今年はいろいろなことが起こりすぎませんか・・・
先週は日本の通貨当局の為替介入が
為替市場最大のトピックかと思われましたが、
その後飛び出した「トラスショック」
ポンド危機再来となりそうです。
1・ポンド急落、英国債利回り急騰「英国売り」
2・ダウ6月安値を割り込む、底抜け下落となるのか
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1・ポンド急落、英国債利回り急騰「英国売り」
為替市場、ポンドの下落がどれほどだったか。
通貨インデックス一覧を御覧ください。
ポンドの棒下げ、ドル独歩高。
基軸通貨ドルにリスク資産から資金が還流していると思われます。
現金が王様、投資家マインドは金融危機以来で最も悲観的-BofA
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-23/RINX4WT0G1L001
・21日までの1週間に現金保有は増加、株式と債券からは資金流出
・投資家心理が金融危機以来最悪となっていること「疑いの余地ない」
何が起きたか。
トラスショックとも言えるでしょう。
トラス新政権が発表した財政政策がトリガーとなりました。
英国が25.5兆円経済対策、1972年以来の大型減税-通貨と国債急落
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-23/RINOOPT0AFB601
・個人所得税を引き下げ、予定していた法人税率引き上げは撤回
・不動産購入時の印紙税も削減
・経済対策の費用は5年間で1610億ポンド(約25兆5000億円)
景気テコ入れに大型減税は決して間違いではありません。
ただしインフレが落ち着いていれば。
英国中央銀行(BOE)は
10月にインフレ率が11%台に乗せ、その後数ヶ月は10%を上回る水準で
推移するとの見通しを出しています。(22日のMPC理事会にて)
このインフレを抑制するためにBOEは 7回連続で利上げを決定。
直近では2回連続0.5%の利上げを発表、現在、政策金利は 2.25%。
対してインフレ率は前年比9.9%(8月)
まだまだ利上げの必要があります。
そこへこの巨額の財政政策です。
これによって需要が喚起されれば、さらにインフレが上昇してしまいます。
となると、そのインフレをさらに抑え込まなくてはならず
BOEがはさらに引き締めを強化せざるをえないということになります。
それ以前に、すでに英国の政府債務が管理不能な状態に陥るとの懸念から
英国債に売りが殺到し、金利が上昇してしまっているのです。
英国資産が急落、5年債利回り高騰-大型財政出動で信用力に懸念か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-23/RINS2KT0G1KW01
・5年債利回りは一時54bp上昇の4.08%、1992年以降で最大の上昇へ
・短期金融市場、11月に英中銀が1ポイント利上げすると織り込む
※主要国5年債 金利一覧 英国金利の上昇スピード。。。
英国株も下落していますので、英国はトリプル安。
サマーズ元米財務長官も苦言を呈してますね。
サマーズ氏、英経済政策でポンドは対ドル等価割れも-日銀介入も批判
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-23/RINZIQT1UM0W01
パリティになる可能性にも言及。
ポンドドル日足 コロナショック時の安値を大きく下回ってきました
月足でみると、、、パリティは白いライン。これを割れるという予想が出てきた。
ポンド円もコロナショック時を上回るスピードの下落。
ポンド円日足。 200EMAを大きく下回ってきました。
ポンド円月足。 200EMAがそもそも下向き。大きく下げそうな形ね。
ポンド円がもし大きく崩れるようなことがあれば
クロス円下落がドル円の足を引っ張る形でドル円相場も下げに転じる
可能性がありそうな気がしてきました。。。
円は唯一残された低金利通貨=キャリー通貨であるため
●●ショックというような金融有事があればレパトリでの円買いが
起きる可能性があると考えられます。
また、英国、欧州、などと比べてもインフレが低い。
今はインフレがリスクとなっていますので通貨安なわけですが
これまで最もインフレが低い日本円が売られまくっているというのは
やや行き過ぎていたかと思います。
売るならこれからさらにインフレがひどくなるポンドではないか。
というわけもあって金曜祝日にポンドショートを新規で建てています。
ポンド円160.28円
ポンドドル1.1248ドル
既存ポジションもすべて継続です。
豪ドルドル0.6735ドルS
ドルカナダ1.3169ドルL
ユーロ円143.45円S
2・ダウ6月安値を割り込む、底抜け下落となるのか
ダウ平均は今年の最安値を更新。
英国が震源地となっての世界株安のスタートかもしれません・・・。
株式が資産配分の王者から転落、利上げ受けさまざまな他の選択肢
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-25/RIQUAPDWRGG001
米株も下がると思えば売ればいいわけですが、
ここからの売りが実を結ぶでしょうか。
というのも、すでに投資家は米株下落に備えてヘッジを済ませており、
ショートを積み上げているのです。
◆サイエンスミニオン✨FOMOに克つ!
@Adscience12000さんTweet
https://twitter.com/Adscience12000/status/1573722058415972352
だからといって米株下落が終了しトレンド転換すると言っているわけではありません。
が、突如として吹き上がるような相場はありそう、、、
ボラティリティが高い相場になるということです。
売り参戦するなら安値を売り込むのではなく、戻り高値を。
逆に吹き上がるときに買いで参戦するなら、どこかできちんと利食いを。
NOTE
◆債券バブルは終わり、1949年以降最悪のパフォーマンスへ-中銀が転換
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-25/RIQNK8DWLU6801
・2年物米国債は少なくとも1976年以降で最長の下落局面
・長年にわたる中銀による金利抑制が終わったとブックバー氏
今は現金が王様、キャッシュイズキングでドル高となっていますが
ここに円が加わる相場展開に発展するかどうかに注目しています。
◆イタリア総選挙 初の女性首相誕生か 日本時間26日朝 大勢判明へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2f3066498f4cbfe2d027c8d0e50df3912f41973
メローニ党首率いる野党の極右「イタリアの同胞(FDI)」を中心とした
右派勢力の勝利が濃厚、右派勢力が政権を獲得すれば
ウクライナ情勢などでEUの結束に影響を与えかねないと懸念されているようです。
メローニ氏は、退任するドラギ首相が採用した外交政策、財政政策を
後退させないと明言しているということで、イタリア経済にネガティブと
いうこともなさそうですが、イタリア国債はこのところ売られ続けており
イタリアの金利が上昇基調にあることは不安材料。
英トラス新政権が発表した経済政策で英金利が急騰し
リスクオフ相場をもたらしたようなことが、メローニ新政権下で起こらなければいいですが。
※ドラギ氏はEUのコロナ復興基金から2000億ユーロ(約28兆4000億円)を
確保するために改革実行を約束していた。
***********今週の主な予定************
30日金曜の米PCE(個人消費支出)デフレーターに注目。
食品やエネルギーを除いたPCEコアデフレーターは
FRBがもっとも重視している物価指標です。
26日(月)
ドイツIFO景況感指数(9月、予想87.0、前月88.5)
ボストン連銀総裁、講演
アトランタ連銀総裁、講演
クリーブランド連銀総裁、講演
OECD経済見通し
黒田日銀総裁、経済4団体共催懇談会で挨拶
鈴木財務相と雨宮日銀副総裁、全国証券大会に出席
ラガルドECB総裁、欧州議会経済金融委員会に出席
27日(火)
故安倍元首相の国葬
米耐久財受注(8月、前月比、予想0.0 %、前月0.0%)
米消費者信頼感指数(9月)予想104.5、前月103.2)
新築住宅販売(8月、季節調整済み年率換算、予想500千戸、前月511千戸)
パウエルFRB議長、討論会参加
シカゴ連銀総裁、講演
28日(水)
日銀議事録(7月20日-21日開催分)
ラガルドECB総裁、講演
シカゴ連銀総裁、講演
アトランタ総裁、質疑応答
29日(木)
豪州消費者物価指数(7月-8月分)
ドイツ消費者物価指数(9月)前年同月比、予想+9.5%、前月+7.5%)
米新築住宅販売(8月、季節調整済み年率換算、予想500千戸、前月511千戸)
米GDP確報値(第2四半期)
サンフランシスコ連銀総裁、講演
クリーブランド連銀総裁、講演
30日(金)
日本雇用統計(8月)
中国製造業PMI・非製造業PMI(9月)
フランス消費者物価指数(9月)
ユーロ圏消費者物価指数(9月)
米個人所得支出(9月)
米消費支出価格指数PCE(前年同月比、予想+6.0%、前月+6.2%)
コア指数(予想+4.7%、前月+4.6%)
EUエネルギー担当相臨時会合
ブレイナードFRB副議長、会議開会挨拶
NY連銀総裁、会議閉会挨拶
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