2019年8月5日月曜日

1日㈭の深夜に飛び出したトランプ大統領のtweetで2日の世界の株式市場、
為替市場、債券市場は軒並みリスクオフの様相を呈しました。

現時点で制裁関税の対象となっていない中国からの輸入品3000億ドル
(約32兆2300億円)相当に
9月1日から10%の追加関税を課すと発表。

2500億ドル程度の中国産品を対象とする25%の追加関税は継続することから、
中国からの輸入のほぼ全てが制裁関税の対象となる見通しです。

さて、これはまたトランプ流の駆け引きで、
9月1日前には落としどころが見つかるでしょうか。

その可能性も考えてディールしないとね。
3日、トランプ大統領はTweetで
「中国についての状況は非常に良好だ」としています。

あるいは、利下げするにはしたものの「緩和サイクルの始まりではない」と
要らぬコメントをしたばかりに株式市場の下落をもたらしたFRBに対しての
(トランプ大統領からの)圧力が増すかもしれません。

というか、トランプ大統領が圧力をかけなくても
米株が崩れていけば、FRBは「市場から」さらなる利下げの催促を
されると思われ、株式市場の下落にはテクニカル的な節目では
歯止めがかかるんじゃないかと思っています。
金融政策的には余力は少ないとはいえ、
米国にはまだまだやれることがありますしね。

ただし、目先は落ちるところまで落ちないと気が済まないのか相場です。
そのテクニカル的に、あるいは需給的に止まるポイントに差し掛かるまでは
落ちるナイフをつかみに行くことはありませんね。
そのポイントを探るのが難しいのですが。

まずはチャートチェック。

※主要な世界の株価一覧


イエローが200EMA 緑が50EMAです。
英国のインデックスFTSE(右下)はポンド安の恩恵のせいなのか
ブレグジット騒動の割には随分高値にありましたが
トランプ砲の影響は大きかった。

米国、英国、そして上海などは200EMAが緩やかながら上向きなので
200EMA付近まで下がれば一度止まるものと思っています。
そのあたりでは一度買いたいですね。

ただ、悲しいかな日本、韓国は200EMAが急角度で下がっていて
ろうそく足もその下で位置しているので、下値は別の確度から模索せねば。
日経平均の場合、PBR1がサポートされるというのが比較的教科書的な
コンセンサスですが、それって20000円割れもありそうな位置ですよね。。。

日本株がダメそうなのは10月に消費増税を控えているってのもありますが
まずは足元の円高。ドル/円相場はFOMC受けて109.30円台まで上昇したのですが
金曜終値では106.50円台3円近くの下落です。久しぶりのボラ。

何が起きているかというと、、、、

※通貨インデックス一覧 円高、スイスフラン高


円高、スイスフラン高って、典型的なリスクオフ相場なんだけど
債券市場を見ると主要国の長期金利が軒並み大きく下がっていて
債券市場にものすごい勢いで資金が流入しているのが伺えます。

※主要国長期金利一覧


同じ位置にいるの、日本だけでしょ。
米国もドイツ(欧州)も英国もオセアニアもすごい勢いで利回り低下。
日本はイールドカーブコントロール中ですので0%近傍に固定されており
トレンドにはならないため、安定しちゃうんです。

となると、金利だけ見てても、円が安定しているわけで
(ていうか、下落余地がない)
こりゃ円高になっちゃうよねぇ、って話でもあります。

そういうわけで、他通貨安です。クロス円が崩れてきた。

※クロス円一覧


直近の足だけ見ていても、水準が見えにくいのでたまには月足を。

※クロス円月足

ドル円はまだ高いところにいるように見えません?!
アベノミクスの前は70円台でしたから106円もあればまだ円安水準です。
それに、200EMAをかろうじて守っています。

ところがクロス円は軒並み200EMAを割り込んでいます。
特に豪ドル円はアベノミクス前の水準まで下がっています。
これは中国銘柄、資源銘柄とされているためかと思いますが
NZドル/円などもそのうちそのレベルまで下げそうですね。
65円台があるかも。

ブレグジットで不安の大きいポンドもアベノミクス前の水準まで
落ちるとするならば122円くらいまで下げ余地あり。

もしユーロ円がそのレベルまで下げるなら100円台があるということになりそう。
ユーロ円ショート保有中ですが、これは長く持つべき?!
あくまで月足レベルでの皮算用ですが💦

ドル円がアベノミクス前の80円前後まで下がっちゃうとパニックです。
日経平均が1万円割っちゃいますので、それはないでしょう。
日経のPBR1割れが18000~9000円くらいでしょう?!
ドル円下落は影響が大きすぎます。
100円を割り込むようなことがあれば、政策的にテコ入れがありそうなもの。

ただ、豪ドル円がすでにその域まで下げてきているので
NZドル/円などはまだ下げ余地はありそう。

というのも、豪ドル円、NZドル/円は日本の個人投資家のロングポジションが
大きいんです。OTC業者5社の先週末時点の公開されている個人の売買比率を
見てみたんだけど、先週のあの下落でもまだまだオセアニアロングなんです。

※IMMシカゴ、OTC,くりっく365の売買ポジション


投機筋のドル円のロングはほぼイーブン。
ここから円高になるかっていうと、
200EMAが何とか機能してあっても105円台くらいじゃないかな。

面白いのはくりっくのポジションってドル円ショートなのね。
そんでもってユーロ円はわずかにロング。
ただし、このデータ-最新のもので7/23時点なので、
先週の円高局面を含んでいないのですが。

IMMポジ、ポンドショートがかなり膨れ上がっているので、ポンドショートは
いつ巻き戻されてもおかしくないので、ポンドには触りたくない。
日本の個人はポンド円ロングなんだけど、これが食われている構図?!

個人投資家ポジションは圧倒的にオセアニアロングが大きい。
ということで、豪ドル円、NZドル/円ショートに妙味ありと考えます。

先週ダウロングが刈られた後、NZドル/円を70.64円でショート参戦しました。
これでポジションは120.76円のユーロ円Sと
NZドル/円ショートとなりました。

今週はオーストラリアとNZの金融政策会合があるんですよ。

リスクオフ相場となり、通貨安競争が激化する中、
両国とも緩和的になる可能性が高まっているように思います。

NZは5月の理事会で0.25%の利下げに踏み切り、政策金利は現在1.5%
6月は見送られましたが、今回は利下げしそうよね。

豪州は6月に3年ぶりの利下げに踏み切り、7月も連続利下げを実施。
政策金利は過去最低の1%まで引き下げられています。
7月31日に発表された豪第2四半期消費者物価指数(CPI)が予想より良かったことで
今回の利下げ予想はあまり高くないようです。
現在のところ年内もう一回の利下げは10月、もしくは12月という見通しが大勢。

ということで、今回利下げがない、ということで豪ドルが上昇するなら
そこで豪ドルショートを狙ってみたいと思います。
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今週の主な予定

■8/5(月)
米 7月 ISM 非製造業景況指数(23:00)

■6(火)
6月家計調査(8:30)
6月毎月勤労統計調査(8:30)
6月景気動向指数(14:00)

●豪州準備銀行理事会

■7(水)
JPX日経 400 の定期銘柄入れ替え発表
●NZ 準備銀行金融政策決定会合
インド準備銀行金融政策決定会合
タイ中銀金融政策決定会合


■8(木)
 6月国際収支(8:50)/7月都心オフィス空室率(11:00)
7月景気ウォッチャー調査
中国 7月貿易収支

■9(金)
4-6月期 GDP(8:50)
中国 7月消費者物価
中国 7月生産者物価(10:30)
英 4-6月期 GDP(17:30)
米 7月生産者物価(21:30)

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