2022年4月4日月曜日

 1・日銀短観、気がかりは慎重となった設備投資
2・4/4東証市場再編
3・米雇用統計、労働市場は堅調
4・ダウ輸送株の急落~アマゾン労組誕生嫌気?
5・原油は三角持ち合いを保てるか~小麦などは下落基調
--------------------------------------------------
1・日銀短観(3月)7期ぶりの悪化
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2203.pdf
・大企業製造業の業況判断指数(DI) 結果14 ← 18(前回)
・大企業非製造業 9 ← 9
・設備投資計画 +2.2% ← +9.3%
・3か月後見通し 大企業製造業 ▼5、非製造業▼2 先行きも悪化
・想定為替レート ドル円 111.93円 ユーロ円 128.18円
 
まん延防止等重点措置が解除されて経済回復が期待される時期に
ロシア/ウクライナ有事=資源高が企業のマインドを冷やしてしまっています。
原材料価格高騰がどの程度長期化するのかも不透明となる中、
新冷戦構造も海外への設備投資を縮小させてしまうと考えられ
これが長期的に日本経済の発展、成長を足踏みさせるリスクか。

3月はドル円上昇も支援材料となって日本株が急反騰となりましたが
バリュエーション修正が済んだ後のさらなる株価上昇の期待は
あまり高くなさそうな予感。。。
日経平均CFD28004円Sは継続です。

2・東証再編。“1部”は消え、プライム・スタンダード・グロースの3市場に
https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1399120.html
・プ ラ イ ム :グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業
        (株主数800人以上、流通株式時価総額100億円以上)
・スタンダード:十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業
        (400人以上、10億円以上)
・グ ロ ー ス :高い成長可能性を有する企業
        (150人以上、5億円以上)   
・TOPIX(東証株価指数)は、2025年1月末まで段階的に見直しを予定
 ~流通株の時価総額が100億円未満の企業は除外される
・東証第2部株価指数、JASDAQ INDEXは廃止
・マザーズ指数は残る(市場は消滅しますが。。。)
・東証プライム市場指数、東証スタンダード市場指数、東証グロース市場指数が開始
 (終値算出、ザラバで値動きはなし)

明日4/4から市場再編指導となりますが、
日本株市場全般にどのような変化をもたらすのかは予測できません。

上場維持基準に適合していない企業が296社あり、
基準クリアに向け計画書を開示すればプライム市場に移行できる猶予が
与えられていますが、これら企業はプライムに残るための企業努力必至、
ということでむしろ買い妙味が高いと見る投資家もあります。
もちろん選別の目は必要でしょうけれど。

ミクロの動きは予想できませんが、
マクロ環境から見れば、3月のドル円上昇に牽引されて
日本株は大きく上昇しました。
ドル円相場の上昇が止まったのであれば
日本株の上昇も一服、ということになりますが、
ドル円相場、どの程度の値幅と時間軸で調整があるのかがポイントか。
その意味では今、相関性が強い米金利動向も重要となってきます。

3・3月雇用統計堅調もイールドフラットニング更に進む

・非農業部門雇用者数:43.1万人(予想 49.0万人 前回75.0万人←67.8万人)
・失業率:3.6%(予想 3.7% 前回 3.8%)
・平均時給(前月比)0.4%(予想 0.4% 前回 0.1%)
・平均時給(前年比)5.6%(予想 5.5% 前回 5.2%(5.1%から修正)
・労働参加率は62.4%
 
NFPは予想に満たなかったものの、失業率は予想以上に低下、
賃金上昇も続いていることが改めて確認され、
米金融当局の引き締め加速が正当化されるor加速を求める声の高まりが
予想される内容となりました。
ということで、その後のFRB高官らのタカ派発言。

SF連銀総裁、5月会合での0.5ポイント利上げの論拠強まる-FT
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-03/R9RMZXT1UM0W01
NY連銀総裁、一連の利上げ通じ中立金利に到達へ-インフレ抑制で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-03/R9RMZXT1UM0W01

⬇短期金利はご覧の上昇です。
※米国債券利回り一覧


なんと20~30年金利より3年金利が高い事態に。
というか、長短金利が2.3~2.6%に集約してしまっており金利差がなくなっています。
これをイールドのフラットニングといいますが、
1年前と比較してください。長短金利差が横になている=フラット化していますね。

このような事象が確認されたからと言ってすぐに
景気後退がもたらされるというわけではないのですが、、、
1年~1年半後にはもれなく景気後退局面が訪れる経験則がありますので
それがわかっていながら利上げを急がねばならないというのは
本来あまり歓迎されることではないんですよね。

金利上昇下で散々な成績のARKインベストキャシーウッドは
このように述べています。

キャシー・ウッド氏、米金融当局の利上げは誤りとツイート
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-03/R9QWW1T0AFB401

話がそれました。ドル円です。
米短期金利上昇が止まらなければ、ドル円もつれ高となる可能性が・・・
4月に入れば3月の特珠玉の影響が消えてもっと下がるかと思ったのですが
雇用統計受けての金利上昇で反発してきました。

※ドル円

フィボナッチの38.2%押しの水準で反発しちゃっていて、
これで調整完了の可能性もあるチャート形状です。
米金利上昇が続けばこのまま上がっていくかもしれませんが、
果たして金利上昇が続くのかはわかりません。
1ヶ月で10円も上がった相場ですので流石にレンジ形成となると見ていますが、さて。

レンジは私が苦手とする相場。
ドル円122.24円Sはコストで撤退。
レンジを見極め、ブレイクの好機を待ちます。

4・ダウ輸送株、急落

理由はわかりません。
色々探っていると、このニュースが気になりますね。

アマゾン、米国初の労組結成 NY施設従業員が可決
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6422697

この件、去年は投票の結果労組結成が否決されていたんですよね。
⬇これは1年前、21年の記事。

「10時間で休憩30分だけ」 
米アマゾンで初めての労働組合結成の動き佳境に 倉庫労働者が窮状訴える
https://www.tokyo-np.co.jp/article/93799 【2021年3月26日】
焦点:アマゾン労組結成、複合要因で圧倒的な敗北【2021/04/12 】
https://jp.reuters.com/article/analysis-amazon-union-idJPKBN2BZ0TC

⬇そして8月には投票のやり直し勧告が。

アマゾン労組結成投票やり直し勧告を受ける
https://toyokeizai.net/articles/-/445524【2021/08/04】
⬇去年12月に起きた竜巻アマゾン倉庫直撃でアマゾン従業員が命を失った事件。
これも流れを大きく変えるきっかけとなったのかもしれません。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-59646785

なぜこれでダウ輸送株が下がった可能性があるかというと、、、

誕生したアマゾン労働組合は
18ドル強から30ドルへの最低時給引き上げや
休憩時間の延長など労働条件の改善を掲げており
これに応えない場合はストライキなどの可能性もある?

今回可決されたのはNYの物流施設の労組ですが
アラバマ州ベッセマーの物流施設でも再投票の開票が進められていると
言うことで、この流れが広がっていくものと考えられます。

ストなどがなかったとしても、労組の要求にアマゾンが応えるとなれば
労働者の賃金上昇➡物流コスト上昇➡消費を冷やす結果に?

ということを織り込んだと見るのは早計か?
ともかく、ダウ輸送株は景気の先行指数とされる側面もありますので
今後の値動きを注意深く追っていく必要がありそう。

5・原油、小麦などコモディティ

WTI原油
小麦
コモディティがこのまま下落基調を強め、インフレ期待が低下すれば
ドル金利上昇も一服し、ドル円も下がってくるか?
特に原油は三角持ち合いのサポートラインをテスト。
ここを下抜けると意外とインフレのピークアウトが意識される相場と
なるかもしれません。

今週の主な予定
4日(月)
東証再編
ベイリー英中銀総裁、講演
ユーロ圏財務相会合

5日(火)
■RBA豪中銀政策金利
~豪州のインフレ率は昨年第4四半期時点で前年比2.6%で
 インフレターゲットの範囲(2-3%)内に収まっていることから
 今回の利上げ観測は強くありません。利上げは夏頃になるとの予想が大勢。
 
米ISM非製造業景気指数(3月)
ブレイナードFRB理事、講演
EU財務相理事会

6日(水)
米FOMC議事録(3月15日-16日開催分)
米下院エネルギー商業委員会、ガソリン価格に関する公聴会開催
「ビットコイン2022」(マイアミ、9日まで)

7日(木)
日本景気動向指数(2月)
野口日銀審議委員、講演
ECB議事録(3月開催分)
セントルイス連銀総裁、講演
アトランタ連銀総裁、講演

8日(金)
カナダ雇用統計(3月)
ロシアGDP(第4四半期)

10日(日)
仏大統領選第1回投票
日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社