2022年8月22日月曜日

 25-27日にジャクソンホール会議が開催され、
26日パウエルFRB議長の講演予定。
例年注目されますが、今年はどうでしょう。
今週はこれまでの米株上昇、楽観ムードが後退するかもしれません。

1・米株、S&P500は200SMAを超えられず反落
2・今週はジャクソンホール会合
3・米金利上昇どこまで?
4・日本の貿易赤字とインフレ率
5・欧州エネルギー危機、ユーロ売りは続く?
6・オセアニア、来年利下げに転じる可能性

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1・米株、S&P500は200SMAを超えられず反落

9月の米利上げに関しては0.5%なのか0.75%なのか見方が揺れています。

9月米利上げ幅でまちまちのシグナル、地区連銀総裁に温度差
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-18/RGTSUDDWRGG001

バーキン総裁、FRBはインフレ抑制の決意-景気後退リスクでも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-19/RGV727DWRGG001
FRBはインフレ率の2%回帰にコミット-バーキン総裁

しかし株価がこのまま上昇を続ければ、インフレはなかなか低下しない
ということでもあり、ジャクソンホール会合では
パウエル議長からタカ派メッセージが発せられる可能性も指摘されています。

仮にそうなれば金利が上昇するでしょうから
株式市場にはネガティブ。株の反落に注意ということになりますが
S&P500ネット ショート ポジションは建玉の12%にも達しているとか。
これは1990年代後半 (ミニ契約が開始されたとき) 以来の最大。
https://mobile.twitter.com/nicholastreece/status/1560712917510754307
踏み上げのリスクはあって、米株が今週下がると安易に
売り向かうのも怖いんですよね・・・。
しかし、パウエル議長講演には注意が必要です。

2・ジャクソンホール・ショックはあるか 予測の神様は催促
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL00015_Z10C22A8000000/
今年のテーマは「Reassessing Constraints on the Economy and Policy」
(経済と政策における制約の再評価)

・6月から保有資産を減らす量的引き締め(QT)を始めたが、
 8月17日時点の総資産は8兆8497億ドル(約1200兆円)と
 5月下旬から645億ドル(0.7%)しか減っていない。
~上限額いっぱい消化できていれば2カ月半で1100億ドル以上圧縮されていた。

・住宅ローン担保証券(MBS)は200億ドル(0.7%)増えた。
 異例の高速利上げでローンの借り手による借り換えのための
 繰り上げ返済が進まず、MBSの償還が遅れているのが一因

・9月から資産削減の上限額を毎月950億ドルに倍増するが、
 MBSは償還を迎えた証券の再投資を絞るだけでなく
 市場売却が俎上(そじょう)に上る可能性も低くない。

・1980年代前半に金利低下への大転換を的中させ
「予測の神様」と呼ばれるカウフマン氏は
 FRBのインフレ対応が手ぬるいと考え、
「市場にショックを与えなければいけない」と話す。

6月スタートしたGRBのバランスシート縮小ですが
あんまり減ってないんですよね。
特に住宅ローン担保証券(MBS)は借り換え需要も旺盛で
償還分が少ないことが影響しているようですが
ひょっとしたら、償還を待つのではなく市場で売却という話が
飛び出すかも、、、という予想もあるようです。

それでなくても9月からはQTのピッチを上げる計画ですので
過剰流動性マネーはいよいよ本格的に絞られていくはずなんですよね。

世界のマネー、3年ぶりに減少 株式や商品に逆風
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB189AJ0Y2A810C2000000/

経済協力開発機構(OECD)によると、
企業や家計が持つ現金や普通預金など、すぐに使えるマネーを指す「M1」は
22年4月に3年ぶりの減少に転じ翌5月も減少。
2カ月連続の減少は1980年以降で初めて。

欧米各国はコロナ禍の企業向け資金支援を次々に打ち切っているほか、
経済活動の再開に伴い賃金の増加傾向が続き、
所得税収などが増えていることがマネーの吸収につながっている。
※ただしM1に定期預金などを加えた「M2」は依然増加している。

金利急騰やリセッションなどへの警戒は6月までの下落時に
織り込んでしまったためマーケットの恐怖はかなり後退していますが
株価が最高値を更新できるようなハッピーな投資環境にないことは明らか。

そろそろ米株の上値も重くなってくるんじゃないかと思うのですが
そのトリガーがやはり今年もジャクソンホール会合にあった、
ということになる可能性はゼロではないのかもしれません。

逆にS&P500が踏み上がる可能性もゼロではないんだけど。

そうそう、7~8月の日経平均の上昇は
海外投資家による先物買い主導でしたが
裁定買残は昨年9月や今年3月のピーク水準に接近。
先物ロングが整理されれば下がる日経平均が下落する可能性もありそう。

NT倍率が上昇、海外短期筋が日経先物買い戻し
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stock-nt-idJPKBN2PN0HR
・7月第2週以降の海外勢の先物取引を累計すると1兆2000億円の買い越し
・長期投資家が売買の中心とされる現物株は、
 海外投資家も7月第2週以降、3400億円超の売り越し

・海外短期勢の先物ポジションは年初からの累積で、
ショートからロングに変化してきた
「調整時には日本株の反応が大きくなりそうだ」

日経平均上昇は長期投資家らの現物買いが入っていないので
先物主導の短期筋によるショートカバーだったか。

今週は日米ともに株価インデックスの下落に注意が必要ですね。

3・米金利上昇どこまで?

Fed’s Bullard Leans Toward Favoring 0.75-Percentage-Point September Rate Rise
https://www.wsj.com/articles/feds-bullard-leans-toward-favoring-0-75-percentage-point-september-rate-rise-11660842768
セントルイス連銀総裁ブラード氏は、
インフレがピークに達したと言う準備はできておらず、
年末までに目標金利を3.75%から4%の範囲にすることが重要であると述べた。

ほぉ~ブラード氏がこんなタカ派発言を行っていたか。

6月FOMCのボードメンバーらのコンセンサスは年末3.4%だったはず・・・

今週はジャクソンホール会合でタカ派メッセージが出れば
短期金利は6月につけた3.4%台を再び目指す展開となり
それをさらに超えて4%くらいまで上がるかもしれません💦
短期金利(2年債利回り)はFFレートを映す金利ですので・・・。
その場合今年の高値139円を突破氏140円を超える可能性も。
ドル円は押し目買いかな・・・

4・日本、貿易赤字7月最大の1兆4367億円 資源高で12カ月連続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA170KU0X10C22A8000000/
・7月の貿易統計、1兆4367億円の赤字
~赤字は12カ月連続となり、赤字額は7月としては最大
 赤字額は比較可能な1979年以降で7番目に大きい額
・輸入額が前年同月比47.2%増の10兆1895億円となり、5カ月連続で過去最大を更新
原油、ガス、石炭の鉱物性燃料の輸入額の急増
事態の打開にはエネルギー政策の転換、原子力の有効活用が欠かせないと
上記日経記事コメント欄で滝田編集委員。全くもってその通り。

今年のドル円上昇の背景には日米金利差だけでなく
貿易赤字拡大が寄与していることは言うまでもありません。
ただし、原油価格はじめ素材価格も下がってきているので
年後半は赤字幅も縮小してくれるんじゃないかと思うのですが、、、・

しかし趨勢的には円安持続の材料。

◆7月消費者物価指数 軒並み上昇
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
総合指数 前年同月比+2.6%(前月比 +0.4%)
コア指数 前年同月比+2.4%(前月比 +0.5%)上昇率は4か月連続
コアコア 前年同月比+1.2%(前月比 +0.5%)
日本の物価上昇率のピークは海外に遅れる:物価上昇の家計圧迫は続く
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0819
コアコアでみるとまだ1.2%、賃金の伸び率は2%を下回る水準ですので
日銀の物価目標と比して不十分な伸びに留まっており、
政策の転換、修正期待は時期尚早。まだ円安基調は続くでしょう。。。 

5・欧州エネルギー危機

ロシア、また欧州に揺さぶりをかけています。

ノルドストリーム一時停止 保守点検理由に3日間
https://www.sankei.com/article/20220820-LPXZ4LOEQVKS5PSCI7SDWVNV5Y/
ロシアからドイツ経由で欧州へ天然ガスを送る海底パイプライン
「ノルドストリーム」を31日から9月2日までの3日間停止すると発表
~メーカーとの契約に基づく作業と説明

また点検ですか。
点検という名目でガスを止めるんですよ。
再開する際にはまたガス供給料が減らされているかも・・・。

というわけで、欧州ガス価格は更に上昇。

これはユーロ売り、ドル買い要因ですね。
ユーロドルショート継続です。

独のガス貯蔵、今冬越えに十分な確保依然難しい
https://toyokeizai.net/articles/-/611911

6・豪州・NZ中銀、利上げ継続へ 住宅価格変調で暗雲も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1027K0Q2A810C2000000/
・7月のNZの住宅価格は中間値が81万NZドル(約6900万円)となり
 前年同月比で1.8%下落した。前年を割り込むのは11年ぶり
 
・豪州住宅市場下落から3カ月、下落率は08年の金融危機時に匹敵
~7月の豪住宅価格の中間値は74万豪ドル(約7000万円)と前月比で1.3%下落

NZ、豪州は23年中に利下げに踏み切る予想とのこと。
オセアニア通貨の反発のフェーズは終了したかも。
来年の利下げを織り込む動きが活発となればオセアニア売です。

しかも、こんなニュースも。

◆ソブリン債へのシフト加速か、相場下落で妙味増す-豪州年金運用者
https://bit.ly/3AaUJg8
・2兆4000億ドル(約324兆円)規模のオーストラリアの年金基金の運用者は、
 比較的リスクの高い資産を選好してきたが、今はソブリン債を購入

・このシフトは、ファンド業界および世界市場全体に波及する見通しだ。
 6月以降に相場は反発し、債券への資金流入は増加している。

これまでの金利上昇=債券価格下落で債券への投資妙味が上がっているということね。
となると、債券買いとなりますので金利は低下圧力がかかります。

どこの債券かは書かれていないのでオセアニアの金利が下がる、と
言い切れませんが、米金利に関しては上記理由でまだ上がるリスクがあります。
米債以外、ってことで考えるとオセアニア、、、?
金利低下するなら通貨も下落圧力が強まります。

ポジションは継続しています。
NZドル0.6375ドルS 
ユーロドル1.1438ドルS

NOTE
◆中国四川省、工場の電力供給制限を延長-トヨタなどへの逆風強まる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-21/RGYVMRT0AFB501
中国内陸部の四川省や重慶市などでは、連日40度を超える猛暑となり、
需要が急増した家庭用電力を確保するため、8月15日から20日までの間、
電力消費量の多い企業を対象に、工場の生産を停止していましたが
25日まで延長するとのニュース。

◆「中国で産みたくない」、ゼロコロナで出生数減少に拍車
https://jp.reuters.com/article/china-economy-demographics-idJPKBN2PF0OD
今年の出生数は過去最低の見込み。
昨年の1060万人でさえ2020年に比べれば11.5%も少なかったが、
今年は1000万人を割り込む見込みだ。
国連の専門家は中国の人口は2050年までに1億900万人減少すると見ている。
これは前回2019年時点での予測に比べて3倍以上の減少幅

今週の主な予定
 8月22日 (月) ――
◆国内経済
 ・7月首都圏・近畿圏マンション市場動向 (14:00)
 ・7月コンビニエンスストア売上高 (14:00)
★中国人民銀が8月の最優遇貸出金利を発表 (10:15)

 8月23日 (火) ――
◆国内経済
 ・7月食品スーパー売上高 (13:00)
 ・7月全国百貨店売上高 (14:30)
◆国際経済etc
 ・ドイツ8月製造業PMI (16:30)
 ・ドイツ8月サービス業PMI (16:30)
 ・ユーロ圏8月製造業PMI (17:00)
 ・ユーロ圏8月サービス業PMI (17:00)
 ・米国8月製造業PMI (22:45)
 ・米国8月サービス業PMI (22:45)
 ・米国8月リッチモンド連銀製造業指数 (23:00)
 ★米国7月新築住宅販売件数 (23:00)
 ・ユーロ圏8月消費者信頼感 (23:00)
 
 8月24日 (水) ――

 ・米国MBA住宅ローン申請指数 (20:00)
 ・米国7月耐久財受注 (21:30)
 ・米国7月仮契約住宅販売指数 (23:00)
 ・米国週間石油在庫統計 (23:30)
 
8月25日 (木) ――
◆国内経済
 ・7月企業向けサービス価格指数 (08:50)
 ・7月外食売上高 (14:00)
◆国際経済etc
 ・ドイツ4-6月期GDP[改定値] (15:00)
 ・ドイツ8月Ifo企業景況感指数 (17:00)
 ・ECB理事会議事要旨(7月20~21日開催分) (20:30)
 ・米国4-6月期GDP[改定値] (21:30)
 ・米国週間新規失業保険申請件数 (21:30)
 ・米7年国債入札
 
 8月26日 (金) ――
◆国内経済
 ・8月東京都区部消費者物価指数 (08:30)
◆国際経済etc
 ・ドイツ9月GFK消費者信頼感調査 (15:00)
 ・米国7月卸売在庫 (21:30)
 ・米国7月個人所得 (21:30)
 ・米国7月個人消費支出 (21:30)
 ・米国8月ミシガン大学消費者態度指数確報値 (23:00)
 ★パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で講演 (23:00)

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