2021年5月31日月曜日

 先週の話題は「リバースレポ」

FRBのリバースレポ取引額が過去最高更新、短期金利に一段とマイナス化圧力
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-reverse-repo-idJPKCN2D82WN
・FRBが短期金融市場における資金吸収のための調節手段としている
 リバースレポ・ファシリティーの取引額が27日過去最高の4850億ドルを記録。

簡単にいうと、
FRBが景気刺激策として実施しているQE(量的緩和)とは
市中の銀行から国債など債券を買い上げて、
かわりに銀行に資金を供給するものですが
金融機関にその資金が溢れかえっちゃって
置き場所がなくなってきているため
逆にFRBが銀行から余った資金を吸収して
(反対に債券を銀行に渡す)調節手段がリバースレポファシリティ。

市場にマネーが溢れちゃって行き場がなくなっているのを
FRBが吸収しているということですが、
要するに、量的緩和をやってもその資金に需要がないということ。
まあ、その一部は株やコモディティなどのリスク資産投資にも
回っている可能性もありますが、本来、その資金を使って経済を回すのが目的。
資金を借り手より貸し手のお金がじゃぶじゃぶってことは
経済回復の伸び代がこれ以上はないんじゃないの?って話でもあるし、
FRBはテーパリングに動く必要にせまられるんじゃないの?って話でもある。

そうなれば、米国もいよいよ緩和の終了に向かうってことですので
ドルには上昇圧力かな?という連想ができますが、

カナダが4月にテーパリングを決定。
NZと英国が追加利下げの可能性を完全に排除しただけでなく
NZが来年下期にも、英国は金利が上昇する可能性を示唆。
英国も週の資産買い入れ額を減らすテーパリングを実施、
(テーパリングではないと言っていますが)、
イチMPC委員ではありますがブリハ氏は早期の利上げの可能性を示唆。
それに米国が続くとなると~・・・・。

日本は消費者物価指数が9ヶ月連続でマイナス。
4月も▼0.1%ということで緩和策の終了が見えないわけで
一人だけ緩和政策から抜け出せない可能性が高く、
これが円安をもらたし始めたのではないか、というストラテジーが成り立ちます。

先週28日金曜には、大倉たかしキャプテンとセミナーで
そんな話をしました。

大倉たかしの「本音で言わせて!」動画
https://video.ibm.com/recorded/129964460

そしてもうひとつの大きなニュースがバイデン大統領の予算案公表。

米バイデン政権 初の予算教書発表 戦後最大660兆円規模に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210529/k10013057541000.html

何が驚きかというと

Biden Budget Said to Assume Capital-Gains Tax Rate Increase Started in Late April
https://www.wsj.com/articles/biden-budget-said-to-assume-capital-gains-tax-rate-increase-started-in-late-april-11622127432
・キャピタルゲインの税率引き上げ(43.4%)を4月下旬に開始するとの
 遡及課税で組まれた予算提案

これまだ提案ですし、
民主党内にも反対があるようですので、
このままの形では通らないんじゃないかと思うのですが、
そもそも4月まで遡られちゃうと、
今から株を売って利益確定しても手遅れです。
今からできることはないってことよね・・・?

つまり、所得が100万ドル(約1億1000万円)を超える世帯の皆さんは
ことの成り行きを見守るしかないわけで
意外とこれ、うまいやり方なのかも。
株が崩れるリスクを避けることができるもの。

ただ、富裕層の株などへの投資に妙味がなくなるので(だって43.4%よ?!)
彼らが新たにどのような資産運用を考えるのかが気になりますね。

***********************
先週の米インフレ指標も強かったのですが、何故か金利は上がらない。

米コアPCE価格指数、4月前年比3.1%上昇 92年以来の高い伸び
https://jp.reuters.com/article/usa-pce-idJPKCN2D91QR
・前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録(予想2.9%)

米金利があまり上がらなくなってきたので、
極端なドル高になりにくいため、ドルストレート通貨でのユーロ買いを
継続しているのですが、ドル円相場に限って言うと、円安圧力も強いので、
ドル円は上昇していくような気もしますね。

※ドル円


ユーロドル1.2125ドルロングに1.2152ドルロングを追加。
ユーロ円133.32ロング
キウイ円79.61円ロング(アゲインスト(泣))
カナダ円90.57円ロング
すべて継続です。

今週はポンドの押し目も狙いたい。

今週は6月に入るということで週末には早速雇用統計。
先月がNFP予想100万人増に対し21万人増とネガティブサプライズで
ドルが独歩安となりましたが、今回はどうでしょう。
人気ブログランキングへ

OPEC会合があるので、原油が動く可能性に留意。

31日(月)
中国製造業PMI(5月)
中国非製造業PMI(5月)
インドGDP(第1四半期)
英国・米国市場はメモリアルデーのため休場
OECD経済見通し
OPECプラス共同技術委員会

1日(火)
豪中銀政策金利
中国財新製造業PMI(5月)
ドイツ失業率(5月)
ユーロ圏失業率(5月)
米ISM製造業景況指数(5月)
ベイリー英中銀総裁、講演
ブレイナードFRB理事、講演
OPECプラス閣僚級会合

2日(水)
豪GDP(第1四半期)
米自動車販売(5月)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
フィラデルフィア連銀総裁、講演
ミネアポリス連銀主催オンラインイベント
金融と気候変動巡る会議「グリーンスワン2021」(4日まで)

3日(木)
中国財新サービズ業PMI(5月)
米ADP雇用者数(5月)
米ISM非製造業景況指数(5月)
米新規失業保険申請件数(29日終了週)
ベイリー英中銀総裁、講演
クオールズFRB副議長、講演
フィラデルフィア連銀総裁、講演

4日(金)
台湾GDP(第1四半期)
米製造業新規受注(4月)
米雇用統計(5月)
パウエルFRB議長とラガルドECB総裁、「グリーンスワン2021」討論会参加
G7財務相会合(5日まで)
「ビットコイン2021」会議(5日まで)

5日(土)
APEC貿易相会合

6日(日)
独ザクセンアンハルト州議会選挙
ペルー大統領選挙決選投票 
メキシコ中間選挙 
人気ブログランキングへ



2021年5月28日金曜日

 このところ、米金利(だけじゃなくて世界の長期金利)が低下傾向で
一緒に米株も下落する局面があって
ひょっとしてリスクオフ相場なのか?

なんて警戒もしていたのですが、
今夜は金利が上昇、株も上昇。杞憂に終わるか。

暗号資産の暴落で痛んだ個人は多かったかと思いますが
機関投資家が暗号資産に傾けていた資金量はそれほど大きくなかったとみえ
株もほとんど影響がなかった、とみていいのかな。

ただ、米国の給付金も3月の分が最後です。
ニューマネーが市場に流入する期待は大きくないので
下落はしないまでも、ここからの上昇には今ひとつ材料がないですよね。

今日の一番の注目は英国、ポンド。

英中銀ブリハ氏、早期の利上げもあり得る-労働市場の動向が鍵
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-27/QTRLIJT0G1L001

このブリハ氏、8月末で任期満了なのですが、現在MPC委員。
22年(来年)には利上げがあるかも~ですって。

あれ?今年の2月にマイナス金利とか言ってたの、ブリハさんですよね?

英中銀ブリハ氏、マイナス金利にこれまでで最も強い支持表明
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-19/QOS0D1T0AFB601
ブリハ委員は、マイナス金利の活用にこれまでで最も強い支持を表明した。


今回ブリハさんは講演の中での発言ですし、来年のことですので
過度に反応することでもないのですが、
なにせボラがほしいマーケットは何でも材料にして動きたがります。
このところの為替市場の材料は世界の金融政策の正常化ですね。
テーパリングと利上げ時期。
これが今一番HOTなテーマなので、、ポンドが急伸しました。
ブリハさんの掌返しはちょっと酷い気がしますけど。。。

昨日はNZがドルが急伸していましたね。
金融政策会合で政策の変更があったわけではないのですが、
これまでの追加利下げの可能性も考えていたRBNZがその文言を削除し、
来年22年下期の金利上昇の可能性を示唆。
そして4月にはカナダが金融政策会合で正式にテーパリングを発表。

となると、もっとも金融政策の出口が遅そうな日本は?
(消費者物価指数は4月▼0.1%、9ヶ月連続マイナスでデフレ・・・?)
最も緩和的政策が長期化しそうな国、ということで円安のバイアスが
強まったのかもしれません。今日はドル円が急伸。円安が進行となりました。

まあ、米長期金利も上昇しているので金利に連れ高、とも言えますが・・・。

ドル円が上昇してくれたおかげでユーロ円ロングが助かりました。
ユーロ円133.32円L、現在133.90円ε-(´∀`*)ホッ
クロス円がこれに連れ高です。

今日、キウイ円を79.61円で
カナダ円を90.57円で買い参戦。
ポンドも買っちゃおうかと悩みましたが、
リスク取り過ぎかな・・・と思いとどまりました。。。。

ホントはドルストレートのほうが面白いと思っていたんですが、
今日のドル円の上昇みてると、クロス円のほうがパフォーマンスが良さそうね。
円のほうが弱いということなので。

ユーロドル1.2125ドルロング、まだ継続。

ここからはこの円安が本物か、円キャリートレードが
為替市場の柱のテーマになるかどうかに注目ですが
ただこの円安、月末週ですのでリバランスによる特殊な動きという
可能性もありますので、警戒は緩めずに。

株式市場ではMSCIのリバランスに向けた動きがでました。
今日は、大引け前のたった1分で売買代金3兆円もできたとか。
東証1部の売買代金合計5兆5994億円!!(通常2兆円台です)

MSCI銘柄入れ替え、新規採用はゼロ・除外は29銘柄
https://jp.reuters.com/article/msci-idJPKBN2CS30Q
今回日本銘柄新規採用ゼロ。
除外が29銘柄あった、ということで売り圧力のほうが大きかったと

※MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が
算出する指数の総称。先進国、新興国、フロンティア市場など
合わせて約70カ国・地域の株式市場をカバーする。

今週はブラックロックMTUMのリバランスもあるようです。
米株の個別銘柄の動向に注意。
1.7兆円ETF、ポートフォリオの68%今週組み替えへ-「驚異的」規模
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-24/QTMAGBT1UM0Z01
金融株の比率は現在の2%未満から33%に上昇する一方、
テクノロジー株の比率は40%から17%に低下させるとか。
GAFAMは下がるかも?

今週のひろこのウィークリーGOLDは
エモリファンドマネジメント代表の江守哲氏
https://youtu.be/UiVRlmTjagk


人気ブログランキングへ

※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社