2021年8月9日月曜日

 雇用統計を受けてドル独歩高。
ドルインデックスだけが急伸しています。

※通貨別インデックス一覧


トリガーは米7月雇用統計。
米雇用者数、7月は予想上回る94.3万人増-失業率は大幅低下
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-06/QXF46ADWRGGK01

■NFP(非農業部門雇用者数)94.3万人
           予想 87.0万人 前回 93.8万人←85万から上方修正)
■失業率 5.4%
  予想 5.7% 前回 5.9%

■平均時給 前月比+0.4% 前年比+4%

めちゃめちゃ強い💦
9月の終了を前に、多くの州が前倒しで
失業給付の上乗せを打ち切っていることが関係しているのでしょう。
お金がもらえないなら働くか、と。

これまで働いて手にできる給料より
失業給付のほうが大きい、という労働者の労働意欲が上がらなかったことで
雇用統計の数字が抑制的であったとの指摘もありましたが
これだけいい数字がでちゃうと、早期テーパリング観測が急浮上してきます。

水曜日のブログでもご紹介しましたが

FRB、10月までに緩和縮小着手の公算=ウォラー理事
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-waller-idJPKBN2F322E
・向こう2回分の雇用統計で自身の予想通りに雇用がそれぞれ
 80万─100万人増加すれば、FRBは10月までにテーパリングに
 着手する可能性がある

8月、9月の雇用統計で NFPが80~100万となれば
10月までにテーパリング着手の可能性。

と具体的にウォーラー理事が述べているというところに
市場は反応したと思われます。

(ていうか、水曜に発表された
 ADP雇用指数が悪かったのはなんで?!)

この数字を受けて、金利が急反発。

※米10年債利回り

そして金融政策の影響を受けやすいとされる2年債利回りを
チェックすると、、、米国だけでなく英国カナダ、欧州圏の利回りも上昇。
日本だけが低下しているんですね、、、
金利面からの影響だけを見ると円安でしょ。

ということでドル円が急伸しています。

※ドル円 (ショート買い戻しておいて良かった)

このドル高、続くでしょうか?

足元の焦点は10年債利回り、200SMAを超えられるかでしょうか。
ちょうど200SMAで止められています。

そして200SMAを超えるか否かを占うのが、米国の金融政策、
ウォラー理事の発言が示す「10月にもテーパリングの可能性」を
決める8月の米国の労働市場の回復でしょう。
9月に発表される8月分の数字が80~100万となれば
さらにテーパリング観測が強まる可能性が出てきます。

ということで、ここから雇用に絡むような経済指標には
マーケットはかなり大きく反応しそう。
来月の雇用統計発表前のISMとかADPもボラが上がりそうですね。

ただ、このウォラー理事の発言を否定するようなハト派発言を
する要人が増えてくれば話はまた変わってくるのですが
FRBの理事らの発言を予想することはできません。

しかし、テーパリングが近いとの思惑で金利が急上昇し、
ドル高となる相場でも(しかもデルタ株拡大懸念で原油が下がっている)
米国株が更に上昇したところをみると、市場はリスクを恐れていない様子。
ダウは史上最高値更新です。
こういう反応はその時のセンチメントによって変化します。
テーパリングが近いかも、、という材料が株売につながるフェーズもあります。
しかし、今は労働市場が強いことで米経済の強さを素直に好感、
これはデルタ株拡大でも米国は強い、という安心感のようなものかもしれません。
景気後退懸念が払拭された、というか。

というわけで8月中は米株高が続くかもしれませんね。
ただし、来月の雇用統計前後からはムードが変わるかもしれません。
例年9~10月の株式市場には要注意、株価下落のアノマリーがありますので
株を買うなら8月まで、かな。

株高ならリスクオン=ドル売りのような気もするんですが
為替市場は金利に敏感になっています。
今はリスクオンでドル高=株高なのかもしれません。

リスクオンとかリスクオフというのは
株式市場やコモディティ市場は単純に上がればリスクオン、
下がればリスクオフで単純明快なのですが
金利、為替市場ではその時々で正解はないのが難しい。

原油市場だけを見るとデルタ株拡大で
特に中国の輸入量の減少を懸念して下落してきていますので
その市場の内部要因(需給)やテクニカルで動いている側面も大きいようです。

そもそも米金利が1.12%まで下がったのだって日本のGPIFの
リバランスによる米債買いが大きかったせいではないかという指摘も。
景気とかインフレとか全く関係なくて、
巨大な機関投資家のりバランスで動いちゃうこともある、ってことです。
その意味でいうと毎月、月初に日本株が強いアノマリーもそれですね。

ポジションはキウイ円76.94円Lのみ。
ユーロドルの売りを狙っていましたが売りそこねました。
今週こそユーロの売りを狙います。。。
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今週は、物価関連の指標でドル高が加速するか否かに注目。

9日(月)日本休場
中国消費者物価指数・生産者物価指数(7月)
米求人件数(6月)
アトランタ連銀総裁、講演
リッチモンド連銀総裁、講演

10日(火)
日本景気ウォッチャー調査(7月)
ドイツZEW景況感指数(8月)期待指数、予想58.0、前月63.3
クリーブランド連銀総裁、講演

11日(水)
米消費者物価指数(7月)予想+5.3%、前月+5.4%
アトランタ連銀総裁、講演
カンザスシティ連銀総裁、講演

12日(木)
英GDP速報値(第2四半期)
ユーロ圏鉱工業生産(6月)予想+0.4%、前月▲1.0%
トルコ中銀政策金利
メキシコ中銀政策金利
米生産者物価指数(7月)予想+7.1%、前月+7.3%、
OPEC月報

13日(金)
ミシガン大学消費者信頼感指数(8月)予想81.2、前月81.2
米輸入物価指数(7月)

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