2023年6月5日月曜日

 

 雇用統計の数字がサプライズだったためなのか、
債務上限問題、上院も合意で議会通過でデフォルト回避が好感されたのか
米株は猛烈に上昇しました、6月2日金曜日。

S&P500 

ダウ まだレンジの範疇での動きとはいえ 701.19ドル高!!
 ナスダック総合
【米5月雇用統計】

⏹️非農業部門雇用者数(前月比)  
 +33.9万人(予想19.0万 4月25.3万)
⏹️失業率 
  3.7%(予想3.5% 4月3.4%)
⏹️平均時給(前月比)  
 +0.3%(予想0.3% 4月0.5%)
⏹️平均時給(前年比) 
 +4.3%(予想4.4% 4月4.4%)
 
■米雇用者数は予想上回る、賃金鈍化-強弱まちまちで利上げ休止か
 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-02/RVMLIIDWX2PT01
 
NFP(非農業部門雇用者数)の33万増には驚きました。
4月より強い。鈍化だったのに、、、。

しかし、失業率は上昇、賃金伸びは減速しています。
失業率は前月からの上昇幅が2020年4月以来の大きさです。
雇用者の伸びが加速しているのに、失業者も急増しているとはいかに?

雇用統計は2つの調査で構成されている。
1・失業率などを算出する家計調査
2・雇用者数や賃金などをカバーする事業所調査。

家計調査では職探しに苦労している人が増えており
以前雇用されていた人が失業するケースが増えていることが明らかに。
事業所調査では
雇用者数は1年2カ月連続で市場予想を上回る堅調さが伺えた。

ん~イマイチわかりません。。。
が、ともかく市場は「6月FOMCの利上げは一旦休止されるだろう」と見た。
■Fedウォッチ
利上げはあっても7月FOMC、だったらまずは売りは撤退せねば💦
ということで、ショートカバーが猛烈に起きたものと推測。

日経平均先物は夜間で一時32000円台示現。
引け値は 31970円。 
今週は6月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)であることには留意したい。
SQまで売り方の買い戻しがさらなる上値を試す展開も予想されます。

【債務上限問題】
■米債務上限を停止、財政責任法が成立 米大統領の署名で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02C9X0S3A600C2000000/
署名により「財政責任法」が成立

1・2025年1月1日まで債務上限の適用を停止
 ~今後2年間の連邦歳出に上限を設ける
2・歳出削減により財政赤字を10年で1.5兆ドル圧縮

連邦債務はこれまでの上限だった31.4兆ドルから拡大が許される。
ただし際限のない財政悪化を避けるため、
10月から始まる2024年度の予算は社会保障や国防費などを除いた支出を
前年度並みにし、25年度も増加を1%にとどめるものとする。

しかし電気自動車(EV)の販売補助など
気候変動対策に関わる大型政策は維持されますし、
歳出削減10年で1.5兆ドルはバイデン大統領が予算教書で示した規模の半分程度。
当面財政悪化が続くという印象ですね。

そして、債務上限引き上げで合意したということは
これから政府債務が急速に拡大するというこでもあります。
債券が発行されるわけです。

■1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ-全ての資産クラスに影響
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-04/RVPBPODWX2PS01

7-9月(第3四半期)末までに米国債の発行高が1兆ドルを超える可能性

銀行にある預金がこの購入に充てられ、流動性がさらに低下する見込みだが
FRBのQT(量的引き締め=バランスシート縮小)で銀行の準備金が減少している。

⬇「これは大幅な流動性縮小だ」

JPモルガン/株式と債券を合わせた今年のパフォーマンスを約5%押し下げる
シティグループ/S&P500種株価指数が平均で5.4%下落

ここからの米債券発行と入札の流れを確認しても
なお株高が続くようなら昨年高値を目指す展開もあるかもしれませんが、
週末の株高が、債務上限問題リスクにかけたショートや
6月利上げ確率低下で、ショートが踏み上げられただけかもしれませんので
今週、米株高が持続できるかどうかは重要です。

債務上限に達したのは1月19日。
4ヶ月半もの間つなぎ予算でやりくりしていた米政府ですが
これから堰を切ったよう国債が発行され、それを買う為のマネーが
どこからかシフトしてくるわけです。

それが、銀行預金なのか?
それとも株を売って現金に変えて債券を買う資金に充てるか。
何が起きるか見ものです(何も起きないかもしれませんが)

Kan Nishida 氏のTweetのスレッドが興味深い。
パウエル議長が2011年に
「債務上限がまとまれば国債をさばくために、
例えばヨーロッパと株式市場を混乱させて、国債需要を作り出せる」と話していたと。
https://twitter.com/KanAugust/status/1662485469932793856

仮説ですが、上記シナリオのようなことが起きれば
米債を買うためのドル需要が増します。つまり、ドル高となる。

仮に株下落などのリスク資産下落時にはドル円相場では円高ですが
ドル需要が増すということであれば、ドル円はあまり動かず。
ユーロドル、ポンドドル、キウイドル、豪ドルなど
ドルストレート通貨でのドル買いは旺盛となるのでは?

今週は、ドルストレート通貨でのドル買いを狙ってみます。
ポジションは雇用統計前に全て手仕舞ってノーポジで週超えしています。

金利差だけで見るなら、ドル金利だけでなく
主要国金利上昇なので、ドル円、クロス円上昇なのですが、
株などリスク資産が下落する局面では、金利差はあまり意味がありません。

主要国2年債利回り比較


NOTE
週末の株高はこのニュースも意識された模様。
■中国が不動産市場支援パッケージ検討、景気押し上げ狙う-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-02/RVMBHST1UM0W01
「当局は主要都市の中心部以外で物件の手付金比率を引き下げることや、
 仲介手数料の減額を検討」
「国務院の指針下での住宅購入における制約が一段と緩和される可能性も」

6/4開催の OPECプラス閣僚級会合には大注目。
日量100万バレル程度の追加減産が選択肢の一つとして浮上しています。

※追記 
サウジアラビア、日量100万バレルの追加自主減産の決定。
「OPECプラス」としては現状の減産合意を2024年に延長することで合意。

今回、サウジだけが自主的に追加減産、
とはいえ日量100万バレルは大きい。
2ヶ月前に発表した「5月からの減産開始(OPECプラスで日量110万バレル)」
に続いて、またしてもサプライズでの減産決定。

それだけ需要が弱いということでもありますが、
瞬間的には原油ショートが焼かれる展開ありそう。

➡OPECプラス、減産協定の2024年延長で合意-サウジ自主追加削減へ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-04/RVQJE9DWX2PS01?srnd=cojp-v2                  
WTI原油 70ドル割れたところは買われますね。


*****今週の主な予定***********
ブラックアウト期間でFRB要人発言はありません。
6月は13~14日にFOMCです。

5日(月)
中国財新非製造業PMI(5月)
米ISM非製造業景気指数(5月)

6日(火)
★豪中銀政策金利
  23年3月まで10会合連続利上げで 3.6%へ
  23年4月RBA会合で利上げを見送り、利上げサイクル停止
  23年5月利上げ再開 0.25%引き上げ 3.85%へ
 その後発表された4月月次CPIは前年比+6.8%(3月+6.3%から加速)
  CPIは22年12月にピークアウトして下落基調でしたが4月反発したのです。
  よって6月も利上げの可能性があります。 

7日(水)
豪GDP(第1四半期)
中国貿易統計(5月)
日本景気動向指数(4月)
カナダ中銀政策金利
スナク英首相、米国訪問(8日まで)
ペンス前米副大統領、2024年大統領選出馬表明予定

8日(木)
日本GDP改定値(第1四半期)

9日(金)
中国消費者物価指数・生産者物価指数(5月)
カナダ雇用統計(5月)

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