2022年1月7日金曜日

 1・12月FOMC議事録議事録でマーケット大波乱
2・ドイツCPI、12月は前年比+5.7% 6カ月ぶり伸び率鈍化
3・読めなくなってきた今週の米雇用統計
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1・FRB、早期利上げ・資産縮小に前向き FOMC議事要旨
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05D0W0V00C22A1000000/
・利上げ開始に必要な最大雇用は比較的速く達成可能
・従来想定より早期に速いペースでの利上げの可能性
・利上げ開始後しばらくして保有資産の縮小も(バランスシート縮小)
・資産縮小は前回の正常化より速く

12月FOMCではテーパリングの加速(3月までにテーパリング終了へ強化)が
決められたこともあって注目度が高かったFOMCでしたが、
その議事録を確認するイベント。
カ派的内容になりそうだ、という事前観測もありすでに
米債券市場での金利上昇という形で織り込まれてはいましたが、
それにしてもQT(バランスシート縮小)の議論にまで
かなり踏み込んでいたとは。

  中央銀行ができる金融緩和政策は、
  1・政策金利を調整する=利下げ 
  2・量的緩和
         (国債などの債券を中央銀行が購入しその代金を市中の銀行に
    支払うことで市場に大量の資金を供給する
     =中央銀行には国債などの資産が積み上がる⇒バランスシート拡大)

すでにFRBは昨年11月から2の量的緩和政策において
国債などの資産の買い入れ量を減らしており(テーパリング開始)
その量を更に減らすターボテーパリングが
わずか1ヶ月後の12月に決定されたところでした。
  
そしてその12月のFOMCではターボテーパリングだけでなく、
FOMCメンバーの金利見通しが22年年3回と
かなりのハイペースで利上げを予想する見方となっていたことに
驚きがありましたが、加えてバランスシート縮小の議論にまで
かなり踏み込んでいた、
(文面から見るに年内には開始、しかも早いピッチで縮小させそう・・・
 一部エコノミストは6月か7月にもバランスシート縮小を開始すると予想)
というのがさらなる驚きだった、ということでしょうか。
株の下落はややサプライズだったことを表しています。

バランスシートの縮小(QT)とは、FRBが買い入れて溜め込んだ債券などの資産を
いよいよ市場に売却する、ということです。
これまで中央銀行に積み上がって市場から吸収されていた国債などの資産が
市場に放たれるわけですから、債券流通量が増え、債券市場の需給が悪化しますね。
つまり債券売りにつながる=債券価格低下=金利上昇なわけですが
これは、逆説的にいうと市場にあふれていたマネーが
いよいよ減らされていくということでもあります。  
中央銀行が債券などの資産を売る代わりに市場からその代金を受け取るわけですから。

米金利先物市場では最速で3月の利上げ開始で、
年4回の利上げを織り込み始めています。これでドル高が加速。

※米債券市場利回り一覧 どの年限もさらに上昇

10年債利回りは去年21年3月の水準を超えそうですね。

金利は上がるし、市場に流通する資金量は減るし、、、となってくると
借り入れしてリスクを取る投資家が減ります。
これが引き締めによる逆流の姿ですが、
特に金利上昇はグロース銘柄の時代の終焉を示すとも言われていますが
ナスダック総合指数の下落が大きくなっているのはそういうことね。
ただ一夜明けて米株市場をながめてみると、米株全般さほど崩れていないですよね。
ここまでタカ派色が強まってもまだ買う向きがあるんですねぇ・・・。

※米株主要インデックス一覧

高値奪還して最高値更新できるような環境じゃなくなっていくと思うんですけどね。

今夜はISM非製造業景況感指数が予想を下回りややドル売りに。

・米・12月ISM非製造業景況指数:62.0(予想:67.0、11月:69.1)
・米・11月耐久財受注改定値:前月比+2.6%(予想:+2.5%、速報値:+2.5%)

■割りを食うのはいつも日本株市場。

6日(木)日経平均は 28487.87(▼844.29)

チャート的にレジスタンスラインを超えられるかが焦点、としていましたが
見事に叩き落されましたね。売っておけばよかった・・・・・
何もしていなかった・・・。

2・EU基準ドイツCPI、12月は前年比+5.7% 6カ月ぶり伸び率鈍化
https://jp.reuters.com/article/germany-economy-inflation-idJPKBN2JG1AR
・11月は6%上昇し集計が始まった1997年1月以降で最大の上昇率だった
・政府関係者や中央銀行の政策担当者~今後数カ月間でインフレ率は一段と鈍化すると予想

インフレが鈍化していくなら
ECBが追い詰められて突如タカ派転換する可能性が低下します。
ECBのタカ派転換によるユーロの急騰は今年のサプライズ予想として
一般的に成りつつありましたが、
その可能性はあまり大きくないかも、ということです。
つまりユーロ高にかけてドル売りユーロ買いしていてもあまり妙味はない。

3・明日米雇用統計 オミクロン拡大でどうなる?

あれれ米新規失業保険申請件数、上昇してきましたよ。
新規失業保険申請件数20.7万件に増加、コロナ拡大で改善反転の恐れ
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-idJPKBN2JG177

昨日発表のADP雇用指数は
予想を上回る +80.7万人(予想+40マン)と好結果でしたが。

というわけで明日の本ちゃん雇用統計が
どうでてくるか読みにくくなってきました。
今の所の混戦作は
NFP非農業部門雇用者数は +40万人、
失業率は4.1%に改善することが予想されています。

ポジションですがドル円ドル円115.43円Lは継続。
結局昨日は議事録後トレードせずに寝てしまって
今日になって、こりゃドル高が続くな、と考えキウイドルをショートしてみました。
コスト0.6785ドル。クロス円はドル円が崩れないことには・・・。
素直にドルストレート通貨でドル買いするのがよさそうです。

ユーロはあまりに膠着して動かないので様子見。
 

今週の【ひろこのウィークリーゴールド】
マーケットエッジ代表 小菅努氏が解説!

<2022年のゴールド相場を予測:入門編>
『FRB利上げの論理と現実』
https://youtu.be/-WzizlhVGrI

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