勢いは小さいですが、上値が軽くなりリスクオン気味に推移している世界の株価。
特に米株、ダウ、S&P500、Nasdaqが再び史上最高値をトライするのか否か、
もう射程圏に入ってきています。
※世界の主要株価インデックス
米中貿易交渉の進展期待が一つの支えですが、
昨日10日には強面、タカ派のボルトン大統領補佐官の解任が好感されたようで…。
トランプ大統領、ボルトン大統領補佐官を解任-外交巡り意見対立
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-10/PXMIOO6VDKHS01
イラン、アフガンへの強硬路線でトランプ大統領と衝突していたようですが、
外交タカ派のボルトン氏が解任されたことで、対中政策においても
融和的になるだろうという思惑も広がったのではないかと思われます。
加えて香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(電子版)が、
中国が米農産品の購入を増やすことに同意する見通しだと報じたことも追い風。
米中協議進展への期待が広がりました。
しかし、ボルトン解任は短期的にマーケットが好感することはあっても
長期的に米国にとっていいことなのでしょうか。
トランプ大統領は来年の選挙での再選が重要課題であるため
株価を崩したくないということなのかもしれませんが(真意はわかりません)
対中政策が融和的になることへ対しては警戒と批判も強いんです。
寄稿】トランプ氏は米国を売り渡す気か=ソロス氏
https://jp.wsj.com/articles/SB10758886968001254892704585541281297992078
ジョージ・ソロスが苦言を呈するなんて。
また軍事的にも、こんな見方が。
戦略国際問題研究所(CSIS)セス・G・ジョーンズ氏
寄稿】米政権の「最大限の圧力」はどこに?
https://jp.wsj.com/articles/SB12026221249161783365604585541272995153654?shareToken=st275870ba7f3f4d1da680b042e784cb3f
・今やホワイトハウスは中国政府に圧力をかける機会を失っている。
・対北朝鮮では、~18カ月の停止期間を経て、北朝鮮は新型ミサイルの発射実験を再開した。トランプ氏は今ではミサイル実験を過小評価し、「とても標準的なもの」と述べている。これではミサイル開発や現体制を常態化しようとする金正恩(キム・ジョンウン)委員長の思うつぼだ。
・米国は空爆を準備していたが、土壇場で大統領が中止した。
この決定がイラン政府をつけあがらせる可能性がある。
・米政権は依然としてロシアと融和的すぎる。
意外と、トランプ大統領が弱腰だとする見方は少なくないようです。
つまり、トランプ外交はことごとく失敗するリスクが高まっている?!
長期的には良くないでしょうね。
しかし、短期目線ではマーケットは買い材料としています。
債券市場からは資金が抜け、株に向かっているのでしょうか。
世界の長期金利は上昇を始めました。
※主要国長期金利一覧
マイナス圏に沈んでいたドイツ30年債利回りは、
約1カ月ぶりにプラス圏に浮上しています。
米10年債も1.733%と8月上旬以来4週間ぶりの水準まで戻ってきました。
リスクテイクなのでクロス円の上昇が大きいですね。
※ドル円、クロス円一覧
この相場、来週のFOMCまでは継続するんじゃないでしょうか。
明日12日のECB理事会もそれなりに注目ですが、
このトレンドを転換させるほどのインパクトはないと思います。
FOMC受けてまだ上昇相場が続くようなら、米株は高値更新しちゃうかも。
ボルトン氏解任で米中貿易交渉、意外と落としどころを見つけて
合意があるかもしれない、という期待が広がりそうです。
それって、長期的には良くないシナリオなんだけどね、多分。
ポンドロング、ユーロ円ロング継続です。
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