足元の円高、2つのシナリオが背景にあるようです。
どちらも日経新聞から。
株高の陰で、円高圧力じわり 膨らむ貿易黒字
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66661560W0A121C2EN2000
為替は需給、特に反対売買がない貿易収支の影響は大きいというのは
大倉たかしキャプテンの教えですが
昨今、その日本の貿易収支はとんとんで黒字にも赤字にも
偏りがなかったということがドル円のトレンドレス相場にもつながっていた
と考えられるのですが、足元で7月からの4ヶ月、貿易黒字が増え続けています。
ただ、この規模の黒字がトレンドを作るのか?
と問われると微妙・・・。
だからドル円の円高の勢いも微妙な速度なのかもしれませんね。
東日本大震災後、原発が止まり日本が海外からLNGを買わざるを
得なくなった2011年からの貿易赤字拡大が
ドル円の猛烈な円安をもたらしたという指摘がありますが
その時の最大の日本の貿易赤字は年間10兆円にも上る規模でした。
現在の黒字額は4月に9300億円の赤字となったものの、
この4ヶ月で黒字転換し10月単月で8700億円程度。
さて、年間でどの程度の黒字となるのか、というところですね。
先程、11月分が出ました。
11月上中旬の貿易収支、186億円の黒字 上中旬の黒字は3カ月連続
https://www.nikkei.com/article/DGXZASFL07HCC_X01C20A2000000
■もう一つは海外勢の日本買い。
現在の円高と株高の相関は、99年に似ていると日経新聞。
「日本買い」20年前に形状酷似 円高恐怖症消せるか
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67019720U0A201C2K10700
・97~98年の未曽有の金融危機を乗り越え、日本経済の回復に期待した
外国人投資家の「日本買い」が株価と円相場を同時に押し上げた。
・コロナの感染再拡大が米欧と比べて抑制されている日本にマネーが流れ込んでいる
コロナ感染拡大を抑え込んでいる日本にマネー流入、
これが円高、株高をもたらしているのでは、ということですが
酷似していたという99年の顛末はというと、、、
日経平均は99年春から1年ほどかけて1万3000円台から2万円の大台に乗せたが、
ITバブルの崩壊も相まって2000年末には再び1万3000円台に押し戻されている。
並行するように、円相場も120円台から102円台まで上昇後、
115円台に反落する「行って来い」相場になった。
ITバブルはテック企業なら何でも買われた典型的なバブルでしたよね。
今も確かに過剰流動性相場ではありますが、
十把一絡げに何でも買われているという相場ではないので
心配は無用ではないかと思うのですが
日経平均構成銘柄の値嵩株に関してはリスクが大きいような。。。。
日経平均というインデックスの急落には注意が必要かもしれません。
その時に、円安になるのか。。。まだそれはぴんときませんね。
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足元の相場。
米国株、ダウ4日続伸し248ドル高、過去最高値 早期の経済対策期待で
https://www.nikkei.com/article/DGXLASB7IAA05_V01C20A2000000
米国では追加経済対策の合意期待が高まっているようです。
実は先週末に発表された11月の雇用統計が微妙な数字でした。
NFP非農業部門雇用者数 24.5万人 予想45万人を下回る 10月は65万人
大幅に雇用者数が減少しています。
失業率は6.9%から6.7%に低下し、これはいい数字にも見えますが
求職者の減少の影響しているようですので、評価できません。
しかもこの雇用統計は11月14日までの週の結果であり
その後の感染拡大に伴う実態は反映されていません。
こうしたことを受けて、ペロシ下院議長が
追加経済対策合意への「機運が高まっている」と発言。
上下両院の超党派議員グループは9080億ドル(約94兆5400億円)の
支援策で合意しています。
年末年始の休会前に議会が追加支援策を成立させる可能性が高まっている模様。
これが週末の長期債利回りを押し上げたようです。
株式市場も財政マネー期待でさらに上昇。
今週は11日にも米国でワクチン接種開始が始まる見込みで
これも足元の相場の押し上げ材料でしたが、
実施されたらいったんお終い、という相場にならないか、、、
ひょっとしたら、ワクチン相場終わりか、というところで
タイミングよく追加経済対策の合意期待を盛り上げるようなニュースが
出てきたので、この合意が発表されるまでは株高が続くかもしれません。
今週はまだ強気相場が継続するか、、、
ダウ、日経の売り場探しなんですが。(短気でね)
為替市場は圧倒的なドル安が続いてきたわけですが
ユーロ高でもありました。
さて、今週は「ECB理事会」がありますね。
12/10 の ECB 理事会では、追加⾦融緩和の実施が確実視されています。
ラガルド総裁は 11/11 の講演で、パンデミック緊急購⼊プログラム(PEPP)、
条件付き⻑期リファイナンスオペ(TLTRO)の拡充に⾔及。
このPEPP が打ち出された 3/19 の ECB 理事会がきっかけで
欧州株が上昇転換となった経緯がありますが、同じパターンとなるか。
また、足元のユーロ高を牽制するような流れになるか。
また12/10-11 の EU ⾸脳会議では英国と EU の FTA 交渉が合意
できているんでしょうか。漁業権などで対⽴しており、報道だけを見ると
合意は難しいのではないかと思われるのですが
突然歩み寄り合意が発表される可能性もゼロではないので、ポンドは難しい。
EU首脳会議では復興基⾦の協議も⾏われルミコミ。
今年 7 ⽉に合意したものの、⼀部東欧諸国の反対で
EU 予算承認が難航しているようです。
予定では、来年初からスタートなのですが、できないかも?
って話になっているようです。
足元のユーロ高の大きな調整があるかもしれませんね。
商品市場ですが、原油の上昇に弾みが付きました・・・
「OPECプラス」は、12月3日に開催した閣僚級会合で
来年1月から段階的に減産規模を縮小することで合意。
現在は日量770万バレルの協調減産を実施中ですが
1月に減産規模を50万バレル引き下げて
720万バレルにします。つまり日量50万バレルの増産ですね。
11月にはこの減産縮小の先送り案が協議されたようですが
UAEなどの反対で合意できず、結局1月から増産です。
これでなぜ原油が堅調なのか謎です・・・
週末にはWTI原油が46ドル台までありました。
どうやら原油市場はワクチン相場の様相を呈しており
急速に経済が正常化する方向に動いているようです。
サウジ、値上げするとは強気ですね・・・
サウジ、アジア向け原油販売価格引き上げ-ワクチン期待で相場上昇後
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-06/QKX6THT0G1KX01
ポジションですが、今週はECB理事会もありますし、、、
豪ドルが思ったように伸びないので一度、仕切ることにしました。
0.7413ドル豪ドルロング → 0.7430ドル
1.1944ドルユーロドルロング → 1.2130ドル
というわけで、現在ノーポジです。
最後にちょっと気になったニュース
https://twitter.com/Kamada3/status/1335267101808893953
これって、ドルの存在感の低下ってことでいいのでしょうか?
また、決済通貨としてのキャッシュ需要が高まったことが
ユーロ高をもたらしたというこつはない?
ドルの支払いが低下していますね。
単純にユーロ圏での支払いが増える時期だった?
このニュースがどういうことを意味しているのか
誰か教えて。
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今週の主なニュース
12/7(⽉)
10 ⽉景気動向指数(14:00)
中国 11 ⽉貿易収⽀
英政府、ワクチン接種開始?
8(⽕)
10 ⽉家計調査、10 ⽉毎⽉勤労統計調査(8:30)
7-9 ⽉期 GDP 確報値(8:50)
11 ⽉景気ウォッチャー調査(14:00)
独 12 ⽉ ZEW 景況感指数(19:00)
⽶⼤統領選挙、州の選挙結果認定の期⽇。選挙⼈を指名
9(⽔)
11 ⽉マネーストック、10 ⽉機械受注(8:50)
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10(⽊)
10-12 ⽉期法⼈企業景気予測調査(8:50)
11 ⽉国内企業物価指数(8:50)
11 ⽉都⼼オフィス空室率(11:00)
ECB 定例理事会(ラガルド総裁会⾒)
EU ⾸脳会議(~11 ⽇)
⽶ 11 ⽉消費者物価(22:30)
11(⾦) メジャーSQ 算出⽇
⽶ 11 ⽉⽣産者物価(22:30)
⽶ 12 ⽉ミシガン⼤学消費者マインド指数0:00)
⽶、ワクチンの接種開始?
14(⽉)
12 ⽉調査⽇銀短観(8:50)
10 ⽉第三次産業活動指数(13:30)
欧州議会本会議(〜17 ⽇)
⽶⼤統領選挙、選挙⼈による投票
15(⽕)
FOMC(~16 ⽇)
⽶ 12 ⽉ NY 連銀製造業景気指数(22:30)
⽶ 11 ⽉輸出⼊物価(22:30)
⽶ 11 ⽉鉱⼯業⽣産・設備稼働率(23:15)
⽶ 10 ⽉対⽶証券投資(16 ⽇ 6:00)
16(⽔) 11 ⽉貿易統計(8:50)