2021年8月15日日曜日

 先週末金曜日、米長期金利が急低下でドル円も大きく下落。

※米長期債利回り

※ドル円

足元は8月のジャクソンホール会合イベントが近いこともあり
テーパリング開始時期とそれによる米金利動向が最大の注目事項となっており
ドルと米金利の相関が強い相場が続いています。

FRBの出方が最大の関心事なのでそれを占う意味で
米経済指標の良し悪しに一喜一憂するセンチメント。

金利低下は米ミシガン大消費者信頼感がきっかけだったようです。

ミシガン大学消費者信頼感指数(8月) 70.2 約10年ぶりの低水準
                予想 81.2 前回 81.2
7月の確報値からの落ち込みはここ50年で3番めに大きいとか。
インフレ圧力の緩和により、FRBによる早期のテーパリング開始に向けた
原動力が弱まるという見方が強まった、との指摘。

※ミシガン大学消費者信頼感指数
米国の消費者マインドを示す指標。
アンケート調査で速報値が300人、確報値は500人が対象。
「景況感」「雇用状況」「所得」に関して、「楽観」「悲観」で回答。
カンファレンスボード(CB)が発表する消費者信頼感の先行指標とされるが
対象人数が少ないため(CBは5000人)ブレも大きい。

おそらくデルタ株拡大がマインドに影響していると思われます。
消費者の先行き不安が実際に消費の減速につながるかどうかまではわかりませんが
インフレ圧力が弱まるのでは?という観測に繋がりますね。

だから金利が急低下したのです。

今週はこの米長期金利低下が続き、再び下落トレンドに入るのか、
それとも一時的な低下に終わるのかが最大の注目。
ジャクソンホール会合が近いので、今週も米景気指標の良し悪しに
神経質に動くものと思われます。

米金利がどうあれ、テーパリングがどれだけ意識されようと
米株は強く、向かうところ敵なし。
何がきっかけで大きな調整を強いられるのか見当もつきません💦

ただ、為替市場は米金利に相関が強い展開となっていますので
このまま金利が下落するようならドル売りが続きそうです。

先週はキウイ円ロングを手仕舞いました。
キウイ円76.94円L → 77.28円  

そのかわりにちょっとだけ豪ドル円を売っています。
豪ドル円80.89円

豪ドル円はチャートが悪い。
RCI短期線下向きに。
200SMA下抜けで下落開始。


豪州の最大の輸出品目鉄鉱石価格が急落してから
(窓開けは限月交代のせいですが)窓埋めできず。
※鉄鉱石価格

ドルカナダ1.24955ドルSは継続です。

そして今週の最大の注目は
ニュージーランド準備銀行・金融政策決定会合(水曜日)

今回の会合で 0.25%→0.50%への利上げが確実視されています。
ひょっとしたら0.25%ではなく 0.5%一気に利上げするかも。
0.5%利上げすればサプライズでNZドルは上昇するでしょうけど
0.25%の利上げはすでにマーケットに織り込まれているので
今週はむしろNZドルドルが「材料出尽くし」で売られるんじゃないかと思います。
だから先週、NZドルの上昇力が弱いのをみて手仕舞ってしまいました。

すでに10年債利回り比較でもNZドルぶっちぎりで上昇。
それでもNZドルの上値が限定的なのが気になります。
※10年債利回り比較 キウイだけ上昇中

為替市場、米国の金利には敏感で相関が強いのですが
米国以外の金利への反応が鈍いんです。
それだけ米国の金融政策の影響って絶大ってことね。

それと、ドル円の上昇が止まりましたが
円高リスクを唱える向きもあります。
私もその可能性もあるような気がしています。

コラム:金利差拡大のドル高予想に落とし穴、デフレ色の円は年末107円へ=内田稔氏
https://jp.reuters.com/article/column-minori-uchida-idJPKBN2FE0DN
~為替相場と金利差の相関はそれほど高くない。例えば、ユーロが誕生した1999年以降のドル指数(主要6通貨に対するドルの名目実効相場)と名目の長期金利差(ドル金利からドル指数と同じ比率で算出した海外金利を差し引いた値)の相関係数は、プラス0.4台に過ぎない。~

今は金融政策が注目されているために相関が強まっているだけですね。
また、日本がデフレ的であるという点は円を強くすると言う指摘が
最も腑に落ちます。

ただ、足元は金利動向は無視できませんので
米指標の内容によって動く金利でドル円も動くのでしょう。

今週の主な予定


16日(月) 日本GDP速報値(第2四半期)
      中国鉱工業生産(7月)
      中国小売売上高(7月)
      NY連銀製造業景気指数(8月)予想28.5、前月43.0

17日(火) 中国全国人民代表大会常務委員会会議(20日まで)
      米小売売上高(7月)前月比、予想▲0.2%、前月+0.6%
      米鉱工業生産(7月)予想+0.5%、前月+0.4%
      米設備稼働率(7月)予想75.7%、前月75.4%

18日(水) NZ中銀政策金利
      日本貿易収支(7月)
      英消費者物価指数(7月)
      英生産者物価指数(7月)
      米住宅着工件数(7月)予想1,608千件、前月1,643千件
      7月FOMC議事録
      
19日(木) 豪雇用統計(7月)
      フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月)予想24.2、前月21.9

20日(金)
日本消費者物価指数(7月)

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今週のひろこのWeeklyGOLDは
今週9日月曜のGOLDの急落、フラッシュ・クラッシュの舞台裏を解説。
貴金属ディーリングのプロは
「EFP」に着目して、事の背景を読み、
金の買い手と売り手の構造を分析するんですね。

池水雄一氏の解説、必見です。


動画 ⇒https://youtu.be/B0IsCVUcup4
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