米3月の強いCPIの結果を受けてドル円相場が153円台にまで乗せていますが
11日(木)早朝に神田財務官から市場牽制。
しかし、あまり強いトーンではなく、これまでの発言の踏襲の範囲。
ほとんど市場へのインパクトがありませんでした。
22年にはスタンバイだ!とまで仰っていましたが、実際介入がなかったことを
考えると、今朝のコメントでは市場が反応しないのも仕方ないですね。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-10/SBQZXHT1UM0W00
・過度な変動は国民経済に悪影響、年初からの動きはかなりの変動幅
「足元の動きは急」
「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」
・財務官と頻繁に連絡、152、153円の数字ではなく背景を分析-財務相
「ひと晩で1円くらいをどう判断するか~、
過度な変動かと判断するかは私からは申し上げません」とも。
今夜は米PPI(生産者物価指数)が発表されました。
結果、ドル円はやや下落。
前年同月比では11ヶ月ぶり大幅な伸びも
一部のカテゴリーで伸びの鈍化が確認されたためです。
■3月の米PPI、11カ月ぶりの大幅上昇-一部項目では伸び鈍化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBS2U0T0G1KW00
🇺🇸 総合PPI 前月比 +0.2%(前月+0.6%:予想+0.3%)
前年比 +2.1%(前月+1.6%:予想+2.2%)
🇺🇸 コアPPI 前月比 +0.2%(前月+0.3%:予想+0.2%)
前年比 +2.4%(前月+2.1%:予想+2.3%)
※ドル円5分足
しかし、気になる指摘も。
@Kamada3 https://twitter.com/Kamada3 氏のポスト。
米労働統計局から卸売物価指数(PPI)が発表されましたが、ゼロヘッジは、おかしな数値が含まれていることを指摘しています。卸売ガソリン価格は6.3%の上昇ですが、米労働統計局は季節調整をして、マイナス3.6%と発表しています。
https://twitter.com/Kamada3/status/1778436519675449488
どのような季節調整がなされたのか。。。
思ったより弱めの結果を演出されている可能性も?
しかしPPIの結果を受けて9月利下げ折込が7月に前倒しに。
■米金利先物、7月利下げ開始の見方強まる 予想下回るPPI受け
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HFPMHGFYJZPR5DJMVN4DGVM2DA-2024-04-11/
金利先物市場は利下げ期待を捨てきれないようですが、
しかし、このところのFED要人らは利下げ開始時期に関しては
慎重に検討する必要があるとタカ派トーンですよね。
■NY連銀総裁、「ごく近い将来」の利下げの必要ない-道のり長い
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBS3FBT0G1KW00
■リッチモンド連銀総裁、「時間かけることが賢明」ー利下げの前に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBSG08T1UM0W00
FEDORAウォッチャーのニック・ティミラオスは
「FEDの年内利下げ、
焦点は『いつやるか』から『そもそもやるのか』へとシフト」
と発言していますし、いつか来た道・・・
去年23年のような展開があるかもしれません。
そもそも(利下げを)やるのか?
ならまだいいです。テールリスクは利上げに追い込まれる展開。
■FRB次の動き、利上げとなる可能性を真剣に考えるべき-サマーズ氏
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/7c62a38b148a2b096a8af3c7ac7d1ee50f90131e
債券市場は利下げがない可能性を折り込み始めました。
■債券トレーダー、利下げゼロで米10年債利回り5%超のシナリオも視野
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBRPFST0AFB400
ただ、PPIの結果を受けて9月利下げ折込が7月に前倒しになっていたり。
米国の利下げを巡る議論はまだまだ揺れています。
■米金利先物、7月利下げ開始の見方強まる 予想下回るPPI受け
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HFPMHGFYJZPR5DJMVN4DGVM2DA-2024-04-11/
米国債利回り一覧
短期金利は5%目前、長期金利は4.5%を超えてきました。
なぜ日本の通貨当局は介入に踏み切らないのか?
理由はここにもありそうです。
ファンダメンタルズがドル買いなのです。
ドル金利がこれだけ勢いよく上昇し、利下げ確率後退、利上げの思惑まで
台頭しているときに、ドル売り介入をしても「焼け石に水」です。
ファンダメンタルズ的にドル買いの流れが加速しているところに
向かって行っても効果が薄いことをわかっているのでしょう。
一応、米金利上昇で日本の金利も上がって入るのですが・・・
(世界の金利は米金利に相関する:値動きの幅は違いますが)
※日本国債利回り10年2年
■長期金利0.8%超に上昇、昨年11月来の水準-日銀追加利上げ観測
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SAD0ALT0G1KW00?srnd=cojp-v2
米金利上昇を受けて日本の金利も上昇。
長期金利は昨年11月以来の0.835%まで上昇。
金融政策に反応しやすい2年金利も2009年以来の高水準を付けた。
円金利スワップ市場は、10月の金融政策決定会合までに
政策金利が0.25%に引き上げられることを100%織り込んでいることになります。
しかし日本の金利も上がったとはいえ、メモリが違います。
ドル金利も上がっているため日米金利差は縮小しません。
※日米金利差 拡大でドル円上昇とも言える
しかし、解せないのが今夜の米国株市場。
これだけの金利高でも買われるのか?
※11日の値動き 世界の株価
※日足でみると・・・米主要株価インデックス一覧
テック系銘柄が強いのね。
SOX指数が反発でナスダックが勢いよく巻き返し。
※MAG7株価、アップルの巻き返しNVIDIAの反発、Amazon高値更新・・・
アップルに関してはバリュエーションから投資魅力が増したとかなんとか。
■アップル、バリュエーションのプレミアム低下で
投資家のセンチメント改善との指摘も
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/34aeeed775da6048cf2439600b8ac264a9702f19
人口AIを伝いしたシリーズへの期待もあるようですが、
この金利高でも資金はビックテックに向かうのですね。
金利高だからなのか。。。彼らはキャッシュリッチ企業でもあります。
■AI主導のアイフォーンのアップグレードサイクルに対する意欲が高まっている
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBSERXT0AFB400
つまり金利高のときはキャッシュフローが大きく
負債が少ない企業が資金の受け皿になるということかもしれません。
しつこいようですが、再び豪ドル円99.81円で買ってみました。
ドル円に介入がくればクロス円も下がるので気が気ではありませんが、
どうもここに来てリスクテイク再燃の機運が・・・・
今夜はECB理事会
■ECB、金利据え置き-6月利下げへの道筋固める
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-11/SBS21RT1UM0W00
・5会合連続で政策金利を4%に据え置いた。
・「インフレ低下に伴い近く利下げをすることが可能」
~これまでで最も明確なシグナル
昨日の米CPIで勢いよくドル高になったため、ユーロが急落していましたので
今夜のECB理事会を受けてのユーロ売りは限定的でした。
米国より利下げ開始は早そうです。
となると、ユーロドルのトレンドは下方向で良さそうですね。
NOTE
リスクオン気味のマーケットですが、ジャンク債の下落は気がかり。
ジャンク債がさらに下落を加速させると悪い金利上昇が
市場を冷やすリスク。相場急変の可能性にも注意が必要ですね。
☞ひろこのX
➽ブログRANKING~
➽いつもご覧いただきありがとうございます。