22日にはECBで理事会があります。
ECBはすでに今月8日、20年1月から実施してきた金融政策などの
戦略検証の結果を公表しており、
物価目標の一時的な上振れを容認するスタンスを表明しています。
■物価目標の見直し(次回戦略見直しは 2025 年)
これまで「2%を下回るがそれに近い水準に中期的に安定させる」
⇒「2%に中期的に安定させる」に変更
そしてラガルド総裁は今月22日の理事会で
「興味深い変化や変更がいくつかあるだろう」と予告しており
メディアとのインタビューでは
「今我々がすべきことは、戦略見直しに沿う形で、
フォワードガイダンスを再定義すること」と発言しており
今回の理事会ではフォワードガイダンス見直しがあると見られます。
■現在のフォワードガイダンス
「必要な限り債券を買い入れ、インフレ見通しが目標に
しっかりと収れんしていると見るまで金利を現行の過去最低水準に維持する」
このガイダンスに8日に公表された
「中長期2%で上下対称」「必要ならば上振れも容認」等の文言が
追加される可能性がありそうです。
つまりより緩和の長期化にコミットする、、と思われます。
インフレ率が上昇してくると、緩和終了の観測が広がるため
金利上昇やユーロ高となりますが、それを抑止したいのでしょう。
すでに欧州のインフレ率は6月2%に到達。
ECBからのハト派メッセージで欧州債が買われる展開で
先週はフランスの長期債利回りがマイナス圏に沈んでいます。
※主要国長期差利回り 薄ピンクがフランス
PEPP( パンデミック緊急購入プログラム・1兆8500億ユーロ規模)について
ラガルド総裁は「来年22年3月まで継続を見込んでいる」と述べていますが
新たなフォーマットへの移行が行われるかもしれないとも話しています。
これは、来年3月移行どうなるのか、という点が議論されるのでしょうか。
ポイントとしては
22日のECB理事会を前にすでにハト派メッセージを
市場が織り込んでユーロが売られた分があるため
22日の会合を受けて、材料出尽くしで買い戻される可能性もありそう、
ってことかな。
その場合はドル安となるので注意が必要です。
そうそう、先週は日銀の金融政策決定会合がありました。
6月会合で予告していたとおりに気候変動対応投融資の骨子案の決定を発表。
全体の施策をまとめた「気候変動に関する取り組み方針」公表。
日銀が気候変動オペ、ESGファイナンス市場の拡大後押しを期待
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-16/QWBGCUT0G1KY01
日銀、脱炭素融資で新制度 マイナス金利の負担軽減
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB15DY00V10C21A7000000/
・金融機関に対し金利ゼロで長期の資金供給
・年内メドスタート~2030年まで
・外貨建グリーン国債購入で保有資産のグリーン化を図る
新制度利用では金融機関の日銀当座預金にかかる金利が0%となる部分を増やし、
マイナス金利の適用を回避しやすくする。
グリーン債なら外物でもいいのか・・・
これまで日銀の外債購入にはいろいろ問題があるとして
実現出来なかった経緯がありますが
これ環境を盾にすれば実現できちゃうってことなのですね?!
その規模などが不明ですので為替への影響を試算することはできませんが
外債購入は円安要因ではあります。
この点においては大きな変化であると思いますが
市場は今、これを材料に円売りになるようなセンチメントにありません。
どちらかというとリスク回避ムードが強まっており
円買いのほうが強まってきています。
円が安くなる条件としては、日本のインフレが必要ですが
日本の消費者物価はゼロ近傍をウロウロしており
世界から見れば圧倒的にデフレ的です。
これでは円が安くなるわけがないのです・・・。
今週は日本の消費者物価指数が発表されますので注目ですね。
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先週の動きで特筆すべきは豪ドル、カナダなど
「コモディティ通貨」が弱いということ。
キウイも、、、7月14日野RBNZ会合で
7/23にQE終了を決定したことで急伸する局面がありましたが
週末は上髭に終わっています。買いが続きません。
やはり基軸通貨ドルの行方がマーケットの主役ということでしょうか。
先週はドルが強い印象でした。
※通貨インデックス一覧
とはいえ、ドル、円、ユーロなどはレンジなんです。
豪ドルとカナダがレンジを下抜けた?という感じですね。
これは中国経済の先行きへの不安などが関係しているのかも。。。
先週発表された4-6月期GDPは+7.9% 1-3月期18.3%から大きく減速。
6月の鉱工業生産は前年 同月比+8.3と、8.8%だった5月から縮小
6月小売売上高 +12.4% (5月12.1%)
原油や鉄鉱石などの資源高は企業収益を悪化させているようで
6月はコモディティ高を抑制するための引き締め作を講じていましたが
7月に入って預金準備率の引き下げなど金融緩和に舵を切っています。
そして、米国の中国制裁法案が可決されたこともネガティブ。
米上院、中国・新疆から製品輸入禁じる法案可決
https://jp.reuters.com/article/usa-china-xinjiang-idJPL4N2OR0DW?il=0
米議会上院は14日、中国新疆ウイグル自治区からの輸入を禁止する
「ウイグル強制労働防止法案」を全会一致で可決。
これは中国の貿易にとってもネガティブですが
ウイグルとビジネスをしてきた企業にとっても重大な決定です。
米政府はウイグル自治区にサプライチェーンを抱える企業に対し警告文書を発出。
企業はウイグルの人権侵害に加担していないことを証明する必要があります。
ウイグル製品を扱う日本の企業、例えばフランス政府が捜査に乗り出すとしている
ファーストリテイリングなどにとっても問題となってきます。
ファストリは人権問題には加担していないとしていますが
ウイグルでの人権侵害がないとはっきりと言及していません。
ここでウイグルに言及しすれば、逆に中国政府からの制裁を課せられるリスクと
なるとした指摘もあり、欧米を取るか、中国を取るかの踏み絵を踏まされる
窮地に追いやられているという状況のようです。
ファストリは第3四半期とあわせて、通期業績予想の下方修正を発表しており
株価の下落圧力が高まっています。
ファストリの日経平均寄与度が大きいため
この問題は日経平均を押し下げると考えられます・・・。
日経平均 すでにチャートの形はよくありませんが、、、
今週は200日移動平均線の攻防かな。
ここを割り込むと大きな調整がきそう。
というわけで、クロス円のショート継続です。
ユーロ円130.81円S
豪ドル円82.48円S
カナダ円88.05円S
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**********今週の主な予定********
20 日(火)
8:30 日 消費者物価指数(6月)前年比 予想0.2% 前回 ▲ 0.1%
17:00 ユ 経常収支(季調済、5 月・億ユーロ) 228
21:30 米 建設許可件数(6 月・万件) 予想169.0 前回168.1
21:30 米 住宅着工件数(6 月・万件) 予想159.0 前回157.2
21 日(水)
8:50 日 貿易収支(6月)
22 日(木) 日 市場休場
23:00 米 中古住宅販売件数(6 月・万件) 595 前回580
23:00 米 景気先行指数(6 月) 0.9% 1.3%
23:00 ユ 消費者信頼感指数(7 月速報) 予想▲ 3.0 前回▲ 3.3
23 日(金) 日 市場休場
17:00 ユ 製造業 PMI(7 月速報) 予想62.1 前回63.4
17:00 ユ サービス業 PMI(7 月速報)予想 60.0 前回58.3
先週のひろこのWeeklyゴールドは
意外と知らない「ロコロンドンゴールド」
ドル建て金、って言いますけど、それって
先物の価格?現物?
ゴールドの全ての基準となるのはロコ・ロンドン取引。
ロコ・ロンドン取引って何?
☓ロンドンのマーケット
☓ロンドンタイムの取引
正解は動画を!
意外と正確に知らない投資家が多いようです。
<あなたの知らない金取引の基本>
『ロコ・ロンドン・ゴールドとは』
https://youtu.be/IMVhnQzEXWE
解説:貴金属スペシャリスト 池水雄一氏