2020年10月12日月曜日

 9日金曜の米株市場、半導体指数やダウ輸送株が新高値を更新しているほか
ダウ、ナスダック、S&P500などのインデックスも押し目完了からの
新しい上昇基調を強めた用に見えます。

※米主要株価インデックス一覧

先週は、トランプ大統領がコロナ感染からの復帰をアピール、
わずか3日で退院し、精力的なTweetで市場のボラティリティを
拡大させましたが、株価が落ちることには神経を尖らせているようで
Tweet発言内容は随分訂正していますね。

退院直後は追加経済対策について
なかなか歩み寄りを見せない民主党に対し、
大統領選までは協議を停止するとしていたのですが、
これで株価が急落すると、1200ドルの特別給付金や、
航空業界・小規模企業への対策など、部分的協議は続けると修正、
そして、週末には
トランプ政権が追加対策案の規模を1.8兆ドルまで拡大することを承認した、
との報道で株価が一段高となりました。

共和党案は当初1兆ドル規模でしたが、途中5000億ドルまで引き下げるなど
ゴタゴタがあって、1.6兆ドルまで拡大した、、、というところまできても
民主党の2.2兆ドルとは溝が深く、合意が難しいと見られていましたが
1.8兆ドルまで引き上げてきたとなると、その差は4000億ドルか・・・。

民主党も3兆ドルから2.2兆ドルまで引き下げていますので8000億ドル譲歩、
共和党も1兆ドルから8000億ドル積み上げましたので同規模の譲歩。

あとは仲良く2000億ドルづつ歩み寄れば、、、、
なんて簡単には行かないと思われますが、
市場は大統領選挙前でなくても、どうせ大統領選挙後にはどちらかの案で
必ず実施されるでしょ、ってことを織り込見始めたように見えます。

選挙「前」に決まらなくても、株価には影響なし、ってムード。
これには、その内容に現金給付が組み込まれている事が大きいようです。

更に、先週あたりからバイデン勝利でも株高という論説が
マーケットに広がっており、大統領選の不確実性はもはやマーケットの
リスクではなくなってきているようにも見えます。

ただし、バイデン勝利でも、、、というのは、どちらかがスパッと
決まるということであり、勝負がつかずダラダラと時が流れる事態と
なることは不透明要因ですので、株価にはネガティブでしょうね。

トランプでもバイデンでも、圧勝なら株価はプラス。
なかなか決まらない展開なら調整入のリスク、ってとこでしょうか。

バロンズ:バイデン勝利が予想されても、米株高の理由
http://mybigappleny.com/2020/10/11/barrons-20oct10/

メディアの支持率調査を見ると、トランプ大統領の感染以降
トランプ支持は下落しバイデン勝利の可能性が急激に上がっているようですが…。

ダウ、日経のロングは継続します。

ということで、為替市場でもドル安。
リスクオンの兆候が出始めている?!
ただ、このドル安はリスクオンという側面だけではなく
元高の影響も大きいと思われます。

※通貨インデックス一覧


ドル独歩安ですね。
典型的なリスクオン相場なら、円安も同時に発生しますが
先週末金曜、円は強かったですね。

リスクオンならなぜ円安にならないのか?!

アジア通貨動向(9日)=上昇、連休明け中国市場の人民元高で
https://is.gd/5qLapR
・中国の大型連休、国慶節(建国記念日)の休場から明けた
オンショア中国人民元が対ドルで昨年4月以来の水準まで上昇。

元高はドル安ですが、そのドル安によって円高をもたらします。
また、自由に投資できない中国資産の代替として円に資金が入るという
ヘッジの動きが見られるため、元高=円高の思惑に繋がりやすいという側面も。

※金曜、国慶節明けのドル人民元とドル円相場 15分足

国慶節明け、人民元が元高で寄り付いたときに急激に円高進行。
その流れでダラダラ円高が進みました。

この元高、中国が資本流出を阻止すべくドル売り元買いに
動いているという指摘もありますが、
デジタル人民元運用に向けて、元高を演出したい思惑なども
あるんじゃないかと思わないでもない・・・。

中国人民銀行副総裁「デジタル人民元のテスト運用、すでに170億円規模」
https://coinpost.jp/?p=188450

中国、デジタル人民元を市民に配布 総額1億5700万円
https://mainichi.jp/articles/20201010/k00/00m/030/232000c

これは、個人的な妄想なんですが、
仮にこのデジタル人民元の普及の構想が
人民元高の演出につながっているのだとすれば
ドル円で円高圧力がなくならないって話で
株式市場がリスクオンでどんなに強くても
ドル円は下落基調を強めるでしょうし、
クロス円は上がらないってことになります。

※ドル人民元 月足 まだまだ元高余地はある

確信は持てませんが、その可能性もあるとみて
ドル円、クロス円ロングはしばらくやめておこうかと。

リスクオンポジションなら、素直にドルストレートがいいかな、
ということで先週は豪ドルドルショートをカットしましたが
金曜、0.7154ドルでロングポジションを作りました。

※ドルストレート一覧 ドルカナダショートも良さげ。カナダ買いね。

今週はポンドが動くかな。
英国とEUとのブレグジット通商交渉、15日が期限ですが
この15日というのは英ジョンソン首相が勝手に決めたものとしてEUは反発。
EU側としては、15日以降も交渉継続の意向ですが英国は応じるの??

今週はジョンソン首相の発言にも注意が必要ね。

そもそもFTAのないブレグジットは双方にとってマイナスであることから
ありえないシナリオでしょう。
ジョンソン首相が区切った期限15日までというのは交渉術の一つであって
こんなところはトランプ大統領と似ているなぁ、と思ったりします。

ポンドとユーロは触らないでおこう~

10/8「ひろこのスペシャリストに聞く」は
2015年と2017年世界的に有名なトレードコンテスト
ロビンスカップで優勝した実績を持つバカラ村さんをお迎えし
FXトレード、大統領選挙をどう読む?をテーマにお話いただきました。

専業トレーダーのFXトレードの考え方を学ぶわかりやすい
動画になっていると思います。(豪ドル推し)
https://youtu.be/w6WByjXB7KA
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今週の予定
■12(月)
●9月国内企業物価(8:50)/8月機械受注(8:50)
●IMF・世界銀行年次総会(~18日 バーチャル形式)

■13(火)
●9月マネーストック(8:50)
●中国 9月貿易収支
●独 10月 ZEW 景況感指数(18:00)
●米 9月消費者物価(21:30)

■14(水)
●G20 財務省・中央銀行総裁会合
●米 9月生産者物価

■15(木)
●8月第三次産業活動指数(13:30)
●中国 9月生産者物価
●中国 9月消費者物価(10:30)
●英、EU との自由貿易協定(FTA)締結交渉の妥結期限
●EU 首脳会議(~16日)
●米 10月 NY 連銀製造業景気指数(21:30)
●米 9月輸出入物価(21:30)
●米 10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)

■16(金)
●米 9月小売売上高(21:30)
●米 9月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
●米 10月ミシガン大学消費者マインド指数(23:00)
●米 8月対米証券投資(17日 5:00)

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