2022年7月11日月曜日

 安倍元総理死去、大変ショックです。
言葉が見つからないのですが、
深い悲しみと同時に悔しいという感情を覚えるのは
私だけではないだろうと思います。
やり残したことがたくさんあっただろうと無念でなりません。

安倍元総理が取り戻したかった日本、美しい国日本を実現できるよう
努めて行きたいと思います。心よりご冥福をお祈りします。

1・米金利再上昇、今週6月CPIに注目
2・参院選、与党改選過半数獲得(自民、単独過半数には届かず)
3・NZ,カナダが今週利上げ見込み
4・米バイデン大統領、サウジ皇太子と会談予定
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1・米金利再上昇、今週6月CPIに注目

米金利が再び上昇してきました。

インフレ抑制のためのFRBによる利上げが
景気後退をもたらすリスクから、市場では来年の利下げを織り込み始めた
ための金利低下などと解説されましたが(2年10年が逆イールドですし)
日々の株や金利の上下動全てに 確固たる理由があるわけではありませんので。
6月上半期末~7月下半期スタートという時期でしたので
リバランスやファンドの解約などの需給があっただけかもしれません。

この金利上昇も6/14につけた前回の高値を早晩超えられるかがポイント。

少なくとも先週末金曜日の6月雇用統計の結果は
ドルにはマイナスではなかったようです。

◆6月雇用統計
N F P  +37.2万人(予想+26.4万人 前回+38.4万人)
失業率  3.6%(予想 3.6% 前回 3.6%)
平均時給 前月比+0.3%(予想+0.3% 前回+0.4%(0.3%から修正)
平均時給 前年比+5.1%(予想+5.0% 前回+5.3%(5.2%から修正)

NFP、平均時給など予想が低めだったため、
実際の数字は先月よりは弱かったものの、予想を超える数字だったために
ドルにはポジティブに反応したようです。

今週はマーケットの最大の関心事である消費者物価指数が発表されます。

6月米CPI(消費者物価指数)市場予想は前年比+8.8%
先月+8.6%からさらに上昇見込み。
コアの前年比は5.8%と前回から鈍化見込み。

全米ガソリン販売価格平均が5月から6月にかけて1割程度上昇しており
これがCPIを押し上げると見られているようです。
5月1ガロン4.444ドル➡6月4.929ドル(+10.9%)

エネルギー高がCPIを更に押し上げているだけで
コアCPIが鈍化した場合、金利がどう反応するかが難しいですが、
初動は予想の8.8%増を基準にそれより高いか低いかで反応するのでは。

CPIは13日(水)21:30に発表されます。

2・参院選、与党改選過半数獲得(自民、単独過半数には届かず)


事前予想との乖離も大きくないためマーケットへの影響は軽微とみますが
これで岸田政権が長期政権となることが見込まれるわけで
岸田首相の金融、経済へのスタンスが更に影響力を持つことが
吉と出るか凶と出るか、、、。

アベノミクスを継承する意志を示していましたが
それが変わることはないのか。
選挙イベント通過で、あらゆる物事が動き出すと考えられ
岸田首相の本音がいよいよ具現化していきます。

税制、財政規律、日銀総裁人事などで、新しい資本主義の信念から
市場にネガティブとなる政策を取り入れることがなければいいですが、
その点はやや不安です。

この嫌な予感はマーケット関係者の多くが共有しているものと思われ、
為替市場では円高のリスク、それにともなって株安リスク警戒。
明日すぐに、ということではありません。
そういう発言が飛び出したら、ということです。

基本、これから始まる企業決算発表では円安享受企業に注目。
想定為替レート平均からかなり円安になっていますので
日本株は上値が軽くなっていく時期かと思っています。

ドル円は基本、米金利次第。
岸田首相の不用意な発言がなければ。。。


3・NZ,カナダが今週さらなる利上げ発表見込み

◆RBNZ(NZドル準備銀行)13日(水)

 
2021年8月に0.25%だった金利を22年5月には2%まで引き上げています。
利上げは昨年10月から5会合連続。
今回も0.5%の利上げが予想されています。
つまり2.5%までNZドルの政策金利は上がることになります。

対して米国の金利は1.75%。7月に0.5%の利上げが見込まれていますので
今月利上げで2.25%、NZの政策金利より低いのですが
それでもNZドル/米ドルをみるとNZドルドルの下落トレンドが続いています。

というのも、景気が良くない。

NZドルのGDP成長率 Q1は▼0.2%


6月消費者信頼感指数 過去最低に

NZ住宅価格 6月末、前四半期比2.3%減(2009年以来最大の四半期下落幅)
3ヶ月連続の下落

エコノミストは、NZ住宅価格は今年10%程度下落し、
2023年にはさらに下落すると予測している。

この住宅市場の動揺と景気の悪化はRBNZがタカ派からハト派シフトする日が
近いのではないかという指摘にもつながっているようです。

今月の利上げとともに声明が今後の利上げに関してタカ派色を弱めるか、
あるいは今月はまだタカ派スタンスを維持し8月の会合でスタンスを変えるか?
8月の政策決定会合では、最新の経済見通しが発表されるため、
政策スタンス変更はこの時に併せて行われると考えるのが常道。
今週17日(日)にQ2のCPIが発表されるので(NZドルは四半期に1度)
その数字を見る前にハト派的メッセージを市場に送ることはないと
考えていますが、NZのスタンスが変わるタイミングが近いというのは
メルクマールとして他市場へ影響するかもしれないので注目度は高いのです。

というのも、今や世界の中央銀行の常識となった「インフレターゲット」政策は
1990年にNZが最初に導入したもので、RBNZは金融政策の先駆者でもあるのです。

コロナ禍、G10で最初に政策金利を2%以上にまで引き上げており、
現在の長期債利回りが最も高いのは今回の利上げの先駆者であるNZです。

そのNZが、景気に配慮しハト派化することがあれば
これに世界の中央銀行も倣うことになるのでは?との観測が広がる可能性が。

すでに、利上げの先駆者であるNZの長期金利は上がらなくなってきています。
今週の政策金利発表前後でNZドルが上昇することがあれば追随売りかな。

※主要国長期債利回り一覧


◆カナダ中銀 金融政策決定会合(13日(水)

市場は0.75%の利上げ予想、一部には今回1.0%利上げを見る向きもあるようです。
さらに9月0.5%利上げ予想。かなりタカ派ですね。
22年10月~年末までに3.25%まで引き上げると見られています。
つまり、NZより政策金利は高くなる公算。

カナダのインフレ率は+7.7%

6月平均時給は前年比+5.2%、失業率は4.9%で4カ月連続で過去最低を更新。
GDPも決して強くはないですが、22年はマイナスにはなっていませんね。

雇用、景気はしっかりしているため高いインフレを抑える政策優先。
カナダドルは素直に上がっていく事が考えられます。
クロス円のほうがいいかな。
米ドルも強いので。

4・中東とアフリカでの米国の影響力低下とバイデン外交
https://www.spf.org/jpus-insights/spf-america-monitor/spf-america-monitor-document-detail_118.html
バイデン大統領は~7月13日から16日までの4日間の日程で中東諸国を歴訪。
~サウジを訪問してMBS皇太子とも関係修復を図ると考えられる。

しかし、サウジの人権侵害に目をつぶり、国内政治や地政学を優先して、
イスラエルとサウジに接近するという姿勢転換は、
トランプ前政権時代に戻るという批判を受けるため、
バイデン政権は今回の中東歴訪について、
原油価格の安定という目的を前面には出さないようにしている。
しかしその動機と政策転換は明らかといえる。

原油価格の安定のために、人権問題と脱炭素で切り捨てていたサウジとの関係修復を、
というのがバイデン大統領の本音。
MBS皇太子もようやく会うことを承諾したようですが
相応のお土産がないことには原油価格の安定=増産協力は得られないと思いますが
何が出てくるか。場合によっては原油価格の急落、急騰もありそうですので
バイデン大統領とMBSが皇太子会談のニュースには注目です。

◆ポジション
ポンド円164.99円S
ユーロ円142.22円S
ユーロドル1.0439ドルS 
キウイドル0.6226ドルS ポジション全て継続

ポンド円、ユーロ円Sはドル円の三角持ち合いが
どちらに抜けるかが重要ですが、
米CPIが強くドル円が上抜けするとクロス円も強含むでしょうから、
週初には手仕舞っておいたほうがいいかも、、、と考えています。

RBNZ前後の高値を売りたいと考えていますが
キウイはコストにストップをおいておきます。

※※今週の予定※※

7/11(月)
・6月マネーストック(8:50)/5月機械受注(8:50)
・日銀支店長会議で黒田総裁挨拶
・地域経済報告(さくらレポート)/エルニーニョ監視速報
・NY連銀総裁、講演
・ユーロ圏財務相会合

12(火)
・インド 6月消費者物価(21:00)
・独 7月 ZEW 景況感指数(18:00)
・ベイリー英中銀総裁、講演

13(水)
・中国 6月貿易収支
・NZ準備銀行 金融政策決定会合
・カナダ中銀 金融政策決定会合
・米 6月消費者物価(21:30)
・米 6月財政収支(14日 3:00)
・ベージュブック(米地区連銀経済報告)(14日 3:00)
・バイデン大統領、中東各国を歴訪(〜16日)

14(木)
・米 6月生産者物価(21:30)

15(金)
・5月第三次産業活動指数(13:30)
・中国 6月工業生産、4-6月期 GDP、6月小売売上高(11:00)
・米 7月 NY 連銀製造業景気指数(21:30)
・米 6月小売売上高(21:30)
・米 6月輸出入物価(21:30)
・米 6月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
・米 7月ミシガン大学消費者マインド指数(23:00)
・G20 財務相・中央銀行総裁会議(〜16日インドネシア・バリ)

先週のひろこのウィークリーゴールドは
マーケットエッジ代表  小菅努さん。

<金価格は夏に上昇し易いアノマリー>
『G7 ロシア産ゴールドの禁輸で、どうなる金市場?』
https://youtu.be/oUHeqqfnUUA
G7でロシア産金の禁輸が決定
ロシアは世界第3位の金生産国。さて金市場に及ぼす影響は・・・?

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