2011年8月1日月曜日

こんなに問題が長引くとは思わなかったという専門家も多いようです。
連邦債務上限問題はパフォーマンスに過ぎないというのが大方の見方で
それほど問題視することじゃないとも言われていましたが、果たして・・・。

この週末にも合意の報は聞かれず・・・と思っていたら、先程こんなニュース発見。

米政府の債務上限引き上げ問題について協議している米政府と議会民主、共和両党は31日朝、暫定的な合意に達したと、一部の米テレビが報じた。30日夜以降、両党とも受け入れ可能な妥協案の採決に向け前進していた。8月2日の上限引き上げ期限の目前で、与野党が妥協に近づいたことで米国債の債務不履行(デフォルト)という最悪の事態を回避できる可能性が高まった。(毎日.JP)


ん?これでデフォルト回避ってことで安心していいの?
と、いろいろと調べると、その後に時事通信が

一部の米メディアは31日朝、議会筋の話として「暫定合意した」と報じた。だが、より強硬な下院共和党の反応など、情勢は依然として流動的だ。

と書いていて、まだ良く分かりません・・・。


そもそも連邦債務上限の引き上げ問題というのは何かといいますと
民主・共和両党は2011会計年度の予算について4月に合意。
ところがその財源の一つである国債などの債務残高が5月に法律で定められた
14.3兆ドルの上限を突破。
残高の上限を引き上げないと債務を支払うことができなくなる、というもの。

政府が借り入れをできなくなるということは
米国債を新しく発行できなくなるということ同義。
国債の利払いや軍人給与など大口の支出をやり繰りできなくなります。

そもそも何故8月2日が期限とされているのか。
ガイトナー米財務長官は「8月2日が引き上げの期限になる」
と表明しており、7月27日には米財務省が
「それ以降は連邦政府が負う債務をすべて履行できる保証はない」
とする声明を出した、
というわけで8月2日がデットラインという認識が広がっていましたが、
いやいや米市場では8月2日が動かし難い期限ではない
との見方も出てきているようですね。

バークレイズ・キャピタルは顧客向けリポートで、
7月14日以降予想を上回る税収があったことを
挙げて「債務を履行する資金が尽きるのは8月10日あたり」
という見方を示しています。
「15日が接近するまで資金は枯渇しない」これは英HSBC。
翌日8月3日には年金の支払があるのですがこれはなんとかなるということらしい・・・。

また債務問題の早期妥結を促すために、財務省が期限を前倒しで設定している、
との見方も少なくないようで、決して2日にアメリカがデフォルトするという事態になる、
というわけではなさそうです。

そうした指摘の根拠は税収の上ぶれ。
企業業績が良好なので収入があるということみたい。
それから2008年の金融危機への対応で購入した住宅ローン担保証券(MBS)売却などで
資金を確保できるのではないかなんて話も。

2日がデットラインでないとなれば次の最大の難関は15日でしょう。
256億ドルもの四半期利払いが予定されています。

もし、今週2日に合意が成立しなかった場合、どんな動きが想定されるのか・・・?
1995年のケースでは(債務上限が引き上げられず政府機関閉鎖に追い込まれた)
株が下落し、米債利回りは低下となりました。
ただ、それほどデフォルトを深刻に懸念するムードはなかったのだそうです。
つまり株式市場から引き揚げられた資金が短期国債に向かうということでしょうか。

株安となると為替市場は意外とドル売りじゃなくてドル買いかも・・・なんて思ったり。
合意にいたらないってことはシンプルに考えれば借金が増えないってことだからドル買い。
(そもそものデフォルトリスクってのを考えればドル売りなんでしょうけれど、
 合意がなくてもデフォルトにまでは至らないという楽観という可能性は?)
あるいは、壮絶なリスク回避相場になってこれまでのポジションの巻き返しが起こり、
ドル買いとなる、なんて考え方はどう?!

これ、ホントに勝手な妄想(笑)
だから自身でもポジションを取ろうとは思ってません、まだ。

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