2022年8月19日金曜日

 ドル円相場135.90円まで上昇してきました。
ドル全面高の展開です。
足元のドル高は決してドル金利上昇が牽引しているようには見えずやや違和感が。

1・フィリー指数予想上回る好結果でドル買い?
2・米短期金利は年末FFレート引き上げ想定水準まで上昇
3・英金利急上昇もポンド買われず
4・豪雇用者、予想外の減少で豪ドル売り
5・欧州ガス価格最高値更新、ユーロ売り加速

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1・米8月フィラデルフィア連銀業況指数は6.2、予想以上に上昇
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-philly-fed-idJPKBN2PO1C0?il=0

先般、NY連銀製造業景況指数がマイナス31.3に大幅悪化
2001年以降で2番めに大きな低下となったことに驚かされましたたが
フィラデルフィア連銀の業況指数は予想を上回る好結果。

8月フィラデルフィア連銀景況指数 6.2(予想▼5.0 前回 ▼12.3)
~6カ月先の見通しは▼10.6で、7月の▼18.6から改善

この結果を受けてドル買いが旺盛となっているようです。

※通貨インデックス一覧 ドル独歩高ですね。
ただし、やや違和感があるのが、今夜は米金利は低下基調にあること。

2・米短期金利は年末FFレート引き上げ想定水準まで上昇

※米国債利回り一覧 
2ヶ月~3ヶ月の短期は上昇が続いていますが
長期ゾーンはむしろ低下しています。

政策金利を反映して先行して動く2年債利回りは3.375%まで上昇しましたが
今日は3.2%へと小幅に低下しています。

6月FOMCでボードメンバーらが年末FF金利は3.4%まで引き上げられる見通し
であることが示されましたが、市場金利はほぼその水準まで到達しており、
3.4%を超えて金利がさらに上昇する局面に入るかどうかが注目されますが
今日のところはこのレベルが抵抗となっているように見えます。

7月CPIは予想を下回る数字となりインフレのピークアウトの兆候が
見え隠れする中で、FFレートが年内3.4%以上に引き上げられると
修正される見込みはお大きくない中で、短期金利もこれ以上上がらない可能性が大きく、
今年のドル円相場が米金利上昇による日米金利差で説明できるとするなら
ここからのドル円一段高には疑問符がつきます。

※米短期債利回りとドル円相場 点線が年末時点のFFレート水準想定
 ロウソク足が短期債利回り、緑がドル円相場
今夜は米金利が上がらない中でドル独歩高となっているのは
金利動向からは説明がつかないのですが、
QTがいよいよ効き始めたのでしょうか?

昨日発表された7月FOMC議事録はややハト派的だったと指摘する向きも。

今後も利上げ継続、ペースが落ちる可能性=FOMC議事要旨
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-minutes-idJPKBN2PN1N0

というわけで、個人的には短期最利回りが3.4%を超えるか超えないかに
注目しており、現状では超える可能性があまり大きくないことから
ドル高の持続性にはやや違和感があるため、
どこかでドル円を売りたい気持ちが出てきています・・・。

3・英金利急上昇もポンド買われず

また、先般英国の7月CPIが10%大台に乗せたこともあり
市場ではBOE(英中銀)が利上げを加速させるとの見方が台頭。

英中銀の金利が米国追い抜く、市場が示唆-インフレ高騰で観測強まる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-18/RGTD12DWLU6W01?srnd=cojp-v2
・1年から3年先の英中銀の主要金利は米当局の金利を上回る
・22年3月にも3.75%前後でピークに達し、数カ月にわたり同水準を維持した後で
 緩やかに低下に向かう
 
というわけで、英短期債利回りはご覧の上昇。
※主要国短期債(2年債)利回り一覧  黄色が英金利

しかし、それでもポンドは売られています!

※ドルストレート通貨日足一覧
売られているのはポンドだけではありませんね。
ドル以外の他通貨すべてが売られています、
要するにドル独歩高です。

ん~ドルの短期金利は低下しているんだけどな。
よくわからないので手出し無用です。

4・豪雇用者、予想外の減少で豪ドル売り

豪雇用者数、7月は予想外の減少-豪中銀に柔軟なアプローチの余地も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-18/RGSSQ5DWX2Q301?srnd=cojp-v2

豪ドルには今日、売り材料もあった。
労働市場の悪化で金融政策がハト化する思惑が。

5・欧州ガス価格最高値更新、ユーロ売り加速

唯一、ドル高の背景として考えられるのがガス価格高騰。

※欧州ガス価格指標オランダTTFは最高値更新


※米国の天然ガス(ヘンリハーブ)価格も高値更新するか
カップウィズハンドル?!
高値を超えると勢いがつくチャートパターンですね。

欧州ガス価格高騰はロシアからのガス輸入が細っているために
供給不足によるものと考えられますが、それによって
米国からの輸入が増える=米国ガス需要が高まる=米国ガス価格も上がる
というスパイラルに入っているということですね。

欧州のガス輸入増大はユーロ売りドル買い要因となりますので
ユーロ安ドル高要因ですが、こうしたドル需要の高まりが
ドル高を加速させている可能性は考えられます。

というわけで、ユーロドルを1.1438ドルで売り参戦しています。

ポジションは

NZドル0.6375ドルS 
ユーロドル1.1438ドルSです。

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