2021年10月29日金曜日

このところあちらこちらで「金利に異変」が。

今日の話題は豪州の債券市場。

まずはいつもチェックしている
世界の短期債(2年国債)利回り。
日本以外のどの国も上昇基調を強めているのですが
特に豪州金利上昇が際立っています。紫色です。

何が起きたのか?

豪州の金利、コントロールから大きく逸脱 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL00018_Y1A021C2000000/

実は日銀が2016年から導入しているYCC
(イールド・カーブ・コントロール)政策ですが、
豪州も20年3月に3年物の国債利回りの目標を
政策金利0.25%を目標水準に維持するYCCを導入しています。

20年11月に政策金利を過去最低の0.1%に引き下げてからは
3年債利回りも0.1%に釘打ち。
今年7月には24年4月に償還を迎える国債を
利回りの誘導目標の対象としています。

金利を固定するということは債券の買い入れ量を調整する、
ということですが、今回のように金利が急騰するということは
債券の買い入れによって金利を固定するYCC政策を
RBA(中央銀行)の正式なアナウンスがないのに突然止めた?
ということになりますね。。。?

記事にもありますが

豪中銀が国債買い入れオペ(公開市場操作)を見送ったのがきっかけだ。真意は分からないものの、金利の上昇を買いオペで抑え込まずに放置したことで、市場では金融政策の正常化が早まるとの観測が一段と強まった。

ということで、豪州は24年まで利上げしないスタンスを
明確に示しているものの、量的緩和政策においては
そろそろ出口に向かわねば。。。と考えているということか。

※豪州長短金利、軒並み上昇開始

やはりこちらもインフレを警戒しての動きでは?
※豪州コアCPI


そして今夜はECB理事会。

ECB、金融緩和維持 来年には物価圧力緩和との見方
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-idJPL4N2RO4H0

政策の変更はありませんでしたがラガルド総裁の
これまでの強硬なハト派スタンスが緩んだ印象が。

「高インフレの期間は我々の想定より長く続くだろう」

この発言だけでユーロの買戻しがどどどっと入りました。

今日発表されたドイツのインフレ率が97年来の上昇となったことも
市場の関心を集めました。

独CPI、10月は前年比4.6%上昇 集計開始以来最大の伸び
https://jp.reuters.com/article/germany-economy-inflation-idJPL4N2RO4ZA

ドイツはハイパーインフレを経験している国であることから
インフレへの恐怖が凄まじいんです。
だからラガルドECBのハト派的スタンスが耐えられないのでしょう、
ドイツ連銀総裁のワイトマン氏は12月末で辞める!!って(*_*)
(1期8年の任期は5年以上残っています)

このインフレを放置していいのか!という抗議でしょう。

ドイツインフレ率推移

というわけで、ユーロが急伸。

ラガルドさんは急速に高まりつつある利上げ観測を
打ち消す発言をしていますが。。。

ラガルド総裁、来年の利上げ観測打ち消し-ガイダンスに一致せず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-28/R1OV3CT0AFBD01?srnd=cojp-v2

市場は前のめりに反応していますね。

というわけで、ポジションの見直しを迫られた1日。

ユーロ円132.67円S → 132.10円で買い戻し 
カナダ円92.28円Sは終値でコストを上回っていないので継続。
ポンドドル1.3791ドルS → コストでカット。

ポンドドルもユーロドルの上昇につれて上がってしまった…。

ここはポンドを売ることを考えるより、
豪州の金融政策のスタンスが変わることへのサプライズからの
豪ドル買戻しに賭けた方が面白いと考え

豪ドルドルを0.7520ドルでロング参戦。

そもそも金利面の魅力が高く冬に上がる特徴のある
キウイドルも買ってみました。0.7185ドル

本当は、今日の日銀の金融政策決定会合で黒田総裁が
「現在の円安は日本経済にプラスなのは確実だ」とし
悪い円安論を掲げ黒田さんから円安けん制発言を引き出そうとする
記者の誘導に乗ることなく慎重に政策の継続を示したことから
円高へのリスクは大きくないと思いますので、円売り安心感がある!
というわけで、円ショート(クロス円ロング)したいんですが、
ただ、ドル円は115円でキャップされて足元調整気味ですので
クロス円もドル円に足を引っ張られてやや軟調。
もう少し下がったところで豪ドル円、NZドル/円のロングも考えます。

今日はユーロが巻き戻って高いことからドル安ですが
米GDPの弱さもドル買いを呼ばないというか・・・

米GDP、7-9月は2%増-コロナ禍からの回復期で最低の伸び
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-28/R1OTI4DWRGG601
エコノミスト予想中央値の2.6%増を下回る-前四半期は6.7%増
個人消費1.6%増、前期の12%増から急減速-自動車支出が弱まる

それでも今夜、Nasdaq総合指数が史上最高値更新。
11月からは自社株買いが活発化するという観測もあり
売るのは得策ではありませんよ。

明日は月末リバランスで本筋と異なる動きも出ようかと思いますので
あたふたしないように。
ただ選挙前の最後の営業日ですので、リスクは控えめに。

★今週のひろこのWeeklyGOLDはマーケットエッジ代表小菅努氏
<悲惨指数で読むゴールド相場>
『インフレでも金価格が急騰しない理由』
https://youtu.be/8tlah10SxDg
画像
◆インフレと金価格の理論
◆ Misery Index(悲惨指数)で見る金価格
◆ 11月FOMC後の展望
GOLD1オンスで買える小麦と原油の量の推移、必見です!

★今週のひろこのスペシャリストに聞く!は
ポスト石油戦略研究所代表エネルギーアナリスト大場紀章氏に
天然ガス、原油高の背景を伺っています。

<欧州天然ガス高騰の要因は?>
『カーボンニュートラルとエネルギー危機』
https://youtu.be/tf9xUsE3_BA

実はこの絵がとても重要です↓
上流投資は2015年から急減しています。
これが大問題。

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2021年10月28日木曜日

 衆院選アノマリー効力ないですねぇ。
今日の引け後のファナックの決算受けて明日の相場展開も心配。

ファナック、今期営業利益を下方修正ー半導体など部品不足響く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-27/R19M94T1UM1701

今日は番組で
株式アナリスト鈴木一之さんにお話しを伺ったのですが
製造業セクターは7重苦に苦しんでいるとか。

1・半導体不足
2・海上運賃高騰
3・燃料コスト上昇
4・東南アジアロックダウン
5・資源高
6・環境規制強化
7・人手不足
8・円安進行

そりゃ製造業セクターが急減速するわけです。

内需、小型株には好調な企業もありますが、
製造業が失速すると全体のセンチメントは悪化しますね。

すでに夜間取引で日経平均先物は28700円くらいまで
下落していますが、足下やや回復して28830円。
今日の現物市場では日経平均は29000円台でしたので
明日はやや弱含みで寄り付くのかな・・・。
日経平均CFD27410円L継続。

今夜の米株市場、ダウやラッセル2000が下落も
ナスダック総合が強いというマチマチの展開。

というのも今夜は米金利が急低下。
10年債利回りは1.54%台まで軟化。

2年債だけは元気に上昇し続けていますが。
この米金利低下も影響もあってか、ドル円相場、クロス円相場が
ロンドン時間に急落する局面もありましたが、
NY時間に持ち直しています。

主要国の2年債利回りを見てみると、
今日はカナダの金利が急騰しています。

今日カナダの金融政策会合があったんだった、、
うかつにも忘れてました。

カナダ中銀、早期利上げ示唆 経済成長堅固で量的緩和終了へ
https://jp.reuters.com/article/canada-cenbank-idJPL4N2RN4RC
従来の予測より3カ月早く利上げを実施する可能性を示唆

これでカナダ買いが一気に吹き上がりました💦
せっかくカナダ円ショートが利が乗ってきていたのに台無し😢

カナダ円92.28円Sは終値で
コストを上回っているようならカットします。

今夜原油がちょっと軟調なので
こちらに引っ張られてやっぱり落ちてくる可能性もあるかも。
(希望的ポジショントーク)

今夜原油が軟調なのは週間在庫統計で在庫がやや増えていたから。

【米週次石油在庫統計(10/22時点)、前週比、単位:バレル】
・原油在庫:+426.8万(予想:+200万、前回:-43.1万)
・オクラホマ州クッシング在庫:−389.9万(前回:-232万)
・ガソリン在庫:−199.3万(予想:-223.5万、前回:-536.8万)
・留出油在庫:-43.2万(予想:-225万、前回:-391.3万)
・製油所稼働率:85.1%(前回:84.7%)


また、今日は豪州7-9月期消費者物価指数が発表されました。
前年比+3.0%(予想の3.1%)を下回るも
コアインフレ率が予想を上回る伸びとなり、豪ドル買いが旺盛に。

CPIトリム平均 前年同期比+2.1%
2015年以来初めてRBA目標の2~3%レンジ内回帰。
(前期比+0.7%、予想は0.5%)

RBAは24年までは利上げしない、言うスタンスを明確に示しており
通貨先物市場ではネットショートが積み上がっていますが
インフレ率が急激に上がってくることで
RBAのスタンスに変化がでるようだと売られてきた分の
買戻しが大きくなりそう、という点で豪ドルには注目しています。
2年債利回りも急伸していますね。

また、英国の2年債利回りが急低下しているのも気になりますね。
11月利上げ織り込みが進んできましたが
急に11月には利上げがないかもって見方がでてきて失速しているようです。
ポンドドル1.3791ドルSも継続。

英中銀テンレイロ氏、利上げは待てると主張-来週の政策発表前に発言
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ab59011db6500de02fac895434f78c0c577c0db
拙速な行動はより長期の物価圧力に「ディスインフレ的な影響」すら与えかねない

それから国内生保各社の下期運用計画が出揃いましたが、
今期は為替ヘッジを付けない外貨建て債券である
「オープン外債投資」には慎重な方針が多いようです。

富国生命はフルヘッジ。
日本生命は年度末108円予想などなど
円安の持続性について懐疑的。
米利上げ開始は23年との予想が多いようです

また、米国の利上げ開始時期は23年後半になると
ハト派的にとらえているところが多い模様。

ザ・セイホはここからのドル円上昇に懐疑的であり
下期はオープン外債投資には慎重ということで
彼らの外貨買いから円安が進むという圧力はなさそう。

焦点:国内生保、一段の円安には懐疑的 21年度下期はオープン外債慎重
https://jp.reuters.com/article/life-insurance-investment-idJPKBN2HH13N

というわけで、ドル円115円超えには時間を要するんじゃないか、
という気がしますが、
決して生保の相場見通しが当たるわけじゃないですからね・・・

ユーロ円132.67円Sはもうちょっと粘ろうかと。
現在132.15円。
明日ECB理事会ですが、タカ派的になることはないかと・・・。
ドイツのワイトマン総裁も年内辞任の意向ですし。

どこかでオセアニアロングを作ろうと思っていますが
まだ様子見です。。。。

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2021年10月27日水曜日

 突然日本株市場の地合いが好転。
10/26(火)日経平均株価は +505.60円 29,106.01円

売り込まれていたファストリ(日経平均寄与度高い)が大きく反発し
1銘柄で124円日経平均を押し上げていますが
なぜ上がったのかは釈然としません。

自民が単独過半数確保の勢い、立憲はほぼ横ばい 朝日情勢調査
https://www.asahi.com/articles/ASPBT533HPBHUZPS003.html

あの朝日の報道で自民党が単独過半数獲得予想が出たことを好感した、
という指摘もありますが、ほんとかいな。
最終的には選挙アノマリーが効いてくるのか。

日経ロングですし、年末に向けて上がると思っていたので驚きはないですが
このまま上昇基調を継続できるためには本格化する企業決算は重要でしょうね。
日経平均CFD27410円L継続。

米株市場は今夜も堅調。
S&P500企業の23%が決算発表を終えていますが
84%の企業の利益が予想を上回り、75%の企業の売上高が予想を上回る結果。
好決算を裏付けにダウ、S&P500は史上最高値を更新しています。

市場全般、リスク選好ムードなので、ドル円、クロス円に上昇圧力が・・・。

ユーロ円132.67円S
カナダ円92.28円S ポジション危うし。

このポジションはコストを終値ベースで上回るならカットします。
ドル円がこのまま上昇するならクロス円もお高値更新する可能性が~
ということでかねてから年末高想定で狙っている
NZドル/円を買うことも考えています。。。

傾向としてはドル高、円安、ユーロ安なんですよね。

※通貨インデックス一覧

       


今夜の米指標も強く、ドル金利上昇圧力に。

・米10月リッチモンド連銀製造業指数:12(予想:5、9月:-3)
・米9月新築住宅販売件数:80万戸(予想:75.6万戸、8月:70.2万戸←74.0万戸)
・米10月消費者信頼感指数:113.8(予想:108.0、9月:109.8←109.3)

そして今日はポンドを売っています。ドル高ですし。
コスト1.3791ドル

英中銀ベイリー総裁は11月会合で金利据え置き支持の公算-HSBC
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-26/R1KVVWT0AFB401?srnd=cojp-v2
・市場は11月4日に0.15ポイントの値上げが発表されることを
 ほぼ完全に織り込んでいる
・HSBCは7対2で金利据え置きが決まると見込む。

ポンドドル日足

このレジスタンスを超えれば強いチャートですが
頭を叩かれる可能性もありますね、利上げが完全に織り込まれているのに
利上げしなかったら・・・大きく売られる可能性があります。

こちらはポンド円の月足
200SMAが上値を抑える可能性も?

さて、エネルギー高騰の背景。
このところはカーボンニュートラルが声高に叫ばれ
その影響がエネルギー高につながっているとの指摘も聞かれますが
本当でしょうか。

今週のひろこのスペシャリストに聞く!は
ポスト石油戦略研究所代表エネルギーアナリスト大場紀章氏に
天然ガス、原油高の背景を伺っています。

<欧州天然ガス高騰の要因は?>
『カーボンニュートラルとエネルギー危機』
https://youtu.be/tf9xUsE3_BA

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2021年10月26日火曜日

 やはり週明け東京市場で日本株は弱かった・・・。
10/25 日経平均28,600.41円▼204.44円

日経平均寄与度の高いファストリが年初来安値。
・中国の新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念
・G7で国際的なサプライチェーンから強制労働を排除する仕組みづくりで一致
(新疆ウイグル自治区で疑われる中国当局による人権抑圧を念頭におく)

それと、週末の衆院選に向けて静岡補選を自民党が落したことを材料に
売り仕掛けがあった可能性も否定できず・・・。
衆院選上昇アノマリー、今回は外れちゃうのかも💦

ただ、夜間取引で日経平均先物は28800円まで上昇しており
下落トレンドが強まったということでもないので、
下がったら買っておいてじっと待つ、、、というのが今の戦略かな。

週明け月曜、米株市場は米金利上昇が一服しているためか全般強いです。
ダウもS&P500も史上最高値更新ですね。。。
今週はテック系企業の決算発表が相次ぎますがマーケットは楽観的。

日本も決算発表本格化します。

※今週の決算スケジュール


そもそも10月安値を拾って年末高値を追うというのが
日米ともに株式市場のシーズナリティ。

過去20年平均 S&P500月別パフォーマンス

ダウ

日経平均

さて、エネルギー価格上昇は続いています。
今日天然ガスが跳ねているのはCOP26のせいもあるかしらね。

※天然ガス先物 凄いボラね~

「石炭火力全廃を」日本に圧力 31日にCOP26開幕
新興国、一層の燃料高懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA15C540V11C21A0000000/
・31日の開幕まで1週間を切った
・議長国である英国は石炭火力発電の早期廃止を主要議題にする意向

現実を直視せず、政治的にCOP26で
カーボンニュートラル政策が世界的にタカ派的にまとまれば
なお天然ガス相場が上がる可能性があります。
すでにそれを織り込み始めたのかもしれません。
天然ガスは比較的CO2排出量が少ないため、
まずはCO2排出量が大きい石炭をやめて天然ガスにスイッチすることから
着手しよう、という動きが世界的に加速しています。

その動きがCOP26によってさらに加速するかもしれない、
ということです。

天然ガスに需要が集中すると、需給がひっ迫して
ものがなくて(高すぎて)買えない、、、
というところも出てくるわけで
そうなると原油や石炭に一時的に代替が起こるわけですが
例えば欧州の天然ガス相場のオランダTTF価格の急騰が話題ですが
これを原油価格に換算すれば200ドルもの価値にまで高騰していたりします。
現実にはWTI原油は80ドル台。
まだまだ安いということになりますね・・・
スパイラル的にエネルギー価格は上がっていくこととなります。

となると、あらゆる生産活動の基となるエネルギー価格上昇で
いよいよ世界のインフレが本格化するのでは?との懸念が生じているわけですが
teslaなど破壊的イノベーション企業への投資で知られる
女性版ウォーレン・バフェットと呼ばれるキャシーウッド氏は
こんな見方をしています。

キャシー・ウッド氏、デフレ圧力が供給サイド起因インフレを打倒へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-25/R1IVUKDWRGGB01

エネルギー問題には触れていないので、
その点についてどう考えているのか質問してみたいのですが、
コロナ禍によるボトルネックインフレ、
サプライチェーン起因による物価上昇圧力は

①人工知能(AI)などの技術進歩の影響
②時代遅れの商品の価格を押し下げる破壊的イノベーションによる創造的破壊
③パンデミックによる循環的要因で企業が需要の回復に対応するために注文を増やし、
 最終的にはクリスマスシーズン後に過剰供給と価格低下に直面すること
 
上記3点のデフレ圧力によって解消するとみているようです。

特に③における指摘はエネルギー問題でいえば、
今冬が厳冬になるとの予想から買われている側面もあって
もし、ラニーニャ現象による厳冬観測が外れて
暖冬となったら余剰に在庫を積み上げていた分
需給が緩んでエネルギー価格が下がるだろう、というようなことと同じですね。

クリスマスシーズンにモノがあふれ、供給過剰から物価下落となる、
という短期的観測が現実になるかどうかは、もうすぐにわかりますね。

為替市場ではドル円が115円に到達できずに軟化中ですが
一気に円高に進むという感じでもないわね。
これは資源高であることが下値を支えているのかもしれません。
日本は資源の輸入国、円売りドル買いで資源を買う必要があります。

足元では米長期債利回り上昇が一服。
今夜ゴールドが堅調なのは金利が低下気味だからでしょう。

先週のパウエル議長のインフレは長期化するといった主旨の発言もあって
金利先物市場では早期利上げを織り込む動きが加速していますが
やや短期金利は上がりすぎでは・・・?
今日は長短金利全てで上昇一服しています。

※米国債利回り 2~30年
★は今年の高値。
2年、5年が今年の高値を超えて新値更新中ではありますが、
今夜は軟調。
現状ではドル/円相場は米金利次第というところもあって
金利上昇一服でドル円下落となっています。

金利ももう少し調整がありそうなので、
クロス円ショートは継続しています。

ポジションは
日経平均CFD27410円L
ユーロ円132.67円S
カナダ円92.28円S 変わらず。

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2021年10月25日月曜日

 日本株市場は衆院選に恒大集団、郵政株売り出しなど細かい材料を
いちいちネタにされて「鉄火場」になっていますが(大倉キャプテン談)
現物市場は閑散、先物市場でCTAが売った買ったを
バタバタとやってるだけのようです。

※CTA=商品投資顧問 
商品のみならず通貨、株価指数先物など広範な金融商品に分散投資する
ヘッジファンドなど顧客から預かった金融資産を運用する企業や運用者

選挙が近いというのに
本筋の長期マネーが本格的に日本市場に入ってきていないのは残念ですが
急落したところは拾っておいたら年末に向けて育つのでは・・・・。

10/22 大倉たかしの「本音で言わせて!」
https://video.ibm.com/recorded/131065934

このところリスクとして材料にされがちな
デフォルト危機に陥っている中国恒大集団は
23日(日本時間24日)に期限を迎えるドル建て社債の利息
8350万ドル(約95億円)を支払った模様。

中国恒大、土壇場で8350万ドル社債利払い-流動性危機巡り急展開
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-22/R1CWWKT1UM0Z01

もし、恒大ネタを材料に売り込んだ向きがあるなら週明けは買い戻しが入る?

週明けからのマーケットで懸念材料があるとすれば
本格化する企業決算でしょうか。

米国株市場ではスナップチャットのスナップ(SNAP)が決算受けて急落。
アップルの新たなデータ収集制限とそれに伴うデジタル広告への影響で
7-9月売上高が予想下回り10-12月売上高見通しも予想に届かず。

スナップ株急落が業界全体に波及、時価総額1000億ドルが吹き飛ぶ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-22/R1DURTT0AFB401
スナップ社は24%下落で270億ドルが吹き飛び、
同社と同業他社時価総額は1000億ドル余り(11兆円くらい)も消失しています。
フェイスブック(FB)、アルファベット(GOOGL)、ツイッター(TWTR)など
広告依存型のインターネット企業が連想安を強いられました。

※SNAP 綺麗なアイランドリバーサルトップになりそう・・・

今週は米テック企業の決算発表が相次ぎます。

25日(月)FBフェイスブック、
26日(火)MSFTマイクロソフト GOOGLアルファベット TWTRツイッター
28日(金)AAPLアップル AMZNアマゾンドットコム

日本でも決算が本格化しますので
決算絡みでのボラティリティ上昇には注意しながら、
株は下落したところを丁寧に拾うスタンス・・・でしょうか。

22日には国際決済銀行のオンライン会合でパウエルFRB議長が
「供給制約と高インフレは従来の予想より長引く可能性が高く、
                2022年にかけて続くだろう」
「インフレが持続的に高進するリスクがあると判断すれば、
             確実にツールを活用する(利上げ)」
と発言したことで、米国の早期の利上げ開始予想が強まっています。

FedWatchを見てみると
22年6月のFOMCで1回以上の利上げがあるとする
金利の織り込みが61.4%にも上っています。

※6月FOMC

※12月のFOMCになると2回以上の利上げを織り込んでいることが確認できます。



一か月前の数字と比較すると、
急激に米国の利上げの可能性を市場が織り込み始めたことがわかります。

だからと言って利上げするかどうかはわかりませんよ。

パウエル議長も来年には高インフレが緩和される可能性があるため
まだ利上げすべきではないと繰り返していますので、インフレ次第ということか。

テーパリング開始の時機到来、利上げはまだ=パウエルFRB議長
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-idJPKBN2HC1UN

米国が早期利上げに踏み切る可能性が高まることは
一時的に株式市場の動揺をもたらすリスクにもなろうかと思いますが
市場金利はまだ年初高値を超えているわけでもなく、過度な心配は無用でしょう。
来週の11月FOMCではテーパリングについての道筋ははっきりと示されると
考えられますが、市場はテーパリングではなく利上げ時期を模索するフェーズに
入っていますのでFOMCから利上げが速まる可能性があるような話が出てこなければ
米株に波乱はないと思っています。

さて、為替市場。

28 日にECB理事会が。
前回の9月ECBで4四半期のパンデミック緊急購入枠(PEPP)におけるテーパリングを
決定しています。(ラガルド総裁はテーパリングではないと言っていますが)

というわけで今回のECBでは新たな決定事項はないとみられます。
ラガルド総裁は金融政策の転換に極めて慎重ですが
ECBの中でも随分意見が分かれているようえすよ。

ECBメンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁が20日
かなり大幅な物価上昇がみられる、と物価高を懸念する発言をしていますが
そういえばワイトマン・ドイツ連銀総裁が12/31で辞めると先週話題となりましたね。
インフレを警戒しており現在のECBのハト派スタンスが我慢ならなかった、と見えますが
タカ派のワイトマンが退任するならハト派色が強まるじゃないか、という話もあります。

米国に比べると欧州の利上げはかなり遅いだろうというのが
現状の中央銀行のスタンスなのですが、
しかし、足下では欧州各国の金利も上昇してきているので
動かぬ日本の金利を軸にユーロも買い戻しが旺盛なんでしょう。

※主要国長期債利回り

日本は利上げの可能性を論じる次元にありませんので(CPIから)
日本以外の国の金利引き上げの方が早いワケで、
これがこれから大きな円安のトレンドを作り出す可能性があるということですので
先週、クロス円ロングは手仕舞ってドテンショートしていますが
これもどこかで買い戻して、またロングを作るつもりではいます。

それは、値動き次第でいつになるかははっきりしませんが・・・

「コロナ緩和」転換点に 世界の中銀、供給制約に苦慮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB222Y80S1A021C2000000/
新興国はすでに利上げを急いでいます。。
「金利を上げなければ資本が流出しやすくなり、
通貨安でインフレが加速するおそれがあるため」

短期的には円ショートが1週間で随分積み上がりましたね。

※IMM通貨先物ポジション(投機筋ポジ・必ず反対売買によって決済される)

ポジションは
日経平均CFD27410円L
ユーロ円132.67円S
カナダ円92.28円S


※追記 
参院静岡選挙区補選 立民 国民推薦の山崎真之輔氏が初当選
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211024/k10013319991000.html

静岡補選、自民党落したんですね。
山口選挙区の補選は自民党北村氏に当確出ていますので
一勝一敗ではありますが、
静岡は岸田首相が2回も応援に入っての敗北。

これを売りの材料にして株を売る向きがあると嫌ですね。

岸田さんじゃ勝てない、というムードが醸成されると
30日の衆院選に向けて不安が募るばかり・・・
*********今週の予定************

25日(月)
ドイツIFO景況感指数(10月)予想98.0、前月98.8

26日(火)
米ケースシラー住宅価格指数(8月)前年同月比、予想+20.0% 前月+20.0%
新築住宅販売(9月)年率換算、予想756千戸 前月740千戸
米消費者信頼感指数(10月)予想108.5、前月109.3
米リッチモンド連銀製造業指数(10月)予想5、前月▲3
EUエネルギー危機巡る臨時会合

27日(水)
中国工業企業利益(9月)
豪州消費者物価指数(第3四半期)
ドイツGFK消費者信頼感(10月)予想+4.4%、前月+4.1%
米耐久財受注(9月)予想▲1.0%、前月+1.8%、除く輸送機器予想+0.4%、前月+0.2%
◎カナダ中銀政策金利

28日(木)
◎日銀政策金利・黒田日銀総裁、記者会見
◎ECB政策金利・ラガルドECB総裁、記者会見
◎米GDP速報値(第3四半期)前期比年率、予想+2.7%、前期+6.7%
EU財務相非公式会合

29日(金)
日本雇用統計(9月)
豪州生産者物価指数(第3四半期)
ドイツGDP速報値(第3四半期)前期比、予想+2.1%、前期+1.6%
ユーロ圏GDP速報値(第3四半期)予想+2.1% 前期+2.2%
◎ユーロ圏消費者物価指数(9月)前年同月比 予想+3.7% 前月+3.4%
米個人所得・消費支出(9月)前月比、予想▲0.2%・+0.6%、前月+0.2%・+0.8%
米消費支出価格指数(9月)前年同月比、予想+4.4% 前月+4.3%

30日(土)
G20首脳会議(31日まで)

31日(日)
衆院選投開票
中国製造業PMI・非製造業PMI(10月)
COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)開催(12日まで)
欧州時間は夏時間終了、冬時間へ移行

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