2022年10月6日木曜日

 1・OPECプラス日量200万バレル減産決定
2・ISM非製造業景気指数、雇用が強く金利上昇
3・NZは0.5%利上げ決定
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1・OPECプラス、200万バレル減産で合意

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05DJQ0V01C22A0000000/
驚きました。
11月から日量200万バレル減産決定です。

先週までの市場のコンセンサスは日量100万バレル、
昨日10/4に急に200万バレル減産検討の数字が出て
そのままスルリと決定しちゃいました。

世界景気後退懸念で9月、WTI原油価格は76ドル台まで下落しました。
今週に入って米金利低下、ドル安が進んだことと今日の減産決定もあり
現在86~88ドル程度まで原油価格は反発してきています。

サウジアラビアの財政収支が均衡する原油価格は79.2ドル。
財政均衡収支を下回るレベルまで原油が下がってきていたことが
サウジにとってもに過ごせない事態であったということでしょうか。

■産油国「防衛ライン」80ドル、原油下落歯止めに大幅減産
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04DO20U2A001C2000000/

しかし、7月にバイデン大統領はサウジアラビアを訪問、
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談し
9月日量10万バレルの増産にこぎつけたということがありましたが
景色がガラリと変わりましたね。
サウジは米国ではなくロシアに阿るスタンスのようです。
西側のロシア制裁に対抗する意向もあるでしょうか。

■EU、新たな対ロシア制裁を支持-石油輸出価格の上限設定含む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJ9UEZT0G1L001

しかし、200万バレル減産というサプライズでも
原油市場の値動きは抑制的な印象です。
昨日すでにリークされていたから、という話もありますが
だったら昨日からでももっと上がっていい数字のような気がしますね。

WTI原油 この下落トレンドを抜け出せるか??


というのも、そもそもこれまでOPECプラスは減産幅を縮小=増産してきたのですが
与えられた生産枠をクリアできない国がいくつかありました。
つまり、そもそもOPECプラスプラスは生産目標に達していなかった。

■OPECプラス は 7 月の生産目標に対し日量290 万バレル未達
https://www.arabnews.jp/article/business/article_74896/
さらに8月の産油量は目標に対し日量約360万バレル未達状態。
今回の減産幅はそれを下回る規模です。
つまりすでに実質減産状態にあったため
今回の決定での実質の減産量は日量40~60万バレルではないか、
というのがGSの見立て。
ジェフリーズのアナリストは実質的な減産は日量90万バレルとの推測。
であるならば、それほどサプライズでもないという話になりますね。

■OPECプラス、200万バレル減産で合意 米を刺激する可能性
https://jp.reuters.com/article/oil-opec-idJPKBN2R01IQ

これまでも生産目標未達状態であったにもかかわらず
原油価格は下げ続けていたわけです。
それほどに需要の弱さが上値を重くしていたということかと思います。

つまり供給側の材料ではトレンドを買えられない可能性がある。
コロナ禍の日量970万バレルの減産というような規模なら話は別ですが。

仮にこの下落トレンドを抜けて原油が上昇を始めた、とします。
原油が上がり、再びインフレが加速する懸念が台頭、金利が上昇することで
株はさらに下落するリスク。
そもそもインフレ抑制が最優先としているバイデン政権にとって
原油高~ガソリン高は中間選挙前に失点が大きすぎる。
まあ、そもそも西側諸国は脱炭素、脱石油を掲げているので
産油国はしったこっちゃない、ってことでもあるんでしょう。

2・ISM非製造業景気指数、雇用が強く金利上昇


今夜の経済指標は雇用系が強かった。

■米ADP雇用統計(9月)+20.8万(予想+20万 前回18.5万←13.2万)
 ~前回分の大幅上昇修正も。金曜の9月分の雇用統計がますます注目。
 
■ISM非製造業景気指数(9月)56.7(予想:56.4 前回:56.9)
総合   56.7(56.9)
事業活動 59.1(60.9)
新規受注 60.6(61.8)
雇用   53.0(50.2)雇用強い。
入荷水準 53.9(54.5)
仕入価格 68.7(71.5)1年半超ぶりの低水準
輸出   65.1(61.9)
輸入   51.3(48.2)

先日発表された製造業のISMの数字が悪く、これがFRBのタカ派姿勢の後退を
期待させたという背景から、サービス業のISMも悪いければ
さらなる金利低下と株高をもたらした可能性もあるのですが、、、
雇用が強いことが明らかに。
FRBのタカ派姿勢を裏付ける内容でした。

この数字が出てから米金利上昇、ドル高となっています。
原油減産=原油高というのも
金利上昇圧力を高めた可能性は否定できませんが。

※米国債利回り一覧
こういうときって上がるの米金利だけじゃないのよね。。。

※主要国長期債利回り一覧
ということで、金利上昇を受けて下落してスタートした米国株ですが
意外と強いですね、切り返しています。

このレベルの金利に耐性がついてきた、、、とは思えませんが
今年だいぶ下げましたのでバリュエーションからは買いたい向きもあるでしょう。
あるいは10月安値を拾って来年春まで持とうというアノマリー的な長期投資。
あるいはやはりFEDの利上げは最終局面にあり市場の関心が
目先の利上げより、いつ何%で金利がピークアウトするかにシフトしているとか。

昨日国連貿易開発会議がFEDはじめ世界の中央銀行の拙速な利上げに
副作用が大きいと警鐘を鳴らしたというニュースもありましたが
市場金利はみるみる上昇して景気を冷やし始めていますね。

■米住宅ローン金利が7週連続上昇、16年ぶり高水準の6.75%
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJA4TNT0AFB401?srnd=cojp-v2

■英国の主要住宅ローン金利が6%超、約14年ぶり高水準
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJA13JT1UM0W01

3・NZ、政策金利0.5%引き上げ決定

ただし、5日のRBNZ(NZ中銀)はきっちり金利を0.5%引き上げました。
これでNZの政策金利は3.5%となりました。(5会合連続利上げ)
11月もさらに0.5%の利上げの実施が見込まれています。

昨日4日のRBA(豪中銀)は
市場予想が0.5%の利上げのところ0.25%の利上げに留めました。
このことが世界の中央銀行による引き締めの終焉が近いことを期待させる
ムードを醸成してしまっていましたが、
NZはインフレ抑制のためにはまだ
手綱を緩めるわけにはいかなかったということですね。

■New Zealand Delivers Fifth Half-Point Hike, Signals More Ahead
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-10-05/rbnz-delivers-fifth-half-point-rate-hike-signals-more-to-come

ポジションですが
ドルカナダ1.3561ドルS コストで損切り(T_T)
ユーロドル0.9840ドルL 悩んでいますが、、、まだ継続。

ドル独歩高修正が終わってしまったのか?
それとも今夜の一時的なドル高なのか、まだ見極めが付きません。
結局ドル高再開、って感じがしないでもないのですが
今夜の株の粘り強さ強さをみていると、他通貨の巻き返しは
まだ続いていくような気も。。。(ポジショントークです💦)
今週末の雇用統計ではっきりするでしょう。

今週の【ひろこのウィークリーゴールド】
貴金属スペシャリスト 池水雄一氏に解説いただきました。
<ドル独り勝ちからの変化&金利上昇の背景>
『雰囲気が変わるゴールド』
https://youtu.be/4FsR7yoqsqc
◆英ポンドとポンド建てゴール◆SGEゴールドのプレミアム

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