2018年8月8日水曜日

リスクに鈍感な市場~中国外貨準備は増えていた?!

足下ではリスク要因と思われる材料には事欠かないのですが、、、
株式市場も為替市場もレンジが続いています。

米、イラン制裁を7日再開 大統領令に署名
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33879470X00C18A8MM8000/

イランでの事業を撤退・縮小させる欧州企業が増えているとの報道もありますが
EUはイランに進出する欧州企業を米制裁から守る「ブロッキング規則」を
7日に発動しています。

これは米制裁に従うことを禁じ、制裁に伴う損害賠償を
EU内の裁判所で米側に訴訟で請求できるというものですが、
トランプ大統領は「イランと取引を行う国は、米国と取引できなくなる」
とtweetしており、ブロッキング規制の効力には疑問。

ということで、イランではゴールドを買い求める市民が急増中。

イランで金需要急増、米制裁再発動を前に
https://jp.wsj.com/articles/SB12595837096861074013304584391942621063138
インフレに備えているということでしょう。
イランの金買いだけでは、ゴールドの国際価格は上がりませんね。。。

※COMEX金先物価格


金が下落しているのはドルが高いからですね。

市場の関心はリスク回避の金買いではなく、
米金利に集中しています。年内あと2回、来年3回の利上げが見込まれる米国、
ドルが強い状況が続いており、これがゴールドにとっては下落要因となっています。

リスク回避でゴールドが買われるという環境になく、
VIX指数も低下傾向、ほとんどリスク警戒がないとも言えます。

※VIX指数


とはいえ、イラン制裁だけでなく中国株下落、人民元安、
トルコリラに代表される新興国通貨安、イタリア国債利回り上昇など
懸念材料はたくさんあるので、積極的なリスクオン相場にもならない。

夏枯れ、、、ですねぇ。

ユーロ円ショートは129円でロスカット。
ドル円ショートだけ細々と継続中。

ユーロ円は130円台まで戻れば再度ショートかな…。

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昨日はこのニュースが注目されていました。

中国外貨準備高、7月末は3.118兆ドル 予想に反し増加
https://jp.reuters.com/article/china-foreign-reserve-idJPKBN1KS127
前月比58億2000万ドル増(7月末)
6月末時点では15億1000万ドル増加
ちょっとだけですが2か月増。日経新聞のグラフです。



7月は人民元が対ドルで3%もの下落となっていますが、
人民銀行が「人民元安」に対処するなら
外貨準備のドルを売って人民元買い介入を実施する可能性があるんですけど
その場合、外貨準備のドルを使うわけで外貨準備が減るはずです。

しかし、中国の外貨準備は減るどころか増えている!

増えているということは、記事中にあるように
「人民銀行が依然行動を取っていないことを示している」

人民元安を放置している、ということですね。

何故増加したのか、という点においては
「人民銀行が保有する外債の価格が上昇したことによる影響」
ではないか、とされています。
決して、人民銀行が元売り外貨買いをして米中貿易交渉に対抗しようと
しているわけではないだろう、、、ということのようです。、

これは逆説的に考えると、人民元安を止める潤沢な資金が残されている、
ということでもあるので、市場には安心感として受け止められた側面が。

98年のアジア通貨危機の時には、タイ、インドネシアなど新興国に
潤沢な外貨準備がなく自国通貨を買う資金がなかったことが、
(介入で支えることができなかった)
最終的にロシア危機~LTCM破たんにまで繋がったと記憶しています。

まだ、中国は人民元外介入を実施するほどには
資本流出が深刻ではない、と捉えることもできますね。
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