2024年6月28日金曜日

 ドル円相場、161円台を目指すところまで上昇。

今日27日東京時間午前には
鈴木財務相
「為替は安定的に推移することが望ましい」
「高い緊張感を持って必要な対応をとっていく」

林官房長官
「為替相場の過度な変動には適切な対応をとる」

昨日6/26夜NY時間には
神田財務官
「高い警戒感を持って市場の動向を注視している」
「最近の為替の動きは一方向」
「最近の急速な円安進行に関しては深刻な懸念を有する」
「為替の足もとの動きは急激」

などの市場牽制発言がありましたが、口先介入はほぼ効果が見られません。
どこかで為替介入が入ると見られますが、
市場の一部では、
神田財務官の去就が明確となる財務省人事が注目されています。

■財務省、局長級以上の幹部人事を近く発表-発令は7月に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-27/SFQBJCT0AFB400
・早ければ28日にも発表される可能性
・3年以上務める財務官の前例は少ない

神田財務官は21年7月7日就任。
すでに3年務めており、今回留任の可能性は低いとされています。
つまりこの7月でご退任される見込み。

イエレン米財務長官が繰り返し述べているように介入は稀であり、
介入実績をもつ財務官は多くはありません。
かんだ財務官は2003年1月から2004年の円売りドル買い介入が実施された際
当時の溝口財務官の下、財務省国際局為替市場課で介入を指示する現場を
経験して来られたことから、
今回22年の介入と今回4/29~5/2の9.7兆円介入も
そのご経験からであろうとその手腕が評価されています。

市場の一部には、為替市場への睨みが効く神田財務官の退任が正式に
発表されると、投機筋による円売りアタックがあるのではないか、という憶測も。

明日28日の閣議決定でその人事が明らかになる、と見られています。
本当に神田財務官の去就で為替が動くかどうかはわかりませんが
注目度の高い一つのイベントとされていますので
明日金曜、10時くらいからの閣議には注目です。

また、明日の10時といえば米国でも大きなイベントが。
バイデン大統領とトランプ前大統領によるTV討論が実施されます。

■バイデン大統領とトランプ氏 テレビ討論会へ 4年ぶり直接対決
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240627/k10014493171000.html
討論は90分。
原稿やメモの持ち込み禁止。
CMタイムにもスタッフとの接触禁止。
相手の発言中はマイクは切断。

トランプ氏が掲げる輸入関税引き上げはインフレを助長するリスクとも
指摘されており、トランプ優位となれば金利が上がるかも、
というような見方も一部にあるようですが、
果たしてこの討論会でマーケットに変化が見られるのか、注目度は高いですね。

今夜の一連の米経済指標を受けてドル金利はやや軟化。

■米新規失業保険申請、6000件減の23万3000件 予想下回る
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/FTE7JDTU2NMEJAM2AU7JOOQ7FM-2024-06-27/
・労働市場の大きな変化に対する懸念が緩和する可能性が示唆

ただし継続受給者数は21年来の高水準
■米失業保険継続受給者、21年末以来の高水準-失業期間が長期化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-27/SFQO9XDWLU6800?srnd=cojp-v2

■米GDP、第1四半期確報値は+1.4% 改定値から若干上方修正
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/V2MSJOO4EZNRXAKWED6ZID7VMA-2024-06-27/
・改定値1.3%→1.4%へ上方修正
ところが、個人消費が1.5%と改定値2.0%から下方修正されています。

■米中古住宅販売成約指数、過去最低に落ち込む-高金利が需要圧迫
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-27/SFQS8ZT0G1KW00
・5月は2.1%低下の70.8、データでさかのぼれる2001年以降で最低
・北東部と西部で若干増加、南部と中西部は2010年以来の低水準
・5月の中古住宅販売価格の中央値は41万9300ドル(約6700万円)と過去最高を記録

明日28日は米PCE価格指数の発表(21:30)が注目です。
クリーブランド連銀のナウキャストでは、
米5月PCE価格指数はコアPCEともに、前年同月比2.6%予想。
どちらも前月以下に鈍化する予想です。
鈍化予想ですが、鈍化せず強い数字が出ればドル金利上昇、ドル高になる可能性。
予想通りならあまり動かないかな・・・。

※米国債利回り一覧

しかし、ドル円相場のトレンドは変わらず円売りドル買い優勢。

※ドル円日足
週末はドル円相場、介入の有無含めて注目ですが
今度の日曜6/30はフランス選挙とあって
金曜日中にポジションを整理しておかないと
来週、週明け月曜日7/1の東京市場Openからマーケットが荒れる可能性が。
その点考慮すると、介入は明日金曜は入らないかな、という気はします。

[FT]フランス、ユーロ危機招くか 高まる財政悪化リスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB251X50V20C24A6000000/

ユーロドル1.0844ドルショート継続。

NOTE
■ECB、年内の追加利下げはあと1回の可能性-スロバキア中銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-27/SFQDTZDWX2PS00

■英中銀、8月利下げの公算大 年内2─3回想定=MPC元委員
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ZK5F7P5M3JKMFBSB47UVRCAFPA-2024-06-27/
・労働党が勝利しても英中銀の金融政策の方向性には影響がないと見込む
・25年末迄に0.25%×7回の利下げか?英中立金利3.5%につか付ける想定か
~16─22年にMPC委員を務めたソーンダース氏

英総選挙に向けてスナク首相と野党・労働党のスターマー党首の
最終のテレビ討論会が行われましたが、世論調査では互角との評価。
労働党の優勢が伝えられる中、スナク首相は巻き返しの最後のチャンスでしたが
形勢逆転とはならなかったようです。

しかしマーケットは与党惨敗でもポンド売りとはならないとの
見方が大勢のようです。むしろその方がいい、とか・・・?

ひろこのX

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