2022年9月21日水曜日

 1・日本の消費者物価指数、予想を上回る伸び
2・米10年実質金利 11年来最高水準へ
3・独8月PPI(生産者物価指数)
3・英国年内0.75%✕2回の利上げ織り込む
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 1・日本の消費者物価指数、予想を上回る伸び
コアCPI、8月は+2.8%で14年10月以来の伸び 携帯要因はく落で
https://jp.reuters.com/article/japan-cpi-idJPKBN2QK1PX

・総合CPI 前年同月比  3.0%(予想 2.9% 前回 2.6%
・コアCPI 前年同月比 2.8%(予想 2.7% 前回 2.4%)
(生鮮食料品除く)
・コアコア前年同月比 1.6%(予想 1.5% 前回 1.2%)
(生鮮食料品・エネルギー除く)
~日銀が目標とする2%を上回るのは5カ月連続

総合CPIが 3%大台乗せ。コアも2.8%まで上昇してきました。
ただし、変動の大きいエネルギーと生鮮食糧品を除くコアコアがまだ1.6%
原油などエネルギー価格の影響が大きいことが窺えます。

この数字をお受けて今週の日銀で政策の修正が、、、なんてあるわけがないので
ドル円相場はまったく動じることがなく高値圏を維持しています。

日銀の金融政策の変更があればドル円相場には大きなインパクトですが
黒田総裁のブレない姿勢はマーケットに広く認知されているため
思惑が走ることもありませんね。

今週の最大の焦点はFOMCです。
利上げ幅というよりドットチャート。
今回の利上げサイクルの着地点を模索する相場です。
今日WSJのFEDウォッチャーNick記者が再び記事をUP
9月FOMCは0.75%利上げと書いていますが、
0.75%はすでに織り込まれているのでサプライズではありません。
しかし、今夜も米金利は上昇を続けています。

2・米2年債利回り4%へ、大幅利上げ見込み-実質金利11年来高水準

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-20/RIHJXVT0AFB401
米10年債の実質利回り、1.18%に上昇-2011年以来の高水準

実質金利というのは名目金利からインフレ率を引いたものです。
TIPS(物価連動債)が実質利回りそのものを映していますが
これがジリジリ上昇を続けていることもマーケットのネガティブ材料。

こちらは9/8の記事ですが⬇
◆世界の実質金利、プラスに
 2年半ぶり、利上げと景気後退警戒 リスク資産に強い逆風
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64132990X00C22A9ENG000/

なぜ実質金利が重要なのか
わかりやすい記述がありますので抜粋しておきます。

実質金利がマイナスの状態では国債など安全資産で運用した場合の利回りよりも、物価上昇による価値の目減りが大きい。実質的に損となるため、リスク資産への投資を促す効果がある。新型コロナウイルス対応で20年以降に各国が金融緩和を進めたことで、実質金利は大きくマイナスになり、ハイテク株や原油などリスク資産は高騰。ミーム株(はやりの株)や暗号資産(仮想通貨)といった、業績面などの裏付けの乏しい資産まで買われ、過熱感が高まった。

実質金利がプラスになれば投資家のリスク志向は抑えられ、マネーの流れは逆転する。世界の実質金利がプラス圏に向けて上昇し始めた8月から足元(9月2日時点)までのリスク資産の価格推移をみると、ビットコイン(16%安)を筆頭に、原油(12%安)、世界の不動産投資信託(REIT、7%安)、世界株(5%安)とリスク資産が全般的に売られている。


結果上がるのは通貨米ドルだけ~
株などのリスク資産には逆風のフェーズに入っているのです。
というわけでドル高が続きますね。

ドルロングポジションは継続。
豪ドルドル0.6735ドルS
ドルカナダ1.3169ドルL

もうひとつのポジション
ユーロ円143.45円S、なかなか利が乗ってきません。。。
クロス円はドル円が崩れないのでなかなか下がりませんね。
そして、ユーロが足元で下落が止まって下値が固くなっているのです。

3・独PPI、8月も前月・前年比で過去最大の伸び エネルギー高騰で
https://jp.reuters.com/article/germany-economy-prices-idJPKBN2QL0H5
※ドイツ8月PPI 前年同月比 +45.8% (前回 37.2%)
           前月比 +7.9% いずれも統計開始以来最大の伸び

・エネルギー価格の高騰が続いていることが背景 
          
欧州のインフレ、洒落になってないじゃない、、、
ということで欧州の金利がこのところ急伸しているんです。

※主要国2年債(短期債)利回り一覧


※主要国10年債(長期債)利回り一覧
短期金利、長期金利ともに欧州の金利上昇がエグい。

ECBが景気を壊してまで米国の様な利上げができるとは思えませんが、、
イタリアの長期金利上昇みてるとイタリア国債投げ売られているような・・・
主要国金利のトップに躍り出ました。
金利が上がるということは債券が売られているということね。
今度の日曜はイタリア選挙。

イタリア議会選挙まで1週間 EUの結束にも影響か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220918/k10013824331000.html
あのECB総裁として評価の高かったドラギ氏でもとうにもならなかった
イタリアですが、新首相の経済政策はどのようなものになるのか?

ロシアが欧州向け天然ガス供給を絞っていることから
今冬を乗り切れるかどうかも綱渡り。
欧州は買えませんねぇ・・・
           
4・英国年内0.75%✕2回の利上げ織り込む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-20/RIHXEPT1UM0W01
・市場は年内残り3回のMPCで計2ポイント余りの利上げ織り込む
・0.75ポイントの利上げは1989年以来の大きさとなる
・政策金利は年末までに3.75%、来年3月にも4.5%に達する

英国もインフレが高いためタカ派的金融政策にならざるをえない訳ですが
金利市場が今後の大幅利上げを織り込みに行く過程でも
通貨ポンドが買われない、ってところに不安が・・・

結論
ドル高はまだまだ続きそうです。

NOTE
米が戦略石油備蓄1000万バレル放出へ-EUのロシア産原油禁輸前に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-19/RIH8LIT0AFB401
・EUが12月からロシア産原油の輸入の大半を禁止するのに先立つ措置

 バイデン政権が3月に命じた計1億8000万バレルのSPR放出は当初、
 5月から6カ月間で実施される計画だった。
 
中国の8月原油輸入、ロシア産が前年比+28% サウジ産が最大
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2022/09/408001.php
➡ただし全体の輸入量は減っています。
・中国の8月の原油輸入は、製油所の操業停止や稼働率低下を背景に
4035万トン(日量約950万バレル)と、前年同月比9.4%減少した。
~その内訳として、ロシアとサウジ産の原油輸入を増やしているということです。

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