2018年10月22日月曜日

米株は天井を付けたのか、それとも調整期間に入っただけなのか。

まだ結論が出ませんが、ダウの最高値は10/3ですから
仮に調整だとしてもまだわずか2週間程度しか経過していません。

2月のVIXショックもリバウンドしてから再下落し
2番底をつけたのが3月下旬でしたから、
全力で買うにはまだ早いのかもしれませんねぇ。。。

まずは、市場を取り巻く3つのリスクについてまとめておきます。

■サウジアラビア、反政府記者殺害問題

サウジアラビアは当初カショギ氏殺害疑惑を否定していましたが
トルコが音声データ-を持っていることがわかると一転、死亡事実を認めました。
「殴り合いの結果、誤って」ということで意図していなかったとの主張。

当然、国際社会がこれをおいそれと受け入れられるわけはなく。
ドイツのメルケル首相、フランスのルドリアン外相などが強くこれを非難、
真相究明を求めている他、今週23日から始まるサウジアラビア主催
「砂漠のダボス会議」には、
欧米要人、企業幹部の参加キャンセル表明が相次いでいます。

同盟国である米国はサウジアラビア政府を基本的には擁護したい
スタンスだと思われますが、
中間選挙前にはサウジに甘い態度を表明できるわけもなく、
20日夜、サウジ当局の説明に「明らかなごまかしやうそがあった」と
不満を表明しています。

問題はサウジのムハンマド皇太子の関与の有無。
サウジ側はムハンマド皇太子は知らなかったとして
関係した18人を拘束しトカゲのしっぽ切りで鎮静化を図りたい意向。
すでにウチ1人は交通事故で死亡しています…。

仏紙フィガロ電子版は皇太子の人選に関わる「忠誠委員会」が
秘密裏に開かれたと伝えており
サウジ王族の間でも国際的問題に発展していることを
重く見ていることが伺えますが、どのように事が収まるのか、、、、。

最悪のシナリオは、米国がサウジ制裁に踏み切らざるを得ない
というところまで国際世論が形成されることで、
制裁となればサウジの政府系ファンドは世界に投資しているリスク資産の
引き上げを余儀なくされる可能性があるだけでなく
原油を盾にするリスクもあります。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は
19日「制裁につながり原油市場に影響が及ぶかが問題だ」と指摘しています。

原油価格は高い方がいいのですが、
統制が効かない形での暴騰は経済にはマイナスです。

そこまで事態が悪化するとは思いませんが、
中間選挙前にトランプ大統領も厄介な問題を抱え込んでしまったものですね。

この問題は、落としどころが見えるまではマクロマーケットの重しになりそうです。

今週は23日から開催されるサウジ主催の「砂漠のダボス会議」での
ムハンマド皇太子の言動にも注目でしょうか。
姿を現さない、なんてこともあるのかしら・・・?!


■イタリア財政計画 

15日イタリアの連立政権は2019年予算案を欧州委員会に期限通り提出。

18日欧州委員会は「予算拡大と逸脱の規模は前例がない。歳出が過剰だ。」と指摘、
22日までに回答するよう求める。

29日までに予算案を却下する可能性が。

予算案に関して29日までにイタリアがどう動くか、
そして、予算案修正など納得いく回答がなければ
却下されるリスクということね。

こうした流れをうけて18日イタリアとドイツの10年債利回り格差が
5年半ぶりの大きさに拡大。
19日、ムーディーズがイタリアの格付けを
「Baa2」から「Baa3」に引き下げました。
見通しは「安定的」、投資適格の格付けとしては最低レベルです。

しかし、ユーロはムーディーズの格下げにも下落しませんでした。
むしろ19日金曜はユーロは買い戻しが優勢で
私の売値を超えて上昇(;'∀')何でぇ~

ということで、ユーロ円、ユーロドルはほぼコスト(売値)レベルで撤退。
一気に崩れてくれません・・・。

26日にはS&Pレーティングスのイタリア格付け見直し発表がありますので
再度そこに向けては売り直されると思っていますが、、、
今週、一段高があれば再度売ろうかと思ってます・・・。

今週は25日、ECB理事会があります。金融政策の変更は予想されていません。
ECBは資産買い入れを12月に終了し、
来年夏にかけて金利を据え置くとのガイダンスを明らかにしています。
つまり現状では利上げがあっても来年夏以降との方針。
ECB理事会でユーロが大きく動くという予想はありませんので
今週もユーロはイタリア予算案を巡るリスクでの売り警戒でしょう。


■英国とEUのブレグジット交渉 

10月17日のEUサミットでの合意はありませんでした。
加えて11月の臨時サミットもキャンセル、開催しないとか。

12月13日の定例EUサミットでの合意に向けての交渉が継続されるということか。

ブレグジット後の移行期間を延長する案が浮上しています。

※移行期間 2019年3月30日~2020年12月31日までの21カ月間
 (英国は2019年3月29日にEUを離脱が決まっており
  円滑に移行するためのバッファー)
英国・北アイルランドとアイルランドの国境管理を回避する方策がないことが
最大の問題なのですが、
移行期間中は、英国とアイルランドの間に厳格な国境チェックを設けず、
北アイルランドを含む英国全土がEUの関税同盟に残留するといいもの。


EUとメイ首相が移行期間延長案に前向きだそうですが、
英国の離脱推進派はもちろんとっとと離脱したいわけで、これに反対しています。
ということで、もし、そうなれば英国メイ政権崩壊のリスクでもあります。

ポンドも先週末買戻しが入りましたが、ユーロほどではなく
まだ私の売りコストに到達していません。

ポンドドル、ポンド円ショートは継続しています。


そのほかにも米中貿易摩擦と中国株下落、
それから、ムニューシン財務長官による日本にも為替条項除外せず発言など
リスク要因はいろいろありますね。

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リスクは散見されるものの、ここから日米の株式市場は業績相場も焦点です。
また、中間選挙まであと2週間ちょっとです。
ここからの株価暴落は選挙に響きそうですが、、、。

主な決算スケジュール

■10/23(Tue)
 スリーエム [BMO]
 キャタピラー [BMO]
 ロッキード・マーチン [BMO]
 マクドナルド [BMO]
 ベライゾン コミュニケーションズ [BMO]
■10/24(Wed)
 アフラック [AMC]
 AT&T [BMO]
 ボーイング [BMO]
 フォード モーター [AMC]
 ゼネラル・ダイナミックス [BMO]
 マイクロソフト [AMC]
 ビザ [AMC]
 
■10/25(Thu)
 グーグル [AMC]
 アマゾン・ドット・コム [AMC]
 CME [BMO]
 インテル [AMC]
 ツイッター [BMO]

米国株価インデックスは200日移動平均線の攻防です。
ここを明らかに割り込んで下落するようなら、調整ではなく
長い米国上昇のサイクルのトップアウトの可能性が出てきますが、
しばらくは行ったり来たり、方向感なく動くんじゃないかな。

英国株価インデックスFTSEは下がるだけ下がって欲しいのが本音。
安値を拾いたい配当妙味の高い安定した英国株。
ブレグジット騒動で急落してくれれば買うつもりです。

今はまだ買ってません。むしろポンドショート継続中。
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