2023年1月11日水曜日

 6日㈮12月米雇用統計で米株高に弾みが付きましたが
早速、楽観に水を差す要人発言で9日㈪の米株は上値を抑えられました。
今夜10日はパウエルFRB議長の討論会での発言に注目が集まっていますが
草案に今後の金利動向に言及する部分がなかったとしてやや株が買われています。

とはいえ、今週は12日㈭に米12月CPIの発表を控えていますので
今日明日は小動きで方向感は出ないのだと思われます。
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・FRB要人らからタカ派発言相次ぐ

10日02:39 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「ピーク金利は5%超となる可能性が非常に高い」
「次回FOMCの利上げ幅は0.25%と0.50%の両方が議題になるだろう」

10日05:07 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「4-6月の早期までにFF金利を5%超に引き上げ、その水準を長期に渡り維持するべき」
「FF金利を5-5.25%に引き上げることは正当化される」

~FF金利はまだ上がるぞ、と。
 そしてその金利は長期に高止まりするぞ、というわけですが
この見方に新味はありません。

相変わらず金利先物市場では年内の利下げを織り込んでおり
今年12月時点ではFF金利は5%には乗っていない可能性を見ています。

21年中はインフレは一時的だとして
頑なに緩和を継続したことで、インフレが加熱し
22年3月にようやく利上げを開始したかと思えば
あまりに拙速な利上げを実施しマーケットを混乱させたFRBの見通しなど
信用できるか、というのが市場の本音ということでしょうか。

というわけで為替市場ではドル安がトレンドになりそうなムードですが
12日発表のCPIの数字を受けてセンチメントが一変するリスクはありますので
あまりリスクを取りたくはありませんね。

JPモルガンCEOは金利は6%まで上がる可能性もあると発言しています。

JPモルガンCEO、米金融当局は5%を超えて利上げ続ける必要も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-10/RO9SE1T0G1LE01?srnd=cojp-v2
・政策金利が5%程度まで引き上げられる確率は50%で、
・6%まで引き上げなければならない確率も50%ある

CPI前ドル円、下値が固くなってきたので売りは一旦手仕舞いました。

ドル円133.21円ロング  ➡ 132.16円で買い戻し
豪ドルドル 0.6762ドル 継続
豪ドル円  89.60円ロング 継続

・ユーロ上昇トレンドが明確になるか


昨年ウクライナにロシアが侵攻したことでエネルギー危機に陥り
高インフレに苦しんでいる欧州、電気代高騰などでの経済への悪影響が懸念され
ユーロは22年9月、パリティ割れまで売り込まれました。

米金利のターミナルレートが5%超えくらいに落ち着くだろうという
コンセンサスが醸成されドル金利上昇が限定的となる中、
ドイツ、フランスなどの金利上昇に牽引されユーロは1.073ドルまで
反発しているのですが、どうやらユーロは大底をつけたとの見方が大勢のようです。

ゴールドマン、もはやユーロ圏リセッション見込まず-プラス成長予想
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-10/RO9GXIDWX2PS01
・2023年の域内総生産伸び率を0.6%と予想-従来マイナス0.1%
・ECBは今後数カ月に相当の追加引き締め実施へ-預金金利3.25%に

2022年終盤の経済が予想以上に底堅く、天然ガス価格が大きく下落し、
中国が新型コロナウイルス対策の制限を予想外に早く撤廃したことが
見通し改善につながった、とのこと。

欧州最大の貿易相手国は中国です。

2020年のEUと中国の貿易総額は5860億ユーロ(約75兆6116億円)
同時期のEUと米国の貿易総額は5550億ユーロ(約71兆6117億円)
に減少しています。

つまり昨年の欧州経済はウクライナ、ロシア問題だけでなく
中国のゼロコロナ政策の影響も甚大だったということですが
中国が突然経済活動を再開させたことで、
今年は中国需要が戻るだろうということね。

欧州は22年7月から利上げ開始。
米国は22年3月から利上げを開始していますので利上げ開始が遅かったのですが
市場がすでに米国の年内の利下げを折り込み始めた一方で
欧州はまだこの先も利上げを続けるとの見方が大勢。

ECBシュナーベル理事、金利はさらに大きく着実に上昇する必要
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-10/RO9MEVDWX2PS01
「インフレが自律的に後退することはない」-ストックホルムで発言
金利上昇をグリーン経済への遅れの口実にするのは間違い

というわけで、ユーロ買ってみました。
ユーロ円141.81円
ユーロドル 1.0739ドル 

・銅価格上昇基調強める

世界の景気後退が懸念されているというのに銅価格が勢いよく上がっています。
銅が6カ月半ぶり高値 雇用統計好感、中国の回復期待も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB102CY0Q3A110C2000000/

インドネシアに銅の輸出を禁止する動きがあることも材料か。
インドネシアの輸出量は世界第10位。

インドネシア、銅も輸出禁止へ 今年半ばめど、大統領表明
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023011001068&g=int

ともかく、景気の先行指標とされる銅価格の上昇は無視できません。
意外とリスクオン相場が目前に迫っているかもしれません。

NOTE
ロシアの財政赤字が過去最大に拡大、戦費が財政に打撃-歳入もしぼむ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-10/RO9S5QT0G1KW01

今年はロシア、ウクライナ戦争が突然終わりを迎えるというサプライズに
備えておく必要もありそうです。
その場合はリスクオン相場全開となるのでしょうか・・・?

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