2011年8月31日水曜日

介入はありませんでしたね。
きょう午前の東京市場のドル円相場は77円付近まで上昇、介入期待でかったものの
介入がないことでとっとと手仕舞った、みたいな動きに見えましたが、
実際に介入期待が高まってきている昨今、そういうディールをするファンド勢もあると聞きます。

ドル円が先々週金曜日19日に75円台に突っ込んだのを最後に
円高圧力が収まっているようですが、こうした介入期待に加えて
昨日あたりだとアメリカの経済指標が予想より悪くないことがドル安圧力を
軽減させているものと思います。QE3の期待を来月につないだってことも
楽観につながっているのでしょうね、現在もダウ平均は値を上げており、
11500ドル台に回復してきています。8月初旬には10500ドル割れまで急落していたので
1000ドル戻っちゃった・・・・。

※7月の個人消費支出は前月比0.8%増、市場予想の0.5%増を上回り、
  5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。(6月は0.1%減少だった)

今日はユーロの下落が目立ちましたが、かといって大きく懸念するようなユーロ売りという
感じではありません。レンジの上限に到達していましたので一旦売られるポイントではあったし。
そもそも欧州財政問題があるなかで1.45ドル台を回復する強さがあることのほうが不思議。
やはり1.45ドルタッチでは売られるという相場になりました。
1.4100ドルくらいまで下げてもレンジの中。まだまだ別段驚きに値しない下値余地はあります。

今日のユーロ下落のきっかけはイタリア国債の入札かと見られます。
これを警戒したユーロ売が先行した格好でしたが、結果的には応札倍率がやや低い
とはいえ無事通過。しかし、一度売られ始めた流れは止まらず
一時は1.44ドルを割り込みました。

先週まではジャクソンホールがイベントとして注目され、欧州問題は
あまりクローズアップされておりませんでしたが、ジャクソンホール通過で
市場は改めて欧州に目を向けたようなところもあるんじゃないかな。

昨日はトリシェ総裁が「 ユーロ圏は今後も穏やかな成長が続く見込み」
「インフレ率は今後数カ月間、2%を明らかに超えて推移することになるだろう」
「ECBは断固としてインフレ期待を抑制する」なーんて強気な発言をしてましたけど、
退任前の強気、楽観発言は要注意だとかどなたかが指摘されてました。

実際今日は格付け会社S&Pが「低成長が欧州の2番底リスクを増大させる」
との見解を示したりして、トリシェさんの願望発言の逆を言ってますね・・・

ユーロは一旦レンジ下限まで弱含みの流れとなるかもしれません。

今夜この後FOMC議事録が公表されますが材料となるかな?!
ドル円は77円台があれば売りたいとおもっていたのですが、
その手前で下げちゃったので乗れていません。
基本的にはこの楽観も雇用統計までだと思っています。

ユーロを戻り売りでもしてみようなしら・・・・。

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2011年8月30日火曜日

野田さんですかー・・・・。

唯一の増税派でしたので意外でしたが、まあ、一連の代表選出においては
国民置いてきぼりの政治屋論争ばかりでしたので、誰になっても別に・・・という
冷めた目で見ていた向きも多かったかと思います。

実際マーケットの反応も薄い。
債券市場こそ財政再建を目指す野田氏への期待で買われたようですが
為替市場はほとんど反応なく、むしろ円高気味に動いてました。

野田氏に対する市場の印象は財政再建路線継続☞ 長期金利低下要因という図式のようですが、
野田氏☞ 為替介入というイメージにはつながらなかった、ということなんでしょう。

昨年、管代表選出の翌日9/15に介入実施という記憶があるため、
明日の介入を期待する動きも出ているようですが、期待が先行してしまうとやりにくいと思うんですよね。
野田さん自身が18日に「野田財務相「為替介入はサプライズがないと意味がない」と発言しています。

それ以前に、前回の単独介入はトリシェさんから苦言を呈されてりして、他国とのコンセンサスが
取れていなかったことを露呈してしていました。現在はどの国も通貨安誘導政策をとっており、
介入などという直接的な通貨高阻止政策は大変やりにくい状況に追い込まれているような気も。
しかも、8/4は4.5兆円を使ってもわずか3日で効果が剥げ落ちるという失敗をしており、
再度介入を実施するならば、余程効果のあるタイミングを狙ってやらないとねぇ・・・。

というわけで明日は介入はないと思います。多分。

それから26日のジャクソンホールでのバーナンキ氏発言に関しての感想ですが、
伝家の宝刀抜くぞ抜くぞ作戦って感じ。

市場が期待したQE3についての詳細のほか、
実行の時期や実行するかどうかについての示唆はなかったのですが、
9月の定例FOMCを2日間(9月20~21日)にすることを決め、
「QE3への期待をつなげたままひっぱる」という作戦にでた。

市場の反応に期待をつなげたことが確認できますね。
具体的言及がなかったことで一旦は200ドル以上下落したものの
米国株式市場は反発に転じ、前日比134ドル上昇となった
QE3を催促する市場を裏切らなかったという意味では、
なんとも上手い逃げ方をしたものだ、という印象ですが、
(何もでなかったら失望で株式は暴落のリスク、と予想されていた)
米国10年債利回りは前日比0.04%低下の2.19%となり、
債券市場に資金が流入し続けるという現状への厳しさに目を向けた動きもありました。

週明け月曜のNY市場では引き続きダウ平均が買われており、
どうもQE3を見込んで楽観したムードが醸成されつつあるような気がします。
FRBが何かをやる準備をしていると言った時には、
すでに何かを始めていることが多いというQE3実施の期待を込めた見方が
出始めているようですが、これもひとまずは今週の雇用統計まででしょう。

こんな記事を見つけて、やはりなにかしらの手をうたねばならない状況に
あることを確信した次第ですが、QE期待で楽観している場合ではないと思いました…。

全国民必読 これから何が起きるのか
9月再びの大暴落に備えよ
ドル崩壊、アメリカ経済は二度死ぬ ~現代ビジネス


ユタ州が今年5月、〝異例の措置〟を決定した。ドル以外に金貨と銀貨を「通貨」として認める法律を制定、これを定着させて州内のスーパーマーケットやガソリンスタンドなどでドル紙幣に加えて金貨や銀貨で支払えることを目指しているというのだ。

カリフォルニア州に住む伊万里穂子氏はそんな一人。彼女が勤務する裁判所は昨年度から「月に一度ドアを閉める(休みにする)ことにした」という。これは同裁判所にとって史上初のことだったが、州の財政難が深刻化、公務員の給料を支払う余裕がなくなったことからやむをえない措置として実行された。

アメリカではいま大量のレイオフが復活している。『チャレンジャー・グレイ・クリスマス』のレポートによると、この7月だけで労働力削減数は6万6414人。前月よりも60%も増加した。医薬品、コンピューター、小売りなど、これまで労働力削減が少なかった産業でレイオフが起きたことがその理由。

このところアメリカのレイオフのニュースが増えていることは気になっていました。
今週の雇用統計にどの程度現れてくるかはわかりませんが、
こうした数字が雇用統計に反映されれば、QE期待の楽観は一時的には総悲観へと変わり、
ダウ下落、ドル買い戻し、金買いへとリスクオフ相場回帰となるでしょう。

スイスフランがどう動くかはわからん。
ネガティブ金利となってからスイス買いトレンドは大転換したっぽい。
でも、それでも他のマーケットが崩壊していくような事態となったときには
やはりスイスに資金が流れるのか、、、あるいはスイスという行き場を失ったマネーが
こぞって円にシフトしてくるのか、、、、。

もし後者のシナリオがあるとしたら、ドル円は凄まじい円高となることを覚悟しておいほうが
いいのかも。ということで、今週の戦略は雇用統計前までにドル円が大きく戻った所を売る!!
77円台にはいったら打診売りかなー。

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2011年8月26日金曜日

昨晩(24日水曜日)からドル円が急に動意づいて来ました。
その日の昼間に緊急円高対策ファシリティが発表されても
全然反応しなかったのに・・・・です。
現在77.40円台まで円安が進行、(このレベルで円安もないな(笑)
先週末金曜に75円台に突っ込んだことを考えればかなり戻っていますよね。

緊急円高ファシリティについては今日のFOREXRADIOで大倉キャプテンが、
率直な意見を述べてくださったのですが、あれを見た瞬間に
「?なんじゃこりゃ?」で理解不能なあまりに逆に「裏があるのでは?!」
と思いドル円ショートをひっくり返したと話されてました。

円高阻止の意味合いで考えるならあまりにもその効力が疑わしい内容だった
にもかかわらず、市場は失望売り(円買い)に動くこともなく、
不気味に水準を留めたままでしたよね。

大倉さんは財務省の担当の方々の何人かをご存知だということですが、
アレだけの頭脳をもった官僚の方々が、こんな意味のないものを出すわけがない…
ともおっしゃっていて、何かこの表面的なことではない裏を本能的に嗅ぎとった、
とでも言うのでしょうか、直ぐ様ドル円ショートを
ドテンロングに変えたということでした。

決してアレが効果があるものとしてポジションを切り替えた訳ではないのが
面白いところですが(笑)実際ドル円はジワジワと
円安に動き出しているんですよねぇ。これって新たなドル買いというより
円買いの手仕舞いショートカバー的動きなんじゃなかろうか?

市場はQE3睨みで、何か出ても出なくても26日のジャクソンホールでの
バーナンキ氏の発言には大きく影響を受けるだろうことを見越して
先に先に織込み始めている感じですよね。

金価格は今週1917ドルまでの史上最高値更新となったのですが、
マーケットリスクアドバイザリー津賀田さんによると
すでに3000億ドル程度のQEを織り込んだレベルにまで金は上がってしまっていた、
ということでした。つまりQE3を期待して上がっていたと。
しかし、その後100ドル強もの暴落を演じています。
きっかけはCMEの証拠金引き上げと見られていますが、
これはきっかけに過ぎず、26日を前に利食いが入ったものと思われますが、
久しぶりに 株高、金安(コモディティ安)の教科書的相関が
見られた昨日はドル円でも円安進行と、リスクオン相場になっていた、とも取れます。
つまり、マーケットはQE3を大いに催促しているということ。

だからこそ、何も出ない、という当たり前の状況が訪れただけでそれはもう事件です。
現在のマーケットの期待に応えないということが市場の失望を買うということは、
すでにバーナンキさんも十分承知なんじゃないか、との先読みもあって、
何も出さないわけには行かないという外堀を埋められていくような状況と
なって来たんじゃないかと思っています。

つまり、今の市場のコンセンサスは「何も出なかったら失望で株売り」
だから、「何か示唆せざるを得ない」

とまた一人妄想にふけっているわけですが、だからどうなる?ってとこまで
この小さな頭ではシナリオ描けず…。

ダウSポジは継続保有中。金は1600ドルくらいの調整があっても不思議はないので
1700ドル割れたら買いたいですねーなんて思いはありますが、
為替となるとノーアイデア。ドル円はどこかで売りたいですけれど、
まだもうちょっと上があるかなぁ・・・。

毎晩美肌のゴールデンタイムに眠る事ができないのが悩みの種。
今日は大倉キャプテンがカラオケに行きたいと言い出して、
ラジオのメンバーで渋谷シダックス。

そうそう、バフェットがバンカメを50億ドルで買収ですって?!
大倉キャプテンの古巣ですが、これでひとまずモルガンに買われるとか
ダウ構成銘柄から外されるなんて危機は回避できたのかしら…?

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2011年8月25日木曜日

今日になるまでそんな話があるなんて知らなかったのですが、
やはり先週末の75円台への円高から何か対策を取らねば。。。という
姿勢が強まってきたのでしょうか。

野田財務相が午前11時半から緊急会見。
緊急円高対策を発表しました。

■最大1000億ドルを低利融資する緊急ファシリティ創設
■外国為替資金特別会計のドル資金を活用し海外M&Aや資源開発を
 支援することで民間資金の外貨転換(円投)を促して為替相場を安定化させる。
■モニタリング強化策として、主要金融機関に対し為替ポジションの報告を求める。

といった内容。

しかし

為替市場がピクリとも動かず・・・・

どうやら「ドル資金をドル建てで貸すだけなので、
新たな円売り・ドル買いは発生しない」との指摘があるように、
この内容で円高を食い止められるとは思えないということのようです。

さらに、ポジション報告を求めるってのがちょっと・・・
主要銀行や証券など30数社に対し外国為替の持高報告を求めるもので
1998年の外為法改正後初めての発動だそうです。
毎日2回、特定の時間における使用通貨の持高について報告するよう通達するようで
虚偽報告などがあった場合は罰則が適用されるとか。9月末までの措置だそうです。

これは介入をする際にポジションを参考にしたいという意図があるということ?
あるいは円買いの抑止力になるということなのでしょうか・・・・

どうもマーケットはこの内容をあまり評価していないようですが、
今日午前にはムーディーズが日本国債の格付けの「Aa3」へ
1段階引き下げを発表したりしても、円安とはならないわけですから
現在の円買い圧力はいかに強いのか、ということを思いしらされた1日となった
ように思います。。

しかしながらNY時間になっておもむろにドル買い優勢となり、
ドル円上昇となっていますが、これらが効いてきたということでもなさそう。
東京午前には常に介入警戒からドル円のロングポジションが増えるらしいので
今日は一足さきに上がっちゃってるだけなんじゃないかな・・・?

難しい相場が続きますね。
私はまだ様子見です。

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2011年8月23日火曜日

今日も介入はなし。
介入に踏み切らざるを得ないような急速な円高の動きがなかった
ということもありますが、
これも「介入警戒」が根強く下値を支えているということなのかもしれません。
先週金曜に75円台へと(一瞬でしたが)歴史的高値を更新したために
当局が牽制発言を繰り返していることが一層の膠着を招いているようですね。

今日だけでも
野田財務相
 「あらゆる手段を排除することなく対応する」
    「日銀との連携は引き続き継続」
「必要な場合は断固たる措置を取る」
「あらゆる手段を排除しない」
「株式市場の動向についても今後とも注視する」
海江田経産相
「月曜朝から日米協調介入するやり方あった」
枝野官房長官
「投機的な動きがないか、これまで以上に注視していく」
「一方的に偏った円高の動きが強まっている」
菅首相
「一方的円高の動き強まる、断固とした行動を取る」
「為替市場では一方的な円高の動きがさらに強まっている」
「投機的な動きないか注視」
白川日銀総裁
「為替取引を注意深くモニターしている」
「投機的な動きも強い」
「円高は、輸出・企業収益・マインド悪化など経済にマイナスの影響が大きい」
「円高の経済への影響を注意深く見て適切に対応」

これだけ繰り返して牽制発言があっても円安にはなりませんな。
日経平均株価も104.88円高の8733.01円、
今日1日の動きだけを切り取ってみれば
もう少し円高圧力が弱まって円安気味推移となっても良かったんじゃないの?

なのに、どちらかというと欧州時間帯からレンジ幅を20pipsほど円高に進めての推移。
やはり下値をどれだけ支えられていても上値のほうがより重い。
これは一度個人のドルロングが投げさせられるまでは終わらないという相場なのかもしれません。

こうした中、短期金融市場の一部には日銀による「利下げ」を織り込む動きが出始めている。
こんな記事を目にしました。
利下げ?!・・・だって政策金利はすでに0~0.1%、ほぼゼロ金利ですよね・・・。

ところが政策金利の先行きを予想して取引する「翌日物金利スワップ」では
日銀の誘導目標が「0~0.05%」に引き下げられることを想定する形で
前週末から金利気配が軒並み低下しているのだそうです。
また3カ月物の東京銀行間取引金利(TIBOR)を対象にした円金利先物も、
上昇ピッチが加速(金利は低下)しているとかで、
これは日銀が具体的な選択肢として「利下げ」を行うのではないかという思惑を
織り込み始めている動きだというのですが、、、。

一応振り返っておきましょう。日銀のこれまでの緩和策。
2010年10月「包括的な金融緩和策」の一環で35兆円規模の基金を創設
2011年3/14 東日本大震災後介入と連携で5兆円増額
   8/4 介入と連携する格好で10兆円増額

今後、オーソドックスに考えれば10兆円規模の基金増額をするのでは?
というのが一般的な見方ですが、、、。
しかしこれまでの緩和策では円高が止まらないということから踏み込んだ政策を
取らざるを得ないのではないか、というのです。

アメリカにやられちゃったせいもあるんでしょうねぇ。
FRBは9日「少なくとも2013年半ばまで(超低金利政策を)継続する可能性が高い」と発表。
米国の金利低下に拍車がかかり再びドル安相場となってしまいました。
これまでの日銀の金融緩和による円高抑止効果が消え去ってしまいました。。。
そこでいよいよ日銀は「伝統的な措置である利下げ」に踏み切るのではないか?!

先進国の通貨安競争は打つ手のないギリギリのところのせめぎあいとなってきました。
アメリカ、スイス、日本・・・欧州も利上げは打ち止めでしょう。
これでは金価格への資金流入をと止めることはできません。
値頃から金を売り向かって苦労されている方もいらっしゃるようですが
大きな資金の流れ、各国の事情を考えれば金がここでピークアウトするとは思えません。
確かに上げ方がえげつない・・・ので一時的には大きな調整局面もあろうかと思いますが、
基本的には先進国が引き締め政策に転じることがない限り
金が買われる基調に変化はないものと考えた方がいいでしょう。

さて、今日の注目はオージー。
RBA副総裁が
「鉱山ブームは予想より強く、2011年のインフレは当初の予想より
も上振れする可能性が高い」と述べたとかでオージーが買われる局面があったようですが、
さて、下がれば買って放置すれば鉄板で勝てたオージーが
今後もそういう特性を保ち続けられるのかどうか。

オージードルのチャートを見ると、これ、綺麗なWトップに見える。
確かに金が上がるとオージー買いという相関性が見られていた時期もありましたが、
それはリスクがなく「過剰流動性マネー」で株も商品も買われていた時代の話。
金だけでなくて他のコモディティも買われていました。
しかし、ここにきてVIX指数急上昇。コモディティも金とシルバーは買われていても
プラチナや銅、パラジウムなどの景気に左右される銘柄は下がっています。
オーストラリアも世界の景気が失速すれば強気継続はできないと思います・・・。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは
オーストラリアの失業者が2012年3月までに10万人増え、
失業率が7月現在の5.1%から今後6カ月で6%に上昇するとの予測を示しています。
さらにこれを受けて今年11月までに政策金利の引き下げを迫られると予想。
現在の豪州の財政状況が1990年代以降で最も厳しくなっているとしています。

実際、22日に鉄鋼大手ブルースコープ・スチールが従業員1000人の削減と
輸出事業からの撤退を発表したりしていましたね。
バンカメメリルの予測が当たるかどうかはわかりませんが、
チャートを見てもどうもオージーの買いの時代は終わっているように思えてなりません。
ということで、機会があればオージーが上昇したところを売ってっみたいな、
なんてぼんやり考えていますー。

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2011年8月22日月曜日

 日経平均は4日(4営業日)続落で年初来安値まであと22円のところに迫りましたが、
底割れは回避。これが今日の介入がなかったことの理由となるかどうかはわかりませんが、
為替市場には介入期待と介入警戒が入り交じって膠着感の強い値動きが継続しています。

というのも。
先週金曜の夜にドル円相場は 75.95円と史上最高値を更新しました。
きっかけは財務省の中尾武彦財務官が
「日本には為替市場に頻繁に介入する計画はない」との不用意な発言。

YMTVの放送が終わって森下町で一杯やった後の出来事。
帰宅してドル円が壊れているのを見て、「これは走る?!」と思って
76.20円まで戻ったところで 戻り売りポジションを建てたのですが、
うまくいきませんでした。
下がるならすぐに下がったはず。。。。 
金曜のうちに76.52円で撤退しました。

3/17には、それまでの最高値だった79.75円を割れると一気に76.25円まで、
3円50銭も円高が進行しました。
これは朝方の薄い時間にストップロスを巻き込んで瞬間つけたもの
でしたが、最高値を割り込むということはこういう動きを誘発するものですよね。

ところが、今回は76.25円を突破した後、あっという間に75円台に突入したのですが、
75円台はほんの一瞬の出来事。あっと言う間に再び76円台に戻ってしまいました。
今回は何故走らなかったのでしょうか?!

考えられるのは76円割れの水準に思ったほどのロスカット注文が
並んでいなかったということ。
くりっく365の個人投資家のポジションは19日から20日朝までの間、
その前の営業日に比べて1万枚弱もドル買いの持ち高が増えています。
つまり、この円高で見事にドル買いしているんですね。
うーんお見事ですねー

しかし、今日誰かのTwitterの呟きで金融詩人の鷹鳩さんが呟いていたんだけど
個人の円売り(ドル買い)は8兆円にも登るとかで、これでは介入で4兆使っても、
結局利食いに押されるてしまって上値が重いだろうという見方をされてました。
すでにポジションがあるので介入に着いて行くという
新規ポジションが作られないのではないか、ということ。

「逆にマーケットに円買いポジが多い時に介入が入れば、
大ロスカット大会になり、効果的にドル円は常勝しよう」
なるほど。これは腑に落ちる。実際どのレベルで構築された
ドル円ロングなのかわかりませんが、レートはジリジリ円高推移です。
彼らのポジションはジリジリマイナスなわけで、これが介入などの
上昇があればチャンスとばかりに売り抜けることでしょう。

上値は重いだろうことは推測できます。
しかし、介入はないのかしらね。
先週のYMTVでも介入について大倉孝さんがいろいろと指摘されてましたので
オンデマンド放送をご覧下さいね。
なんでも介入ベテランから介入新人さんに財務省担当が
人事異動で交替になっているという話・・・。

さて今週最大の焦点となるのは26日のワイオミング州
ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウム。
バーナンキ議長の講演での発言に市場の関心は集中していくでしょう。
財政赤字削減に苦しむ米政府に代わって、
FRBが追加的な金融緩和に動くとの期待は根強くあります。
単純に昨年この場でQE2を示唆した。というだけのことですが(笑)
だからといって今年もここでQE3示唆という期待も出来すぎですが、市場が期待しすぎてしまうと
何もないというだけで失望の売りが出る可能性があることを警戒しておかなくては。

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プレゼントがあたる大抽選会も企画しています。

池水雄一さん、豊島逸夫さん、亀井幸一郎さんの「ゴールドトークセッション」
柴田明夫さん、茅野信行さん、林康史さんの「米トークセッション」も!!
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2011年8月19日金曜日

スイスフラン祭り(GI荻野金男さんはスイスフランフェスタと呼んでました)は
終わってしまったのでしょうか?答えはまだ出ていないようですが、
市場の関心は再び米国の景気に移ってしまったようです。

今夜発表となった米7月の米中古住宅販売件数、そしてフィラデルフェィア連銀業況指数が
予想を裏切る悪い結果となり、現在ダウ平均が500ドル超の下落となっています。
米10年物国債利回りが一時過去最低水準となる1.9735%まで急低下。
金価格は一時1829ドルと史上最高値更新。VIX指数も急上昇中です。
お盆前にドラスティックな相場展開となりましたが、盆明け早々また忙しくなりそう・・・。

まず中古。
年率換算で467万件
市場予想平均490万件を下回りました。

米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲30.7(え?マイナス・・・?!」)
市場予想平均は2.0を下大きく下回りました。

この他にも
米モルガン・スタンレーが顧客向けのレポートで
「米欧の景気減速が激しい」と書いたとかで
これがきっかけとなっているとの指摘もあります。

ダウ500ドル下落、債券利回り過去最低水準、VIXドル指数急上昇となれば
完全にリスクオフ相場です。
ということは。
円、スイスフランにも資金流入となるはず・・・・ですが、
ドル円76.60~76.43のわずか20pips円高に振れただけ?!
ユーロスイスは1.1381~1.1245と138pips程度動いてはいますが・・・。

なんでドル円はこんなに膠着しちゃっているんでしょうか。
ということを明日、YMTVで大倉孝さんがたっぷりお話してくださいます!!
是非YMTVをお楽しみに!!

介入警戒というのもあるんでしょうけれど、日経も今8710ドル程度まで
下落しています。震災後の安値も目前に迫ってくれば・・・。
それから財務省の為替介入担当の人事異動があったとかで・・・
(これは本日のYMTV荻野金男さんがお話くださいましたが)

私はこのことろ為替はうまく行かずポジションとってはすぐに撤退を
繰り返していますが、ダウ指数を12500ドルでSしたままずっと耐えてます。
金も買っていれば・・・・と思いますがさすがにここまで来ると買いにくいですね。
為替でも大きく取れる局面を待っているのですが、ちょっと今は難しいですーー

今日はピザとワインとグラッパ。荻野さんと大倉さんとご一緒しました。

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2011年8月18日木曜日

今マーケットの話題はやっぱりスイスフランでしょうかねぇ。

今日は夕方16:00~SNBスイス中銀の通貨高対策会議が注目されました。
スイスが相次いで通貨高対策を発表していますが、ユーロとのペッグを示唆する
発言も出ていることから、もしかすると・・・という期待が市場に広がります。
「ユーロスイス相場に目標値あるいは目標レンジを設定して
介入を実施する方針を示すんじゃないか?」なんて期待の声も。
声明が出る前はスイスフランは1.1540まで売られました。

ところが出てきた内容はパンチ不足。

SNBはスイスフラン高対応策を強化するとの声明を発表したのですが、
「スイスフランは依然として過大評価されている」
「スイスフラン高に対する防衛措置として、市中銀行の要求払い預金を
1200億スイスフランから2000億スイスフランに増やすため流動性供給を増やす」
「流動性増大のため為替スワップも実施する」
ユーロとのペッグとか、目標レンジ設定とか、そういった期待に応えるもの
ではなかったのです。これを受けてスイスは急上昇。

しかし。

一定幅下げて下げ止まった後、今度はSNBが介入しているのでは・・・などという噂が
飛び交ったようで、またしてもスイスフランは売られ始め、SNBの通貨対応策を発表する前の
水準まで戻ってしまいました。この相場激しすぎて往復ビンタって方もいそうだなぁ・・・・。

現在は再びスイスフラン買いに転じており、レンジ入りしたようなムードです。

なんて忙しい流れ・・・さすが水星逆行期。
そして落ち着いて今後を考察した時に、スイスフラン高はSNB政策によって止められるのか、
あるいは舐められて再度スイスフラン高となってしまうのか、、、、ですが、
その後スイスのウィドマー・シュルンプフ財務相が
『SNBが通貨高に対し断固として行動する事を正しいと判断するのであれば、
政府はSNBの如何なる政策も支持する』などと援護射撃発言をしている所を見ると
今日のところはパンチ不足だったかもしれませんが、まだ手を止めた訳ではないと見る。

最悪の場合、おそらく再度新高値更新してしまうような事態となれば
ユーロとのペッグ、あるいはそれに近い手段に出るんじゃないかと思うんだけどな・・・。

ちょっと過去を調べてみました。
1973年10月から1978年9月にかけてスイスフランはドイツマルク)に対して
36%もの上昇を見せました。奇しくも現在のスイスフラン高も、それまでのレンジ幅をブレイクした
2007年10月以降から37~38%もの上昇となっています。

この頃って第一次オイルショックだったころですね。
1973年に第4次中東戦争が勃発し、OPECが原油公示価格を70%も引き上げることを発表。
(それでも3.01ドルから5.12ドルですって。今の水準からみたらなんと安いことか)
さらにイスラエル支持国であるアメリカやオランダなどへの石油禁輸措置。
1974年にはさらに原油価格は11.65ドルへ引き上げられたのだそうです。
このときの日本国内の消費者物価指数は23%上昇。インフレーションが加速しました。

こうした背景からアメリカの景気は低迷、
逃避資金はスイスフランと金と円に集まりました。
おお、今と全く同じじゃないですか。歴史は繰り返す?!
ちなみに1973年は1ドル=308円の固定相場制から、変動相場制に移行 した年。
その時のスタートは1ドル=277円だったのだそうです。

さて、このスイスフラン高は1978年まで継続します。米景気は1975年夏にはリセッション終了と
なっていたのですが、その後3年もスイスフラン高は止まらなかったのです・・・。
1978年までスイスはあらゆる手段を講じて通貨高阻止を試みました。
外国為替市場で外貨を買い、拡張的な金融政策を取り、逆金利政策、投資の禁止など、
資本の回転に影響を与える対策も試みたが、これらはまったく効果がなかったのだそうです。
逆金利ってマイナス金利のことかな?それでも止まらない?!
最終的には為替水準の目標を明らかにし、介入を実施。
80ドイツマルクを明らかに上回るまでドルを買い続けることを発表します。
発表されたとき、相場は76ドイツマルク。目標をはたった1割高にも満たない程度でしたが
これが最終的には効いたという話です。

歴史にならえば期間的に見るとまだ若干スイスフラン高の余地があるようにも思えますが、
比率でいうと前回よりも速いペースで同程度の上昇を見せており、限界も近いようにも見えます。
SNBのがあらゆる措置を講じているという流れも同じならば、最終的には
目標レンジを発表し、そこまでは断固介入で水準を引き下げるという政策を
取らざるを得ないのではないかと思われます。

というわけで、一旦失望から再度スイスフラン高が進行、
ユロスイ、ドルスイともに2番底をつけるような格好になって来たら
スイスフランを売るって戦略はありだと思います。どうかな?

話は変わるけどポン様怖ーーい。
今日発表の英7月雇用統計が市場予想よりも弱い結果になった上、
同時に発表されたMPC議事録では前回まで利上げを主張していた2人のメンバーが
据え置きに主張を変更したことが明らかとなって一瞬ポンド急落となっていたのに
その3倍返しの上昇です、今。なんでこんなにポンドが強いんでしょう?!
これって、ポンドが強いんじゃなくて、ひょっとしてポンドのレパトリが起こってるのかなぁ・・・。
このところスイスに目を奪われていてポン様に手を出していませんが、
このポンドの強さはちょっと気持ち悪いですね・・・。

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2011年8月17日水曜日

皆が騒ぎ出してメディアに取り上げられるようになるとその相場は終わり
だなんて言いますが、金の高騰に関してはちょっと様相が異なるようです。

今日本のメディアが取り上げている金高狂騒曲の内容は
「引き出しの中の金を売りに行く個人、現物商店頭で7時間待ち」ってもの。
つまり、金高で金を売っているって話なのよね。

安い時に(90年代後半とか)買った金を今売れば数倍の価格になっています。
90年代後半は1㌘800円台なんて価格がありましたが、現在は4300円台でもの。
でもその前1980年のアフガン侵攻の頃には6000円台も記録してますので
これが過去最高値ではありません・・・・。ただしその当時のドル円相場は200円台。
年間の値動きが58円もあった時代です(笑)
現在の金価格はこの円高水準にあってその当時に次ぐ高値なんです。

これが円安となったら?!その時のドル建て価格にもよるでしょうけれど
現在も1780ドル台で史上最高値レベル。株がちょっと持ち直していますが、
それでも崩れたりしなくなっています。
現在は為替の円高をも凌駕するレベルの金高騰というわけですね。

何が言いたいかっていうと、「金高騰で個人が金買いに行列殺到」という
ニュースならこれはそろそろバブルが弾けるということかもね、と思うのですが、
個人は金を売っている(日本の)その金を吸収してまた更に金は上がっていく・・・
というようなことになっていくのだろうな、と思うってことです。

そしては話は昨日書いた「スイスフランだけがトレンド転換することがあるだろうか」に
つながります。金高、円高、フラン高、債券高、、、、このリスク回避時に選ばれる資産の
一部だけが反転するなんてことは考えにくいと思っているというもの。
金高、円高が終わりそうにないのに、スイスフランだけがスイス当局の政策によって
トレンドを終えるなんてことがある?!

でも。。。
スイス当局のユーロにペッグさせることを検討という話が本気度が高く、
これが現実に実施されることを懸念した投機筋がスイスフラン売りに転じているとも
一部報じられています。
私にはこれがどこまで現実的な話なのか皆目見当がつかないのですが、
もし。もしですよ、これが本当にユーロにペッグされてしまったらいったい何が起こるのでしょうか?

ひとつは、余剰マネーは新たな逃避先を模索するというもの。
例えば震災後の利下げ以降調子がいいNZ。
中国が買っているなどの話があるように、新たな逃避先マーケットを作り出すということはないかな?
だとすると、ここから安全資産として魅力のある通貨はなんだろうと模索するというのも
一つのアイデァです。

もうひとつは、、、新たな投資先などない!(あるならもうそこにも資金が集まっているはず)
つまり、今選ばれている逃避先アセットに更に資金が流入してしまうというもの。
となると、金高、円高、債券高が更に加速、金2000ドル、円50~60ドルなんていうシナリオは
すでに聞こえ始めていますが、あながちない話でもなくなってきます。
スイスに集中していた資金が大移動するってことです。

昨日は世界各国の中央銀行の政策は機能しなくなってきており
ハンドリング不能に陥っているためスイス当局が何を頑張っても
スイスフラン高が終了するとは思えないという思考だったのですが、
投機筋がスイスから資金を引き上げているというニュースを目にして考えが広がりました。
まあ、いつもの妄想レベルの思いつきなのですけれど(笑)

だからといって今すぐに円買いしたいってレベルなじゃいし(底練り状態ですものねぇ)
だからといってここから金を買い増したいとも思えないのが難しい相場ですね。

まだまだマーケットは盆休みムードで値動きが地味な上に、欧州時間に真逆に走りだしたりと
トリッキーなのでポジションを取る気にはなれません。

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2011年8月16日火曜日

「先週のキウイドルSは26pipsの損切りでドテン買い戦略に切り替え!!」
って今日つぶやいたのですが、このキウイドルLも34pips位で損切り・・・・。

久しぶりの往復ビンタです。うーーん、最近勝率が上がっていたので
調子に乗っていたかもしれません。

まず第一にお盆を挟んでわざわざポジションとることもない。
第二に今は水星の逆行期に該当しているんでしたっけ・・・。
チャートのポイントなどは騙しが多く発生する時期です、
ストップを引っ掛けてから戻るなんて事が多い時期なのを知っていながら
何故こんな狭いストップロス注文を設定していたのか・・・・。

完全に調子に乗って軽くポジションメイクしていたってことですね。反省。

それにしても、この相場難しい。

お盆のマーケットって流動性が低下するので、
欠伸のでるような退屈なマーケットとなりがちですが、
時にこんな相場で大鉈を振り回す輩が相場をぶち壊したりします。
盆のマーケットの崩落にやられたという記憶があるかたも多いでしょう。
なるべく参加しないというスタンスを貫いたほうが賢いと思っています。
それなのに・・・ (´・c_・`)   ・・・わかっていたはずなのになぁ。。

さて、盆らしい相場というか、これといって特筆すべき事件もなく週明け月曜が
終わろうとしています。目立つのはスイスの売りくらい。相次いで発表されている
スイスの緩和策に素直にポジションの巻き戻しが起こっているものと思いますが、
さてスイス高トレンドは終了したのでしょうか?!

個人的にはスイスが反転してトレンドが逆回転するならば、
円高トレンドも終了が近く、金高トレンドも終了が近いのではないか、と思います。

つまり、スイスだけが反転してトレンドを終えるなんてことがあるんでしょうか-
という疑問。

確かに、SNBスイス国立銀行は急速なスイス高に対して
3日、政策金利の誘導目標を0.00~0.75%から0.00~0.25%に引き下げ
金融市場に対する資金供給量も300億スイスフランから800億スイスフランに増額。
10日には民間銀行が同中央銀行に積み立てる準備預金額の変更を通じて
市場への資金供給量を400億スイスフラン(約4兆2100億円)拡大しました。
これまで長期に渡ってのスイス高局面ではスイス当局によるスイス売り介入がみられたのですが、
その度に一段のスイス高が進行。効果がないと見たのでしょうか、介入という手段での
対抗策はしばらく見られません。

そしてとうとうSNBのジョルダン副総裁が「ユーロとのペッグ」を示唆・・・・。

やれるだけのことをやった・・・・?!

こうしたSNBの姿勢に一定の敬意を示すということで、これまであまりにも買われすぎていた
スイスフランを利食うという動きが加速していることは明白。
では新規でスイスフランを売っている向きはあるでしょうか?!
今、新規で金を売れますか?今新規で円を売れますか?というのに
等しい疑問。偏りすぎたマーケットには揺り戻しが生じます。
私はスイスフランの下落は単純に巻き戻されているだけって気がするんですが・・・・。

現在のマーケットは各国の「金融政策」が機能してマーケットを
コントロールできるようなレベルを超えてしまっています。
アメリカを見てください。低金利、QE政策で景気が回復したでしょうか?
日本を・・・・言うまでもないですね。
長期低金利政策で円が売られたでしょうか?介入効果は見られたでしょうか・・・・。

おそらくスイスも同じこと。
米景気後退が深刻化し、ダウが下落、マーケットに波乱が生じれば、
スイスフランに資金が集まる流れはさけられないのです。

つまり、このスイス売り局面はどこかで再び反転し、スイス買いに転じるのではないか・・・・
そう思っているのですが、どうでしょうか。

では果たしてこのゆり戻しがどのレベルまであるのか、ってのが難しいですね。
ユロスイもドルスイもショート狙いですが、そのレベルが全く推測出来ずにおります・・・・。

今日はおとなしい相場でしたが、サブプライムの時は8/17に崩壊がありましたっけ。
まだまだ油断は禁物です。あ、でも、皆が相場を悲観的に眺めて警戒していると
悪いことはおこらないものです。本当に危険なのは皆がユーフォーリア、
気分よく油断しきっている時ですものね。

今日は都内の電車が空いてました。
毎日こんな感じだったらいいのになー。
新橋でシロコロホルモン。いつもはとても混んでいる店に
すっと入れました。お盆休み最高~♪

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2011年8月12日金曜日

12日から CME金の証拠金が22%引き上げされます。
これまで4500ドルだったものが5500ドルに。
これのせいなのか、それともあまりに急角度での上昇だったための
利食いが入っているのか、金価格は現在下落しています。
とはいえまだ1700ドル台を保っていますのでこのくらいは想定内ですね。
7/1に1480ドル位だったことを考えれば1700ドルを割り込んだって怖くはない。
2013年までドル安が続く。。。。というような声明を出しちゃったFOMCを見て
金の高値警戒感は薄れつつあります。

・・・・実際2013年までドル安が継続するかどうかは別として。
   個人的にはそうは思っていませんが・・・

一方でダウが上昇中。日替わりで忙しい展開です。
週間の新規失業保険申請件数が好感されたなんて報道されてますが、
昨日の下落の(半月で2000ドル下落の)反動で神経質にぶれているだけ
って気もします。そういえば現在水星の逆行中。
本質的なダウ買いの様相とはなっていません。多分。

■新規失業保険申請件数
市場予想40万件 ☞  39万5000件 前週から7000件減少

今日のびっくりネタはこれ。

スイス国立銀行ジョルダン副総裁
スイスフランをユーロにペッグさせる可能性を示唆

ひゃー。

介入も示唆していますけど、これまでも何度も介入してきて
その度に撃沈、今ではすっかり諦めたか実弾は見られなくなっています。
金利も引き下げ、とうとうユーロペッグ!!
もう打つ手なしのお手上げ状態なんですね。

それと「スイスフラン建ての預金に1%の税金が科せられる」なんてウワサも。
なにそれ、預金すると資金が目減りしちゃうって世界に?!
マイナス金利?
噂にしてもこんな話がとび出すなんて、
今って凄い事態なんだなぁとしみじみ・・・。

この報道を受けてスイスフランが逆流しました。猛烈に売られましたが、
流石に市場はペッグの話には懐疑的なんでしょうか、今急速にダレてきています。

猛烈に逆流していると書きましたが、今日のユロスイ、ドルスイの上昇程度って
これまでの相場をみれば十分に想定できる範囲内のレベルで
単純に買い戻しが入っただけですね。冷静になってその実現性を考えれば
上がったところを叩いて再度スイス買いって流れになるのかもしれません。
この話、どこまで織り込んでいいのか私にはサッパリわかりませんけど。

でもスイスフラン高に苦しむスイス当局の苦悩、これ日本も他人事じゃないですよね。
理解に苦しむレベルの円高。(よくよく考えれば理解に苦しむこともないけど)
先週の4.5兆円介入も1日の無駄打ちに終わり、この低金利、政策の手詰まりは同じ。
さらにいうと、アメリカの債務問題、景気減速にも打つ手なしの状況、
(低金利政策を長期化することを明言するくらいしかできない)
欧州の債務問題にいたっては問題を先送りし続けているだけ。

全く先進国経済は一体どうなっちゃってるんでしょうね。
イギリスの暴動も加えておこうかな。
緊縮財政の歪が暴発しているってことですものね。。。

というわけで、相変わらずダウ天井、金上昇、円高、ドル高のシナリオは
継続です。今晩はダウが上がって金は下がっているのですが
ポジショントーク全開!!
(でも為替は今ノーポジ・・・・)

今日はのど黒の干物に出会い感激。

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2011年8月10日水曜日

出てきたのは長期低金利政策継続の確約。
昨日9日のFOMCで「少なくとも2013年半ばまで政策金利を過去最低で維持する」
方針が出されました。・・・これ、もう事前に予想されていた内容ですよね。

今後2年間は政策金利を引き上げないと約束し、時間軸を明確にすることで
緩和効果の強化を狙ったものですが、今やってることから何か
新たな緩和策が出されたってわけじゃない。現状維持!!
皆が想定するより長くやるよ。ってだけ。
景気認識を大幅に下方修正したわりには小粒な政策ですよね、
というかこれ以上のことはできないか・・・少なくとも現時点では。
手詰まり感は否めないという感想を持たれた方が多いでしょう。

それでもこの声明がでると金利が低下。☞ 債券高。ドル安となりました。
問題はその瞬間株が売られたこと・・・・。その後は大きく買い戻されたのですが、
どうも神経質な値動きです。低金利政策継続は個人消費や住宅市場が刺激され、
景気が再加速するという想定のもとの政策なのでしょうけれど、
素直にそういう反応をしなかったというのは、この先の株式市場を暗示しているかのようです。
引けにかけては大きく買われましたが、すでに暴落していた株価の自律反発だっただけじゃ・・・

これで株価が下げ止まらなけれないよいよ市場はQE3を催促するんでしょう。
しかし、今回の声明発表も3人の反対票があったとかで
(これは1992年以来もっとも多いんですって)
QE3実施のハードルは高いですねぇ。。。

FOMCを警戒して昨晩は何もポジションを作らずにおりましたが、
そろそろまた元の流れ・・・リスク回避の流れに戻るでしょう。
どこかでドル買いをしたいと思っていますが、今日もなかなかタイミングつかめず。

ちょっと面白い記事を発見。
野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストの試算。
日米の2年物金利差が0.1%縮小すると円高・ドル安が2円50銭進む相関関係がある。
8日から9日にかけて金利差は一気に0.07%程度も縮まった。
8日のニューヨーク市場の終値(77円70銭)を起点に試算を当てはめると、
円は75円台に上昇していてもおかしくない。

円高構造はそう簡単に解消されそうにないですね。
ストレート通貨ではドル買いでもドル円では円買いだわ。
しかし、先週介入が入った水準にまで落ちてきて、介入が怖くて
円ロングできません・・・。

介入はもうやれそうにない感じはなんだけど、
先週4日は思いもよらぬ格好でやられたので、
現政権、現当局は何を考えているか分からないです。。

明日は朝イチで仕事。
ちょっと気忙しくてポジションをとれそうにないわ。
オヤスミ~

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それから、9月23日(祝)コモディティフェスティバル
皆さんお申し込みは済んでいますか?!

コモディティの専門家、アナリスト、トレーダー、メディア関係者らが
一同に会するコモディティフェスティバルが東京八重洲ホテルで開催されます。
個人投資家120名様限定で参加募集中!!

マーケットトレンドの番組でおなじみのコメンテーターの皆様も大集合。
プレゼントがあたる大抽選会も企画しています。

池水雄一さん、豊島逸夫さん、亀井幸一郎さんの「ゴールドトークセッション」
柴田明夫さん、茅野信行さん、林康史さんの「米トークセッション」も!!
なんと贅沢な企画でしょう・・・。ご期待ください。
当日は私、大橋ひろこが司会をつとめます。

お申し込みはコチラから
コモディティフェスティバルHP

2011年8月9日火曜日

TVのニュースや一般紙でも「世界同時株安」的な報道がなされています。
6月くらいから来るぞ来るぞと警戒してきましたが、警戒疲れした8月に来ました
懸念していた世界恐慌的崩落。
大倉孝キャプテンも5.6月位から警鐘を鳴らし続けていましたので、
YMTV「大倉孝の本音で言わせて」を毎月ご覧になっていらっしゃった方は
これがキャプテンが指摘していた事態なのか、と
余裕の構えでいらっしゃることでしょう。

アストロロジーサイクル論のレイモンド・メリマン氏も
6月までのダウのピークアウト、金高、原油安という流れを
昨年のうちから明確に指摘していました。

そんなこんなで私も5月末くらいから警戒を強めていたわけですが、
お宝ポジションを作ろう!!

なかなか描いていたようなリスク回避相場にならず、疲れてきていたところに
漸く形となって現れてきました。

現在は今夜のFOMCを期待して、、、でしょうか、下げ止まってダウ先も為替で
崩落が激しかったキウイやオージーも戻りを入れています。

■昨日のNYからの動きを振り返ってMEMOしておきますね。
8日NY市場
・VIX恐怖指数が急上昇47.41で引ける。
リーマン・ショック時には80程度まで上昇しているのでまだ余力あり。
しかし、その時以来の高水準です。

・ダウ平均は▲634.76ドルの10809.85ドル 2010年11月以来となる11000ドル割れ
ファニーメイやフレディマックなどの政府系住宅金融機関が格下げ
バークシャーハザウェイなどの米保険5社の格付け見通しの引き下げなどが嫌気。
金融株バンクオブアメリカは20%急落となりました。
これは保険大手のAIGが不適切な情報開示に基づいて住宅ローン担保証券(MBS)を
販売したとして100億ドル超とみられる損失の穴埋めを求めて訴訟を検討しているという報道から。
このMBSを巡ってバンカメは4~6月期決算で86億ドルの和解金を計上してましたよね・・・?
どんだけ負の遺産が隠されているのか不安を増幅させる一件。
結局はサブプライム問題って本当に根が深くて、全然片付いてないってことよね。

アジア市場
当然ながら日経平均も大きく下落してスタート、5カ月ぶりに9000円を割り込むものの、
大引けにかけては下げ渋る展開。▲153.08 8944.48円
今晩のFOMCにて何らかの緩和策が出るのではとの期待が高まったとされています。

■そして期待されるのはQE3
米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、FRBはQE3の実施に踏み切る公算が大きく、
米景気回復を確実にするため「一層断固たる行動」を取るとの見解を示した。
なんてニュースを発見。

市場もいよいよ期待を高めているといった様相になってきましたが、さて本当に
QE3なんて出来るのでしょうか。
これまでのQE政策を持ってしても雇用改善やGDP改善の兆しが見られなかったため、
QEは効果がない(景気を押し上げる効力がない)と見る向きが多いですね。
QE3をやっても意味がない、あるいは新たな資源高を招くだけで逆効果だという声さえある。
実際コモディティ、食料品高は過剰流動性相場が招いたという側面も大きいですものね。
(それだけではなく、需要の高まりから、10年前の価格水準には到底下がらないという
側面もありますが)

■金価格が1750ドルを超える
安全資産とされる金に資金が逃げ込んでいます。上昇の勢いが強すぎてちょっと怖いくらい。
とうとうプラチナ価格との価格が逆転してしまいました。
希少性、マーケット規模から考えても金よりプラチナが安いというのは異常事態。
2008年12月サブプライムの直後にも一度経験があるのですが、
直ぐ様その逆転現象は解消されました。

■ジワリドル高
リーマンの時のような危機に備えて流動性資金の確保に動き始めているということでしょうか。
ドル高となっています。特にオージードルとかキウイドルでのドル高は凄まじいですねぇ。
ドル円でもドルの調達金利に上昇圧力が高まっているようです。
通貨間の金利を交換するスワップ市場ではユーロをドルに交換するコストが
3カ月物で0.8%前後にまで上昇しているとか。これはリーマン・ショック直後の2008年
12月以来の水準。
またLIBORの3カ月物ドル金利も0.27478%と、4月14日以来の高い水準に。
つまりドル調達意欲が高いということです。
これも、このところの動きから十分に想定される事態で、
株価が今後も落ちて行くようならドル高は更に加速するでしょう。

しかし、今夜のFOMCに市場の期待も高まっているようで、
現在9日23:30時点ではダウ平均も100ドル超上昇、
金価格も1730ドルくらいまで下落しています。
為替市場でも若干ドル安気味で推移しています。

何かでてくるでしょうか・・・・。
何か出てきたとしても、リスクオン相場になるのは一瞬、
苦肉の策がマーケットを正常化できるとは到底思えません。
むしろ、その窮状を懸念した更なる売りが浴びせられる・・・
というのはこの春から大倉キャプテンが指摘してきたシナリオ。

ということで、まだまだ、このリスク回避相場は始まったばかりなのです。
昨日と同じオチ。

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意外と為替市場は落ち着いたものでした。(という印象)
株式市場ではやはりといいますか、想定された通りの下落。
日経平均は202円安の9097円。

ドル円相場は雇用統計の好結果で78円後半まで高値があったことを
考えれば現在の77円半ばというのは勿論円高に違いないのですが、
株式市場の悲観に比べれば意外と確りした値動きに見えました。

これはやはりG7緊急声明が一応は効いたってことなのでしょうか。
「金融安定化と成長を支えるために必要なあらゆる手段を講じる」
五十嵐財務副大臣は「立場によっては協調介入とも読み取れる内容」
であるとの認識を示したということで、過度な円高局面では介入もあるかも。。。
なんて警戒があったのかもしれません。
しかし東京時間はギャップダウンして始まりジリジリ円高が進んだものの、
介入はありませんでした。

すぐ行動に出たのは欧州。
「ECBがイタリア国債スペイン国債を買っているようだ、という観測から
欧州時間に入ってすぐ、ユーロが急上昇、序盤の欧州株は上昇となりました。
しかしこのユーロ高も一瞬に終わり…・現在は再びユーロが売られています。

スイスが鉄板ですね。。。金が今日1700ドル台に乗せ、とどまるところを知らぬ
強さを見せていますが、金とスイスは同じように史上最高値を更新し続けています。
スイスは先日緩和策を発表してんだけどねぇ・・・・
そして日本も介入したんだけどねぇ・・・・

G7声明も多少の抑止力はあったと思いますが、具体策が示されず、
結局リスク回避の動きに歯止めをかけることは出来なかったようです。

今日は、介入怖いという理由からキウイドルを売ってみたものの
思うように下がらず30pips程度の損切りで撤退。
その後、夕方のユーロ急上昇局面でユーロスイスを買ってその損失分をちゃらにしました。
珍しくスキャルピングに成功しましたねぇ・・・。

まだまだリスク回避相場は始まったばかりだと思っていますので
これから70円を目指すような円高となると見ていますが、
介入が怖いのでどうしてもドル円、クロス円に手がでません。。。

今安心して見ていられるのはダウ平均のショートポジションくらい。
金も高すぎて手が出ないし、スイスもここから買える・・・?!
かといって逆張りで入るとやられちゃいます。
今は株価インデックス系がいいのかも。

ただし、9日のFOMCは注意。QE3に触れるようなことがあれば、
一時的に相場はリスクオンに回帰します。
ま、その高値をまた売りたいんですけどね。

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2011年8月8日月曜日

この週末は材料てんこ盛り。
週明け8日月曜早朝にG7緊急電話会議と緊急声明発表とのこと、
皆さんがこのブログを読む頃には何かでていてマーケットが反応しているんでしょう。
でも、一応週末材料を整理しておきますね。現在は日曜深夜1時。

■7月の雇用統計
NFP +11万7000人 事前市場予測平均+8万4000人上回る。
失業率 9.1% 前月比0.1ポイント改善。

過去2カ月と比べて改善しました。
でも・・・・景気拡大に必要な水準とされるのは20万人前後。
失業率も7%~6%台にならないと話にならないですね。

過去2ヶ月比では+でも、相対的に見れば良くもないが悪くもない中途半端な数字。
ダウ平均は取引開始直後雇用統計改善を好感し170ドル余り上昇したのですが
その後一時240ドル余り下落するなど乱高下。終値は60.93ドル高1万1,444ドル。
神経質な値動きですねぇ。マーケットも判断に迷ったのでしょう。
為替市場は結局行って来いの流れでマーケットのセンチメントを変えるには至りませんでした。

この結果を受けて米国の政策判断はかえって困難さを増したとの指摘も。
大きく悪化すしたならばQE3催促相場となり、思い切った金融政策に
踏み切ることも可能だったが・・・これでやりにくくなったとの見方があるのですが、
しかし、その後S&Pの米国債格下げの報!!
週明けのマーケットの予測がさらに難しくなってきました。

■S&P米国債の格付け引き下げ
S&Pは歴史上初めてアメリカ長期国債の格付けを最高評価のトリプルAから
ダブルAプラスに引き下げました。連邦予算赤字の拡大の懸念を背景としています。
これはイギリス、ドイツ、フランス、カナダなどの国債の格付けを下回るもの。

今週14兆6000億ドル(約1140兆円)に達した米国債の発行残高は、
国内総生産(GDP)比で100%とイタリアとほぼ同じ水準です。
(イタリアの国債はデフォルト懸念?!から売られています・・
イタリアの2011年第1四半期の経済成長率は0.1%)

※しかしS&Pの計算に間違いあったのではないかという見方も。
裁量的支出を2兆ドル多く見積もっていたことによる数値の不備で、
財務省からの指摘を受けたとか。

さて、このことによる今後の影響ですが、、、
企業年金基金などの中には投資先の格付けを「トリプルA」に限っているところもあります。
となればこれは売らざるを得ませんよね。テクニカル的に売却に動くところも出るでしょう。
事前に予想されていたことなので影響は少ない、すでにマーケットに織り込まれたと
見る向きもあるのですが米国債格下げは「歴史上初めて」のことです。
そんなに楽観できるんでしょうかねぇ。

最悪のシナリオは、これまでは安全資産として資金の流入先となっていた米債券が
売らざるを得ない、あるいは不安を感じた投資家らによって投げ売られることになること。
債券市場から資金が逃げ出したら、株式に資金がシフトなんてケースじゃないですね。
債権売りに加え、米国の信頼失墜で株価下落、、米国の金利が上昇。
アメリカ信認失墜なら「ドル安」になって「トリプル安」となる、、、
なんて想定もできますが、この場合、そんな悠長な局面ではなくて
「リーマンショックの再来」的ショックですから
ドル不足による「ドル高」がやってくるんじゃないか、、、、って予想してます。
レパトリですよ、レパトリ。

しかし、レパトリが起こるなら、円もそれは凄い円高圧力になりますので、
(日本は世界一の対外債権国)
ドル円でみればどちらかというと円高に軍配があがるのでしょう。
ドル高になるのは、ストレート通貨かと・・・。
いえ、トリプル安を予想するのが一般的ですけどね。
ドル安が進むのかなぁ。。。これ以上?!

にしても、中国と日本へのインパクトは大きいわよね。
中国は1兆1000億ドル(約86兆円)、
日本は9000億ドル(約71兆円)の米国債を保有してます。。。

■介入の可能性
先週の介入ノタイミングには疑問符が多く、4.5兆円も費やしたのに効果がないじゃないか、
米欧とコンセンサスがとれていなかったんじゃないか、と批判も出てきていますが、
週末のG7で介入にコンセンサスでもとれれば話はまた変わってきます。
米国債格下げのニュースで週明けからパニック的円高となろうものなら
介入が入る可能性が高まったんじゃないかと思います。

でも。。。。介入があっても効き目がなさそうよね。
4.5兆使っても太平洋に目薬なんて例えも出てきたくらい。
2~3円持ち上げることができたとしても、結局は行って来いになる予感。
介入の高値は売り、この戦略はほんと鉄板ですね、悲しいことに。

■9日に開かれるFOMCは?
S&Pが米国債の格下げを発表した5日、
FRBはただちに「金融機関向け融資や、
米国債の売買を通じた短期市場の調節に影響はない」
との声明を発表しました。バーナンキ議長は7月の議会証言で
QE3の用意があるといった主旨の発言をしていて
次回FOMCでの声明には注目が高まるでしょう。火曜日です。
声明だけに終わるか?
何か安定策を打ち出さなくてはならない事態になっているかもしれません。
これまでは「低金利政策を◯◯まで長期継続する」と期限を(長期に)
明言するなんて見方もありましたが、
(その程度しか打つ手がないだろうと思われていたってことです)
今となっては長期国債の買い入れなどが示されるとの見方まで浮上しているようです。
一部国債の利回りが上昇しているのはそういうことみたい。

というわけで思いつくことを調べたりして書いてみましたが、
G7声明が待たれるところで、それによっては
またセンチメントが大きく変化しちゃっているかもしれません。
早朝発表って何時なんだろう・・・・
今から寝るのできっと私は夢の中なんだろうなー

起きたらチャートが壊れていてビックリ!!
なんてことがないように願っています。

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2011年8月5日金曜日

今日はもういろんなことにビックリです。

①突然の円売りドル買い介入
②日銀の金融政策決定会合が今日1日に短縮
③金融緩和策発表
④トリシェ総裁がハシゴ外す発言
⑤ダウ平均350ドル以上下落 原油90ドル割れ 金まで急落

①突然の円売りドル買い介入
■今週は日銀の金融政策決定会合が4(木)~5(金)に予定されているということで、
 なんらかの緩和策が発表されるのではないか、という予測は出ていました。
  ひょっとすると、緩和策発表に併せて介入もあるのではないか、ということで
 何かあるなら5日金曜といった見方が大勢でしたが、会合を1日に短縮する異例の展開

■しかも、昨年9月15日、今年3月18日の介入は朝イチ、東京オープン9時のタイミング
 今日は9時ではなく10時・・・・9時、そして仲値を経過して今日はないと思った向きも。

■介入額は当初5000億ドル程度と伝わったけど、欧州時間に入っても断続的に
 行われていた模様で、4兆円規模との見方も。
 (28日の与謝野さんの1~2兆円は難しいって発言はなんだったんだ)

■震災後の協調介入というような介入ではないと見られるも、
 欧州時間以降、委託介入できるかどうかに関心が高まっていました。
 東京時間で終わりではないかという見方もあったのですが、実際には19時すぎくらいまで
 ドル円の上昇は継続し、結果80.22円まで高値を確認

②日銀の金融政策決定会合が今日1日に短縮
■昨日まで誰も予想しなかった・・・・と思います。異例の決定ですが、
 同日金融緩和策を発表することで介入効果を高める狙いがあったのでしょう。

③金融緩和策発表
■国債や社債、上場投資信託(ETF)などの購入の原資になる
 資産買い入れ基金の規模を従来の40兆円から50兆円に10兆円引き上げ。

■基金のうち、資産の買い取り枠を従来の10兆円から15兆円に増額。
 
■年0.1%の低利で長めの資金を貸し出す固定金利オペ(公開市場操作)の
 供給枠も30兆円から35兆円に増やす。
 市場金利の低下を促し、企業マインドの低下を防ぐ。

④トリシェ総裁がハシゴ外す発言
■お膳立て・・・とまでは行かないにしても昨日のスイス中銀の金融緩和策発表で
 本邦当局も刺激となって流れに乗れたような、
 今回の介入うまくいく予感もあったのですが、、、

 今日はECB理事会。金利も据え置かれるでしょうし(4月7月と3ヶ月サイクルで
 利上げしているので多分次は10月)あまり注目されていなかったのに!!

「為替介入は多国間のコンセンサスに基づくべきであるとの認識を持っている」
「日本の為替介入は多国間におけるプロセスの一環ではなかった」

などと無神経発言(と私は思う)
実際そうであったとしても口にしなくてもいいんじゃない?
欧州時間でも介入されていたようなので、なんとなくコンセンサスが取られているものと
思わせておけば効果も持続しただろうに。
この発言受けてドル円上昇の勢い完全にストップ 78円台に沈みました。。。。

⑤ダウ平均350ドル以上下落 原油90ドル割れ 金まで急落
■もうわけがわかりません。
今夜のダウの下落にこれといった理由は見当たりません。
もう完全にリスク回避の嵐。
ダウは3/16日の安値11531ドルに面合わせ。
WTI原油は90ドル割り込んで現在87ドル台
VIX指数は急伸、金やシルバーにも売りが入っています。

世界同時株安の様相を呈してきました。
8月です。毎年リスクが高まりますね。
3日は重要変化日でした。
いよいよドーンと来るかな・・・

昨日のドルスイロングは一時100pips近く取れていたのに
帰宅してみたら30pipsの利益でポジション消えてました・・・。
負けてないけど、負けた気分です。

こういうリスク回避の動きになると思ってCFDでダウを売って耐えてましたけど、
これはこのまま放置。先進国の株価INDEXは売りでいいんじゃないかなと思うんだけど
為替がワカンナイ!!
介入効果はどうなるの?今日1日で4兆円も使った(憶測)のに。。。
だって明日は雇用統計なのよ。
前日にこんなに動いちゃってもう、、、ほんとビックリです。

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2011年8月3日水曜日

今日はSNB(スイス)がマーケットのセンチメントを変えたようです。

東京時間の16時前くらいでしょうか、
SNBは政策金利である3カ月物銀行間取引金利の誘導目標中心値を
現行の0.00-0.75%から、0.00-0.25%へ引き下げることを発表
・スイスフラン高に対抗する措置を取る
・スイスフランは現在、大幅に過大評価されている
・現在のスイスフラン高は経済成長に悪影響
とし、スイスフラン高を牽制、是正する姿勢を明らかにしました。
これを受けてスイス円は1円近く急落
ドルスイスも約160pips急騰しました。(つまりスイスフラン安)
ユーロスイスも然り。

このスイス売りをきっかけにして、ユーロが買い戻されユーロ円も急騰、
ユーロ円がリード役となってクロス円も上昇というように流れが変わりました。
しかしこれいつまで続くのかしら・・・・。

そもそもダウ平均はいよいよ12000ドルを割り込んでおりました。
日本時間3日1時40分過ぎ(アメリカの2日期限ぎりぎりですね)
米上院において債務上限引き上げ法案を可決されたことが伝わった後、
NYダウの下げ幅が拡大し米長期利回りは低下。
もう少しデフォルト回避の法案可決に一定の反応があるものと、
マーケットが楽観に傾くものかと思っていましたが、反応は厳しいものでしたねぇ。
すでに「米景気後退への懸念」を織り込み始めました。
今後は1兆2000億ドルの赤字削減案に関心が移っています。
QE2まで実施しても実体経済の回復に寄与できなかった、効果がなかったのではないか、
っていう経済指標がボロボロ出てきて今後の米景気後退への懸念を強めている中で
緊縮財政を強いられるって・・・・。
景気浮揚できるわけがありません。

※米2QのGDP速報値 
年率換算で前期比1.3%増、
事前予想の1.8%増を下回る。
1Q伸び率は1.9%から0.4%に大きく下方修正。

※ISM7月の製造業部門景気指数50.9
前月の55.3から低下。
エコノミスト予想は54.9
新規受注指数の低下が響き2009年7月以来の低水準。

※6月個人消費支出は前月比0.2%減
 09年9月(0.7%減)以来1年9カ月ぶりの落ち込み。
 市場予想0.2%程度の増加・・・

そもそも前回も前々回も雇用統計がひどい内容でしたよね。
これで年後半アメリカの景気が回復して株価も回復するなんて楽観も
だいぶ後退しちゃったんじゃないでしょうか。

というリスク回避相場が昨晩演じられていたわけですが、
今日夕方からはスイスの金融緩和をきっかけに買い戻しが入りました。
上にも下にもボラが出てきているように思いますので、
タイミングを間違えると結構やられちゃうわよね。

アストロロジーでいうと8/3がいろんなマーケットの重要変化日。
さらに水星の逆行期に入っているので、ボラが上がります。騙しも多くなる時期。
こういう時は逆張りでは入るほうがいいです。
レンジのブレイクアウトは騙し多発期間に入ったということ。
売るなら思いも寄らない高値を引きつけて。
買うならこんな安値で注文はいるの?Lucky♥って水準に来るのを待って。
中途半端なレベルでポジションをとっても報われませんのでご注意を。

とはいえ、私はダウ天井につき、リスク回避マーケットが本格化するというシナリオで
おりますので、そろそろ、いよいよドル買いが来るんじゃないかと思っています。

そんな予感がある中での今日のSNBの緩和発表。
これはドルスイも一旦巻き返しがあるんじゃないかと思って
0.768でドルスイロングしてみました。んー買った後も下げてる・・・・・。
新値更新して下げるようなら撤退しますーー

そうそう、今週の日銀の金融政策決定会合でなんらかの緩和策が
出されるんじゃないかって見方も出ているわ。
スイスが動いたことで日銀も刺激されて何か発表するかも。
資産買取枠増額とかね。

キウイドルSは買い戻しました。
思ったより取れなかったのですが、あまり引っ張らずに利食って置きます。
0.8767☞ 0.8652

そうそう、週末の雇用統計の前哨戦。
7月ADP全国雇用者数は好結果。あまり材料視されていませんが。
予想+10.0万人
結果+11.4万人

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9月23日(祝)コモディティフェスティバルが開催されます。
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2011年8月2日火曜日

マーケットとは皆の期待を裏切るものです。

今日1日からレバレッジ25倍へと規制強化となることから
(史上最高水準のドル円ロングポジションの偏りもあり)
また、連邦債務上限引き上げの合意が週末に得られなかったことから
週明け1日の早朝の為替市場は大荒れの円高となるだろう、といった予想が
至るところから指摘されていました。
今朝は早起きしてマーケットが開く時間から
チャートを眺めていたという投資家も多かったんじゃない?
(早起きは苦手な私はノーポジで熟睡中)

起きてチェックしてみたら
まさかのギャップアップスタート。円安ですか?!

日本時間早朝、米上院共和党のマコネル上院院内総務が
「合意が非常に近い」との認識を示した、なんて報道があったことで
一気にリスクが後退したようです。

その後9:40にオバマ大統領が演説。
「両党指導部が赤字削減・デフォルト回避で合意」
「10年で約1兆ドルの赤字削減」
「脆弱な景気に悪影響を及ぼすような急激な赤字削減を行わない」
などと発言。ドル円は78円タッチ。

ここで売れたらよかったですねー。今になって思えば。

だって、一方で民主党のペロシ下院院内総務が
「民主党議員の全員が賛成しているわけではない」なんて発言もして
まだ100%議会を通過出来るという確信があるわけではない、
という状況の中での戻りです。
これまでドル売りが進んでいただけに、買い戻しも入りましたが、
両手を上げての買いの状況ではなかったんですよね。
だから戻り高値、78円台を売ってみようか。って
頭の中では何度もGOサインが出ていたものの
ビビっちゃってクリック出来なかった・・・・
私の右手がヘタレでした。  

結局そこが高値となって今度は急降下。
買い戻しが78円台で終わっちゃったってショボすぎない?!
飛び込み台が低すぎるって。
夜になって案の定リスク再燃。
きっかけは予想より悪かっISMとされていますけれど、
そんな小さな理由じゃないって。多分。
※7月製造業指数は50.9と市場予想平均の55.0を下回る。

アメリカ株式市場は朝方のデフォルト回避で合意の材料を織り込む暇もなく下落です。
12000ドル割れも近いような気がします。
12700ドル近辺でWトップの形状。
これはいよいよ下落相場のスタートか?
5月くらいからずっとダウは天井を打つと思って見ていましたが、
なかなか下げずに不思議に思っていました。
8月入りですね。。。8月は雪崩が起こりやすい月です。

しかし、すっかり今朝のトリッキーな上昇にビビっちゃいまして
絶好の売り場を逃してしまったのが悔やまれます。
ドル円は76.29円?震災後の3/17日の史上最高値にほぼ面合わせです。
ここで売ったらどん底売りになりかねないので戻るのを待つしかないわね。

ということで何故かキウイドルを0.8767ドルでSしてみたりして。
うーーん、怖いところで売ってしまった・・・・。
キウイは強材料が多く、(利上げも予想されている)中国も買っているとかで
パリティ到達との見方が広がっています。
昨今の不安定な地合いにも一人気を吐いて上昇を続け
史上最高値を更新しておりましたので、
ここからスケールの大きいリスク回避相場がスタートするならば
もっともボラが期待出来るんじゃないか・・・って欲が出てしまった。
素直にドル円の戻り売りで史上最高値を更新の円高にかけるほうが
わかりやすいし安全な気もするのですが、こういうちょっとした欲が
よからぬ結果を招かないことを祈るしかありません(笑)

しっかしユーロはほんとトリッキーな動きをするわよねー
1.42000を割り込んだわ。怖い怖い。

どうやらイタリアとドイツの10年物国債の利回りスプレッドが
一時355bpとユーロ導入来最高水準まで拡大した模様。
今夜はどのマーケットも「リスク回避」です。
金は上昇中。

皆さん、下手に買い向かって寝てしまうなんてことをしないように・・・ね。

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2011年8月1日月曜日

こんなに問題が長引くとは思わなかったという専門家も多いようです。
連邦債務上限問題はパフォーマンスに過ぎないというのが大方の見方で
それほど問題視することじゃないとも言われていましたが、果たして・・・。

この週末にも合意の報は聞かれず・・・と思っていたら、先程こんなニュース発見。

米政府の債務上限引き上げ問題について協議している米政府と議会民主、共和両党は31日朝、暫定的な合意に達したと、一部の米テレビが報じた。30日夜以降、両党とも受け入れ可能な妥協案の採決に向け前進していた。8月2日の上限引き上げ期限の目前で、与野党が妥協に近づいたことで米国債の債務不履行(デフォルト)という最悪の事態を回避できる可能性が高まった。(毎日.JP)


ん?これでデフォルト回避ってことで安心していいの?
と、いろいろと調べると、その後に時事通信が

一部の米メディアは31日朝、議会筋の話として「暫定合意した」と報じた。だが、より強硬な下院共和党の反応など、情勢は依然として流動的だ。

と書いていて、まだ良く分かりません・・・。


そもそも連邦債務上限の引き上げ問題というのは何かといいますと
民主・共和両党は2011会計年度の予算について4月に合意。
ところがその財源の一つである国債などの債務残高が5月に法律で定められた
14.3兆ドルの上限を突破。
残高の上限を引き上げないと債務を支払うことができなくなる、というもの。

政府が借り入れをできなくなるということは
米国債を新しく発行できなくなるということ同義。
国債の利払いや軍人給与など大口の支出をやり繰りできなくなります。

そもそも何故8月2日が期限とされているのか。
ガイトナー米財務長官は「8月2日が引き上げの期限になる」
と表明しており、7月27日には米財務省が
「それ以降は連邦政府が負う債務をすべて履行できる保証はない」
とする声明を出した、
というわけで8月2日がデットラインという認識が広がっていましたが、
いやいや米市場では8月2日が動かし難い期限ではない
との見方も出てきているようですね。

バークレイズ・キャピタルは顧客向けリポートで、
7月14日以降予想を上回る税収があったことを
挙げて「債務を履行する資金が尽きるのは8月10日あたり」
という見方を示しています。
「15日が接近するまで資金は枯渇しない」これは英HSBC。
翌日8月3日には年金の支払があるのですがこれはなんとかなるということらしい・・・。

また債務問題の早期妥結を促すために、財務省が期限を前倒しで設定している、
との見方も少なくないようで、決して2日にアメリカがデフォルトするという事態になる、
というわけではなさそうです。

そうした指摘の根拠は税収の上ぶれ。
企業業績が良好なので収入があるということみたい。
それから2008年の金融危機への対応で購入した住宅ローン担保証券(MBS)売却などで
資金を確保できるのではないかなんて話も。

2日がデットラインでないとなれば次の最大の難関は15日でしょう。
256億ドルもの四半期利払いが予定されています。

もし、今週2日に合意が成立しなかった場合、どんな動きが想定されるのか・・・?
1995年のケースでは(債務上限が引き上げられず政府機関閉鎖に追い込まれた)
株が下落し、米債利回りは低下となりました。
ただ、それほどデフォルトを深刻に懸念するムードはなかったのだそうです。
つまり株式市場から引き揚げられた資金が短期国債に向かうということでしょうか。

株安となると為替市場は意外とドル売りじゃなくてドル買いかも・・・なんて思ったり。
合意にいたらないってことはシンプルに考えれば借金が増えないってことだからドル買い。
(そもそものデフォルトリスクってのを考えればドル売りなんでしょうけれど、
 合意がなくてもデフォルトにまでは至らないという楽観という可能性は?)
あるいは、壮絶なリスク回避相場になってこれまでのポジションの巻き返しが起こり、
ドル買いとなる、なんて考え方はどう?!

これ、ホントに勝手な妄想(笑)
だから自身でもポジションを取ろうとは思ってません、まだ。

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