2022年9月23日金曜日

FOMCが霞んでしまいました、日本当局が円買い介入実施。
145.90円から140.34円まで円高となりましたが、ここから?!

1・日本当局「円買い」介入実施
2・FOMC受けドル短期金利上昇、米株安
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1・日本当局「円買い」介入実施

今日の日本当局の介入、ヒントは岸田首相が訪米中だったことでしょうか。
ここで米当局へ介入実施について事前に通達したものと思われます。

投機による過度な変動、見逃すことできない=為替介入で岸田首相
https://jp.reuters.com/article/kishida-presser-ny-idJPKBN2QN1HV?il=0

メディアは「政府・日銀が急速な円安を阻止するため為替介入に踏み切りました。」
と報じますが勘違いがないように。

日銀は市中銀行に介入実施を指示するオペレーションを担っていますが
介入実施を通達するのは財務省です。

そして財務省が動くということは岸田首相の指示があった、ということですね。
岸田さんは昨今の世論に配慮したということでしょうか、、、
支持率低下も気になっていたのでしょう。

しかし、まさに今日、日銀の金融政策決定会合が開催され
黒田総裁が「必要なら躊躇なく緩和を実施する」と
大規模緩和の継続のスタンスを示していたというのに、
円を買う介入を実施するとは。。。

しかも、東京時間ではなく17:00台ロンドン市場で、ということで
投機筋らは意表を突かれた格好ですね
今日ドル円相場は145円を突破146円台へと上昇していました。
明日が祝日ということもあり東京市場でなにもなかったことに
安心して円売りしていた向きがいたことは事実ですが、
日銀の緩和スタンスと岸田政権のスタンスは整合性が・・・💦

岸田首相は1年で30円以上も円安が進むことは過去30年間なかった」
「投機による過度な変動が繰り返されることは見逃すことができない」
と介入した理由を説明していますが、
最終的にこの介入が功を奏する結果となるのかは
時間が経過してみないことにはわかりませんね。

ちなみに今回の円買い介入は日本の単独介入です。

米財務省、日本の為替介入に「理解」表明-米は参加せずと当局者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-22/RIMBTPT0G1KW01

さて、日本の単独介入でどこまで持つかですが、
過去の事例を振り返っておきましょう。


・1997年12月17~19日3日間 (1兆591億円)5年半ぶり円買い介入へ

   ➡3日間1兆円超えの介入でも翌日から再び円安再開~効かなかった。

・98年4月9日、10日 4/10だけで(2兆6201億)

   ➡2~3日、6円ほど円高になったが結局円安再開~効かなかった。

・98年6月17日 協調介入 日本2312億円 米国8.33億ドル 

   ➡13円円高進行、効果は強烈だったが、3日後円安再開~効かなかった。

◆1998年の「円買い」介入は合計3回、総額3兆470億円

4月9日と10日の単独介入では円安は止まらず。
6月の日米協調介入でトップアウトしたかに見えましたが
8月に98年の高値超えとなる円安進行。

介入の効果はわずかな「時間稼ぎ」でしかなかったことが窺えます。

ところが。

その後、ロシア危機~アジア通貨危機~LTCM破綻の流れで
円キャリーの巻き戻しが入り猛烈に円高が進行、
98年10月、通貨当局が何もしなくても
ドル円相場は一気に111円台まで急落します。

その後、長い長い円高不況がやってきて、
この140円レベルにドル円相場が戻るのに
24年がかかったことになります。

日本当局は99年1月には「円売り介入」を実施しているんですよ。
つまり急激に円高になりすぎちゃって慌てたということね。

※99年1月12日 111円台で 6563億円の「円売り」買い介入

   6~7月計6回 3兆8677億円「円売り」介入 

さて、この水準での介入実施が良かったのか。
今回は●●ショックというような出来事が起きなければいいですが。

今回の世界の急激なインフレ退治による金融引締で
世界同時不況が到来すれば
せっかく日銀が緩和していても、猛烈に円高になることがあるかもしれません。

今回に関してはすでに8ヶ月で30円円安になっており
景気後退懸念から原油などのコモディティも下落しているなど
円安が最終局面である可能性がある中での介入です。

米国のインフレがピークアウトしたということが確認されれば
米金利上昇も止まります。
その場合はドル高が終焉しますが
その時期を探るのが今の金融市場のテーマとなっており
意外とドル独歩高の終焉も近いのではないかという気もしています。

来週30日金曜は米PCEデフレーターが発表されますが
ここでの米国のインフレの傾向はとても重要になってくるでしょう。

今すぐに介入効果で円高にトレンドが転換した、
と言っているわけではありません。

98年の円買い介入は効かなかったようでいて
サイクル的にはドル高円安の最終局面と符号していたため
98年のうちに円高へとトレンド転換してしまったように、
今回も介入が効いて、というより
世界のサイクルがそちら方向に向かっているかも、ということで
短期的なトレンドはまだ円安ドル高に向かう可能性も否定しません。

というのも、米金利は昨晩のFOMCを受けて更に上昇しているためです。

2・FOMC受けて米金利一段高

2022年9月FOMCプレビュー~今回の注目点を整理する
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2022/09/irepo220915/

↑詳細は三井住友DSアセットマネジメントのレポートが詳しいのでこちらを

0.75%利上げ FFは金利は 3.0~3.25%

22年末まで 4.25~4.50%
23年には 4.50~4.75%でピークに達する

となると11月に 0.75% 12月に0.5%の利上げになるか。

22年成長率見通し 0.2%(6月時点 1.7%)
23年成長率見通し 1.2%(6月時点 1.7%)どちらも引き下げ

このFOMCを受けて米短期金利が上昇しています。

※主要国短期金利一覧


米国の短期金利がトップに躍り出た!

これがドル高の背景でもありますね。。。

米金利上昇はやはり
ドル円相場においてもドル買い需要を高めると思われます。

やはり米国株は一段安です。

ポジション

豪ドルドル0.6735ドルS
ドルカナダ1.3169ドルL
ユーロ円143.45円S  継続です。

今日はデイトレでドル円ほか他通貨トレード色々やってますが
書ききれないので省略。
ドル円は持ち越していません。

神田財務官は
「我々の体制は24時間365日整ってる」と発言しており
明日23日祝日でも、円安が進行する局面があれば
介入する可能性があることを示唆しています。

ドル金利上昇しているからといって
安易にドル買いすると明日また介入があるかもしれません。

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