2018年8月13日月曜日

トルコリラショック、週末にエルドアン大統領が演説を行うも
演説中にリラ安加速と無策ぶりを露呈。

エルドアン大統領の娘婿「アルバイラク財務相」は新経済計画を発表。
中央銀行の独立性や財政規律の強化するも、リラ安阻止の具体策はなし。

この日、一部に期待された緊急利上げなどの措置はありませんでした。

そして、エルドアン大統領演説
「われわれには国民や権利、アラーの神がついていることを忘れないでほしい」

私トルコ投信保有してるんですけどねぇ。。。(投信なので長らく放置してます💦)

ただ、10日㈮NY市場終盤、トランプ大統領の弁護士であるセクロー氏が
ラジオインタビューで、「米国人牧師の拘束問題が解決に近づいている」
と発言しており米株も終盤下げ幅を縮小しています。

しかし、週末に続報はありません。早期問題解決は難しいと思うのですが、
週明けからのマーケット、どうなるでしょう。

国際決済銀行(BIS)によると
スペインは2018年3月末時点で809億ドル(9兆円弱)のトルコ向け債権保有。
これは全体の36%。フランスが351億ドル、イタリアが185億ドルとな。

トルコが海外から受け入れている直接投資の残高は今年5月末で1400億ドル。
昨年末時点のデータでは75%が欧州各国による投資で、オランダが最大の投資国。

「トルコ・ショック」の衝撃度 欧州への波及焦点:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34079130R10C18A8000000/

また、今年第1四半期時点で米銀も180億ドルほど
トルコへのエクスポージャー有りとの報道も。

記事中にありますがトルコが海外から受けれ入れている直接投資残高は
1400億ドル(15兆円くらい?)。この資産がリスクにさらされている、
って考えていいのかな。

リーマンショックに比べれば、驚く数字じゃないですが、
そういえば日本の不良債権処理で投入された金額総計が13兆円程度でしたね。
98年2月の旧安定化法1.8兆円を21行に、
早期健全化法8.6兆円を32行に注入、
これでも危機は止まらず03年6月2兆円をりそな銀行に2兆円、
04年8月にも2つの地域銀行に405億円投入で総計13兆くらいが使われています。
あの時の98年から20年が経過し、世界のトルコ投資で15兆円。

この程度の金額では金融危機の連鎖など心配ない!と言い切れるでしょうか。

トルコ資産エクスポージャーが大きいスペイン、イタリアのリスクから
スペイン、イタリア国債利回りが急上昇、ユーロが下落し、
これまで固かった1.150ドルのレンジ下限を下抜けてしまっているのです…。

※ユーロドル日足


世界の株価、特に米株は下落トレンド入りというような
大きな下落にはつながっていませんが
日本株は23000円大台突破失敗でレンジ下限を目指す値動きに見えます、、、

※上段が ダウ、S&P500、ナスダック、日経
 下段が DAX,FTSE,上海総合指数、トルコイスタンブール100
 
※VIX指数

VIXの上昇はまだ大きくないですね。
2月のVIXショックの時の急騰に比べれば、市場はそれほど動揺していないようです。
しかし、今週はお盆の週、日本勢が休暇に入ることで東京時間が閑散とするなか、
日本の個人投資家らのトルコリラのロングが
再び狙われないという保証はありません…。

全体への波及も、ここからが本番かもしれません。

128.81円、126.96円ユーロ円S、
1.14680ユーロドルS
そしてドル円111.45円S継続中です。

10日金曜のブログに書きましたように、ドルカナダにも注目しています。
http://hiroko.yutaka-shoji.co.jp/2018/08/1150.html

カナダネガティブの続報として、10日トランプ大統領はカナダに対し
「もし取引ができなければ、自動車に関税をかける!」と警告しています。

さてカナダドルの売り場探しですが、、、
市場ではカナダが10月に追加利上げを行うとの観測が強まっているようですので
今週17日金曜21:30に発表されるカナダの7月CPI(消費者物価指数)が強く、
利上げに確信が持てるとしてカナダドルが買われたなら、、、そこがチャンスかな。

前回CPIは前年同月比 2.5%、今回市場予想がおおよそ2.3~2.5%くらいです。
CPI発表待たずともチャンスがあれば
ドルカナダロング(カナダドルショート)しますが、、、。

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~そもそものトルコと米国の確執について~

トルコと米国の間に何が起こっているのでしょうか。
両国互いに人質。。。ではありませんが、
トルコクーデターにかかわったとされる人物の
釈放、引き渡しを要求する要の人物がいます。

◆アンドリュー・ブランソン牧師(トルコで軟禁状態、米国が釈放要求)

トルコで2016年に起きたクーデター未遂事件に関与したとして逮捕され収監されてきましたが、
7/25に自宅軟禁に移されています。トランプ大統領は26日即時釈放を求め、
トルコが応じなければ「大規模な制裁を科す」と警告。

→トルコ、これに応じず。

8/1 米財務省は、ブランソン牧師の逮捕・拘束に主導的な役割を果たしたとして、
トルコのギュル法相とソイル内相を制裁対象に指定。
米国内の資産を凍結し、米国民との取引を禁止。

→両国はワシントンで協議するも事態打開には至らず

8/10 トランプ大統領
「トルコの鉄鋼とアルミニウムに対する関税を倍に引き上げることを承認した」
とtweet。アルミは20%、鉄鋼は50%に引き上げられる。

→トルコリラ急落。米株も大幅下落でリスクオフの様相に。

8/10 NY市場終盤、トランプ大統領の弁護士であるセクロー氏がラジオインタビューで、
「米国人牧師の拘束問題が解決に近づいている」と発言

→NYクローズでは下げ渋りを見せていますが、、、。

一方で、トルコも米国側に亡命中の人物の引き渡しを求めています。

◆イスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師
(米国に亡命中、トルコが引き渡し要求)

穏健派のイスラム主義勢力「ギュレン運動」の指導者


2016年7月15日に起きたクーデター未遂事件の首謀者としてエルドアン大統領は
米国に引き渡しを要求するも米国はこれを拒否しています。

(ギュレン運動の拡大により軍部に警戒され、ギュレン師は1999年にすでに亡命しており
トルコを放れていいる中で本当にギュレン師にクーデータ-が可能だったのか証拠がない。、
政治的迫害を理由に亡命している人物を証拠もなしに引き渡すわけにはいかない)

※ギュレン運動=政教分離、世俗主義との整合性を掲げた穏健な教義。
欧米にとってイスラム教の教派の中でも最も理解しやすい考え方。


ただし、ブランソン牧師の問題も、
ギュレン師の問題も2016年のトルコのクーデター後から長く続いているわけで、
なぜ今になって米国はトルコ側へ制裁を課したり関税を引き上げたりと
態度を強めているんでしょうか。直接の原因というにはいささか疑問も残ります。

ここでエミン・ユルマズ氏のtweetですが、


ふぅむ、トルコはロシアに接近しているのね。
そういえば、今回もエルドアン大統領はプーチン大統領に電話したとの情報も。

エルドアン大統領の目的がよく理解できないんですが、

シリアのクルド人へ軍事作戦進めるトルコ~複雑化するシリア内戦
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2018/02/0205.html


トルコ政府とクルド人の武力を伴う紛争が続く中、
米国はクルド人勢力側についたことでクルド人勢力が拡大したことが許せない?!

というか、、、こんな動きも、、、

ロシア、トルコ、イランが(アメリカ抜きで)決めるシリアの運命
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/04/post-9886.php



あるいは、日本ではほとんど報道がないですが、こんなんニュースも背景に?!

「ユダヤ人国家法」に抗議、アラブ系イスラエル人ら3万人デモ
http://www.afpbb.com/articles/-/3185808

ユダヤ教支配が強まる?!トルコはイスラム教。
大使館をエルサレム移転するなどイスラエルの後ろには米国がいるわけで。

全て連想にすぎませんが・・・。
歴史を勉強しなさないとわからないことが多くて💦
また時間があるときにゆっくりと。

ともかく米国と対立を強めていることがトルコ資産の下落を招いており、
これが、トルコ資産を多く保有する金融機関のリスクとして
問題が大きくなっているのです。

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さて、この混乱の中、10日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は、
前年同月比で2.9%上昇。(伸び率横ばい)
コア指数は2.4%上昇(08年9月以来9年10カ月ぶりの伸び)と堅調。
家賃3.5%、輸送サービス4.0%上昇が目立っています。

年内あと2回の利上げを確信する内容でした。
今週は15日に発表される米小売売上高に注目。
米国のGDPの約7割を占める個人消費の動向はとても重要です。

6月前回分は前月比+0.5%と堅調、5月分が+0.8%から+1.3%に上方修正。
今回予想は+0.1%とハードル低めなので、
強い数字が出ればFed利上げへの確信がさらに強まるものと思われますが、
トルコショックの余波で米債利回りは下落傾向にあり、、、

※米10年債利回りブルー 米2年債利回りオレンジ リスク回避で米債ン資金流入か。


2年債まで下がってますので、金利上昇圧力はリスクオフムードにより後退しています。
これはどちらかというと円高圧力かな。

それから今週は16日に米国の住宅着工や建設許可件数などが発表になりますね。
このところ、金利上昇からローン金利上昇が指摘されており
6月は両指標とも冴えなかったので、今回も減速が確認されると、
一層金利が低下するかも。

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注目されていたFFR,日米新通商協議は波乱なく9月に持ち越し。

日米新通商協議、初回は「入り口」で終了 トランプ政権、中間選挙にらみ圧力強化に転換の恐れ
https://www.sankei.com/economy/news/180811/ecn1808110009-n1.html
~日米の閣僚級の新通商協議(FFR)初会合は、双方が自国の立場や相手国への要望を主張する「入り口」の議論で日程を終えた。

ちょっと拍子抜け。
すぐに結果が出るものとは思っていませんでしたが
厳しい交渉になるとの事前予想があったので、
先制パンチ的な難題を突き付けられるような
報道が出てくるかな、と構えていた向きもあると思います。
ま~トランプ大統領、夏休み中だし、、、?
(4日から今月20日まで17日間の夏休み)
夏休みでもTwitterではtweetを欠かさないので油断はできないんですけどね。

次回9月の日程はまだ詳細明らかではないのですが
9月の国連総会時に想定される日米首脳会談で
一定の成果を示したい考えだそうですので、
国連総会の日程(現時点では9月下旬としか)に注目。
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