2021年8月2日月曜日

 先週はチャイナ・ショックがどこまで他市場に波及するかに
注目していましたが、先週末にかけては
「Amazonショック」という新たな危機が勃発・・・・?

アマゾンが29日発表した21年4~6月期決算発表。
第2四半期の売上高が1131億ドルと市場予想(1150億ドル)を下回りました。
また、7~9月期のネット通販事業の成長減速見通しが示されました。

経済の正常化にともなって消費者のネットショッピング需要が低下している、
ということですが、今回の決算発表で業績が市場予想に届かなかったのは
Amazonだけでした。

この決算を受けてAmazonの株価は窓を大きく開けて下落。

もう一つ気になっていたロビンフッドのIPO
29日上場で値動きはこんな感じ。
DfuwXjHr.png (1510×927)

ロビンフッド株がトリガーではなくてAmazonがトリガーになる?

AmazonにはEUから制裁金請求が科せられたという報道も。

米アマゾンに970億円の制裁金、EUデータ保護規則違反で過去最大
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-31/QX2TAQT0AFB701

これがトリガーとなり、週末は米主要株価インデックスも
軒並み下落となりましたが「アマゾンショック!!」ってほどでもないですね。
Amazonには失望売りが広がりましたが、米株市場全体でみれば
適度な押し目を形成しているに過ぎません、今のところは。

FRBがテーパリング開始に慎重なスタンスを変えていないことから
このまま米株がトップアウトして下落するシナリオは考えにくい環境にあります。

ブレイナードFRB理事、一段の雇用改善必要-テーパリング開始には
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-31/QX33HYT1UM1Y01

しかし、見過ごせないニュースが…。

米国にはコロナ禍、家賃が払えず滞納している世帯が何百万と存在しますが
立ち退きを猶予する措置によって守られてきました。
この期限が7月31日だったのですが、、、
バイデン大統領はこの猶予期限の延長を議会に要請。
ペロシ下院議長は同措置を10月18日まで伸ばす法案の支持を
民主党議員らに働き掛けたが、十分な支持が集まらず、
延長できないまま休会(夏休み)してしまったのです。

米下院休会、住宅立ち退き猶予の延長できないまま-数百万人にリスク
https://news.yahoo.co.jp/articles/7bf8990e369b6dfaa258d7f0a11eb9d1b2a29075

といいますか、バイデン大統領が議会に要請したのが29日ギリギリ。
どうも後手に回っている印象です。

これは24日の記事。

米、400万人が家失うリスク 猶予対策の期限切れで
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16EQQ0W1A710C2000000/
・全米で360万人が家賃を払えず今後2カ月以内に立ち退きを迫られる可能性。
・住宅ローンの延滞者も含めると全米で家を失う可能性のある人は470万人にも及ぶ。

「連邦議会は家賃支援で今年3月までに
 約500億ドルの予算を通したが、支給が遅れている。」
 
という状況にあるため、予算はついているため
すぐさまローン延滞者が立ち退きを迫られて
米国中にホームレスがあふれるという話ではありませんが
そもそも家賃が払えない状況にある世帯は職を失っている可能性が高く
デルタ株が拡大するなか、職探しもが困難であることから
ローン遅延の猶予を延長し続けたところで問題が先送りされるだけですね。

FRBが指摘するように雇用改善が見られないウチに
テーパリングができない背景にはこうした実態があるからでしょう。
街中にホームレスが溢れてしまわないように
労働市場を正常化させねばならないのです。

このニュースが週明けからのマーケットの売り材料になるかどうかは
わかりませんが、延長を決められずに議会が休会してしまった?
よろしくないですね。

ただ、インフラ包括案で議会が詰めの協議を行っているところでもあり
まだ皆さんスパッと休みに入るって感じでもなさそう。

米上院、5500億ドル規模のインフラ包括案で2つ目のハードルをクリア
https://news.yahoo.co.jp/articles/13aa57449349a186364610b5d199ae46919d404b

このインフラ包括案、当初、今年3月の大統領提案時点では
米国雇用計画、として200~250兆円の財政政策と報じられていましたが
この規模では財政規律を重視する野党・共和党が反対して話がまとまらず、
超党派グループによりインフラ投資計画としてまとまる部分を抜き出して
5500億ドル規模に落ち着いてきたという流れ。

これが手続き上の2つ目のハードルクリアで
数日中に法案通過を目指す流れ、、、ということで
今週も議会での協議が継続される見込み。

この点は評価できると思うのですが、
8月から債務上限が復活することもあって
株式市場、リスクを取るセンチメントにはないように思います。
※債務上限問題は10月くらいまでは持つらしいということで
 すぐに米国がデフォルトするという話ではありませんが・・・
中国リスクも払拭されたわけではありません。

米証券取引委、中国企業の新規株式公開登録を一時停止-報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/dba36e17283c9a7e3d7f4efd56a2f6e4b4c86e16
そりゃそうですよね。せっかく米国市場に上場させたのに
直後に中国当局から制裁を受けるなんてこと繰り返されたら、
投資家のリスクが計り知れません。

中国側は、SEC側に話合いを求めたようですが。

中国証券当局、米SECとの協議求める-IPO停止で
https://news.yahoo.co.jp/articles/774e80c5a9e8ba8100af9b0824809f342082f8cc

金利も上がりません。
債券市場には一定の資金流入が続いているという状況ね。

※米10年債利回り
https://s3.tradingview.com/snapshots/f/fWSZPNUU.png

そして先週末の東京株式市場の引け味も悪かった。

日本株だけがこれだけ売られる理由が釈然としませんが
デルタ株感染拡大で埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府に対して
緊急事態宣言を発令する見通しとなったことと週末が重なって
売りが売りを読んでしまったようです。

月末の下落は11カ月連続と月末安のアノマリー継続。

月初高となるアノマリー通りなら明日月曜の株価は戻りを入れることと
なるはずですが、アマゾンショックが東京株式市場にも影響するかどうか。

※日経平均 このチャートは底打ち確認できていません。
https://s3.tradingview.com/snapshots/d/dl4XqLBc.png
先週半ばまでアゲインストで苦労した
日経CFD 27810円S
ダウCFD 34949ドルS 
利が乗ってきました。継続しています。

リスクオフなら円高でそう、、、ということで
ドル円とクロス円をショートしていましたが、
こちらもようやく利が乗ってきました。

ドル円 110.08円ショート
豪ドル円 80.90円ショート
ドルカナダ1.2512ドルでショート

全て継続しています。

先週は月末ということもありリバランスの影響が強かったと見える
ポンドの上昇が大きかったのですが、
今週はポンド円あたりの売りがよさそうです。
ただし5日に英中銀(BOE)金融政策会合(MPC)が。
今回は四半期金融政策報告の発表もあるスーパーサーズデー。
金融政策は現状維持が見込まれておりサプライズはないと思いますが
タカ派的な内容となればポンド買いとなる可能性があります。
その場合は上がったところを売る戦略かな(今の所)
その前に売り参戦するかもしれません。
8月は円高のアノマリーがありますが実際円高圧力が強い。
このまま円ロングで8月は攻めてみます。

ポンド円月足 長期レジスタンス上抜け失敗


*********来週の主な予定 *********

■2日(月)
中国財新製造業PMI(7月)予想51.0、前月51.3
ドイツ小売売上高(6月)前月比予想+1.8%、前月+4.2%
米ISM製造業景気指数(7月)予想60.7、前月60.6
バイデン米政権、中国企業59社への投資禁止措置を発効
ASEAN外相会議(7日まで)

■3日(火)
☆RBA豪中銀政策金利
米自動車販売(7月)
米製造業受注(6月)予想+1.5%、前月+1.7%

■4日(水)
中国財新サービス業PMI(7月)予想50.5、前月50.3
米ADP雇用者数(7月)予想+650千人、前月+692千人
米ISM非製造業景気指数(7月)予想61.0、前月60.1

■5日(木)
米貿易収支(6月)
ECB経済報告
☆BOE英中銀政策金利・金融政策報告公表
イラン新大統領ライーシ氏就任

■6日(金)
日本景気動向指数(6月)
GPIF、2021年度第1四半期運用状況
米雇用統計(7月)予想+926千人:6月+850千人、失業率予想5.7%、6月5.9%

■7日(土)
中国貿易統計(7月)

■8日(日)
第32回夏季五輪東京大会閉会
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東京五輪、聖火台の燃料は水素!
選手村を走る水素バス。

今週のWeeklyGOLDは
水素エネルギーとプラチナです。
https://youtu.be/T7utuD2G7kw

・再生可能エネルギー ⇒ 水素のPEM技術 
・水素自動車コストも軽減傾向
・日本の水素製造政策
・プラチナチャート分析

解説 : 池水雄一

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