中銀ウィーク、米国、欧州、英国の金融政策揃いました。
■FRB 米中央銀行(FOMC)
・0.25%利上げ ➡ 4.5-4.75%へ
・パウエル議長
「あと2回ほどの利上げを想定している」
「初めてディスインフレへのプロセスが始まった」
今回で利上げ打ち止めではなく、あと2回ほど利上げはある、としながら
「ディスインフレ」という言葉が飛び出してことで
市場はこれをパウエル議長がハト派化した、とポジティブに解釈。
市場は年内利下げの可能性を織り込んだままです。
これがどういう意味か?
今日、岡崎良介氏がわかりやすく教えて下さいました。
FRBが重要視するインフレ指標であるPCEデフレーター。
今回の利上げで政策金利が米国のインフレ率(PCE)を上回った、
ということが、ディスインフレ(インフレ鈍化)プロセスの開始だということ。
【待機資金がリスク資産へと回帰】
FFレートの次の均衡点
[マーケットディーパー]岡崎良介氏
https://www.youtube.com/watch?v=ZiVzmf86rLk
パウエル議長は
「引き締め過ぎは望んでいない」とも発言しており
要するに市場は、FRBがインフレファイターとしての役割を
終えつつあることを好感したということでしょうか。
あと2回の利上げの可能性よりインフレ鈍化に言及したことの方を
マーケットは取り込んだわけで米金利が低下、米株が上昇したということね。
※米国債券利回り一覧 金利はもう上がらない
※米主要株価インデックス SOX,NASDAQ、ラッセル2000など勢いよく上昇懸念されているGAFA決算ですが
昨日のMETAの決算を受けて株価は猛烈に上昇。
※META日足 約10年ぶりの大幅高-事業スリム化構想を好感
10-12月売上高は予想を上回ったとはいえ
3四半期連続減収です、決して褒められた決算内容だったとはいえませんが
レイオフはじめデータセンター設置費を減らすなどコスト削減が評価されてことと
新たに400億ドルの自社株買いも発表したことが好感されたようです。
要するに市場は上がる材料の方に大きく反応しやすいセンチメントで
昨年までの下落に対しての戻りを狙う投資家が多いということでしょう。
リスクを取れなかったのはインフレとFRBのインフレファイト。
しかし、これに終わりが見えてきたことで一気にリスクテイクに動き始めた。
昨年秋口くらいからあらゆる市場が底入れして上昇基調にありました。
WSJのFedウォッチャーニック記者が利上げ幅縮小観測記事を
打ち上げ、直後10月分の米CPIの急低下となった「CPIショック」の頃です。
※例えば香港ハンセン指数DAX(ドイツのインデックス)
インフレのピークアウト観測で、昨年秋にはすでに動き始めていた市場。
今回のFOMCでよりそれが確信に変わったということでしょう。
この点においてはFRBのリバースレポ残高を見ればわかる、と岡崎氏。
このスライドにそれが凝縮されています。
動画でぜひリバースレポ残高の変化が意味するところを理解しておいてください。
https://www.youtube.com/watch?v=ZiVzmf86rLk
そして今夜はユーロとポンドを占うECB理事会、BOEによるMPC。
■ECB 欧州中央銀行理事会
・0.5%利上げ ➡ 2.5%へ(2008年来高水準)
・3月も0.5%利上げの意向示す~以降は状況次第
・ピーク金利についての想定は3.5%未満に低下
・5兆ユーロ(約704兆円)規模に上る債券ポートフォリオの縮小方針も明らかに。
満期償還金の再投資を停止、3-6月に最大で月150億ユーロを圧縮。
■BOE 英中銀理事会(MPC)
・0.5%利上げ ➡ 4.0%へ(2008年以来の高金利水準)
(7対2 テンレイロ、ディングラ利上げ反対)
・21年12月の引き締め開始から10回連続、30年ぶりの急速な利上げ
・今後数カ月の間に政策金利が4.5%前後でピークに達する市場コンセンサスに
BOEは同意している模様(市場は来年の利下げを想定)
・必要ならば対応するとのガイダンスから「強力に」の文言を削除、
利上げサイクルが終わりに近づいている可能性を示唆
・ベイリー総裁、追加利上げ示唆
「賃金と物価のスパイラルが続くと示唆される場合は追加利上げが必要」
GDPは5四半期で1%近く縮小を見込む
~昨年11月時点の8四半期で2.9%縮小見込みより改善
市場の反応がすべてでしょう。
通貨インデックスを見てみますと
ユーロもポンドも下落しています。
利上げしても反落。
このパターンは中銀イベントにつきもののよくある景色です。
利上げ観測時点ですでにユーロもポンドも上昇していたために
事実が出てきたところで利食い売りがでて下落する
典型的な「噂で買って事実で売る」相場ですね。
これは直後の反応としてはありがちですが、
ここからこれがトレンドとなって下がっていくのかどうかが重要。
ユーロはトレンドは崩れておらず、押し目に見えます。
ポンドは上昇トレンドが終わったように見えます。
その心は~と解説したいところですが眠いので、またどこかで。。。
今週は動画で私の当面の為替の見通しをお話する機会があるましたので
そちらをご覧いただけると話は早いです。
ポンドショート狙っていましたので
1.2318ドルでポンドドルを売っています。
ドル円は下落圧力が強いですね。
一連の中銀イベントを受けてドル巻き返し(ドル高)基調ですが
ドル円だけ下落というのは日銀人事もマーケットの材料なのでしょう。
となると、ドル円下落+ドルストレート通貨下落で
クロス円下落圧力が大きくなっている局面。
ポンド円を売ったほうが効率がよかったか、、、。
※ドルストレート通貨:ユーロドル、ポンドドル、豪ドルなど
対ドルでの通貨ペア
※日経平均 27500円でピタリと上値をおさえられています。
、、、これ、上がると困る向きが必死で価格を抑えているとしたら?
来週のSQに注目です。
NOTE
次期日銀総裁人事に世界が注目、予想される金融市場の反応は
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-02/RPFDY4DWX2PT01
・有力候補の雨宮氏なら円安、ややタカ派よりの中曽氏なら円高か
・タカ派の山口氏なら市場は大変動、世界的に利回り上昇も
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