このところあちらこちらで「金利に異変」が。
今日の話題は豪州の債券市場。
まずはいつもチェックしている
世界の短期債(2年国債)利回り。
日本以外のどの国も上昇基調を強めているのですが
特に豪州金利上昇が際立っています。紫色です。
豪州の金利、コントロールから大きく逸脱
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL00018_Y1A021C2000000/
実は日銀が2016年から導入しているYCC
(イールド・カーブ・コントロール)政策ですが、
豪州も20年3月に3年物の国債利回りの目標を
政策金利0.25%を目標水準に維持するYCCを導入しています。
20年11月に政策金利を過去最低の0.1%に引き下げてからは
3年債利回りも0.1%に釘打ち。
今年7月には24年4月に償還を迎える国債を
利回りの誘導目標の対象としています。
金利を固定するということは債券の買い入れ量を調整する、
ということですが、今回のように金利が急騰するということは
債券の買い入れによって金利を固定するYCC政策を
RBA(中央銀行)の正式なアナウンスがないのに突然止めた?
ということになりますね。。。?
記事にもありますが
豪中銀が国債買い入れオペ(公開市場操作)を見送ったのがきっかけだ。真意は分からないものの、金利の上昇を買いオペで抑え込まずに放置したことで、市場では金融政策の正常化が早まるとの観測が一段と強まった。
ということで、豪州は24年まで利上げしないスタンスを
明確に示しているものの、量的緩和政策においては
そろそろ出口に向かわねば。。。と考えているということか。
※豪州長短金利、軒並み上昇開始
やはりこちらもインフレを警戒しての動きでは?
※豪州コアCPI
そして今夜はECB理事会。
ECB、金融緩和維持 来年には物価圧力緩和との見方
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-idJPL4N2RO4H0
政策の変更はありませんでしたがラガルド総裁の
これまでの強硬なハト派スタンスが緩んだ印象が。
「高インフレの期間は我々の想定より長く続くだろう」
この発言だけでユーロの買戻しがどどどっと入りました。
今日発表されたドイツのインフレ率が97年来の上昇となったことも
市場の関心を集めました。
独CPI、10月は前年比4.6%上昇 集計開始以来最大の伸び
https://jp.reuters.com/article/germany-economy-inflation-idJPL4N2RO4ZA
ドイツはハイパーインフレを経験している国であることから
インフレへの恐怖が凄まじいんです。
だからラガルドECBのハト派的スタンスが耐えられないのでしょう、
ドイツ連銀総裁のワイトマン氏は12月末で辞める!!って(*_*)
(1期8年の任期は5年以上残っています)
このインフレを放置していいのか!という抗議でしょう。
ドイツインフレ率推移
というわけで、ユーロが急伸。
ラガルドさんは急速に高まりつつある利上げ観測を
打ち消す発言をしていますが。。。
ラガルド総裁、来年の利上げ観測打ち消し-ガイダンスに一致せず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-28/R1OV3CT0AFBD01?srnd=cojp-v2
市場は前のめりに反応していますね。
というわけで、ポジションの見直しを迫られた1日。
ユーロ円132.67円S → 132.10円で買い戻し
カナダ円92.28円Sは終値でコストを上回っていないので継続。
ポンドドル1.3791ドルS → コストでカット。
ポンドドルもユーロドルの上昇につれて上がってしまった…。
ここはポンドを売ることを考えるより、
豪州の金融政策のスタンスが変わることへのサプライズからの
豪ドル買戻しに賭けた方が面白いと考え
豪ドルドルを0.7520ドルでロング参戦。
そもそも金利面の魅力が高く冬に上がる特徴のある
キウイドルも買ってみました。0.7185ドル
本当は、今日の日銀の金融政策決定会合で黒田総裁が
「現在の円安は日本経済にプラスなのは確実だ」とし
悪い円安論を掲げ黒田さんから円安けん制発言を引き出そうとする
記者の誘導に乗ることなく慎重に政策の継続を示したことから
円高へのリスクは大きくないと思いますので、円売り安心感がある!
というわけで、円ショート(クロス円ロング)したいんですが、
ただ、ドル円は115円でキャップされて足元調整気味ですので
クロス円もドル円に足を引っ張られてやや軟調。
もう少し下がったところで豪ドル円、NZドル/円のロングも考えます。
今日はユーロが巻き戻って高いことからドル安ですが
米GDPの弱さもドル買いを呼ばないというか・・・
米GDP、7-9月は2%増-コロナ禍からの回復期で最低の伸び
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-28/R1OTI4DWRGG601
エコノミスト予想中央値の2.6%増を下回る-前四半期は6.7%増
個人消費1.6%増、前期の12%増から急減速-自動車支出が弱まる
それでも今夜、Nasdaq総合指数が史上最高値更新。
11月からは自社株買いが活発化するという観測もあり
売るのは得策ではありませんよ。
明日は月末リバランスで本筋と異なる動きも出ようかと思いますので
あたふたしないように。
ただ選挙前の最後の営業日ですので、リスクは控えめに。
★今週のひろこのWeeklyGOLDはマーケットエッジ代表小菅努氏
<悲惨指数で読むゴールド相場>
『インフレでも金価格が急騰しない理由』
https://youtu.be/8tlah10SxDg
◆インフレと金価格の理論
◆ Misery Index(悲惨指数)で見る金価格
◆ 11月FOMC後の展望
GOLD1オンスで買える小麦と原油の量の推移、必見です!
★今週のひろこのスペシャリストに聞く!は
ポスト石油戦略研究所代表エネルギーアナリスト大場紀章氏に
天然ガス、原油高の背景を伺っています。
<欧州天然ガス高騰の要因は?>
『カーボンニュートラルとエネルギー危機』
https://youtu.be/tf9xUsE3_BA
実はこの絵がとても重要です↓
上流投資は2015年から急減しています。
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