2016年11月20日日曜日

 大統領選以降、ドル一強ですね。通貨インデックス一覧を見れば一目瞭然。

※通貨インデックス一覧


上がっているのはドルだけです。
円、ユーロ、豪ドル、NZドルと軒並み売られていますね。

この背景にあるのが、米金利上昇。
トランプ氏が唱えるインフラ投資と減税を織り込み債券が売られ
金利が大きく上昇しています。インフレ期待もあるでしょうか。


18日金曜には米10年債利回りが一時2.36%と約1年ぶりの高水準まで上昇。
大統領選開票前の8日終値1.85%から比較すると0.50%高い水準。

米金利上昇は、トランプ効果だけではないと思われます。
米国が年内にも1年ぶりの利上げに踏み切るだろうことも追い風でしょう。

17日木曜はFRBイエレン議長の議会証言が注目されましたが
追加の利上げについて「比較的早い時期に適切になる」と述べました。

FRB議長 来月利上げに踏み切ることを示唆
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161118/k10010773481000.html
これで12月利上げはほぼ確定でしょう。
12月FOMCは利上げの有無よりFOMCメンバーの金利見通し
(ドットチャート)で、来年の利上げのペースに焦点が移っています。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は物価上昇率2%の達成に「より楽観的だ」
と述べたており、これも金利を押し上げにつながったようです。

※こうした米国債利回り上昇をうけて、他国債券市場でも利回りつれ高。
ドイツ国債も9年以上から8年以上にプラス利回りが拡大。
スウェーデンでもマイナスだった9年物がプラスに浮上。
現時点で10年債利回りがマイナス圏にとどまっている主要国はスイスのみ。
日本も先週16日、プラス圏に浮上しましたね。
もともとプラス圏にあるカナダやオーストラリアの国債金利も一段と上昇中。




※こうした変化を受けてのドル円上昇はわかります。

日本の長期金利はゼロ%にピン止めされているため、
ドル円は日米金利差拡大で素直に上昇するのは理解できますよね。

※日本10年債利回り



しかし、豪ドルの凄まじい売られ方に若干の違和感。

そもそも金利があって、このところの指標などから
利下げ思惑が後退している豪ドルなどが
これほど大きく売り込まれるなんて。。。。

このところの鉄鉱石などコモディティ価格の上昇は
豪ドルのサポートにならないんでしょうか。

今、米債利回り上昇に連れて、世界中の金利が上昇しており、
勿論、豪州の10年債利回りだってご覧の上昇です。

※豪10年債利回り

だから、上記通貨インデックス一覧で豪ドルがものすごい勢いで
売られているのがちょっと不思議なんだけど、、、と思って、
米10年債利回りチャートを見たら、上げ方が尋常じゃなかった。

※米10年利回り



これを見ると、とにかく米債利回り上昇の勢いがすさまじいのね。
それほど米金利上昇はサプライズだったということでしょうけれど、
そんなに、選挙前には逆のポジションが偏っていたってこと?!
巻き返しよね、この勢いって。

つまり、高金利、新興国などに投資されていたものがひっくり返って
米国に戻っているということ。

新興国通貨安、景気に影 投資マネーが米に流出
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H39_Z11C16A1FF8000/

米長期金利が急上昇し、新興国の株や債券に投資してきたマネーが米国へ還流。
メキシコペソやトルコリラが軒並み下落するなど経済の足腰が弱い国が狙い撃ちされる。米連邦準備理事会(FRB)が12月の利上げを示唆しており、この傾向が加速し新興国景気を下押しする恐れがある。

国際金融協会(IIF)によると、米大統領選後に新興国市場から流出した資金は100億ドル(約1兆1000億円)を超える。



ということで、オセアニア通貨もこの流れの中にあるとみられます。
クロス円(対円)で見れば、日本と豪州、日本とNZドルの利回り格差が
広がるので、素直に豪ドル円、NZドル円買いでいいと思うんだけど、
ドルストレート(対ドル)でこれだけ派手に下がっていると、
クロス円での上昇も限定的となってしまいますねぇ。

今は素直に、ドル円が最もパフォーマンスがいいということになります。

しかし、この新興国からの資金流出がファンド勢らの投資収益を
落としてしまったことで、巡り巡って米株下落、日本株下落を
もたらしたことは記憶に新しいので、この部分には警戒が必要ですね。

特に中国です。

中国当局、急激な人民元安には対応の用意 資本逃避を懸念=関係筋
http://jp.reuters.com/article/china-economy-yuan-idJPKBN13D18G?feedType=RSS&feedName=businessNews

中国の政策当局者は最近の人民元下落を気にかけていないが、心理的に重要な1ドル=7元を超えて急激に下落すると資本逃避を加速する可能性があることから介入する用意をしている。
複数の政策アドバイザーが明らかにした。

元は18日、8年ぶり安値の1ドル=6.8950元に下落した。


ということで、元安が2016年年初の米株下落をもたらしたことを考えると
今回もそのリスクがないとは言い切れません。
くれぐれも、高値追いで高値掴みをしないで
「下がったら買う」スタンスでいないと、、って思ってます。

そう思って大統領選前にはダウ平均を買いそびれたのですが(;´Д`)

今週以降は米利回り上昇が今後どんな弊害をもたらすのか、
この点に注目ですね。

週末18日金曜のダウ工業株30種平均は反落してます。
35ドル89セント(0.2%)安1万8867ドル93セント、
米株の失速があれば、ドル円も一服となるかもしれません。


ドル円相場は 110円95銭と約5カ月半ぶりの円安水準まで
円安ドル高が進行、110円もあっさり超えてきました。

アベノミクス相場125円台までの大きな円安ドル高相場が
今年2016年前半に100円割れまでの円高となったことで
アベノミクス、日銀緩和政策の失敗・終焉とまで言われましたけど、
112.40円まで戻れば、その半分は取り返したこととなります。

38.2%戻りの109.20円近辺で一度阻まれるかと思ったのですが
あっさり抜けて110円台乗せ。次のターゲットは112.40円です。
109円台で買いなおしたドル円ロングは112円台に乗せたら手仕舞います。

100.80,101.80Lは、しばらく継続しようと思います。
ゲームチェンジ、すなわち、トランプ大統領誕生で
ドル高はまだまだ進むものと考えています。

足元のリスクは、
11/30のOPEC総会(減産合意ならずで原油安の可能性)と
12/14のFOMC(利上げはほぼ織り込み済みも、株下落リスク)

来春の1/20の大統領就任まで上昇相場が続くとは思いませんが、
再び100円を割るような相場はもうないんじゃないかな。。。

****************

米国株が史上最高値圏にあるのに対し、日経平均は15年6月につけた高値
20868円を2000円強下回ったままであり、
ドル高の影響で資金流出が懸念される新興国に比べて円安の恩恵を受ける
日本株のほうが物色されやすい流れが続くと思います。

円安進行は企業業績に追い風ですし、今年前半の円高での
業績下方修正懸念も払しょくされたところです。

日経平均も近い将来20000円を目指す展開となると思います。
20000円達成はさすがに来年かなぁ、、、
年末年始には波乱もありそうですので。

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