2022年1月10日月曜日

1・米長期金利一時1.8%台へコロナショック後の高値更新
2・米国、3月利上げ観測強まる、OIS織り込み88%へ
  (ところが週明けからどる
3・長期金利上昇は主要国全てにおける現象
4・カザフスタン抗議活動の影響でBTC急落
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1・米10年債利回り上昇、昨年のピークを上回る-雇用統計で債券売り加速
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-07/R5CNXYDWX2PS01
週明け、月曜には長期債利回りが一時1.8%台へ上昇しています。

長期金利上昇は雇用統計で、というより先週水曜に発表された
12月分のFOMC議事録議事録にてQTの議論が闊達に行われていたことによって
加速した側面が大きいと思われますが、12月分の雇用統計の数字は
3月の利上げ開始をより正当化させる内容でした。

NFP非農業部門雇用者数は予想を下回りましたがもはやそんなの関係ない。
FRB(とバイデン政権)が慌てて抑え込みたいのはインフレです。
平均時給も強かった、そして失業率も一気に4%を割り込んでいます。

米雇用統計:失業率3.9%に低下、賃金急増-利上げ圧力強まる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-07/R5CDMET0AFB401?srnd=cojp-v2
・失業率は3.9%に低下-前月4.2%
・平均時給は予想を上回る伸び/前月比+0.6%/前年同月比+4.7%(予想+4.2%)
・非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比19万9000人増

市場金利の上昇が加速していますが、
株式市場はこの金利上昇のスピードにビビっています。

S&P500種、週間で1.9%安-2016年以来の軟調な第1週
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-07/R5CO4BT1UM0W01
・S&P500種株価指数は週間で1.9%安となり、2016年より後で最悪の年明け

※米主要株価インデックス 特にグロース銘柄ナスダックに注目です


そして女性版ウォーレンバフェットとして注目されたキャシーウッド率いる
ARK社の代表ETFである「ARKK」ARKイノベーションETFのチャートが・・・。
※ARKK

ARKKは「破壊的イノベーション」をテーマに世界の働き方を劇的に変える
可能性のある企業を組み入れたETFでTeslaを筆頭にDNA技術、ロボティクス、
エネルギー貯蔵、人工知能、フィンテックなどの銘柄で構成されています。
TSLA/ROKU/TDOC/ZM/COIN/U/SPOT/    TWLO/EXAS/PATH・・・・
これらグロース銘柄は金利上昇に弱いということで、バリュー銘柄の時代です。
金融とかエネルギーなどのセクターです。

くりぼうず @kuriboze9 さんのツイート
https://twitter.com/kuriboze9/status/1479803683034796032
「グロース・バリュー比率」
=「TOPIX500グロース」÷「TOPIX500バリュー」
えらい急激にバリュー株優位が進んでいる。

これは日本株においても一緒ってことね。

インデックス投資より個別銘柄でバリュー銘柄を物色したほうがいいでしょう。
金利急上昇では株式の何もかもが下がるフェーズもあるかと思いますが
そのときに、銀行・保険・石油などのセクターをコツコツ拾うという感じかな。
マザーズはまだまだダメです。
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2・米利上げ、3月開始の見方が急速に強まる-JPモルガンなど予想変更
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-07/R5CS4GT0G1KW01
・失業率が3.9%に低下したことを受け、利上げ開始時期の予想を3月に変更

ブラード総裁、「3月に利上げ開始可能」-次はバランスシート縮小
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-06/R5AY1OT0G1KW01
3月利上げはほぼ正当化されただけでなく、バランスシート縮小も早まりそう~

ここからは、金利上昇のピッチが早すぎて株が崩れていくリスクに注意。
FRB(とバイデン政権)はインフレを抑制するのが急務としているようですので
株「資産価格)が多少下がることは厭わないスタンスかと思いますので
多少の株の下落に動揺してタカ派的スタンスが緩むことはないのでしょう。
株下落の程度にもよりますが・・・・
ある程度の下落は容認していくものと考えています。

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3・長期金利上昇は米国だけの現象ではありません。

主要国の長期債利回りも軒並み上昇

もちろん影響力の大きい米国金利上昇が牽引しているのですが
日本の金利にまで上昇圧力が強まっているのをみると
債券の時代の終焉、金利上昇の時代に入ったのだなぁと思います。
ただ日本はYCC政策で長期金利をゼロ近傍に固定していますので
金利上昇圧力が強まれば、国債購入額が増えるということに繋がりますので
自然と緩和強化となりますね。
世界の金利上昇でもゼロ近傍から大きく離れることはない、ということですから、
他国との金利差から円安が加速しやすい地合いとなるということですが、
円の実質実効為替レートからみた円の水準は50年ぶりの安値とか。

円の実質実効レートが50年来の安値、一段安へ=JPモルガン
https://jp.reuters.com/article/japan-markets-yen-jpmorgan-idJPKBN2JH01K
総合的な円の実力を示す実質実効為替レート(REER)は過去50年間で最安値
~1972年6月以来の安値

JPモルガンは長期金利が6月末までに2%に達する予想をたて
ドル円相場は119円台に乗せる可能性があるとしていますが、
果たしてこのまま円安が継続するのか・・・。

今の所日銀審議員人事のサプライズくらいしか
円高要因はなさそうですけれど、
株の下落時にはやや円買いになるとは思っています。
(※22年7月に2名の審議員が入れ替わります。まだ人事発表はありませんが)
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4・BTCが急落、カザフスタンデモによる影響とは・・・

※BTC日足

ビットコインが4万ドル台に急落…採掘拠点カザフスタンのネット遮断で=韓国報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/45dd3b322549768083c5537ae496367853808e7e
デモの影響でカザフスタン政府インターネット遮断 
⇒マイニング業者の15%が稼働不可能に
~ハッシュレート(採掘速度)も10%急落
(全世界のハッシュレートでカザフスタンが占める割合は約18.1%、
 米国に続き2位のシェア)

2021年、中国国内でビットコインのマイニングが禁止されたことで
中国のマイニング業者は電力の安いカザフスタンに集まっていたようですね。
なんとカザフスタンの電力消費の10%程度がマイニングによるものという指摘も。

今回の燃料価格値上げは政府の市場経済拡大の一環で
液化石油ガス(LPG)の価格が自由化されたことが発端ですが、
市場取引価格に移行する過程でLPG価格は2倍に跳ね上がってしまったため
暴動発生したわけで、この自由化は失敗だったわけですね。
そして自由化された途端に価格が急騰してしまった背景には
マイニング業者の影響などもある、ってことなんでしょうか?
そのへんは定かではありませんが、暴動発生で政府が
インターネットを遮断したことでBTCが急落してしまったようです。

ただ、暴動のきっかけはLPG価格の急騰であったかもしれませんが
その根底には超富裕層であるナザルバエフ一族への反発があるとの報道が多いですね。

What is behind the protests rocking Kazakhstan?
カザフスタンで起きている抗議活動の背景には何があるのか?
https://www.aljazeera.com/news/2022/1/5/explainer-what-is-behind-the-protests-rocking-kazakhstan
LPG(液化石油ガス)の価格が2倍になったことに抗議するデモ

政府は火曜日に燃料価格を値上げ前よりもさらに低い水準に引き下げることを発表
トカエフ大統領が内閣を解任

デモは収まらず

ナザルバエフ一族の支配による反発が本質であろう

As Kazakhstan burns over inequality, the elite’s wealth is safe and sound in London
https://www.opendemocracy.net/en/odr/-kazakhstan-burns-elites-wealth-safe-in-london/
カザフスタンでは2019年の段階で
ナザルバエフ一族とそれに連なる162人が国富の50%を独占

「長年にわたり、カザフスタンの人々はこれらのライフスタイルを知るようになり、それが積み重なって巨大な憤りを生み出しているのです」

そうえいえば、カザフスタンって原油の生産国でもあります。

Kazakhstan unrest triggers oil price hike; uranium less affected
https://www.dailysabah.com/business/energy/kazakhstan-unrest-triggers-oil-price-hike-uranium-less-affected
カザフスタンの騒動で原油価格が上昇、ウランは影響なし
・カザフスタンは中央アジア最大の石油生産国で、世界の確認埋蔵量の12%占める
・2020年の生産量は日量約180万バレル
・OPEC+の上位産油国グループの中ではロシアに次ぐ第2位の産油国
・現時点では石油生産に深刻な影響が出ているという兆候は見られない
・金曜日の時点では、カザフスタンの上位3つの油田の生産は「継続している」

・オーストラリアに次いで世界第2位のウラン埋蔵量、世界の生産量の40%を占める
・ウラン輸出の半分以上は中国向け

先週の暴動が原油価格を押し上げる材料にもなっているようですね。

米シェブロン、カザフの油田で減産 抗議デモで
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06DN20W2A100C2000000/
・生産を続けているものの、物流の問題により一時的な調整をしている

生産に影響はないようですが、物流に影響が出ている模様。
ただ、週末は金利上昇が加速したこともあって原油先物価格は利食いが旺盛となり
反落して1週間を終えていますが、、、、

原油価格はカザフスタンだけが買い材料ではありません。

Crude oil prices jump to $80 per barrel as OPEC+ sticks with February output hike
OPEC+が2月の増産を堅持、原油価格は80ドルに急上昇
https://www.thehindu.com/news/international/crude-oil-prices-jump-to-80-per-barrel-as-opec-sticks-with-february-output-hike/article38122061.ece
リビアの生産量は今後数週間で約50万〜60万B/D減少する可能性が高く、
毎月予定されているOPEC+の生産量増加を相殺する以上の効果がある。

リビアの国営石油会社は土曜日、主要パイプラインのメンテナンスのため、
1週間にわたり石油生産量を20万B/D減少させると発表。
2週間前に民兵がシャララ油田とワファ油田の操業を
妨害したことによる混乱に加えてのこと。

原油は下値は固いと思いますが
金利が上昇してきているので投機筋はリスクを減らすフェーズにあることから
一度下げる局面がないと買いたくないかな。。。
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ドル円115.43円Lは115.50円で手仕舞い。
東京時間にはドル円上昇クロス円上昇となっていたのですが
欧州時間から円買いが旺盛となってきました。

FOMC議事録、雇用統計と材料をこなし長期金利は
1.8%まで正月明けからたったの1週間で18%?も上昇ってやや早すぎ。
つまり、一呼吸ほしいところなんでしょう、、、多分。

今週は12日水曜に米12月CPI、14日㈮に小売売上高が発表されますので
また金利も大きく動く可能性はあるのですが、、、

ドル円相場、115.609円で売り参戦してみました。
キウイドル0.6785ドルは継続ですが
キウイも売ってみました、コスト78.32円。

先週の【ひろこのウィークリーゴールド】
マーケットエッジ代表 小菅努氏が解説!

<2022年のゴールド相場を予測:入門編>
『FRB利上げの論理と現実』
https://youtu.be/-WzizlhVGrI

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