先週のマーケットの話題は
歴史的悪化を見せた米雇用統計と、それでも上昇を続ける米株、
そして、FRBの金融政策のマイナス金利導入の可能性を
金利先物市場が織り込み始めたことでしょうか。
※FF金利先物 5月限~3月限 15分足 100を超えた?!
FF金利先物(30 Day Federal Funds Futures)は、FRBのFF金利を参照する
金融派生(デリバティブ)商品で、シカゴ商品取引所に上場されています。
米政策金利の将来の水準を想定して取引されるため、
金融政策に関する市場の見通しをチェックするのに重要視されています。
FF金利先物は36ヵ月先まで毎限月取引がされています。
各限月における日々のFF実効金利を30日ベースで平均したものが原資産。
実際の取引は価格で行われ、例えばある限月のFF実効金利が平均で
2%になると予想されれば、取引価格は98(=100-2)となります。
もっと紐解いていくと
例えば、一番上の5月29日と書かれた5月限は 99.9475
これを100から引きます。
100-99.9475 = 0.0525%これが「金利」です。
今、FFレートは0%~0.25%ですので、5月限の 0.0525%と比較すると
先物の下ザヤが▼0.1975%
現在のFFレートから考えて0.25%利下げする可能性は
0.1975% ÷ 0.25% =79%
79%織り込んでいる、と考えることができます。
実際にはそう単純ではないのですが💦
簡単に考えるとこういうことです。
先物価格が100ちょうどになったとすると
100 - 100 = 0 で金利はゼロと計算できますが、
100を超えてしまったということは、
マイナス金利に入ってくるということですね。
先週のブルームバーグの記事では
マイナスのFF金利を先物市場が織り込み-21年初めにもFED導入か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-08/Q9ZBFKT0AFB401
FF金利先物は今週続伸し2021年初めの限月の取引価格が100を突破
となっていますが、これは金曜の朝の記事。
その後金曜日には2021年初めの限月だけじゃなくて
2020年10月限も一時100に到達しており
早ければ年内、という可能性を瞬間織り込んだことになります。
トランプ大統領は昨年、
マイナス金利政策の導入を求めるTweetをしていますが
トランプ氏「FRBは足かせ」 マイナス金利を要求
2019/10/30 4:27
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51569030Q9A031C1000000/
パウエル議長はこれを何度も否定、反対しています。
米FRB、マイナス金利導入に否定的 市場や金融安定に悪影響
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019112100300&g=int
FRB議長「試練乗り切るまでゼロ金利維持」 会見要旨
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56818870W0A310C2FF8000/
市場がマイナス金利を想定、催促し始めたものの
米国は赤字国です。しかも今回のコロナ禍ではさらに財政出動するわけで
赤字はさらに拡大していきます。
米国債を他国に買ってもらうことで成り立っている米国経済ですが
米国債の金利がなくなってしまい米債投資の魅力がなくなると
基軸通貨ドルの信認低下にもつながっていくリスクじゃないかと思われ、
日本や欧州のようにおいそれとマイナス金利を導入できないのでは?!
コロナ禍でFF金利をゼロにまで急速に引き下げたことで、
相対的に米債利回りも低下しており
米債投資の魅力も薄れてしまっているのに…。
ということで、パウエルさん、どうするんでしょうか。
というのがここからのマーケットの注目でもありますが
市場がマイナス金利を催促し始めたということは
単純に考えればドル安でしょ、ってことになるんだけど
為替市場ではそうなっていないのが難しい相場よね。。。。
※FF金利日足、急速に織り込みが進んでいることがわかります
あ、株式市場が強かったのはマイナス金利を織り込んでいるんでしょうか。
先週は雇用統計も「予想より悪くない」ってだけで米株も一段高。
※4月 米雇用統計
非農業部門雇用者数:▼2050万人 (予想:▼2200万人 前回:▼70.1万人)
失業率 :14.7%(予想:16% 前回:4.4%)
※米株インデックス一覧 Nasdaqは年初寄付値を超えてきました。
果たしてこのまま強気継続でいいのか、、、
実はアストロロジーの観点から申しますと
4/26から冥王星が
5/10から土星が
5/13から金星が
5/14から木星が逆行します。
同週に3惑星が逆行し始めるというのはなかなかありません。
特に注意を払いたい事象としては金星の逆行。
直近で金星が逆行に転じたのは2018年10月5日。
その2日前の10月3日からクリスマスに向けて
米株はじめ世界の株価、原油などが暴落したことが記憶に新しいですね。
ということで、個別株投資では買いポジションをいくつか持っているのですが
利食える位置に逆指値注文を入れて静観しています。
今から株を新規でロングしようとは思えない水準になってきています。
そして、為替市場。
米国のマイナス金利がテーマとなるならドル売りということになります。
確かに先週の木曜、金曜とはドル安傾向が強まりましたが
ドル、ユーロ、ポンド、スイス、キウイとあらゆる通貨インデックスが
レンジを抜けていませんので、
これが主軸のテーマとなりトレンドを形成するのかはまだわかりません。。。。
先週はトルコリラが安値を更新しており、
リラ売りドル買いの様相が強まっています。
トルコ経済に高まる圧力、リラ急落や外貨準備枯渇に懸念
https://jp.wsj.com/articles/SB10906382876223754534704586367941194723876
リラを買い支えようとする中央銀行の外貨準備は急減しており枯渇懸念も。
トルコ当局は一部の欧米大手金融機関にリラ取引の禁止を通達する事態となっています。
市場全般がリスクオン相場となれば、ドル安がトレンドとなるのかと思いますが
デフォルトしたレバノン、アルゼンチン(話題にすらならないですが
4月アルゼンチン債が事実上デフォルトしてます)に続く国も
あるんじゃないだろうか、という一抹の懸念は、ドル需要につながっているのかも。
先週は、史上最悪の数字になるだろう雇用統計発表の前に
ドル円106.33円S
ポンド円132.17円Sを買い戻しています。
現在ノーポジ。
豪ドルが強いので、豪ドル買いを考えましたが
週末持ち越すのが嫌だったので、新規ではポジション作りませんでした…。
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今週の注目イベント
5/11(月)
10:00 NZ NBNZ企業信頼感 (前回-73.1)
5/12(火)
8:50 [日本]外貨準備高 (前回1兆3662億ドル)
10:30[中国] 生産者物価指数(PPI)(前回-1.5% 予想-2.6%)
10:30[中国]消費者物価指数(CPI) (前回4.3%予想3.7%)
10:30[豪州]NAB企業景況感指数(前回-21)
14:00 [日本]景気先行指数(CI)・速報 (前回91.7 予想84.0)
14:00 [日本]景気一致指数(CI)・速報(前回95.5 予想91.2)
21:30 [米国]消費者物価指数(CPI)(前回-0.4% 予想-0.7%)
5/13(水)
08:01 [イギリス]英小売連合(BRC)小売売上高調査( 前回-3.5%予想)
09:30 [オーストラリア]ウエストパック消費者信頼感指数 (前回75.6予想)
11:00 [NZ]RBNZ、NZ中央銀行政策金利(前回0.25%予想0.25%)
17:30 [イギリス]鉱工業生産指数 [前月比](前回0.1%予想-5.8%)
17:30 [イギリス]製造業生産指数 [前月比](前回0.5%予想-6.0%)
17:30 [イギリス]貿易収支(前回-27.93億ポンド予想-25.00億ポンド)
18:00 [ユーロ]鉱工業生産 [前月比(]前回-0.1%予想-12.0%)
18:00 [ユーロ]鉱工業生産 [前年同月比](前回-1.9%予想-11.2%)
20:00 [米国]MBA住宅ローン申請指数 [前週比](前回0.1%予想)
21:30 [米国]卸売物価指数(PPI) [前月比](前回-0.2% 予想-0.4%)
5/14(木)
08:01 [イギリス]RICS住宅価格指数(前回11 予想-50)
10:30 [オーストラリア]新規雇用者数(前回0.59万人 予想-45.00万人)
10:30 [オーストラリア]失業率(前回5.2% 予想7.8%)
19:30 [イギリス]ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言
(欧州) ECB月例報告
5/15(金)
11:00 [中国]小売売上高 [前年同月比](前回-15.8%予想-5.8%)
11:00 [中国]鉱工業生産 [前年同月比](前回-1.1%予想2.0%)
15:00 [ドイツ]国内総生産(GDP、速報値) [前期比](前回0.0%予想-2.3%)
15:45 [ユーロ]貿易収支(季調済)(前回258億ユーロ予想)
21:30 [米国]小売売上高 [前月比](前回-8.7%予想-10.0%)
21:30 [米国]小売売上高(除自動車) [前月比](前回-4.5%予想-7.1%)
21:30 [米国]ニューヨーク連銀製造業景気指数(前回-78.2予想-62.5)
22:15 [米国]鉱工業生産 [前月比](前回-5.4%予想-11.0%)
22:15 [米国]設備稼働率(前回72.7%予想65.5%)
23:00[米国]ミシガン大学消費者態度指数・速報値(前回71.8予想68.0)
2020年5月10日日曜日
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