このところのマーケットに関しては
米中通商摩擦や世界景気後退懸念からのリスクオフ警戒
VS
米国利下げ期待の高まりからの金融相場、リスクオン期待
が拮抗しており、売り方にしてみれば
「なかなか米株が崩れない」ので、踏み上げが来るんじゃないかと
おびえながらのショート継続かと思います。(私)
しかし、為替市場に目を移すと
ドル円は膠着も、クロス円はきれいに下落しており、
リスクオフ相場そのものって感じの動きになってきており、
マーケットによって温度差がある印象。
※クロス円一覧
今週は6月FOMC開催ですが、
今週の利下げはさすがに織り込まれてないんだけど
先週の金利先物市場では、年内3回、
来年前半まで1回と4回の利下げを織り込むにまで金利が低下しており、
先行きドル安となるという見通しが増えているのが嫌ですね。。。
金利と為替って必ずしも相関しません。
だって、年内3回も利下げが織り込まれているなら
もっとドルが下がっていてもいいでしょう?!
※ドルインデックス そもそも200EMAは上向き。綺麗にサポートされて上昇
ドルインデックスはむしろ足下反発しています。
これはユーロが大きく下落してきた影響が大きいのですが
週末にはドル自身の反発要因もでてきた。
経済指標にいいものが出てきて、利下げ織り込みが低下したんですね。
〇米5月小売売上高:前月比+0.5%(予想:+0.6%、4月:+0.3%←-0.2%)
(自動車除く):前月比+0.5%(予想:+0.4%、4月:+0.5%←+0.1%)
5月の小売売上高は前月比0.5%増。3カ月連続のプラス。
4月の数字も上方修正。
GDPの算出に用いられる自動車食品を除い数字は前月比+0.5%と伸びは3月来で最大。
4月分も上方修正され、消費が4-6月期GDPの成長を後押している可能性があります。
アトランタ連銀は第2四半期国内総生産(GDP)の成長率予想を
従来の1.4%から2.1%に引上げました。
また、クドローNEC委員長や米国の大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長は
依然3%成長を予想しています。
これを受けて、長期金利は上昇。
利下げ織り込みも低下しました。
〇5月設備稼働率:78.1%(予想:78.0%、4月:77.9%)
〇5月鉱工業生産:前月比+0.4%(予想:0.2%、4月:-0.4%←-0.1%)
設備稼働率は4月を上回り、予想も超えました。
5月の鉱工業生産指数は製造業部門が今年に入り初めてプラスに。
ただし、その後発表されたミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想を下回り
長期金利の反発も勢いが途絶えてしまうのですが、、、
●6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:97.9(予想:98.0、5月:100.0)
●6月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:2.6%(5月:2.9%)
インフレ期待指数の低下ですので、金利低下もやむなし。
米10年債利回りは2.10%台まで上昇したのですが再び2.08%へ低下。
※米国債10年物利回り
ただし、米長期金利の下落は5波動目に入っているように見えますし
レベル的には2%ってのは一度強い抵抗があるでしょうから、
この辺でいったん強烈な戻りがあるかもしれない、、って思うのよね。
そのきっかけがFOMCとなるやもしれません。
つまり、今週辺り猛烈にドルの巻き返しがくるかも、ってことです。
その場合、ユーロやポンド、オセアニア通貨が下落するでしょうから
ドル円がいまいち上がらず膠着したままだとしたら
クロス円が一段安となる可能性が大きいということに。
※ドルストレート一覧
今週は米金利動向が焦点。
今回6月のFOMCでの利下げ織り込みは20%程度で随分低いことと
小売売上高の数字などを見ると喫緊に利下げの必要を感じないことから
利下げはないと思いますが、パウエル議長のコメントがどんな内容になるのかに注目。
トランプ大統領からの圧力は日に日に強まっているようですしね(^-^;
トランプ氏、FRB会合前に圧力 再び利下げ要求
https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201906/0012428925.shtml
さすがに今週利下げすれば圧力に屈した、と市場からも非難されると思います。
反応としては、瞬間のドル急落、米株上昇ですが
その上昇したところは米株売りですね。
織り込みが低い中での利下げ実行はマイナスに働くと考えています。
ということで、ユーロ/ドル相場ショート継続のままです。
あ、もう一つ、ユーロが上昇できない可能性として、金の上髭があります。
※ゴールド 日足
週末、重かった1350ドルの節目を突破し大きく上昇したのですが
上髭を形成して再び1350ドル下に叩き込まれました。
ゴールド上昇=ユーロ上昇(ドル安)なんですが
ゴールドのチャートを見るとこのレベルでの反落が過去5年続いていて
このまま下落していくと、ユーロが下落するんじゃないかとみています。
※ゴールド週足
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オセアニア通貨も弱いですね。
※通貨インデックス一覧
13日、豪州の5月の雇用統計が発表され、
失業率が5パートタイムの就業者が急増。
労働参加率も上昇しており、
生産能力が余剰になっていることが示されたということで
金利先物市場では7月の利下げの確率が52%から70%に上昇。
BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミストは
「豪中銀が6月の利下げに加え、
年内にさらに2回の利下げを実施すると予想している。
政策金利は年末には0.75%になっている」との見解を示しており
利下げ織り込みが豪ドル下落を加速させたようですね。
中国の5月の鉱工業生産は約17年ぶりの低い伸びとなりましたが
中国の失速は豪州経済の先行きを暗くするとみていいでしょう。
また、NZの指標悪化も、NZ売りを加速させました。
5月NZ製造業PMIが2012年12月以来の水準まで悪化。
8月利下げの予想が出てきています。
NZは豪州が利下げすれば、追随して利下げしないとならなくなると思いますので
(豪州より金利が高くなるとNZドル高となってしまうため景気にマイナス)
市場の織り込みから考えると現在は豪州利下げが先行しているため
これからNZ利下げが価格に織り込まれることを考えると
下落幅が大きくなるんじゃないかと思います。
ということで0.6555ドルでNZドルショート参戦
※キウイドル日足
0.6950ドルが重くてレンジブレイクできずレンジ下限を下抜け。
まずは昨年10月の安値レベル0.6425ドルレベルまでの下落狙い。
ここを下抜けるとさらに行きそうです。
※NZドル/ドル月足 下落は始まったばかりまも
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ポンドショートも面白そうよね。
先週の英与党・保守党党首選の第1回の投票では
強硬離脱派のボリス・ジョンソン前外相が2位に2倍を超える大差をつけてトップ。
この方は「10月31日までにEUを離脱するとしています。
合意できなくても、です。
合意なき離脱リスクの高まりでポンドは買いたくない、、と考える
投資家が多いと思いますが、今週は第2回採決。
まだボリスさんに決定したわけじゃありません。
それから、今週はBOE理事会。
英国の金融政策は据え置き予想ですし、党首選の方が話題で
あまり注目度は高くありませんが、総裁のカーニーさんって何を言い出すか
解らない方なので、総裁発言リスクはゼロではありません。
ということでポンドは静観。
18日:英与党党首選出、第2回採決
20日:英国中央銀行金融政策決定会合
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政治リスクは満載です。
米国政府はホルムズ海峡で起こったタンカー2隻への攻撃は「イランに責任」と断定。
イランはこれを否定していますが、紛争を望む勢力の暗躍という気もします。
両国ともこれに乗せられないよう願いたいですね。
日本も無関係とはいえない立場に。
また、香港デモは、さらに拡大。
香港政府は改正の無期限延期を発表し
トップの林鄭月娥行政長官が
「多くの市民の失望と心痛を招いたことを謝罪し、
誠意と謙虚さをもって批判を受け入れる」
声明を発表しましたが、デモは鎮静化せず。
16日のデモは200万人近くに上ったとされています。
これは100万~150万人が参加したとされる天安門事件を上回る過去最大級。
市民は延期ではなく撤回を求める強い姿勢を示しています。
G20での習近平氏の立場を考慮し延期を発表したとも割れますが、
収まらぬ香港デモ。
米国もこのデモに中国が介入した場合制裁を課すと表明。
米、中国介入なら制裁検討も=香港デモ対応でけん制
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019061500245&g=int
そもそもこの条例改正が中国からの指示との見方が一般的ですし
香港デモに対抗する警察に中国解放軍が入り込んでいるとの指摘もあります。
天安門事件のような弾圧でもあれば、米国の介入があると考えられます。
今週もこのデモの行方とハンセン指数が金融市場に及ぼす影響は小さくないと思います。
ということで、踏み上げが怖いけどダウショートまだ継続。
ダウCFDを25955ドルS
ユーロドル1.1296ドルS
カナダ円81.56円S
NZドル/ドル0.6555ドルS
あ、今日、ビットコインが100万円大台回復しました。
※ビットコイン
このところは株下落とビットコイン上昇の逆相関が指摘されています。
※ダウとビットコイン
香港デモも無関係じゃないのかも・・・
(中国からの資本流出にビットコインが使われている説)
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NOTE 今週の予定
■6/17(月)
●米 6月 NY 連銀製造業景気指数(21:30)
●米 6月 NAHB 住宅市場指数(23:00)
●米 4月対米証券投資(18日 5:00)
●米政府は対中関税についての公聴会を開催する見通し
■18(火)
●独 6月 ZEW 景況感指数(18:00)
●FOMC(~19日)
●米 5月住宅着工件数(21:30)
●米 5月建設許可件数(21:30)
●トランプ米大統領、フロリダ州オーランドの選挙集会で 2020 年大統
領選へ正式に立候補を表明
■19(水)
●日銀金融政策決定会合(~20日)
●5月貿易統計(8:50)
●5月訪日外客数/党首討論
●パウエル FRB 議長会見(経済見通し発表)
■20(木)
●黒田日銀総裁会見
●NZ1-3月期 GDP(7:45)
●英国金融政策発表
●EU 首脳会議(~21日)
●米 1-3月期経常収支(21:30)
●米 6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)
■25(火)
●OPEC 総会 減産継続見込みも原油上がらず・・・
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2019年6月17日月曜日
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