2021年10月25日月曜日

 日本株市場は衆院選に恒大集団、郵政株売り出しなど細かい材料を
いちいちネタにされて「鉄火場」になっていますが(大倉キャプテン談)
現物市場は閑散、先物市場でCTAが売った買ったを
バタバタとやってるだけのようです。

※CTA=商品投資顧問 
商品のみならず通貨、株価指数先物など広範な金融商品に分散投資する
ヘッジファンドなど顧客から預かった金融資産を運用する企業や運用者

選挙が近いというのに
本筋の長期マネーが本格的に日本市場に入ってきていないのは残念ですが
急落したところは拾っておいたら年末に向けて育つのでは・・・・。

10/22 大倉たかしの「本音で言わせて!」
https://video.ibm.com/recorded/131065934

このところリスクとして材料にされがちな
デフォルト危機に陥っている中国恒大集団は
23日(日本時間24日)に期限を迎えるドル建て社債の利息
8350万ドル(約95億円)を支払った模様。

中国恒大、土壇場で8350万ドル社債利払い-流動性危機巡り急展開
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-22/R1CWWKT1UM0Z01

もし、恒大ネタを材料に売り込んだ向きがあるなら週明けは買い戻しが入る?

週明けからのマーケットで懸念材料があるとすれば
本格化する企業決算でしょうか。

米国株市場ではスナップチャットのスナップ(SNAP)が決算受けて急落。
アップルの新たなデータ収集制限とそれに伴うデジタル広告への影響で
7-9月売上高が予想下回り10-12月売上高見通しも予想に届かず。

スナップ株急落が業界全体に波及、時価総額1000億ドルが吹き飛ぶ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-22/R1DURTT0AFB401
スナップ社は24%下落で270億ドルが吹き飛び、
同社と同業他社時価総額は1000億ドル余り(11兆円くらい)も消失しています。
フェイスブック(FB)、アルファベット(GOOGL)、ツイッター(TWTR)など
広告依存型のインターネット企業が連想安を強いられました。

※SNAP 綺麗なアイランドリバーサルトップになりそう・・・

今週は米テック企業の決算発表が相次ぎます。

25日(月)FBフェイスブック、
26日(火)MSFTマイクロソフト GOOGLアルファベット TWTRツイッター
28日(金)AAPLアップル AMZNアマゾンドットコム

日本でも決算が本格化しますので
決算絡みでのボラティリティ上昇には注意しながら、
株は下落したところを丁寧に拾うスタンス・・・でしょうか。

22日には国際決済銀行のオンライン会合でパウエルFRB議長が
「供給制約と高インフレは従来の予想より長引く可能性が高く、
                2022年にかけて続くだろう」
「インフレが持続的に高進するリスクがあると判断すれば、
             確実にツールを活用する(利上げ)」
と発言したことで、米国の早期の利上げ開始予想が強まっています。

FedWatchを見てみると
22年6月のFOMCで1回以上の利上げがあるとする
金利の織り込みが61.4%にも上っています。

※6月FOMC

※12月のFOMCになると2回以上の利上げを織り込んでいることが確認できます。



一か月前の数字と比較すると、
急激に米国の利上げの可能性を市場が織り込み始めたことがわかります。

だからと言って利上げするかどうかはわかりませんよ。

パウエル議長も来年には高インフレが緩和される可能性があるため
まだ利上げすべきではないと繰り返していますので、インフレ次第ということか。

テーパリング開始の時機到来、利上げはまだ=パウエルFRB議長
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-idJPKBN2HC1UN

米国が早期利上げに踏み切る可能性が高まることは
一時的に株式市場の動揺をもたらすリスクにもなろうかと思いますが
市場金利はまだ年初高値を超えているわけでもなく、過度な心配は無用でしょう。
来週の11月FOMCではテーパリングについての道筋ははっきりと示されると
考えられますが、市場はテーパリングではなく利上げ時期を模索するフェーズに
入っていますのでFOMCから利上げが速まる可能性があるような話が出てこなければ
米株に波乱はないと思っています。

さて、為替市場。

28 日にECB理事会が。
前回の9月ECBで4四半期のパンデミック緊急購入枠(PEPP)におけるテーパリングを
決定しています。(ラガルド総裁はテーパリングではないと言っていますが)

というわけで今回のECBでは新たな決定事項はないとみられます。
ラガルド総裁は金融政策の転換に極めて慎重ですが
ECBの中でも随分意見が分かれているようえすよ。

ECBメンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁が20日
かなり大幅な物価上昇がみられる、と物価高を懸念する発言をしていますが
そういえばワイトマン・ドイツ連銀総裁が12/31で辞めると先週話題となりましたね。
インフレを警戒しており現在のECBのハト派スタンスが我慢ならなかった、と見えますが
タカ派のワイトマンが退任するならハト派色が強まるじゃないか、という話もあります。

米国に比べると欧州の利上げはかなり遅いだろうというのが
現状の中央銀行のスタンスなのですが、
しかし、足下では欧州各国の金利も上昇してきているので
動かぬ日本の金利を軸にユーロも買い戻しが旺盛なんでしょう。

※主要国長期債利回り

日本は利上げの可能性を論じる次元にありませんので(CPIから)
日本以外の国の金利引き上げの方が早いワケで、
これがこれから大きな円安のトレンドを作り出す可能性があるということですので
先週、クロス円ロングは手仕舞ってドテンショートしていますが
これもどこかで買い戻して、またロングを作るつもりではいます。

それは、値動き次第でいつになるかははっきりしませんが・・・

「コロナ緩和」転換点に 世界の中銀、供給制約に苦慮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB222Y80S1A021C2000000/
新興国はすでに利上げを急いでいます。。
「金利を上げなければ資本が流出しやすくなり、
通貨安でインフレが加速するおそれがあるため」

短期的には円ショートが1週間で随分積み上がりましたね。

※IMM通貨先物ポジション(投機筋ポジ・必ず反対売買によって決済される)

ポジションは
日経平均CFD27410円L
ユーロ円132.67円S
カナダ円92.28円S


※追記 
参院静岡選挙区補選 立民 国民推薦の山崎真之輔氏が初当選
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211024/k10013319991000.html

静岡補選、自民党落したんですね。
山口選挙区の補選は自民党北村氏に当確出ていますので
一勝一敗ではありますが、
静岡は岸田首相が2回も応援に入っての敗北。

これを売りの材料にして株を売る向きがあると嫌ですね。

岸田さんじゃ勝てない、というムードが醸成されると
30日の衆院選に向けて不安が募るばかり・・・
*********今週の予定************

25日(月)
ドイツIFO景況感指数(10月)予想98.0、前月98.8

26日(火)
米ケースシラー住宅価格指数(8月)前年同月比、予想+20.0% 前月+20.0%
新築住宅販売(9月)年率換算、予想756千戸 前月740千戸
米消費者信頼感指数(10月)予想108.5、前月109.3
米リッチモンド連銀製造業指数(10月)予想5、前月▲3
EUエネルギー危機巡る臨時会合

27日(水)
中国工業企業利益(9月)
豪州消費者物価指数(第3四半期)
ドイツGFK消費者信頼感(10月)予想+4.4%、前月+4.1%
米耐久財受注(9月)予想▲1.0%、前月+1.8%、除く輸送機器予想+0.4%、前月+0.2%
◎カナダ中銀政策金利

28日(木)
◎日銀政策金利・黒田日銀総裁、記者会見
◎ECB政策金利・ラガルドECB総裁、記者会見
◎米GDP速報値(第3四半期)前期比年率、予想+2.7%、前期+6.7%
EU財務相非公式会合

29日(金)
日本雇用統計(9月)
豪州生産者物価指数(第3四半期)
ドイツGDP速報値(第3四半期)前期比、予想+2.1%、前期+1.6%
ユーロ圏GDP速報値(第3四半期)予想+2.1% 前期+2.2%
◎ユーロ圏消費者物価指数(9月)前年同月比 予想+3.7% 前月+3.4%
米個人所得・消費支出(9月)前月比、予想▲0.2%・+0.6%、前月+0.2%・+0.8%
米消費支出価格指数(9月)前年同月比、予想+4.4% 前月+4.3%

30日(土)
G20首脳会議(31日まで)

31日(日)
衆院選投開票
中国製造業PMI・非製造業PMI(10月)
COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)開催(12日まで)
欧州時間は夏時間終了、冬時間へ移行

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