げるのでは?
このレベルは今回の上昇トレンドの半値押し水準でもあります。
NZドル円は200SMAを割り込んでしまっています。

NOTE
■米新築住宅販売、6月は予想外の減少-金利・価格の高止まりで
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-24/SH4SELT0AFB400
・昨年11月以来、7カ月ぶり低水準-在庫は2008年以来の高水準
・販売価格の中央値は41万7300ドル、在庫増加が価格の伸びを抑制

■ブラックストーンの商業用不動産REIT、ディストレス増大で減配
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-24/SH4JQBT0AFB400

■カナダ中銀、2会合連続で25bp利下げ-焦点は下振れリスクにシフト
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-24/SH4RO7DWRGG000
インフレ懸念の後退に伴い、追加利下げの可能性も示唆

■ユーロ圏経済活動は7月に停滞、ドイツは予想外の縮小-ユーロ下落
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-24/SH4QOGDWX2PS00

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