ジャクソンホール会合、パウエルFRB議長の講演が注目されており
ドルが動くイベントかと注目していましたが
なぜか円安が大きくでクロス円がフィーバー。
パウエル議長講演で、低金利政策がさらに長期化することが
示されたことで、株式市場はリスク選好となりましたが
なぜか、米長期金利は上昇基調へ。
※米長期金利
金利が上昇するということは、債券売りですから、
債券から株式市場へと資金シフトが起きているということか。
株式バブルが長期化することが約束されたとでも言わんばかりの動きですね。
前日、カンザスシティ連銀総裁がすでに発言していたことですが、、、
【パウエル議長ジャクソンホール講演】
パウエル議長は
「物価の2%超過を容認する」と新しい指針を表明しました。
「平均インフレ率目標を導入」と報じるところもありますね。
FRBは2012年から2%の物価上昇率を公式目標にしていますが
この2%部分を「一定期間の平均で2%」と変えたのです。
◆もともとFRBには2つの法的使命(デュアルマンデート)があります。
①物価の安定
②雇用の最大化
この使命を果たすために、金利を動かしたり、
量て緩和政策を行ったりしているのですが、
物価の安定部分においてはインフレターゲットは2%とされていました。
この部分について新たな指針を示したのです。
6月のFOMCの見通しを確認すると
22年末時点のインフレ率見通しは1.7%と見通しており、2%に達しません。
現状のFOMCの見通しでは2%到達は2023年以降になるということで
ゼロ金利政策は少なくとも23年以降も続くと思われます。
ちなみに、これまでFRBはインフレ率が2%に達する前には
利上げを実施することが多く、インフレ抑制(物価の安定化)には
機敏に動いてきましたが、この先は2%到達してもなお様子をみるわけです。
直ぐに利上げはない。
「平均的に2%を維持することを確認する」というわけね。
これは、インフレの心配より、雇用の最大化が最重要事項である
と考えているということね。
いかにコロナ禍での経済の冷え込みを懸念しているかがわかります。
要するに、ゼロ金利政策は超長期化するということで、
単純に考えれば、ドル金利は長期に上がらないわけですから
ドル売りが続くと考えるのが自然です。
でもこれって、すでに日銀がやってますね。
日銀HP
https://www.boj.or.jp/mopo/outline/qqe.htm/
2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
(2)オーバーシュート型コミットメント
日本銀行は、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続するという「オーバーシュート型コミットメント」を導入しました。これによって、2%の「物価安定の目標」の実現に対する人々の信認を高めることを狙いとしています。
安定的に2%を超えるまで、こちらはマネタリーベース拡大方針維持、ですが。
日本がすでに(2016年)に取り入れている政策を
FRBも取り入れたってことで、ようこそ!!ってな感じですが
実は、FRBはすでにイールドカーブコントロール(YCC)に
踏み込む議論がなされていたため、市場関係者らからは
YCCへの注目が高かったように思いますが、、、
日銀は、「長期金利をYCCによってゼロ金利近傍に固定」
FRBは長期金利をゼロに固定するという政策をとったわけではない。
という違いがあります。
低金利政策というのはあくまでFF金利。
短期金利には低下圧力ですが、長期金利はコントロールしません。
ひょっとしたら、これでイールドカーブのスティープ化が
明らかになってくるかもしれません。
となると、銀行株なども悪くないということになりますね…。
低金利政策を続ける!というのに長期金利が上昇しているのが
面白いですが、少なくとも現状では0.7%に過ぎず、
これが1%になろうとあまり問題はないと思います。
2018年末には3.2%もあったんですよ。
ただ、この時、FOMCの12月の利上げを嫌気して
株は大きく崩れていきましたが、
(2月利上げの思惑が広がる中10月頃から崩れだしていた)
これも利上げの最終局面の話です。
0.7%台の長期金利が少々反発しようとも
長期的には全く問題のない水準かと思います。
ただ、2019年から金利の低下が加速する中で
今回の株高が加速した側面はありますので、
長期金利上昇とともに、株の上昇幅は小さくなっていくかもしれませんね。
ここから先の米株は2017~2018年の上昇期のような
ゆるゆるした上げ方になるんじゃないかな。
ん~でもその前に、いったん大きな調整があるかもしれませんが、、、
Nasdaqはあまりに上がり過ぎたので(^^;
長期金利が1%に到達するというあたりは
皆さん相当意識すると思いますのでいったんの米株調整を
覚悟した方がいいかもしれませんね。
しかし、円安です。
※ドル円、クロス円
この話ってドル安じゃないのか。
ひとつには、安倍総理の健康問題を材料にショートしていた向きが
けっこうあったんじゃないかと。
今夕(28日17:00)から会見を行うという話ですが
一部に辞任説があったものの、側近らはこれを力強く否定。
体調も回復基調にあるという報道もあり、
ショートカバーが入っているのかもしれません。
豪ドル円のチャートがいい。
抵抗を抜けて一気に上昇しました。
77.10円で飛び乗り参戦。
※14:00台に入ってきた安倍首相辞任の意向のニュースで
急速に上げ幅縮小中。77.60円でいったん止めました。
ユーロショートはやめやめ!
ユーロドル1.1840ドルSはコストで撤退です。
ということで、ユーロ円を125.86円でロングです。
※同じく、海外市場で欧米勢がどう出てくるのか不透明なので
126.28円で売りました…。
(追記)28日17:00~安倍首相の会見が予定されていましたが、
その前14:00台に安倍首相が辞任の意向を固めたことが報じられました。
アベノミクスと日銀黒田総裁人事で実現した日銀の金融緩和政策によって
円安が進み、日本株市場は大きく上昇しました。
海外勢が安倍首相辞任の報道をどのようにとらえるか。
発表の瞬間から日経平均は急落、ドル円も急落しましたが
奈落の底へ崩れるというセンチメントではないようです。
まだ判断できないというのが正直なところでしょうか。
日経、ドル円のショートを作ろうかと思っています。
金価格の上昇はまだまだ続きそうですね。
昨日収録のひろこのスペシャリストに聞く!は
金融貴金属アナリスト 亀井幸一郎氏をお迎えし
【堕落する通貨と金(ゴールド)】
通貨の凋落で金急騰がはじまる をテーマにお話しを伺いました。