リスクオフ相場の様相を呈しています。
※米10年債利回り
200SMAで下げ止まる事ができませんでした・・・。
低金利でリスクテイク、とは行かないセンチメント。
本当に景気が良くて金融政策の引き締めが視野にはいっているなら
金利は緩やかに上昇していくのが健全です。
米国債は長期債から短期モノまですべからく金利低下。
※米国債利回り一覧
この金利低下は債券市場に資金が逃げ込んでいる、
すなわち、景気回復シナリオに懐疑的なマーケットを現しているとも言えます。
※VIX指数
恐怖指数も上昇してきました。
何がきっかけで米株がリスクオフ相場となっているのか。
デルタ株の拡大が報じられていますが、
原油が下落していることが遠因である可能性も。
※WTI原油
OPECプラスは8月からの協調減産量の縮小=増産で合意しました。
UAEとサウジが対立していましたが、ひとまず丸く収まったことで
原油市場は利食いが旺盛となっているようです。
WTI原油、7/6に高値76ドル台までありましたが、
週明け70ドル大台を割り込んできました。
ここまでの原油高には投機マネーが随分入り込んでいたこともあり
OPECプラス合意のタイミングでデルタ株拡大が手仕舞いを促しているようです。
彼ら投機筋の撤退は
ひとまず、あらゆる市場のポジションの見直しを促す可能性がありそう。
19日月曜は日経平均が際どいところまで下落しました。
200SMAが支えとならない可能性が・・・・
明日反発してくれないと危ないですね。
※日経平均
昨日のブログでファストリなど中国絡みで問題を抱える企業の
株価の低迷が日経平均に及ぼすネガテイブインパクトについて
触れましたが、マーケットの需給要因も気がかり。
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース ETFの売り残が急増しているのです。
この商品はインバース=「逆の、反対の」日経平均インデックスです。
つまり日経平均が下落すると思う投資家が買う商品。
日経平均が下落すれなWインバは上昇します。
日経平均が上昇すればWインバは下落します。
日経平均が下がりそう、、、と思うなら、日経平均先物を売ればいいのですが
先物取引はデリバティブなので税の区分けが異なりますし
そもそも「先物の口」座を開設する必要があります。
また、個別銘柄を空売りするにしても、ETFを空売りするにしても
下落にかけるポジションを持ちたいなら、
「信用取引」の口座を開設する必要があります。
しかしWインバースETFなら、これを買うことで
日経平均を売っているのと同じ効果を得ることができます。
個別株の売買をする証券口座で個別株と同じに簡単に売買できるのです。
利便性が高いので人気という側面が。
しかもWですので日経平均が 1 下がる時
Wインバは 2 下落する設計となっています。
逆に日経平均が上昇すると思うなら、Wインバを売ればOK.
日経平均という原資産と逆に動く商品設計です。
チャートを見てください。
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=2year&scode=1357&ba=1
20年3月、日経平均がコロナショックで16000円台まで急落した時に
Wインバは暴騰していますね。以降、下落が続いています。
そりゃそうです、日経平均が上昇を続けてきたのですから。
日経平均のチャートと重ねてみましょう。
見事な逆相関ですね、当たり前ですが。
※日経平均とWインバース
そして、このWインバースの内部要因の変化に注目です。
買い残と売り残の変化ですが7月に入って急に
売り残が増え買い残が減少していることが伺えます。
売り残
7/5 8,563,018 ⇒ 7/9 13,985,225
買い残
7/2 57,953,936 ⇒ 7/9 35,906,887
つまり、日経平均が上昇することにベットするポジションが急増し、
下落する方に建てたポジションが急減している、ということ。
日経平均が3万円の大台を達成したのは2月。
この時は、売り残が少なくて、買い残が大きかったのが確認できますね。
つまり、日経平均が下がると考えた投資家のポジションがパンパンに膨れ上がって
いたのに、日経平均は3万円の高値にまで上昇し、彼らのポジションは損失が
膨らんでいた、ということです。
その後、買い残はみるみる減少しています。
つまり日経平均が上る可能性がある、としてポジションが整理されたということ。
そして売り残が7月に入って急増。
これも日経平均が上昇すると思ってWインバを
新規で売っている投資家がいる、ということですね。
つまり、内部要因からみるとこれらのポジションが反対売買される過程では
日経平均は下がりやすい地合いとなっている可能性がある、ということです。
とかなんとか書いていたら、NY市場オープン、完全リスクオフですね、これ。
ダウが窓開け下落って珍しいですよ。
※ダウ
ナスダック総合も同様に窓開け下落。
前々からダウ輸送株が下落基調を強めていたので危ないと書いてきましたが
やはり、炭鉱のカナリアだったようです。
下落のトリガーは「デルタ株」拡大と指摘されていますが
まあ来るべきして来た「調整局面」という感じです。
米株のインデックスは200SMAとの乖離が大きく、
これを埋める下落があってもおかしくない局面でした。
問題は200SMAを下抜けた日経平均と米長期最利回りですね。
米金利下落で、低金利だからリスクオンと単純に考えるわけには行きません。
先々の景気停滞リスクを織り込んでいる可能性もある、、、、?!
リスクオフ相場ということでクロス円ショート継続です。
ユーロ円130.81円S
豪ドル円82.48円S
カナダ円88.05円S
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2021年7月19日月曜日
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