ユーロ、レパトリエーションでも起こっているのでしょうか。
危機はギリシャからイタリアへ、この段階への波及は一層深刻だと思うのですが、
ユーロはむしろ強含み・・・・まだレンジ推移の範疇ではありますが。
7日開催のEU財務相会合ではギリシャやイタリアへの支援を強めることで合意。
今月中に一連の対策を実行できる態勢を整え、危機がこれ以上広がるのを防ぐ、
としましたが、こんな合意が伝わっただけでユーロ買いとなるものでもないですし・・・。
このところの相場は材料だけで売り込むと危険なことが十分にわかっておりましたので
ユーロを売ったりはしておりませんでしたが、この地合で下がらないのが不思議。
いよいよイタリアの10年物国債の利回りは6.7%を上回り、
アイルランドやポルトガルが救済要請に踏み切ったときの水準である
7%に迫ってきています。
そもそもイタリアって今どんな状況なのかまとめてみます。
ギリシャの国内総生産(GDP)はEU全体の1.7%。
スペインは8.4%、そして問題のイタリアはなんと12.6%を占めています。
そしてイタリアの2010年の債務比率は118.4%でギリシャに次いで2番目に高いのです。
借金額は1兆8429億ユーロ(193兆5045億円)で、ギリシャの5.6倍もあります。
そしてこの金額は日米に次ぐ堂々世界3位なわけですが、
実はダントツ1位は日本だったりします・・・。
※2位アメリカ
IMFの監視下に置かれることが伝わってきていますがイタリアは、
債務比率を現在の118%から3年後に113%に下げなくてはなりません。
これを実現するには、毎年3%の名目経済成長率を維持し財政赤字を3年間にわたりゼロに
しなくてはならないとの試算が出されていますが・・・・イタリアの2010年の経済成長率は半分の1.5%。
2011年は1%に減速する見通しで、イタリアがこの目標を達成でるはずがありません。
そこでベルルスコー二首相が打ち出した主な緊縮財政策は、
年金受給年齢の引き上げ( 現行65歳を67歳に)や公務員給与のカット。
国民はこれに大反発、大規模デモが行われベルルスコーニ氏の退陣を迫っています。
それでなくても、すでに国から国民への支払いが滞っているみたいなんですよ。
・ローマ市、建設業者に公共事業の代金が支払えず約400億円が滞っている。
・内務省による警察組合へのパトカーなどのガソリン代支給遅延
・法務省、盗聴を請け負う企業協会に半年分の支払い遅延
・法務省、刑務官6万人に平均2000ユーロのボーナス支払い遅延
中央官庁の支払い滞納が常態化するという異常事態なのです。
おかげで警察や消防で使うガソリンが買えない事態に。
ひゃー調べれば調べるほど「こんな酷い状況」なのに
ユーロが下げないってどういうことなのかしら~と頭の中は???でいっぱい。
そうそう、イタリアの監視、IMFだけではなく、
EUとECBも監視に加わることになったそうです。トロイカですね。
9日までにこの監視団がイタリアに派遣される予定。
というわけで今日もポジションを取る気になれず。
わからない相場に手を出すべからず。
■そうそう、昨日隠密介入しているんじゃないか、と書いたドル円ですが、
NY時間にはいって水準を崩してきています77.60円くらいまでスコーンと急落。
今日はスイス高も進行しましたし、通貨高阻止に動いたSNB、BOJにとって
苦しい展開に・・・。明日の東京時間に介入があるかどうかにも注意を払って
おかなくてはなりませんね。
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