2021年7月12日月曜日

 先週8日木曜の夜、全面リスクオフの様相を呈していたのですが
金曜9日にはあらゆる市場が反発に転じ
「ただの調整」だったように見える展開へ・・・

VIXも急低下。


注目されている米長期金利も200SMAで反発。
この金利の下げ止まりが本物か、が重要かな。

先週発表になったFOMC 議事要旨では
FOMCボードメンバー間の意見の相違が詳らかに。
パウエル議長の「緩和の積極継続」スタンスは少数派で
総じてタカ派的となった6月FOMCですが
その割に金利はドンドコ下がっていくし、
株も神経質に下に振らされながらも、S&P500などは
先週9日金曜にも史上最高値を更新するなど、結局強い。

FOMCが示した内容と マーケットの動きは
結果だけみると相反するものです・・・。
結局のところ「過剰流動性」相場で
本当にテーパリング開始となるまでは、じゃぶじゃぶのマネーが
どこかへ流れ込む相場だということでしょうか。

金利低下は債券市場の需給によってもたらされたものだと
見る関係者が多いようですが、米国の緩和政策の方向転換を
一体いつになったら織り込むのか見当もつきません💦

先週金曜は日本株市場の需給要因として
8~9日にかけてもETFの分配金換金売りが出てしまえば、
その後は上昇に転じる、と見る向きもありましたが、
後場から猛烈に買い戻される展開でしたね。
13:50から急伸がはじまり、慌ててショートを買い戻しました。

日経平均CFD28487円S ⇒ 27988円
27474円まで下がっていたので1000円くらい下落が取れたはずですが
底値で利食いができるわけもなく、、、
というか、こんなに猛烈に戻り始めるとは油断していました。

勢いがいいので、途転買いも考えましたが週末なのでやめました。。。
その後欧米市場が堅調な展開となりましたので
もし買っていれば
日経CFDは28621円まで上昇し利益となったのですね(._.)

こちらは現物日経平均株価の日足チャート。
200SMAがサポート。戻りが入る時間帯となりました。
結局は上値を切り下げる形ではあるもののレンジが続く日経平均。
日本市場に買材料が見当たらない中でも下値も固いので
売りは長く持ちすぎると利益を飛ばしてしまいます・・・。

クロス円が日本株急伸のタイミングで一斉に上昇を開始していたので、
ほぼ同じ時間に全てのポジションを手仕舞っています。

豪ドル0.7566ドルS ⇒ 0.7426ドル
豪ドル円83.88円S ⇒ 81.71円
ポンド円152.68円S ⇒ 151.62円
ポンドドル1.3859ドルS ⇒1.3779ドル

週末なのでひとまず利益を確保しようと考えただけで、
クロス円はチャート形状が良くない=下落トレンド入り
しているように見えるため、戻りを売る方針です。
ドル円は、、、、上昇方向かな。

◆ドル
7 月 13 日に 6 月のCPI消費者物価指数が発表されますが
14 日と 15 日に、パウエル議長の半期の定例議会証言。
FRBの経済見通しや今後の政策方針を改めて確認する場となります。
CPIも、パウエル議長の証言も市場関係者の注目度は高いと思われます。

米国CPI推移 3月、4月、5月の上振れは想定内も6~7月も続くのか?


◆欧州ユーロ

ECBは8日、2020年1月から実施してきた金融政策などの戦略検証の結果を公表。
物価目標を「2%未満でその近辺」から「2%」に変え、
一時的な上振れを容認する姿勢を明確にしました。
インフレだけでなくデフレへの警戒を示したといえます。
これ、欧州も、日銀、FRBに続いたということね。

・日銀は2016年から「オーバーシュート型コミットメント」を導入。
消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、
マネタリーベース(資金供給量)の拡大方針を継続する。

・FRBは20年8月ジャクソンホール会合にてパウエル議長が
「2%を超えるインフレ期間を容認し、長期的に平均2%となるよう目指す」
としました。

・ECBが21年7月、
物価目標を「2%を下回るがそれに近い水準に中期的に安定させる」を
「2%に中期的に安定させる」に変更
一時的な上振れを容認する姿勢を示す。

これだけ見てると先進国当局は、
インフレは一時的である可能性があるとみており
その持続性には懐疑的であることが伺えますね。

日本は万年デフレ的ですが、コロナ禍これだけの金融財政政策を講じたにも
関わらずインフレが一時的である可能性が高いというのは
コロナ禍からの完全なる回復には時間がかかるとみているということでしょうか。

確かに英国はデルタ変異種の感染拡大が7月1日には2万7,989人と、
1月29日以来の最高を更新しています。
ただし英国は「コロナとの共生」の道を歩み始めました。
19日に大部分の行動規制を解除するそうです。

ECBも、日本と米国と同じインフレターゲット策に並んだ、というだけで
この材料が、ここからのユーロ安の材料になるものではないと思います。。。

欧州には日本と並んで緊縮を叫ぶドイツがあるため
すでにCPIが2%に到達してますので
今後さらにCPIが強含むと、引き締め論が台頭しかねないため
そうした市場の思惑に釘を刺す意味合いもあるのではと思われます。

欧州のインフレ率の推移はこちら。

米国と比較すると弱いですね。日本より全然いいですけど。
ちなみに日本のCPI推移
今年に入ってからずっとマイナスです。



7月12日月曜から4度目の緊急事態宣言ですが
経済対策とセットでやらないと、、、、この数字見てると
円高になるんじゃないかと不安になってきます。
日本株、踏ん張っていますがこれじゃ日本買いになりませんね。

◆中国

7 日、預金準備率引き下げを提言(中小企業支援)
 8 日、人民銀行副総裁がピンポイントの金融政策手段調整で、
貸出金利引き下げを通じ中小企業の資金調達コストを削減すると表明。
6日には人民銀行高官が利下げに言及するなど、一気に緩和に舵を切っています。

緩和を強化しないといけないということは経済が脆弱であるということでしょう。
中国経済の不透明感が他市場へどのように影響するのか気がかりですが
人民元安方向へ誘導するならドル高ですね。

人民元/ドル 人民元トップアウトしたのかな?


人民元がトップアウトして下落に転じるなら
ユーロドルも下がるかも、、、そこそこ相関が高い。

※ユーロドルと人民元ドル

◆NZ・カナダ 

どちらも今週14日水曜に金融政策会合
先週NZのASB銀行が、中銀の利上げ開始時期予想を11月に前倒ししたことで
瞬間NZが上昇する局面がありましたが、瞬間芸でした。(やられた)
こんな民間銀行の予想に振り回されちゃ駄目ね。
NZのインフレ率はまだ1.5%くらいです。
米国のほうが圧倒的に高いですし、欧州にも及んでいない。
インフレ率(CPI)の数字が2%に近づいてこないことには
利上げを急ぐ可能性が、と言われても・・・・ですね。反省。

カナダは4月、すでにテーパリングを開始を決定しています。
ということで、今回の会合にはあまりサプライズはありません。

 豪州は先週の会合で小幅ながらテーパリング開始を表明しました。
9月以降に債券購入金額を減額するとしています。

ここからの戦略、大変難しいですねぇ。。。
今週は米国でJPモルガンやゴールドマン・サックス、バンカメ、シティなど
大手金融の決算発表があります。4-6月期の決算発表時期に入るんですね。
決算を受けての業績相場が盛り上がるのかどうか、ってとこも重要。

現在ノーポジですが、クロス円の売りを考えています。
ただ、これもチャートが悪いってだけの理由ですし、
決算などをうけてリスク選好相場となれば
クロス円は売りにくくなりますので考えを変えるかも。

◆今週の主な予定◆
12日(月)
日本機会受注(5月)予想2.5% 前回0.6%
東京都、4度目の緊急事態宣言発令
ミネアポリス連銀総裁、討論会参加
EU外相理事会
ユーロ圏財務相会合、イエレン米財務長官出席

13日(火)
中国貿易統計(6月)予想447.0億ドル 前回455.3億ドル
米消費者物価指数(6月)予想4.9% 前回5.0%
ボストン連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、アトランタ連銀総裁 イベント講演
EU財務相理事会

14日(水)
NZ中銀政策金利
トルコ中銀政策金利
カナダ中銀政策金利
欧州鉱工業生産(5月)予想0.2% 前回0.8%
英消費者物価指数(6月)
米国財政収支(6月)前回▼1320億ドル
米生産者物価指数(6月)予想6.8% 前回6.6%
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ミネアポリス連銀総裁、討論会参加
パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期に1度の議会証言

15日(木)
豪雇用統計(6月)
中国GDP(第2四半期)予想8.0% 前回18.3%
中国小売売上高(6月)予想10.8% 前回12.4%
中国鉱工業生産(6月)予想8.0% 前回8.8%
米NY連銀製造業景気指数(7月)予想18.7 前回17.4
米フィラデルフィア連銀景況指数(7月)予想28.0 前回30.7
パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期に1度の議会証言
米独首脳会談
シカゴ連銀総裁、サミット参加
OPEC月報

16日(金)
日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁記者会見
欧州消費者物価指数(6月)予想1.9% 前回2%
米小売売上高(6月)予想▼0.5% 前回▼1.3%
米ミシガン大学消費者信頼感指数 予想86.5 前回85.5
NY連銀総裁、イベント挨拶
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先週のひろこのWeeklyGOLDは小菅努氏に解説いただきました。

金融政策転換期の金相場を読み解く
『ゴールド急落 波瀾の幕開けか』
https://youtu.be/xrIurFWWYyw
◆中央銀行の金購入が続く
◆2021年の米財政見通しは更に悪化
◆パウエル議長のスタンス
◆内部要因から見える今後

ひろこのウィークリーゴールド
解説:マーケットエッジ代表  小菅努氏

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