2022年8月17日水曜日

 1・誰が米株を買っているのか?
2・原油下落基調強める背景にイラン核合意再建期待

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1・誰が米株を買っているのか?

1)原油高で潤ったサウジアラビアの政府系ファンド

コロナ禍の需給ひっ迫とロシアのウクライナ侵攻などのリスクプレミアムから
22年原油価格は大きく高騰しましたが、これで潤うのが産油国。

サウジ国営石油会社、第2四半期利益が6兆円超 上場来最高
https://www.bbc.com/japanese/62544952
・サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの第2四半期の利益
 前年同期比90%増の484億ドル(約6兆5000億円)
 
サウジ、原油高で儲かってます。
そして今日のロイターが報じたニュース。

Saudi PIF buys shares in Alphabet, Zoom and Microsoft in U.S. shopping spree
(サウジアラビアのPIFが米Alphabet、Zoom、Microsoftの株を購入)
https://www.reuters.com/markets/europe/saudi-pif-buys-shares-alphabet-zoom-microsoft-us-shopping-spree-2022-08-16/?taid=62fb74078127410001aec35b&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter

サウジアラビアの公共投資ファンドPIFが 2021-2025戦略を発表
SECへの報告で第2四半期に米国株を購入していたことが明らかに。

アルファベット(GOOGL)21万3000株
ズームビデオ(ZM)470万株
マイクロソフト(MSFT)180万株 
JPモルガン(JPM.N)390万株
ブラックロック(BLK.N)74万1693株

スターバックス(SBUX)630万株
アドビシステムズ(ADBE)
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD.O)
セールスフォース(CRM.N)
ホームデポ(HD.N)
コストコ(COST.O)
フリーポート・マコモラン(FCX.N)
データドッグ(DDOG.O)
ネクストエラ・エネルギー(NEE.N)などを追加。

PIFは6200億ドルの資産を運用しています。
原油高で増えた資産を米株に投入しているということね。

著名投資家ジョージ・ソロスのソロスファンドも第2四半期に
米テック銘柄を新規購入していたことが話題となっています。

ソロス・ファンドなど、第2四半期にテック超大型株を追加取得
https://jp.reuters.com/article/usa-funds-tech-idJPKBN2PM00F

う~む。そりゃ下げ止まりますねぇ。

ショート筋が慌てて買い戻しを迫られた米株の強さの背景には
新規で米株に資金を投入していた向きがあった、ということですが
そのショート、まだ全然履けていないようです。

2)ショートカバーは終わっていない?_!


ヘッジファンドはS&P500先物のショートポジションを増やし続けており、
2020年夏の次ぐレベルのネットショートだそうで・・・

これが買い戻される過程ではさらなる上昇もありそうです。

このまま最高値を更新するまで上昇を続けるとは思いませんが
金利の急騰でもない限りにおいては上昇トレンドが続きそう。

ただし、短期的には調整があってもいいところまで一気に上がりましたね。
ダウは200SMAを突破しましたが、
200SMA に絡む動きで調整にも備えたい局面。

※米主要株価インデックス

2・原油下落基調強める背景にイラン核合意再建期待

米、核合意再建「最終文書」に対するイランの回答を精査
https://reut.rs/3plAhEb

イラン核合意再建、15日イラン側が回答しています。
イランは「3つの課題が解決すれば数日内の合意が可能」としており
現在米国はこれを精査中と報じられています。

再合意となればイラン産原油が市場回帰。
21年にイランの石油相は米制裁解除なら日量650万バレル生産が可能としており
すぐにそれだけの量が市場に戻ってくるのかは疑問ですが
相当量の供給が戻ることは確かです。
https://www.globalnote.jp/post-3200.html

ただし、イラン側の言う3つの課題が問題で
そのうちの一つが米国の政権が変わってもトランプ前大統領のように合意を
破棄しないという保証を求めているのですが、
これは米国も保証できるものではないため折り合わないという・・・

しかも、原油とガソリン価格が高値からは随分下がってきており
米国にはイラン側に譲歩してまで再合意を目指すメリットが小さくなってきており
今現在、米国側がイラン側の3つの課題を飲む体制にあるかというと疑問。

足元で原油価格は世界の景気後退懸念、中国の需要減、
そしてこのイラン核合意再建期待で下がっているのですが、
再合意ならず、となれば原油価格は戻りを入れるかも。
ここ数日、このイラン核合意関連の報道には注意が必要です。

今夜は米金利がジワリ上昇。
米株も高いことから、債券から株へ資金シフトがあるような動き。
つまりリスクオン相場のような様相を呈しているわけで
為替市場もリスクオン相場に沿った動きになって来ました。

ドル円、クロス円上昇です(;´д`)トホホ…
やはり株が楽観で為替が悲観というような動きは続かないですね。

ポジションクローズしました。

ドル円135.34円S ➡ 134.18円
カナダ円104.08円S ➡103.97円

リスクオン的なマーケットが続くならクロス円ショートは分が悪い。
戦略練り直しです・・・。

明日はRBNZ、NZドルが上がれば売りたいと思っていますが
値動きに好機があるでしょうか。

NOTE
◆ドイツのZEW期待指数、8月は一段と悪化-エネルギーコストが圧迫
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-16/RGPB37DWLU6801
・8月の独景気期待指数はマイナス55.3-現状指数も悪化した
・高インフレ率と暖房・エネルギーコスト増大見通しが重

◆欧州ガス価格、冬季に60%上昇へ 西側の制裁が影響
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-gas-idJPKBN2PM16F

ユーロはやはり売り目線継続でいいか。

◆LME亜鉛が急伸、一時7.2%高-エネルギー危機で製錬所が生産停止
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-16/RGPED1DWX2PT01?srnd=cojp-v2
・亜鉛生産大手ニルスターが運営するオランダのブデル製錬所、
~9月1日から「追って通知するまでの間」修繕・メンテナンスに入る。
・域内の製錬業者の収益は厳しく昨年10ー12月から生産ペースを落として稼働
・欧州の生産減によって、LMEの在庫は今年に入りゼロ近くへと落ち込む 
~世界的な在庫も約2年ぶりの低水準

コモディティ価格上昇は
景気が良くて需要が強く、供給が追いつかないなど
需給が逼迫することで起こります。

しかし、この亜鉛上昇は景気が悪いために起こっています。
業績悪化で生産ペースを落としているために在庫不足に陥っているわけで
これぞまさしくスタグフレーション事象。

こんなことがあちこちで起きないことを願います・・・

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