2008年6月23日月曜日

週末金曜のアメリカ株式市場、ダウ平均は3月17日以来の1万2000ドル割れ。

バンク・オブ・アメリカやリージョンズ・フィナンシャル、ワコビアなどの金融機関に追加増資の必要性があるとの見方が示されたり、メリルが業績予想の下方修正やモーゲージ保有に絡む追加評価損を発表するとの噂が出たことなどで金融株が大きく売られました。週明けの日本株が心配です、、、。こうした金融関連企業の懸念も株価下落の一因ですが、さらに懸念されているのが原油価格の行方です。

今月初めにイスラエル軍がイランの核施設攻撃を想定した大規模軍事演習を実施したとの報道から、原油の供給懸念が強まり、週末のNYではWTI原油が上昇となりました。(しかしながらサウジアラビアが、すでに打ち出した7月からの日量20万バレルの増産を正式発表したことで利益確定売りもふくらみボラタイルな相場となりましたが)

焦点は22日日曜日開催の産油国と消費国サウジアラビアで緊急閣僚会合ですが、この中身によっては原油価格が落ち着きを取り戻し、株価が上がるとも期待されているようです。

ではどんなことが決められたのか、ぼちぼちニュースが出てきていますので簡単にまとめます。

サウジが短期的には7月から日量20万バレルの増産をすることが表明されましたが、さらに09年末までにサウジの原油供給能力を日量1250万バレルまで引き上げることを表明。
需要があれば、さらに250万バレル引き上げ、1500万バレルにする用意があるとしています。(ちなみに現在の生産量は同約950万バレルですから、7月からは20万バレル増産で970万バレルになる?)

サウジの現在の供給能力は1100万バレル弱程度のようです。つまり最大で1500万バレルにするというなら供給能力の増強をしなくてはならないのですが、これを急ぐ方針を明示しました。この供給能力拡大のため、今後5年で1290億ドルを投じる意向を具体的に示しています。

これで一安心。原油高騰には歯止めがかけられる?!、、、、のでしょうか?

というのも現在、生産余力があるのはサウジくらいなもので、他のOPEC加盟国の油田は、投資不足で老朽化が目立ち、生産はフル回転といった状況ですので増産がほぼ不可能とも言われています。今回の緊急会合では増産の余力があるサウジばかりが目立ってしまって他のOPEC諸国との溝がかえって際立ったという見方も出ているようです、、、。 

昨今の原油価格高騰についてはOPEC側から、投機による先進国の責任を指摘する声もあり、「金融市場の透明性や規制が改善されるべき」といった内容が声明に盛り込まれましたが、、だからといって投機マネーによる高騰沈静化について具体的な対策が示されたわけではなさそう。

これで原油高に歯止めがかけられダウ平均が再び上昇に転じるかというと、個人的には疑問を感じているのですが、さて、今週のマーケットはどのように推移するでしょう?

今週はFOMCなども控えていますので、神経質な値動きを覚悟。ユーロとかポンドとか、、、クロス円が上がりすぎじゃないの?とも感じていますが、売っても勝てない相場が続いていて、どうしたらいいものか、、、。まずは週明けの地合をみてから戦略を練ることにします。では今週も頑張りましょう!!

◆産油国と消費国の閣僚会合の声明骨子
・参加国は原油価格の高騰に懸念を共有
・原油高騰は世界経済、とくに最貧国の経済に有害
・原油の供給余力が存在することは原油市場の安定に大事
・原油生産と精製への投資の増加が不可欠
・データの整備を通じ金融市場の透明性や規制が改善されるべきだ(毎日Jp)

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