昨晩イタリア下院で行われた2010 年度会計報告に関する法案採決は可決されたものの
絶対過半数を確保出来ずベルルスコーニ首相を辞任に追いこまれました。
ユーロはこのニュースを受けて上昇、株も堅調です。
人気が低迷してきていたベルルスコーニ氏の退陣がMarketにはGoodNewsだった、
ということなのでしょうけれど、これ、根本的に何かが解決したわけでもないですし、
こういうニュースでの上昇って持続しないですよね。
でも、ユーロは下がらない。
昨日も書きましたが思い浮かぶのがユーロのレパトリが起こっている、
ということくらいですが、これが案外本当にそういうことなのかもしれません。
山積する問題として大きなポイントは
①27日EU首脳会議で合意したギリシャ国債の50%ヘアカット民間金融機関が応じるか
②欧州銀行の資本増強の自己資本比率を「9%」達成できるのか
③自己資本増強に伴う公的資本注入となるか、その場合の各国の財政負担の問題
④資本が必要となる場合のセーフティーネットEFSF規模
実質1兆ユーロは打倒な金額か?レバレッジとは?
④に関しては11月29日の次回会合で決めることになっており、
12月からイタリア国債などを買い支えることができるようにする予定。
そしてこの欧州銀行の9%の自己資本比率達成のための資本増強の流れの中で
凄まじい貸し渋り、貸し剥がしが起こっているのではないか、
ということでこれがユーロ高の犯人なんじゃないか、と思っていたりします。
あるいは。
メルケル首相がギリシャが国民投票を実施するとかしないとか言い出したことを受けて
「ギリシャが国民投票の意向を表明したことは、我々のブリュッセル合意後の心理状態を
一変させた。我々は、準備が出来ている」と発言しているのですが、
これが「ギリシャがユーロ圏を脱退する事態に対しEUの準備が整っている」という意味を
含むとも指摘されており、ギリシャ切り捨てをMarketは織り込み始めたのかもしれない、
という推測もできますが、どういうことなんでしょうねぇ。
以下、まとめのためにメモした時系列を残しておきます。
10月27日 EU首脳会議 ギリシャ政府の民間金融機関に
ヘアカット50%などを盛り込んだ包括救済策合意
欧米の株式市場これを好感し上昇。
10月31日 ギリシャのパパンドレウ首相が突然「EU首脳会議での合意内容に
基づく緊縮財政などについて国民投票を行なうと宣言。欧米株式市場下落に。
11月3~5日G20サミットにG20メンバーではないギリシャパパンドレウ首相を呼び出し説明求める。
EUとIMFは、11月中にギリシャに支払う予定だった、80億ユーロのつなぎ融資凍結。
ギリシャはこの融資を受けられなければ、12月中旬には国債の償還不能で破綻。
11月3日 ECB政策金利を、2年半ぶりに0.25ポイント引き下げ。
11月4日 国民投票の方針を撤回。5日パパンドレウ内閣信任投票で信任。
11月7日 ギリシャのパパンドレウ首相と最大野党・新民主主義党のサマラス党首、
大連立政権を樹立で基本合意。パパンドレウ首相は辞任の意向。
11月8日 イタリアベルルスコーニ氏辞任表明
☞ 11月29日財政危機の国や経営不安の銀行を助ける
「欧州金融安定化基金(EFSF)」の規模を実質1兆ユーロ(約107兆円)に
増やすことについて、詳しい仕組みなどの具体策を11月29日の次回会合で
決めることにした。12月からイタリア国債などを買い支えることができるようにする。
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