2018年5月6日日曜日

リスクオンでしょうか、それとも、リスクオフでしょうか。

FAANG株、ナスダック総合指数に占める割合が過去最高を更新
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-05/P88N3T6KLVR501

予想を上回るアップル決算という背景に加え、
資産家ウォーレン・バフェット氏がアップル株の追加取得を明らかにしたことが
4日のウエート上昇につながった。

株が堅調。ここだけ見ればリスクオン。

※ナスダック総合指数

株堅調の背景は~

①上記記事にあるように、アップル決算が予想を超えてよかったこと、
また、Appleが11兆円もの自社株買いを発表。
さらにカリスマバフェットがApple株を1-3月に7500万株
追加取得していたことが報じられる。
(約1兆2000億-1兆5300億円)Appleは上場来高値を更新。

②米4月分雇用統計

NFP:門雇用者数:+16.4万人
(予想:+19.3万人、3月分は+13.5万に方修正←+10.3万人)
平均時給:前年比+2.6%(予想:+2.7%、3月:+2.6%←+2.7%)
失業率 : 3.9%(予想:4.0%、3月:4.1%)

NFP,そして注目の賃金上昇率が予想を下回ったために米長期金利が低下。
これが米株をサポートしたのでしょうか。
週末金曜のダウは 342.69ドル高の24272.84ドル!!

※ダウ平均(Appleは2015年にダウ平均にも採用されています)


FRBと市場が注目するインフレ率(雇用統計でいうと平均時給)ですが
伸びが予想より低かったとはいえ、6月利上げ確率を引き下げる
というものではありません。

※先週はFOMCでしたが、声明では次回6月利上げの可能性が示唆されました。

政策金利は予想通り据え置き。
「インフレ率は前年比の伸びが中期的に目標の2%近辺で推移すると予想される」と
インフレ目標達成に自信をのぞかせ次回6月利上げを示唆。

→前回の「数カ月で上向く」から表現を上方修正。
これまでの「インフレ動向を注視する」との文言を削除。

(FRBが物価の目安としているコアPCE価格指数、
3月の伸びが前年同月比で1.9%と、2017年2月以降で最大)


今回の雇用統計の数字受けて利上げ織り込みが後退しているわけではありません。
ただ、ものすごい強い内容の数字が出ていたら、米金利上昇に勢いがついて
株式市場は下落していたかもしれません。その意味では、
冴えない数字であったことが
週末金曜の米株上昇の一因であったといえるでしょう。

あるいは仮に6月FOMCで利上げがあって、
今年は年4回の利上げの可能性が出てきたとしても
そのことが株価に及ぼす影響はそれほど大きくないというムードになってきた、
市場が金利上昇に耐性がついてきた、とみることもできますが、

う~ん、やっぱり先週はAppleの影響が大きいかった、というだけじゃないかなぁ。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/INDU:IND (下段に寄与率)


ダウは200EMAにサポートされてます。
このままこの移動平均線に支えられて再上昇できるでしょうか。

5月は、政治イベントも多く、地政学リスクも満載です。
今週9日は日中韓首脳会談が日本で開催されますが、
22日米韓首脳会談、今月末までに日露首脳会談、
そして6月初旬までに米朝首脳会談。。。これが本丸でしょうか。
また、12日には米国がイランの核合意からの離脱の可能性がマーケットの
波乱要因となる可能性はぬぐえません。

イラン核合意 正念場 米の離脱判断まで1週間
https://mainichi.jp/articles/20180506/ddm/007/030/162000c
このリスクを先に織り込む形で、原油価格が上昇していますね。
※WTI原油


こうした中で、気になるのは新興国からの資金流出です。

アルゼンチン、緊急利上げで政策金利40%に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30134090V00C18A5000000/

アルゼンチンはわずか8日間で政策金利を3回も引き上げています。
4/27 3%利上げ
5/ 3 3%利上げ
5/ 4 6.75%利上げ 8日間で12.75%も利上げ?!

利上げだけでなく為替介入もしています。
それでもアルゼンチンペソ売りが止まりません。

過去何度もデフォルトしているアルゼンチンですが、記事中にあるように
歴史的にインフレに敏感でペソが下落すると、
米ドルに退避させる動きが加速するんですって。

※米ドル/アルゼンチンペソ

何がアルゼンチンペソ急落のきっかけかははっきりわかりません。
インフレが進んでいるというのは背景にはあるんですが、、、。

そして、下落しているのはペソだけではないんです。

※トルコリラ。左が対ドル、右がクロス円

トルコ:通貨リラと国債が過去最安値-中銀の信頼性に疑問

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-04/P87CR86TTDS001
4/25トルコ中銀は利上げしていますが、リラ安は止まらず。

トルコは今、来年2019年に予定されていた大統領選挙が
6月に前倒しされたことが注目となっていますが、
景気浮揚のため現エルドアン大統領は
利上げに反対してきました。

これまでは政権からの圧力でなかなか利上げできなかったとされていますが
今回は10%を超える高インフレに歯止めをかけるために
中銀が利上げに踏み切ったのですが。。。

5/1 S&P、トルコを格下げ 通貨リラ安でインフレ見通し悪化
https://jp.reuters.com/article/turkey-ratings-idJPL3N1S84BU
S&Pはトルコ国債の格付けをBBからBB-に格下げ見通しもネガティブに変更。

時すでに遅し、、、か。

そして、5月2日 トルコ製造業PMI指数が 48.9と 50割れとなってしまいました。
(予想54.3)(前回51.8)50を割り込むのは1年2ヶ月ぶり。

トルコには積極的に売られる材料がありますね。
前倒しされた大統領選、政局への不安、格下げ、インフレ。

でも、アルゼンチンペソやトルコリラだけじゃないような。。。

※新興国通貨一覧(対ドル)

軒並み新興国通貨が売られていますね。

向かっている先は ドルです。

※通貨インデックス一覧 

これは主要通貨のインデックス一覧ですが、ドルインデックスだけ強いですね。

スイスやユーロ、ポンドなども弱いんです。ドル独歩高。

ポンドが弱い背景は、足元インフレ指標が力強さにかけ、5月の利上げの可能性が
著しくはげ落ちていること。
ユーロが弱いのは、似たようなものですね。
ユーロ圏の指標が弱くなってきていることで、
ECBのテーパリングから利上げを見込んだシナリオ修正を迫られ、
積み上がったユーロロングポジションが整理され始めています。

そして、スイスが弱いのは、、、なぜ?!
避難通貨として、円と共に強い通貨でしたが、、、

スイスフランの安全神話崩壊? ロシアの富豪たち、逃避資金引揚げも
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10081.php

理由のひとつはECBのテーパリングにも、
スイスは緩和姿勢を継続するスタンスであることから
出口に向かうユーロへとスイスから資金が流れていることが上げられていますが、
気になるのはもう一つの利油。

ロシア企業や経営者を対象とする米追加制裁の回避手段として、
~ロシアの富豪たちがスイスから資産を引揚げている。~

~スイスの銀行に対しては、マネーロンダリング防止と制裁対象となっている
個人の資金取扱い停止を求める圧力が高まりつつある。

~「ロシア納税者としては、もはやスイスに資産逃避しても安心できなくなった以上、資産を自国に引揚げて、タックス・アムネスティ(租税特赦)を活用し、(ロシアの)税率13%で納税した方がいいかもしれないと感じている」

これをどのようにとらえたらいいのか、ピンときませんが、
要するに、ここでも資金還流が起こっている可能性があるということね。
スイスからロシアへ、、、という形ですが。

資金還流、、レパトリというと、
対外純資産が多い日本も他人事じゃないんですよね。
現在のところ日経平均株価が堅調ですし、ドル円相場も105円割れから110円まで
円安ドル高が進行し不安はないように見えますが、
この新興国通貨下落の動きは、
98年のタイバーツ、ロシア危機~LTCMショックを
彷彿させるものでもあります。

〇〇ショック、というような大きな下落がどこかの市場で起こった場合は
対外純資産の大きい円はレパトリ連想から買われる可能性が大きく、
なんとなく、嫌なムードではあります。

今起こっていることは、リスク回避による米国への資金還流ではないのか。。。
もし、そうであるならば、ドル円もいずれ大きく崩れるリスクとなります。
ということで、ここからリスク資産を買う方向ではなく売り狙いでしょう。


先週、ドル円が110円まで吹き上がることがあれば売りたいとしていましたが、
5/3に瞬間110円タッチの上昇がありました。
ちょっと遅れたのですが💦109.58円でドル円をショート参戦。
そしてユーロドルの下落トレンドが明白となる中で、ドル円が崩れてくる
ということになるならば、ユーロ円の下落が大きくなりそう、、、
ユーロ円を130.68円でショートしてみました。

今週の予定

6日:クオールズ米FRB副議長講演、
7日:ボスティック米アトランタ連銀総裁、
   カプラン米ダラス連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁講演、
   バーキン米リッチモンド連銀総裁、質疑応答
8日:パウエルFRB議長講演
9日:日中韓首脳会談(日本)アトランタ連銀総裁講演
    4月生産者物価指数(PPI)コア予想:前年比+2.4%(3月+2.7%)

10日:4月生産者物価指数(CPI)コア予想:前年比+2.2%(3月+2.1%)
11日:ドラギECB総裁、イタリアで講演
12日:イラン核合意に関する決定
14日:イスラエルの米大使館、テルアビブからエルサレムへ移転?!

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