◆さて、9月イベント月間最初のヤマ、8月の雇用統計。
8月NFP(非農業部門雇用者数)は、16.9万人
予想が17.5~18万人だったので、チョイワル。
驚いたのがまたもや前月、前々月分の下方修正。
前回もそうだったけれど、毎度毎度数字の修正があるわねぇ。。。
しかも下方修正ですよ。
前回分が 16.2万人→10.4万人、
前々回分が18.8万人→17.2万人に下方修正。
3カ月平均でならした雇用者数の伸びは14.8万人で、
この1年間で最も低くなってしまいました。。
一方失業率は数字だけ見ると改善している?!
いい数字なのよね。3ヵ月連続で改善で2008年12月以来
4年8ヵ月ぶりの低水準にまで改善がしめされた
の・で・す・が。
これは失業者数が▲19.8万人となったことが原因。
つまり、職探しをやめた人が増えたためです。
労働参加率は1978年8月以来の最低レベルに落ち込んでしまいました。
今週はISM雇用指数とか新規失業保険申請件数とか、前哨戦が良くて
雇用統計、結構いい数字になるんじゃないの?という期待が
高まっているようなムードでした。
ドル/円は昨日木曜に100円の大台をあっさり超えてきたりして。
強さを見せていたのですが、雇用統計のこの結果を受けてドル/円急落。
98.50円近辺まで円高ドル安になってしまいました。
あれあれ昨日100円回復していたのに、地固めできなかったぞ・・。
またもやレンジに戻るのか?でも、三角持合いは綺麗に上抜けていて
そのレジスタンスであったラインを下回ってはいないので、
まだ上方向を見ていて大丈夫かな。。。
でも、まだ週末のオリンピック開催地決定や月曜朝に出てくる
4=6月期のGDP改定値というイベントも控えているから油断はできませんね。
◆果たしてこれで米国は今月9月17~18日のFOMCでテーパリング開始を
決めることができるのだろうか?! 疑問符が大きくなって来ました。
8月米雇用統計:識者はこうみる
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE98500K20130906?sp=true
いやいや、何も変わらない今月でしょう、、、という向きもあれば
見直しを迫られる。11月ではないか、という見方も出てきているようです。
LONDONFXこと松崎さんがツイートで
「PIMCO:グロスさん、今回の雇用統計の数字にもかかわらず、9月18日のFOMCでは、100億ドルのQE3規模縮小を予想。その場合、国債購入額のみでの縮小となり、MBS変更なし」
とつぶやかれていました。
債券王ビルグロスは今月やるって見方変えていないのね。
4日に「縮小は殆ど確実と言える。サイズとMBSになるか債券になるかを問題とみなしている。PIMCOは、100億ドル縮小とフォワードガイダンス発表を見込んでいる」とコメントしたってのが報道されていましたが。
◆雇用統計の数字は「もしかしたら見直しがあって9月じゃないかも」感を
高める結果となりましたが、テーパリングは指標だけじゃなくて、シリア軍事介入などの
政治的問題にも左右されそう。
どうも来週から再開される本議会にて、上院は通ったとしても
下院で否決されるんじゃないか、という見方が出てきているようです。
現在行われているG20でも反対の声が大きく米国は判断が難しいでしょうねぇ。。。
世界の警察米国の神通力が落ちてきている・・・という状況は
ドルにネガティブだと思われます。
万が一、下院で否決なんてことになって議会の承認が得られないなんて状況になったら
最終的には大統領判断で問題ないとはいえ、一度議会の承認を得ると表明したオバマ氏の
指導力に疑問符が。。
そして今夜はロシアプーチン大統領のこの発言にも動いたとされています。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0H231820130906
シリアが軍事介入を受けた場合には同国を支援するかと問われ、
「支援する。現在もシリアを支援しており、武器提供や経済的に協力している。困難な状況に置かれているシリア市民に支援を提供するため、今後は人道支援でも一層協力したい」と答えた。ですって。
シリア支援を継続ということはアメリカと対立するわけで。。。
軍事介入の可否、そして債務上限問題の期限も近づいています。
今月のFOMCではこれらの材料もFRBの判断に大きく影響してくるものと思われます。
ということで、私、雇用統計直後にダウが噴き上げたところで
ショートしてみました。14980ドル。米国が抱えるリスクが大きいと思われるからです。
◆ドルも売りたいのですが、為替は
今日米国長期債が3%に乗せるなど金利があがって来ている
ことが気がかりで、、、これがドル/円を支えてしまうかなぁ。。。
債券は下落、米10年債利回り3%乗せ警戒-長期金利1カ月ぶり高水準
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSN3WD6JTSEI01.html
「8月30日時点では、15年3月物が0.25%の利上げを示唆していた程度だったため、
わずか1週間で市場の米利上げ時期の予測は2カ月前倒しされた格好になる。」
らしいけれど、この早期の米利上げ期待の高まりは
サマーズ元米財務長官が次期FRB議長に就任するんじゃないか、ってことを
織り込んでいるとも指摘されています。これはまださすがに行き過ぎた解釈だと
いう指摘もありますが、金利が上昇基調にあるのは決して
米国景気が良くて、、、という側面だけはなさそう。ちょっとスピード違反気味。
ということで、多角的にマーケットを見て行かないと答えが出ないですね。
いろいろ頭の中でシャッフルした結果、ダウショートを作ったというわけ。
そうそう、日経平均ロングは木曜後場に利食ってしまっています。
ショートメイクした直後はガラガラ崩れ、思惑通り~ウフフ♪と喜んでいたのですが、
ブログを書いているうちにみるみる反騰、ダウ平均コスト近辺まで戻って来ちゃった。
えー上がるんかいな?!
15200ドルで追随売りの算段。
ここはちょっくら腰を据えていくわよ。
オリンピックにGDPと週末週初材料が多い日経には手を出さず。
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2013年9月7日土曜日
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