フランス大統領選結果を受け、リスク回避の巻き戻しが大きくなった4月最終週。
ドル円相場は109円台から111円台へと値を伸ばし、
4/29金曜のNY市場では111.44円でクローズ。
テクニカル的にはブレグジット安値98円からトランプラリー118円の
丁度半値押しだった108.80円をサポートして反発した形で
非常に強い転換のシグナルと言えます。
今週末5/7㈰にフランス大統領選決選投票がありますが
波乱はなさそうな雰囲気です。
マクロン氏優勢続く 仏決選投票まで1週間
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H1N_Y7A420C1EA2000/
北朝鮮有事リスクは、北朝鮮の記念日イベントが経過したことで
足元の過度な警戒が後退していますが、まだまだ緊張状態は続いています。
4/29㈯朝、再び北朝鮮がミサイル発射しましたね。
北朝鮮が弾道ミサイル発射 50キロ飛行し内陸落下、失敗か
http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM29H1B_Z20C17A4MM8000/
ただし、失敗と報じられていることからそれほど週明けのマーケットに
大きな影響はないと思われます。
これを受けての米国の動向が最も気がかりですが
現在のところ、トランプ大統領が
「北朝鮮は中国や尊敬すべき(習近平)国家主席の思いを踏みにじった。
(発射は)失敗に終わった。ひどい!」とツイッターに投稿した程度で
軍事的な動きはないようです。
5月9日㈫が韓国大統領選挙ですので、この日までに何か動きがある、
という指摘も一部にありますが、これを過度に警戒していては
この反発のラリーに乗れませんね。。。
リスクは他にもささやかれていました。
28日米国政府シャットダウンの危機、というやつですが
足元では回避された模様。
米議会 暫定予算案可決 政府機関の閉鎖回避
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170429/k10010966141000.html
暫定予算の期限が切れる28日まで与野党の間で折り合いがつかず、
ひとまず新たに1週間分(5/5まで)の暫定予算案を可決して
政府機関の一部閉鎖を回避
~メキシコとの国境沿いの壁の建設費用については盛り込まない方向で
調整を進めていて、来月5日の新たな暫定予算の期限が切れる前に、
今年度の予算案の可決を目指す
ということでうすので、GW中に再び期限がくるわけですが
政府シャットダウン危機って、マーケットは慣れっこになっているネタ。
今回28日がシャットダウン回避されたなら
5日も過度にリスクを恐れることはなさそうです。
ということで、足元点在するリスクが一つ一つこなされていく中で
マーケットのリスク回避の巻き戻しが進んでいる印象です。
では今週の材料は、、
1(月) 米3月PCEデフレータ(コア)予想▼0.1(0.2)
米4月ISM製造業景気指数 予想56.5(前回57.2)
2(火) 中4月マークイット製造業PMI 予想51.4(前回51.2)
3(水) 米FOMC政策金利発表 現状維持予想
5(金) 米4月雇用統計 予想NFP+19.3(前回9.8であまりに弱かった)
3日~5日東京市場は休場です・・・。
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週末発表になった米GDPは予想より悪かったので米株は小安く引けました。
米経済、遠い4%成長 1~3月GDP0.7%増どまり
利上げがじわり重荷に
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28HB4_Y7A420C1FF8000/
事前予想は+1.2% 0.7%とは期待外れ。。。
低成長の原因は+0.3%にとどまった個人消費(特に自動車)
しかし、
一方で設備投資は9.4%と大きく伸びたほか、
同時に発表になった第1四半期の米雇用コスト指数(ECI)
前年同期比+2.4% ここ2年で最大の伸び。
前期比では+0.8% 2007年10-12月以降で最大の上昇。
賃金・ 給与、諸手当ともに伸びが加速し、
インフレ期待が高まっています。
これは6月利上げ思惑を強めるものでしょう。
ということで、ドル円相場はそれほど大きく下げることはありませんでした。
今週2日~3日は米国FOMCですが、記者会見がないので
注目度は低く、次に利上げがあるとすれば6月以降の見込み。
現在のところCMEフェドウォッチで6月利上げ思惑は63%程度。
そこそこ6月利上げ思惑が高いので、今週末の雇用統計の数字如何では
一段の利上げバイアスの高まりでのドル高シナリオもあるかもしれません。
雇用統計の結果が悪ければ、話は変わりますが、、、
(かといって、雇用統計の数字悪化程度の材料で
再び110円を割り込むような円高リスクとはならないと思っています)
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先週4/27木曜のECB理事会。
欧州中銀、緩和維持継続 景気「下振れリスク後退」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27HAR_27042017FF2000/
ドラギ総裁は記者会見で
「景気回復はよりしっかりしており、下振れリスクは後退している」
と述べたことでECBが遠からず「出口」に向かうとの観測も浮上
しましたが、出口戦略やフォワードガイダンス変更についての議論は
なかった、との発言で、ユーロは乱高下したのちに売りが優勢となって
いたのですが、
28日4月のユーロ圏消費者物価・速報を受けてユーロが大きく上昇しています。
4月ユーロ圏消費者物価・速報
前年比+1.9% (2月の+2.0%以来の高水準)
コア前年比+1.2%(2013年6月以来の高い伸び)
コア前年比の伸びが大きくユーロが大きくかわれました。
インフレ指標が強いということで、やはりECBの出口が意識された格好。
そしてこんな記事も。
ECBが6月に緩和解除示唆検討、政治リスク後退で=関係筋
http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-sources-idJPKBN17R296
・「緩和バイアスを一部取り除くことが話し合われている」
・仏大統領選の第1回投票で政治リスクが後退したことが背景
・冒頭の声明に変更が加えられる可能性
~見通しに対する下方リスク、追加利下げや資産買い入れ拡大に関する
文言の一部、またはすべてを削除することが検討されている
~「緩和バイアスを一部取り除くことが話し合われている」とし、
「指標次第なので、時期は明言できない」とした。
指標次第、としていますが、指標が良かったことで
6月のECBでの緩和解除示唆思惑が強まったということでしょう。
ユーロはここからさらに上がる可能性が大きいかもしれません。
週明けは、ECBの6月緩和解除見込みがマーケットでのテーマとなってくる
可能性にかけてユーロを押し目買いしてみようと思います。
ユーロ円がいいかな。。。
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ドル円相場上がってきたんだけど、意外とロングが積みあがっていません。
というか、ドル円でのドルロングは減少しています。
Quick ドル円ポジション
http://www.quick.co.jp/page/fx_position.html
棒グラフが
CME、IMMのファンドポジション+店頭FX+くりっく365の個人投資家のポジション合計。
ドルロングは減少していますね。
くりっく365FXの個人のドルロングがなくなっちゃってるのが気がかり…
手仕舞ってしまったのかしら。
3年間の推移をみるとファンド勢は2016年年初から一気にドルロングを
ショートにひっくり返したことがわかりますね。その変化はものすごいスピード。
しかし、くりっく365のポジションはドル円が夏場の100円台へ下落するまで
ロングが残っており、対応が遅いことがわかります。
やられちゃったのかな、、、という気がしないでもない…。
グロスでみても、まだまだドルロングが積みあがっているということはなく、
足元ではむしろ減少傾向ですので、ここからロングを積み上げる余地は
まだまだ大きいということかと思います。
ファンドのポジションは参考程度にしかならないのですが
極端にロングからショートへ、ショートからロングへ変わる瞬間に
相場が大きく反転してきた過去の経緯から、
定点観測し続ける意味はそれなりにあると思います。
それと、トランプラリーで膨大に積みあがっていた米債ショートですが
一転してロングに代わっています。
米10年債 投機筋ポジション推移 4/18~4/25
米10年債利回りの投機玉はネットで214,642枚の買い越し。
この買い越幅は08年3月4日以来、約9年ぶりの大きさです。
前週の売り越しから買い越しに一気に転換。(4/18~4/25の週)
たった2か月前に過去最大の売り越しとなっていたことを考えると
この変化は大きい。何があったんでしょう?!
リスク警戒で米債に資金を流入させた??
こうした米債ショートポジションの整理から一気に米債ロング増
という流れの中では米国債利回りは下落圧力にさらされ続けてでしょうから
これがつい先日までのドル円の下落の一因だったと思われます。
今は逆に米債ロングが一気に積みあがっているわけで。
これを整理する過程では米国債利回りは上昇の圧力が大きくなり、
これは将来のドル高の材料となってくるものと思われます。
ということで、ドル円ロングは継続。
ポンドのショートはまだまだ巨額に残っていますので
ポンドの買い戻しによるポンド高はまだ見込めると思っています。
ポンドドルロング、ポンド円ロングも継続。
そして今週以降、ユーロの押し目買い狙いです。
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